名古屋工業高等学校は、100年以上の歴史を誇る私立の男子工業高校です。これまで3万7千人以上の卒業生を産業界に送り出してきた実績があり、特に「就職の名工」として高い評価を得ています。 専門的な知識と技術を身につけるための5つの学科が設置されており、それぞれの分野で即戦力となる人材の育成を目指しています。

ものづくりやテクノロジーに興味がある中学生にとって、名古屋工業高等学校は非常に魅力的な選択肢の一つでしょう。充実した設備と経験豊富な先生方の指導のもと、専門性を高めながら、社会で活躍するための土台を築くことができます。また、資格取得にも力を入れており、多くの生徒が在学中に国家資格などの難関資格にチャレンジしています。

この記事では、そんな名古屋工業高等学校の偏差値や気になる校風、部活動、進路実績などを詳しく解説していきます。学校選びで悩んでいる中学生や保護者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

名古屋工業高等学校の基本情報

名古屋工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 名古屋工業高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男子校
所在地 〒466-0054 愛知県名古屋市昭和区円上町22-38
代表電話番号 052-871-2681
公式サイトURL https://nagoya-th.ed.jp/

名古屋工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

名古屋工業高等学校の偏差値は、専門的な学科が中心のため一概には言えませんが、おおよそ40前後とされています。 しかし、偏差値だけで難易度を判断するのは早計です。名古屋工業高等学校は、学力試験だけでなく、面接などを通して生徒一人ひとりの「ものづくりへの意欲」や「将来性」を多角的に評価する傾向があります。

合格に必要な内申点の目安としては、9教科合計で20台前半から中盤あたりが一つの基準となりそうです。ただし、これはあくまで目安であり、学科やその年の応募状況によって変動します。大切なのは、基礎学力をしっかりと身につけ、この学校で何を学びたいのかを明確にしておくことです。

愛知県の高校入試制度では、私立高校は複数の学校を併願することが可能です。 名古屋工業高等学校を第一志望とする受験生の主な併願校としては、同じく工業系の学科を持つ私立高校や、普通科の私立高校などが挙げられます。具体的には、大同大学大同高等学校、名城大学附属高等学校、愛知産業大学工業高等学校などが併願先として選ばれることが多いようです。

名古屋工業高等学校に設置されている学科・コース

名古屋工業高等学校には、社会のニーズに応える5つの専門学科が設置されています。それぞれの学科で、未来の技術者として活躍するための専門知識と実践的なスキルを学ぶことができます。

  • 建築科

    • どんなことを学ぶ?:住宅からビルまで、様々な建物のデザイン、設計、施工の基本を学びます。木材やコンクリート、鉄骨といった材料の扱い方から、耐震性や機能性まで幅広く学習します。

    • どんな生徒におすすめ?:将来、建築士や現場監督など、建物づくりに関わる仕事がしたい人。自分の手で何かを創り出すのが好きな人におすすめです。

  • 土木科

    • どんなことを学ぶ?:道路、橋、鉄道、ダムなど、社会を支えるインフラ(社会基盤)の建設に関わる技術を学びます。測量技術やドローン操作など、最先端のスキルも習得します。

    • どんな生徒におすすめ?:地図に残るような大きな仕事に挑戦したい人。人々の生活を豊かにすることにやりがいを感じる人に向いています。

  • 機械科

    • どんなことを学ぶ?:ものを動かす仕組みや、製品を生み出すための工作機械の操作、最新の機械制御技術などを幅広く学びます。溶接や旋盤といった基本的な技術から、CAD(コンピューター支援設計)まで実践的に学習します。

    • どんな生徒におすすめ?:自動車やロボットなど、機械の仕組みに興味がある人。ものづくりの現場で活躍したいと考えている人におすすめです。

  • 電気科

    • どんなことを学ぶ?:私たちの生活に欠かせない電気について、発電から送電、家庭で使われるまでの仕組みを学びます。電気工事の技術や、コンピューター制御の基礎も習得します。

    • どんな生徒におすすめ?:電気エネルギーや通信技術に興味がある人。在学中に第二種電気工事士などの国家資格取得を目指したい人に最適です。

  • 情報技術科

    • どんなことを学ぶ?:コンピューターのハードウェアとソフトウェアの両面から情報技術の基礎を学びます。プログラミングやネットワーク、自動制御など、これからの情報化社会を支える知識と技術を身につけます。

