兵庫県立伊丹高等学校は、1902年(明治35年)に創立された歴史と伝統のある男女共学の高等学校です。 通称「県高(けんこう)」や「県伊(けんいた)」として親しまれ、伊丹市だけでなく、近隣の市からも多くの生徒が通っています。120年以上の歴史の中で、社会の様々な分野で活躍する卒業生を多数輩出してきました。

県立伊丹高等学校は、校訓である「誠実」「克己」「忠恕」の「3つの心」を育むことを教育目標に掲げています。 生徒一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出し、これからの社会を切り拓くことのできる人材の育成を目指しています。 75分授業の導入や、特色ある教育活動を通じて、生徒の学力向上と豊かな人間性の育成を両立させているのが、県立伊丹高等学校の大きな魅力です。

この記事では、そんな県立伊丹高等学校について、偏差値や難易度、学校生活の様子、部活動、進学実績など、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を通して、県立伊丹高等学校の魅力が少しでも伝われば幸いです。

兵庫県立伊丹高等学校の基本情報

以下に、兵庫県立伊丹高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 兵庫県立伊丹高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒664-0012 兵庫県伊丹市緑ケ丘7丁目31番1
代表電話番号 072-782-2065
公式サイトURL https://dmzcms.hyogo-c.ed.jp/kenita-hs/NC3/

兵庫県立伊丹高等学校の偏差値・難易度・併願校

兵庫県立伊丹高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は重要なポイントになります。ここでは、最新のデータに基づいて詳しく見ていきましょう。

偏差値・難易度

県立伊丹高等学校の偏差値は、学科・コースによって異なります。

  • 普通科: 56

  • GLiS類型(特色選抜): 偏差値の具体的な数値は公表されていませんが、普通科よりもやや高い難易度とされています。

偏差値56は、兵庫県内の公立高校の中では中堅上位に位置します。合格のためには、中学校での内申点は5段階評価で平均4程度、オール4に近い成績が目安となるでしょう。

同じくらいの偏差値の高校としては、尼崎稲園高等学校(単位制)や川西緑台高等学校などが挙げられます。これらの高校と比較検討することで、県立伊丹高等学校の難易度をより具体的にイメージできるでしょう。

主な併願校

兵庫県の公立高校入試では、複数の公立高校を志願できる「複数志願選抜」が採用されていますが、第1志望で県立伊丹高等学校を受験する場合、併願校は私立高校から選ぶのが一般的です。

主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 仁川学院高等学校

  • 雲雀丘学園高等学校

  • 報徳学園高等学校

  • 園田学園高等学校

  • 関西大学第一高等学校

これらの私立高校は、それぞれ特色ある教育を行っているため、自分の学力や興味に合わせて併願校を選ぶことが大切です。

兵庫県立伊丹高等学校に設置されている学科・コース

県立伊丹高等学校には、普通科とその中に特色ある「GLiS類型」が設置されています。それぞれの学びの特色を理解し、自分に合った進路選択をしましょう。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:2年生から文系・理系に分かれ、それぞれの進路希望に応じた幅広い科目を選択できます。基礎学力の定着を図りながら、応用力を養うことを目指します。

    • どんな生徒におすすめか:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、文武両道で充実した高校生活を送りたい生徒におすすめです。

  • GLiS(グリス)類型

    • どんなことを学ぶ場所か:正式名称は “Global Leader in Science”。文理融合型の学びを展開し、社会科学と自然科学の両方の分野を探究します。 課題発見能力や問題解決能力、他者との協働力を育成することに重点を置いています。

    • どんな生徒におすすめか:探究活動に興味があり、主体的に学ぶ意欲の高い生徒や、将来、地域や国際社会でリーダーとして活躍したいという志を持つ生徒におすすめです。

兵庫県立伊丹高等学校の特色・校風

県立伊丹高等学校は、「自由闊達」と「文武両道」をキーワードに、生徒の自主性を重んじる校風が特徴です。ここでは、学校生活のリアルな様子を口コミや評判を基に紹介します。

  • 校風・生徒の雰囲気

    生徒たちは全体的に落ち着いており、真面目に学習に取り組む雰囲気がある一方で、行事や部活動には全力で打ち込む活発さも持ち合わせています。自由な校風の中で、生徒一人ひとりがのびのびと学校生活を送っているという声が多いようです。

