島根県立出雲工業高等学校は、ものづくりのスペシャリストを目指す生徒にとって、非常に魅力的な選択肢となる専門高校です。長い歴史の中で、地域産業の発展に貢献する多くの優れた技術者を育成してきました。出雲工業高等学校では、充実した施設・設備の中で、基礎基本から最先端の技術までを深く学ぶことができます。

この学校の最大の特長は、なんといってもその高い専門性にあります。機械科、建築科、電気科、電子機械科という特色ある4つの学科が設置されており、それぞれの分野で即戦力となる人材を育てるためのカリキュラムが組まれています。資格取得にも非常に力を入れており、在学中に多くの国家資格や検定に挑戦できる環境が整っています。

この記事では、そんな出雲工業高等学校について、偏差値や難易度、設置されている学科の詳細、学校生活の様子、部活動や進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。あなたの未来を切り拓くための大切な高校選びの参考に、ぜひ最後までご覧ください。

出雲工業高等学校の基本情報

出雲工業高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 島根県立出雲工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒693-0022 島根県出雲市上塩冶町420番地
代表電話番号 0853-21-3131
公式サイトURL http://www.izumo-th.ed.jp/

出雲工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

出雲工業高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は重要な指標となります。専門的な知識と技術を学ぶ工業高校として、自分の興味や学力に合っているかを確認しましょう。

学科ごとの偏差値の目安は以下の通りです。

  • 機械科:41-43

  • 建築科:41-43

  • 電気科:41-43

  • 電子機械科:41-43

偏差値は41から43程度とされています。 同じくらいの偏差値の高校としては、松江商業高等学校(商業科)、出雲農林高等学校(農業科)、江津工業高等学校(工業科)などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3程度が一つの基準となるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、入学試験当日の得点も重要になります。

島根県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、出雲工業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、出雲西高等学校、出雲北陵高等学校、松江西高等学校などが考えられます。これらの私立高校は、それぞれ特色ある教育を行っているため、万が一の場合に備えて、自分に合った学校をしっかりと調べておくことが大切です。

出雲工業高等学校に設置されている学科・コース

出雲工業高等学校には、社会の基盤を支える専門技術者を育成するための4つの魅力的な学科が設置されています。 それぞれの学科で学べる内容や、どんな生徒におすすめかを紹介します。

  • 機械科

    • どんなことを学ぶ場所か:機械の設計・製作から制御まで、ものづくりの基本となる知識と技術を幅広く学びます。最新の工作機械を使った実習も豊富です。

    • どんな生徒におすすめか:自動車やロボットなど、動く機械の仕組みに興味がある人や、自分の手で何かを作り出すのが好きな人におすすめです。

  • 建築科

    • どんなことを学ぶ場所か:快適で安全な建物を造るための設計(デザイン)や施工(工事)に関する専門知識を学びます。CAD(コンピュータによる設計支援ツール)の操作や模型製作も行います。

    • どんな生徒におすすめか:家やビルなどの建物に興味がある人、デザインやインテリアを考えるのが好きな人、将来大きなものづくりに携わりたい人に向いています。

  • 電気科

    • どんなことを学ぶ場所か:私たちの生活に欠かせない電気について、発電・送電から家庭で使われる電気製品まで、幅広い知識と技術を学びます。電気工事士などの国家資格取得にも力を入れています。

    • どんな生徒におすすめか:電気の仕組みやエネルギー問題に関心がある人、電気工事や電子工作が好きな人におすすめです。

  • 電子機械科

    • どんなことを学ぶ場所か:機械、電気・電子、情報を組み合わせた「メカトロニクス」技術を学びます。ロボットの制御やプログラミングなど、最先端の技術に触れることができます。

    • どんな生徒におすすめか:ロボットやコンピュータ制御に興味がある人、機械と電気の両方を学びたいという探究心旺盛な人に向いています。

これらの学科は、3年間クラス替えがないことが多く、同じ目標を持つ仲間と深く学び合える環境が整っているようです。

出雲工業高等学校の特色・校風

出雲工業高等学校は、「ものづくりのスペシャリスト育成」を教育の柱としており、専門性を高め、資格取得に熱心で、地域社会に貢献する人材を育てる校風があります。

生徒たちの学校生活に関わる具体的な点については、以下のような口コミや評判が見られます。

  • 校風・生徒の雰囲気:「誠実」「進取」「勤勉」を校訓に掲げており、真面目で落ち着いた雰囲気の中で学習に取り組む生徒が多いようです。 ものづくりが好きな生徒が集まっているため、共通の話題で盛り上がれる仲間を見つけやすいという声もあります。

  • 校則:校則は、他の高校と比較して標準的か、やや厳しいと感じる生徒もいるようです。特に、頭髪や服装に関する指導は定期的に行われる傾向があります。スマートフォンの使用については、校内でのルールが定められており、授業中の使用は禁止されています。

  • 宿題・課題:専門教科では、レポートや製図などの課題が出されることが多く、一般的な普通高校とは異なる種類の課題があります。量は学科や学年によって異なりますが、計画的に進めることが求められます。