    • どんな生徒におすすめ?:パソコンやスマートフォンが好きで、その仕組みを知りたい人。将来、ITエンジニアやプログラマーとして活躍したい人におすすめです。

名古屋工業高等学校の特色・校風

名古屋工業高等学校は、「質実剛健」や「技術者育成」といったキーワードで表現されることが多い、真面目で落ち着いた雰囲気の男子校です。

生徒たちの雰囲気は、専門的な知識を学ぶ意欲の高い生徒が多く、お互いに切磋琢磨しながら学校生活を送っているようです。口コミでは、「真面目な生徒が多い」「専門分野について語り合える仲間がいる」といった声が見られます。

校則については、「厳しい」という意見が多いようです。特に頭髪や服装に関する指導は定期的に行われるとの声があります。スマートフォンの校内での使用は原則禁止されており、休み時間なども含めて使用できないという口コミが見られます。 アルバイトは原則として禁止されていますが、家庭の事情などにより許可される場合もあるようです。

制服は、伝統的な紺色の詰襟学生服です。 この制服に誇りを持っている生徒も多いようです。土曜授業は基本的にありません。 宿題の量については、学科や学年によって差があるようですが、専門教科の課題やレポートなど、計画的に進める必要があるものが多いという声があります。

名古屋工業高等学校の部活動・イベント

部活動

名古屋工業高等学校では、多くの生徒が部活動に励んでおり、活気にあふれています。運動部、文化部ともに様々な部が活動しており、特に工業高校ならではの「ものづくり系」の部活動が盛んです。

  • ロボット部:ロボット競技大会への出場を目標に、日々ロボットの設計・製作に取り組んでいます。プログラミングや機械工作の技術を実践的に学ぶことができ、全国大会での活躍実績もあります。

  • レスリング部、ボクシング部:全国レベルの選手を輩出している強豪部として知られています。専用の練習施設も整っており、高いレベルで競技に打ち込みたい生徒に最適な環境です。

  • 野球部、サッカー部、ハンドボール部:これらの部活動も盛んで、多くの生徒が汗を流しています。

文化部では、専門学科の知識を活かせる部活動が人気です。運動部、文化部ともに、生徒たちは目標に向かって真剣に取り組んでおり、部活動を通して専門知識だけでなく、人間的にも大きく成長できる環境があると言えるでしょう。

イベント

名古屋工業高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が多く、一年を通して学校全体が盛り上がります。

  • 体育祭(9月):男子校ならではの迫力ある競技が多く、クラス一丸となって優勝を目指します。応援合戦なども見どころの一つです。

  • 文化祭(11月):各学科の特色を活かした展示や、ものづくり体験コーナーなどが人気です。 日頃の学習の成果を発表する貴重な機会であり、毎年多くの来場者で賑わいます。

  • 修学旅行(2年生、10月):例年、沖縄などを訪れ、平和学習やマリンスポーツなどを体験します。 仲間との絆を深める、高校生活一番の思い出となる行事です。

  • スポーツ祭(5月):体育祭とは別に、球技などを中心としたスポーツイベントが開催されます。

これらの行事を通して、クラスの団結力を高め、かけがえのない思い出を作ることができるでしょう。

名古屋工業高等学校の進学実績

名古屋工業高等学校は、「就職の名工」として知られ、卒業生の約7割が就職の道を選びます。 長年にわたる産業界との強い信頼関係から、大手企業をはじめとする優良企業からの求人が数多く寄せられ、就職希望者の就職率は100%を誇ります。

一方で、約3割の生徒は大学や専門学校へ進学します。 工業高校で学んだ専門知識をさらに深めるため、理工系の大学へ進学する生徒が多いのが特徴です。

  • 主な進学先大学:愛知工業大学、名城大学、大同大学、中部大学など、地元の私立大学の工学部を中心に進学実績があります。指定校推薦枠も多く、学業成績によっては有利に進学することが可能です。