  • 校則

    他の高校と比較して、校則は緩やかだと言われています。

    • 服装: 1972年に制服が自由化されており、普段は私服での登校が可能です。 ただし、式典などの際には「規準服」と呼ばれる指定の服装を着用する必要があります。

    • 頭髪: パーマや染色は禁止されています。

    • スマホ: 校内での使用は原則禁止されており、持ち込む場合は電源を切って管理する必要があります。

    • アルバイト: 原則として禁止されていますが、特別な事情がある場合は学校に相談することで許可される場合もあります。

  • 学習面

    • 宿題の量: 宿題の量は「多い」と感じる生徒が多いようです。特に、長期休暇中の課題は計画的に進める必要があります。

    • 土曜授業: 土曜授業は基本的にありませんが、模試などが実施されることがあります。

  • 制服

    前述の通り私服登校が可能ですが、式典などで着用する規準服があります。男子はブレザーとスラックス、女子はブレザーとスカートまたはスラックスで、落ち着いたデザインが特徴です。

兵庫県立伊丹高等学校の部活動・イベント

部活動

県立伊丹高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの生徒が加入し、文武両道を実践しています。運動部、文化部ともに充実しており、活気にあふれています。

  • 運動部

    サッカー部、ラグビー部、なぎなた部などが強豪として知られています。特に、なぎなた部は全国大会に出場するなどの実績を誇ります。 野球部も真面目に練習に取り組む生徒が多く、良い雰囲気で活動していると評判です。

  • 文化部

    文化部の中でも特に有名なのが放送部です。 NHK杯全国高校放送コンテストの常連校であり、全国大会で優秀な成績を収めています。 アナウンスや番組制作など、本格的な活動に取り組むことができます。その他、コーラス部やフォークソング部なども活発に活動しています。

イベント

県立伊丹高等学校では、生徒が主体となって作り上げる多彩なイベントが年間を通して開催され、学校生活を彩ります。

  • 県伊祭(けんいさい)

    毎年6月に行われる文化祭は「県伊祭」と呼ばれ、県立伊丹高等学校で最も盛り上がるイベントの一つです。 特に、1日目に行われる3年生のクラス対抗演劇「ヤングフェスティバル(通称:ヤンフェス)」は圧巻です。 各クラスが数ヶ月かけて準備した演劇は非常にレベルが高く、毎年大きな感動を呼びます。2日目は一般公開され、模擬店や展示、ステージ発表などで賑わいます。

  • 体育祭

    体育祭も生徒たちの熱気に包まれる大きなイベントです。クラスごとにオリジナルのTシャツを作成し、団結して競技に臨みます。

  • 修学旅行

    修学旅行の行き先は年によって異なりますが、最近では台湾などを訪れることが多いようです。 海外の文化に触れる貴重な機会となっています。

兵庫県立伊丹高等学校の進学実績

県立伊丹高等学校は、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しており、進学校として高い評価を得ています。生徒一人ひとりの進路希望を実現するための手厚いサポート体制も魅力です。

主な大学進学実績(2023年度〜2025年度の集計)

  • 国公立大学

    • 神戸大学: 13名

    • 大阪大学: 4名

    • 兵庫県立大学: 33名

    • 大阪公立大学: 15名

    • その他、北海道大学、筑波大学、東京外国語大学などにも合格者を出しています。

  • 難関私立大学(関関同立など)

    • 関西大学: 330名

    • 関西学院大学: 348名

    • 同志社大学: 78名

    • 立命館大学: 106名

    • 近畿大学: 559名

    • 甲南大学: 163名

進路サポート

県立伊丹高等学校では、生徒の進路実現をサポートするために、夏休みなどの長期休暇中に補習や講習を実施しています。また、75分授業を導入することで、授業内容の深い理解を促し、演習時間を確保するなど、日々の授業から大学受験を意識した指導が行われています。

兵庫県立伊丹高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、県立伊丹高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 文理融合の探究活動「GLiS類型」

    普通科の中に設置された「GLiS類型」では、社会科学と自然科学の両面から課題を探究する文理融合型の学びを実践しています。 プレゼンテーション能力や協働力を養い、未来のグローバルリーダーを育成します。

