岩手県立一関第二高等学校、通称「関二(せきに)」または「二高(にこう)」は、一関市にある総合学科の高校です。1907年(明治40年)に開校した歴史と伝統のある学校で、2004年に一関農業高等学校と統合し、現在の総合学科高校として新たなスタートを切りました。長い歴史の中で、地域社会に多くの人材を輩出してきました。

総合学科という特性を活かし、生徒一人ひとりの興味や関心、そして将来の夢に合わせた多種多様な学びが選択できるのが、この一関第二高等学校の最大の魅力です。「自分の未来をプロデュース」を合言葉に、普通科目だけでなく、農業や福祉、ビジネスといった専門的な科目まで幅広く学ぶことができます。

この記事では、そんな一関第二高等学校がどんな学校なのか、偏差値や校風、部活動、進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、経験豊富な進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、きっと「二高」の魅力が伝わるはずです。

一関第二高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 岩手県立一関第二高等学校
公立/私立 公立
共学/別学 男女共学
所在地 〒021-0041 岩手県一関市赤荻字野中23-1
代表電話番号 0191-25-2241
公式サイト https://www2.iwate-ed.jp/ic2-h/

一関第二高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで気になるのが、やはり偏差値や難易度ですよね。ここでは、一関第二高等学校のレベル感を具体的にお伝えします。

偏差値

  • 総合学科:46

この偏差値は、岩手県内では中堅レベルに位置します。同じくらいの偏差値の高校としては、一関工業高校や千厩高校、盛岡市立高校などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安としては、オール3程度が一つの基準となりそうですが、あくまで目安です。中学3年間の成績や当日の試験の得点によって総合的に判断されます。

一関第二高等学校を目指す受験生の多くは、私立高校として一関学院高等学校や一関修紅高等学校を併願する傾向があります。岩手県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできませんので、私立高校の受験も視野に入れておくと良いでしょう。

一関第二高等学校に設置されている学科・コース

一関第二高等学校は、普通科や専門学科といった枠にとらわれない「総合学科」の高校です。 1年次では、全員が「産業社会と人間」という科目を学び、自分の興味・関心や将来の進路についてじっくり考えます。 そして2年次から、自分の目標に合わせて以下の5つの「系列」に分かれて学習を進めていきます。

  • 人文系列

    文系の大学や短期大学、専門学校への進学を目指す生徒におすすめです。国語や地理歴史、英語などの科目を重点的に学び、読解力や表現力を養います。

  • 自然系列

    理系の大学や看護・医療系の専門学校への進学を目指す生徒におすすめです。数学や理科の科目を深く学び、科学的な思考力や探究力を身につけます。

  • ビジネス系列

    商業系の専門学校への進学や、地元企業への就職を目指す生徒におすすめです。簿記や情報処理などの専門科目を学び、ビジネス社会で役立つ資格取得を目指します。

  • 環境・生活系列

    農業や家庭科に関心があり、関連する大学や専門学校への進学、または就職を目指す生徒におすすめです。旧一関農業高校から引き継いだ農場での実習などを通して、実践的な知識と技術を学びます。

  • 福祉系列

    介護や福祉の分野に興味があり、福祉系の大学や専門学校への進学、または介護福祉士を目指す生徒におすすめです。専門的な知識や技術を学び、実習を通して思いやりの心を育みます。

このように、一関第二高等学校では、自分の「好き」や「なりたい」に合わせて、自分だけの時間割を作ることができるのが大きな特長です。

一関第二高等学校の特色・校風

学校生活を送る上で、校風や日々のルールはとても重要です。ここでは、口コミなどを参考に、一関第二高等学校のリアルな姿に迫ります。

校風

校訓に「自主の心」「意志の力」「創造の意欲」を掲げており、生徒の主体性を尊重する雰囲気があるようです。 口コミでは「良くも悪くも普通の高校」「全てにおいてピンキリ」といった声が見られ、良くも悪くも生徒の自主性に任されている部分が大きいのかもしれません。

宿題・校則など

  • 宿題の量:系列や選択科目によって差があるようですが、特に多いという声はあまり聞かれません。自分で学習計画を立てて進めることが求められます。

  • 校則:全体的には「厳しめに見えて案外緩い」という意見がある一方で、服装などに関しては厳しいと感じる生徒もいるようです。 Yシャツの下に着るTシャツは白、靴下は白、制服の改造は禁止といった規定があります。

  • スマホ:持ち込みは許可されていますが、校内での使用は原則として禁止されているようです。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情などにより許可を得て行っている生徒もいるようです。

  • 制服:男子は一般的な学ラン、女子はブレザーです。制服に関する評判は様々ですが、特に個性的というわけではなく、落ち着いたデザインのようです。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

生徒の雰囲気

総合学科ということもあり、大学進学を目指して熱心に勉強する生徒から、専門的な知識や技術の習得に励む生徒、部活動に打ち込む生徒まで、様々なタイプの生徒が在籍しています。活発な生徒もいれば、落ち着いた生徒もおり、多様な価値観に触れることができる環境と言えるでしょう。

一関第二高等学校の部活動・イベント

高校生活を彩る部活動やイベント。一関第二高等学校には、どんな楽しみが待っているのでしょうか。

部活動

運動部、文化部ともに種類が豊富で、多くの生徒が部活動に加入し、活気にあふれています。

  • フェンシング部:県内屈指の強豪として知られ、インターハイにも出場する実績を持っています。 高校からフェンシングを始める生徒も多く、全国の舞台を目指せる環境が整っています。