  • アルバイト:長期休み中のアルバイトは許可制となっている場合が多いようです。 学業との両立が前提となりますので、希望する場合は学校に確認が必要です。

  • 制服:男子は一般的な黒の学ラン、女子はブレザーです。制服に関する評判は様々ですが、伝統的なスタイルと言えるでしょう。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありませんが、資格取得のための補習や部活動の練習などが行われることがあります。

全体的に、将来の目標をしっかりと持ち、専門技術の習得に意欲的な生徒にとっては、非常に充実した学校生活が送れる環境であると言えます。

出雲工業高等学校の部活動・イベント

出雲工業高等学校では、学習だけでなく、部活動や学校行事も非常に盛んで、高校生活を彩る多くの機会が用意されています。

部活動

部活動は非常に活発で、多くの部が全国大会に出場するなど輝かしい実績を誇っています。 運動部、文化部、工業系部活動とバランス良く設置されており、生徒の加入率も高い傾向にあります。

  • 運動部:特に、自転車競技部、アーチェリー部、弓道部、空手道部などは全国レベルで活躍しています。 レスリング部も伝統的に強豪として知られています。その他、野球部、サッカー部、バスケットボール部など、多くの運動部が日々の練習に励んでいます。

  • 文化系・工業系部活動:文化部の中でも特に有名なのが放送部です。 NHK杯全国高校放送コンテストや全国高等学校総合文化祭などで、ビデオメッセージ部門や朗読部門で優秀な成績を収めており、その実力は全国トップクラスです。 また、工業高校ならではの「ものづくり研究部」があり、機械、建築、電気、電子機械の各分野で、ロボットコンテストや各種ものづくりコンテストに挑戦し、素晴らしい成果を上げています。

イベント

出雲工業高等学校の年間行事は、生徒たちの手で作り上げられるものが多く、クラスや学科の団結力を高める絶好の機会となっています。

  • 工雲祭(こううんさい):毎年秋に開催される文化祭と体育祭を合わせた学校最大のイベントです。 文化祭では、各クラスや部活動、学科による展示や模擬店が出され、工業高校ならではの専門的な作品展示や実演は大きな見どころです。 近隣の保育園児を招待するなど、地域との交流も大切にしています。

  • 体育祭:文化祭に続いて出雲ドームを会場に行われることが多いようです。 学科対抗で行われるため、応援にも熱が入り、学校全体が一体となって盛り上がります。

  • 球技大会:夏と冬の年2回、期末試験後に行われることが多く、バレーボールやバスケットボールなどの種目でクラス対抗の熱戦が繰り広げられます。

  • 修学旅行:行き先は年度によって異なりますが、生徒たちにとっては高校生活の大きな思い出の一つとなっています。

  • 企業見学:各学年で県内・県外の企業を見学する機会が設けられており、将来の進路を考える上で貴重な体験となっています。

これらの行事を通じて、専門知識の習得だけでなく、社会性や協調性を育むことも重視されています。

出雲工業高等学校の進学実績

出雲工業高等学校の卒業生の進路は、就職と進学が大きな二つの柱となっています。学校で身につけた専門知識と技術は、社会の様々な分野で高く評価されています。

  • 就職

    卒業生の約7割が就職を選択しており、その就職内定率は毎年100%を誇ります。 地元島根県内の優良企業への就職が7〜8割を占め、地域産業の発展に大きく貢献しています。 求人倍率も非常に高く、生徒一人ひとりに対して多くの企業から求人が寄せられるため、選択肢が豊富にあるのが強みです。大手企業や県外の有名企業に就職する生徒も少なくありません。

  • 進学

    一方で、約3割の生徒は大学や専門学校へ進学し、さらに専門性を高める道を選んでいます。 近年、進学者の割合は増加傾向にあるようです。

    • 国公立大学:島根大学、鳥取大学、岡山大学など、中国地方の国公立大学への進学実績があります。

    • 私立大学:広島工業大学、岡山理科大学、金沢工業大学など、工業系の学部に強みを持つ大学への進学者が多い傾向があります。

    • 専門学校・その他:高等専門学校(高専)への編入や、より実践的な技術を学ぶための専門学校へ進学する生徒もいます。

学校としても、進学希望者向けの補習や個別指導など、学習サポート体制を整えています。就職にも進学にも強いのが、出雲工業高等学校の大きな魅力と言えるでしょう。

出雲工業高等学校の特長・アピールポイント

出雲工業高等学校には、他の高校にはない独自の強みや魅力的な取り組みが数多くあります。ここでは、その特長的なアピールポイントをいくつかご紹介します。

  • 圧倒的な就職実績と高い求人倍率

    毎年、就職内定率100%を達成しており、地元島根の優良企業をはじめ、全国の大手企業からも多くの求人が寄せられます。 これは、卒業生が各業界で真面目に活躍し、学校への信頼が厚いことの証です。

  • 豊富な資格取得サポート体制

    在学中に国家資格をはじめとする多くの資格取得に挑戦できる環境が整っています。 第一種・第二種電気工事士、危険物取扱者、ガス溶接技能士、2級建築施工管理技士など、将来のキャリアに直結する資格を取得できるよう、手厚いサポートが行われています。