  • 120年以上の歴史と伝統

    1902年の創立以来、長い歴史の中で培われてきた伝統と、多くの卒業生とのネットワークは、県立伊丹高等学校の大きな財産です。

  • 自由な校風と私服登校

    生徒の自主性を尊重する自由な校風が特徴で、普段は私服で通学できます。 のびのびとした環境で高校生活を送りたい生徒に最適です。

  • 活発な部活動

    全国レベルで活躍する放送部やなぎなた部をはじめ、多くの部活動が盛んに活動しており、文武両道を高いレベルで実現できる環境です。

  • 学校全体が熱狂する「県伊祭」

    文化祭である「県伊祭」、特に3年生のクラス劇「ヤングフェスティバル」は、生徒たちの情熱と団結力が結集する一大イベントで、一生の思い出になることでしょう。

  • 集中できる75分授業

    1コマ75分という長めの授業時間を設定することで、じっくりと学習内容に取り組むことができ、深い理解と思考力の育成につながります。

  • 充実した進路指導と高い進学実績

    国公立大学や難関私立大学への高い進学実績が、手厚い進路指導とサポート体制の質の高さを物語っています。

兵庫県立伊丹高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられた県立伊丹高等学校に関する様々な声を紹介します。良い点だけでなく、気になる点も公平にまとめるので、学校選びの参考にしてください。

良い点

  • 自由な校風: 「私服登校ができるなど、校則が比較的緩やかで過ごしやすい」「生徒の自主性を尊重してくれる」といった、自由な校風を評価する声が多数あります。

  • 行事が楽しい: 「文化祭(県伊祭)は本当に盛り上がる」「クラス一丸となって取り組むヤンフェスは最高の思い出」など、学校行事の楽しさを挙げる口コミが非常に多いです。

  • 文武両道: 「勉強も部活も頑張りたい人にはぴったりの環境」「高いレベルで両立している生徒が多く、刺激になる」という声があります。

  • 友達関係: 「良い友達に恵まれた」「みんなで協力する雰囲気がある」など、良好な人間関係を築きやすいという評判です。

気になる点

  • 交通の便: 「最寄り駅から少し歩く」「坂道や階段があるのが大変」といった、アクセスの不便さを指摘する声が見られます。

  • 施設の古さ: 「校舎が少し古い部分がある」という意見もありますが、学習環境に大きな支障はないようです。

  • 先生について: 「熱心に指導してくれる先生が多い」という声がある一方で、「先生によって指導の差がある」と感じる生徒もいるようです。

  • 課題の量: 「宿題や課題が多くて大変」という声は、学習に力を入れている学校ならではの意見と言えるかもしれません。

アクセス・通学

県立伊丹高等学校へのアクセス方法と、通学している生徒のエリアについて説明します。

最寄り駅からのアクセス

  • **JR福知山線「北伊丹駅」**から西へ徒歩約15分(途中に約60段の階段があります)

  • **JR「伊丹駅」・阪急「伊丹駅」**から伊丹市営バスまたは阪急バスを利用

    • 伊丹市営バス「県高前」バス停下車、徒歩約3分

    • 伊丹市営バス・阪急バス「総監部前」バス停下車、東へ徒歩約6分

  • **阪急「川西能勢口駅」**方面から阪急バスを利用

    • 「県立高校前」バス停下車、徒歩約3分

    • 「総監部前」バス停下車、東へ徒歩約6分

通学エリア

伊丹市内に在住の生徒が最も多いですが、隣接する尼崎市、川西市、宝塚市、西宮市などからも多くの生徒が通学しています。JR線と阪急線が利用できるため、比較的広い範囲から通いやすい立地と言えます。

兵庫県立伊丹高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

歴史と伝統に育まれた自由な校風の中で、勉強にも部活動にも、そして学校行事にも全力で打ち込みたい。県立伊丹高等学校は、そんな熱意あふれるあなたにぴったりの学校です。特に、仲間と協力して何かを成し遂げることに喜びを感じる人、自主性を大切にしながら自分の可能性を広げたい人には、最高の3年間が待っていることでしょう。

県立伊丹高等学校の入試では、中学校3年間の内申点と当日の学力検査の合計点で合否が決まります。まずは、日々の授業を大切にし、定期テストで着実に点数を取ること、そして提出物をきちんと出すことを心がけ、安定した内申点を確保することが合格への第一歩です。その上で、苦手科目をなくし、得意科目をさらに伸ばすための受験勉強に計画的に取り組みましょう。特に、探究活動に力を入れるGLiS類型を目指す人は、物事を多角的に捉える力や自分の考えを表現する力を意識して養うと良いでしょう。

あなたの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。