  • 太鼓道場部:県南地区では唯一の和太鼓を演奏する部活動です。 地域のイベントやお祭りで演奏を披露することも多く、迫力あるパフォーマンスが人気を集めています。

  • 演劇部:東北大会で優秀な成績を収め、全国大会に出場した経験もある実力派です。

  • その他:陸上競技部や野球部、サッカー部などの運動部のほか、吹奏楽部や音楽部(合唱)、美術部といった文化部も活発に活動しています。

イベント

生徒が主体となって作り上げるイベントは、学校生活の大きな思い出になります。

  • 二高祭(文化祭):毎年8月末に開催される最大のイベントです。 クラスごとの模擬店や展示、文化部によるステージ発表などで大変盛り上がります。 一般公開もされており、多くの地域住民で賑わいます。

  • 体育祭:クラス対抗で様々な競技に熱中し、クラスの団結力が深まる一日です。

  • 修学旅行:関西方面などを訪れ、歴史や文化を学びながら友人との絆を深めます。

一関第二高等学校の進学実績

総合学科である一関第二高等学校は、生徒の進路も多岐にわたります。大学進学から専門学校、就職まで、幅広い選択肢に対応できるのが強みです。

主な進学先

  • 国公立大学:岩手大学、岩手県立大学など、地元の国公立大学への進学実績があります。

  • 私立大学:東北学院大学、東北福祉大学、石巻専修大学など、東北地方の私立大学への進学者が多いようです。系列によっては、幼児教育系の短期大学などを目指す生徒もいます。

  • 専門学校:看護・医療系、公務員、情報ビジネス、調理、美容など、自分の興味や目標に合わせた専門学校へ進学する生徒が多数います。

  • 就職:地元企業を中心に、製造業や販売、サービス業などへ就職する生徒もいます。公務員を目指す生徒もいます。

進路サポート

1年次から「産業社会と人間」の授業を通してキャリア教育を徹底しているほか、大学の出前講座やインターンシップ、地域産業講座などを積極的に実施し、生徒が自分の将来を具体的に描けるようなサポート体制を整えています。

一関第二高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、一関第二高等学校ならではの魅力を5つのポイントにまとめました。

  1. 自分だけの学びをデザインできる「総合学科」

    最大の特長は、やはり総合学科であることです。 5つの系列から自分の興味や進路に合わせて科目を選択し、自分だけの時間割を作ることができます。将来の夢がまだ決まっていない人も、1年次にじっくり自分と向き合う時間があるため安心です。

  2. 特色あふれるユニークな部活動

    全国レベルで活躍するフェンシング部や、地域に根ざした活動を行う太鼓道場部など、他ではなかなか経験できない部活動があるのは大きな魅力です。 高校生活で何かに打ち込みたい生徒にとって、素晴らしい環境が用意されています。

  3. 地域と連携した実践的なキャリア教育

    「産業社会と人間」の授業をはじめ、地域の企業や大学、自治体と連携した学習プログラムが充実しています。 社会とのつながりを意識しながら学ぶことで、将来、地域社会に貢献できる力が育まれます。

  4. 農業や福祉の専門的な学びも可能

    旧一関農業高校との統合により、校内に農場(清水農場)を所有しており、本格的な農業実習が可能です。 また、福祉系列では介護の専門知識を学ぶことができ、多様な進路希望に応えています。

  5. 伝統と革新が共存する校風

    100年以上の歴史を持つ伝統校であると同時に、総合学科という新しい教育システムを取り入れた革新的な側面も持ち合わせています。 落ち着いた環境の中で、新しいチャレンジができる学校です。

一関第二高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、様々な声が寄せられています。良い点と気になる点を公平に見ていきましょう。

良い点

  • 「総合学科なので、自分のやりたいことを見つけやすい」

  • 「部活動がとても盛んで、特にフェンシング部や太鼓道場部はすごい」

  • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」

  • 「色々なタイプの生徒がいるので、視野が広がる」

  • 「二高祭などの行事が楽しく、クラスの団結力が強い」

気になる点

  • 「駅から遠く、バスか自転車での通学になるので少し不便」

  • 「校舎や体育館などの施設が少し古いと感じる部分がある」

  • 「校則が少し厳しいと感じることがある」

  • 「良くも悪くも生徒の自主性に任されているので、自分から行動しないと何も始まらない」

アクセス・通学

一関第二高等学校へのアクセス方法です。

  • 鉄道:JR「一ノ関駅」西口から徒歩約35分

  • バス:岩手県交通バス「一関二高前」バス停下車すぐ

一ノ関駅から距離があるため、多くの生徒がバスや自転車を利用して通学しています。通学エリアは一関市内が中心ですが、近隣の市町村から通う生徒もいます。

一関第二高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでいただき、一関第二高等学校の魅力は伝わりましたか?最後に、進学アドバイザーとして、受験生の皆さんへ応援メッセージを送ります。

一関第二高等学校は、「将来の夢はまだ決まっていないけど、高校生活で何かを見つけたい」と考えている人に特におすすめの学校です。総合学科という環境を最大限に活かせば、あなたの可能性は無限に広がります。また、「高校では部活動に熱中したい!」という人にとっても、特色ある部活動があなたの挑戦を待っています。

受験勉強においては、まず中学校の基礎・基本を徹底的に固めることが大切です。特に岩手県の公立高校入試では、5教科のバランスの取れた学力が求められます。苦手科目をなくすことを意識して、日々の学習に取り組みましょう。一関第二高等学校の学校説明会や二高祭に足を運んで、ぜひ自分の目で学校の雰囲気を感じてみてください。あなたの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。