  • 就職先:トヨタ自動車、デンソー、中部電力といった東海地方を代表する大手企業から、各専門分野の優良企業まで、幅広い選択肢があります。 在学中に取得した資格や、3年間無遅刻無欠席の「皆勤」などが高く評価される傾向にあります。

進路指導も手厚く、生徒一人ひとりの希望や適性に合わせて、就職・進学の両面からきめ細やかなサポートを行っています。

名古屋工業高等学校の特長・アピールポイント

名古屋工業高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。

  • 圧倒的な就職実績:長年の伝統と卒業生の活躍により、企業から厚い信頼を得ています。就職希望者の就職率は100%を誇り、大手企業への就職も夢ではありません。

  • 資格取得への強力なサポート:「資格の名工」と呼ばれるほど、資格取得指導に力を入れています。 特に第二種電気工事士の合格者数は全国でもトップクラスです。

  • 専門性を高める5つの学科:建築、土木、機械、電気、情報技術と、社会の基盤を支える5つの専門分野を深く学べる環境が整っています。

  • 充実した施設・設備:全国でも珍しい免震構造の8階建て校舎や、300台以上のパソコンが設置された実習室など、学習環境が非常に充実しています。

  • 現場を体験できるインターンシップ:夏休みなどを利用して、実際の企業で仕事を体験するインターンシップ(就業体験)が積極的に行われています。

  • 卒業生のネットワーク:産業界の様々な分野で活躍する3万7千人以上の卒業生との強いつながりも、名古屋工業高等学校の大きな財産です。

  • ものづくりに集中できる環境:同じ志を持つ仲間たちと、専門的な知識や技術をとことん追求できる環境は、ものづくりが好きな生徒にとって最高の場所と言えるでしょう。

名古屋工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

名古屋工業高等学校についての在校生や卒業生からの声をまとめました。

  • 良い点:

    • 「就職に非常に強い。先生方のサポートも手厚く、大手企業を目指せる」という声が多数あります。

    • 「資格がたくさん取れる。将来のために頑張れる環境がある」と、資格取得サポートへの評価が高いです。

    • 「専門的なことを深く学べるので、将来の目標が明確な人にはとても良い学校」

    • 「同じ趣味や目標を持つ友人ができやすい。男子校なので気楽で楽しい」

    • 「施設が新しく、実習設備が整っている」

  • 気になる点:

    • 「校則が厳しい。特にスマホの使用や頭髪については厳しいと感じる」という意見が見られます。

    • 「先生によっては厳しい指導もある」という声もありますが、これは生徒への期待の表れと捉えることもできそうです。

    • 「体育館が校舎から少し離れた場所にあるのが少し不便」という口コミがありました。

    • 「大学進学を考えている人には、普通科の高校の方が良いかもしれない」という意見もあります。

アクセス・通学

名古屋工業高等学校は、名古屋市の中心部に位置し、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • 金山総合駅から市バスで約8分、「高辻」バス停下車、徒歩約5分

    • 地下鉄桜山駅から市バスで約6分、「高辻」バス停下車、徒歩約5分

    • JR鶴舞駅から市バスで約6分、「高辻北」バス停下車、徒歩約3分

    • 地下鉄鶴舞線「荒畑駅」から徒歩約16分

名古屋市内全域はもちろん、市外からも多くの生徒が通学しています。 金山総合駅が近いため、JR、名鉄、地下鉄の各路線を利用して通学することが可能です。

名古屋工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

名古屋工業高等学校を目指す君へ。この学校は、ただ勉強するだけの場所ではありません。自分の手で未来を創り出す「技術者」としての第一歩を踏み出すための、最高のステージです。もし君が、ものづくりが好きで、何か一つのことをとことん突き詰めてみたい、そして、その技術で社会の役に立ちたいと本気で考えているなら、名古屋工業高等学校は君を温かく迎え入れてくれるはずです。

受験勉強では、まず中学校の5教科の基礎を固めることが何よりも大切です。特に、数学や理科は、入学後の専門教科の学びに直結します。苦手な分野をなくし、どの教科もバランスよく得点できるようにしておきましょう。そして、面接では「なぜこの学校で学びたいのか」「将来どんな技術者になりたいのか」という君自身の熱い想いを、自分の言葉でしっかりと伝えてください。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。