  • 充実した最新の専門設備

    5軸マシニングセンタやVR溶接機、レーザー基板加工機、ドローンなど、産業界の最先端で使われているような最新の設備が導入されています。 これにより、実践的で高度な技術を学校で学ぶことが可能です。

  • 全国レベルで活躍する部活動

    放送部が全国大会で優秀賞を受賞するなど、文化部の活躍が目覚ましいです。 また、自転車競技部やアーチェリー部、ものづくり研究部なども全国の舞台で輝かしい成績を収めており、文武両道を実現できる環境です。

  • 地域社会との深い連携

    近隣の保育園との交流や、地域のイベントへのボランティア参加、企業との連携によるインターンシップなど、学校内にとどまらない幅広い活動を通じて、社会性を育む機会が豊富にあります。

  • 「ものづくり」に特化した探究活動

    ロボットコンテストやものづくりコンテストへの参加を積極的に奨励しており、生徒たちは日々の学習の成果を試す場として、仲間と協力しながら主体的に課題解決に取り組んでいます。

  • 卒業生の強いネットワーク

    「工雲会」という同窓会組織があり、社会の様々な分野で活躍する卒業生との強いつながりがあります。 このネットワークは、将来のキャリアを築く上で大きな財産となります。

出雲工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

出雲工業高等学校について、在校生や卒業生からは様々な声が寄せられています。ここでは、ポジティブな口コミと、少し気になる点として挙げられる口コミを公平に紹介します。

  • 良い点

    • 「就職に非常に強い」:最も多く聞かれるのが、就職に関する評価の高さです。「先生方のサポートが手厚く、希望する企業に入りやすい」「求人が多く、選択肢が豊富」といった声が多数あります。

    • 「専門的な知識と技術が身につく」:「将来役立つ資格がたくさん取れるのが魅力」「実習が多く、実践的なスキルが身につく」など、専門高校ならではの学びの環境を評価する声が多いです。

    • 「同じ目標を持つ仲間と出会える」:「ものづくりが好きな人が集まっているので話が合う」「3年間クラスが変わらないので、団結力が強い」といった、友人関係の良さを挙げる口コミも見られます。

    • 「先生が熱心に指導してくれる」:「分からないことがあっても、先生が親身になって教えてくれる」「資格取得のために補習などを開いてくれる」など、教員のサポート体制を評価する声があります。

  • 気になる点

    • 「校則が少し厳しいと感じる」:「頭髪や服装のチェックが厳しい」という意見が一部で見られます。社会に出るための準備として規律を重んじる校風があるようです。

    • 「施設・設備に古い部分もある」:最新の設備が導入されている一方で、校舎全体としては歴史があるため、「少し古いと感じる場所もある」という声もあります。

    • 「男女比に偏りがある」:工業高校という特性上、学科によっては男子生徒の割合が非常に高いです。 そのため、「女子生徒が少ない」ことを気にする意見もあります。

    • 「普通科目に物足りなさを感じる可能性」:専門科目の授業が中心となるため、「大学進学で普通科目を重視する場合には、自分で補う努力が必要」という声もあります。

これらの口コミは、個人の主観に基づくものですが、出雲工業高等学校の多面的な姿を理解する上で参考になるでしょう。

アクセス・通学

出雲工業高等学校への通学方法や、どのエリアから生徒が通っているかについてまとめました。

  • 所在地

    • 〒693-0022 島根県出雲市上塩冶町420番地

  • 最寄り駅からのアクセス

    • JR山陰本線「出雲市駅」から徒歩約23分

    • 一畑電車「電鉄出雲市駅」から徒歩約23分

    • 一畑電車「出雲科学館パークタウン前駅」から徒歩約26分

    駅から学校までは少し距離があるため、自転車を利用する生徒も多いようです。

  • バスでのアクセス

    • 出雲市駅からバスを利用する方法もあります。最新の路線や時刻表は、バス会社の公式サイトで確認してください。

  • 主な通学エリア

    出雲市内の生徒が最も多いですが、その専門性の高さから、松江市、雲南市、大田市など、より広い範囲から通学している生徒もいます。遠方の生徒のために「青雲寮」という学生寮も完備されています。

出雲工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

出雲工業高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。

この学校は、「ものづくりが大好きだ」「将来、社会の役に立つ専門的な技術を身につけたい」という強い意志を持つ君に、最高の学びの場を提供してくれるでしょう。出雲工業高等学校の最大の魅力は、自分の手で未来を創り出す力を養えることです。ロボットを動かしたり、建物を設計したり、電気を操ったり…、中学校では体験できなかった、より深く、より実践的な学びにきっと胸が躍るはずです。

受験勉強においては、まず中学校での基礎学力をしっかりと固めることが大切です。特に、工業の学習の土台となる「数学」と「理科」には力を入れておきましょう。計算力や物理現象への理解は、入学後の専門科目の学習で必ず役立ちます。また、面接や推薦入試では、「なぜこの学校で学びたいのか」「将来どんな技術者になりたいのか」という君自身の熱意や目標が問われます。学校のオープンスクールや体験入学には積極的に参加し、出雲工業高等学校の魅力を肌で感じ、自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。