多度津高等学校は、香川県仲多度郡多度津町にキャンパスを構える、歴史と伝統のある専門高校です。工業と水産の分野に特化した6つの学科を擁し、専門的な知識と技術を深く学ぶことができるのが最大の魅力です。2021年度には創立100周年を迎え、多くの卒業生が社会の様々な分野で活躍しています。

「清明強和」の校訓のもと、生徒一人ひとりが夢(Dream)に向かって挑戦(Challenge)し、未来へ飛躍(Jump)することを応援する「DCJ」活動を教育の柱に据えています。多度津高等学校では、充実した実習設備と経験豊富な先生方の指導のもと、実践的なスキルを身につけることが可能です。

この記事では、そんな多度津高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。専門分野で自分の可能性を試したい、地域社会に貢献できる技術者になりたい、そんな熱い想いを持つ中学生の皆さんにとって、きっと魅力的な選択肢の一つになるはずです。

多度津高等学校の基本情報

多度津高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 香川県立多度津高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒764-0011 香川県仲多度郡多度津町栄町一丁目1番82号
代表電話番号 0877-33-2131
公式サイトURL https://www.kagawa-edu.jp/takouh01/

多度津高等学校の偏差値・難易度・併願校

多度津高等学校は専門高校のため、学科によって偏差値が異なります。自分の興味や将来の目標に合わせて学科を選ぶことが大切です。

学科・コースごとの偏差値

  • 工業科(機械科、電気科、土木科、建築科):44

  • 水産科(海洋技術科、海洋生産科):40

難易度の目安と併願校

偏差値40台前半は、中学校の基本的な学習内容をしっかりと理解していることが求められるレベルです。合格のためには、内申点も重要になります。日々の授業に真面目に取り組み、定期テストで安定した点数を取ることが合格への近道と言えるでしょう。

香川県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、多度津高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。同じ中讃地区や近隣の私立高校では、以下のような学校が併願先として考えられます。

  • 尽誠学園高等学校

  • 香川誠陵高等学校

  • 大手前丸亀高等学校

これらの高校の普通科や、興味のある専門学科を検討してみると良いでしょう。

多度津高等学校に設置されている学科・コース

多度津高等学校には、社会の基盤を支える工業分野と、海のプロフェッショナルを育成する水産分野の計6つの専門学科が設置されています。 それぞれの学科で、特色ある専門的な学びが展開されています。

  • 機械科: ものづくりの基本となる設計や製作、コンピュータ制御などを学びます。機械いじりが好きな人や、将来メーカーなどで活躍したい人におすすめです。2年生からは機械コースと造船コースに分かれます。

  • 電気科: 私たちの生活に不可欠な電気エネルギーや通信技術について学びます。電気工事士などの資格取得にも力を入れています。 インフラやIT分野に興味がある人に向いています。2年生からは電気コースと電子コースに分かれます。

  • 土木科: 道路や橋、ダムなど、社会基盤(インフラ)を造るための知識と技術を学びます。 香川県では唯一この学校にしかない学科で、地域社会に貢献したい人にぴったりです。

  • 建築科: 住宅や様々な建物の設計から施工までを学びます。デザインやインテリアに興味がある人、快適な空間づくりをしたい人におすすめです。

  • 海洋技術科: 船の運航やエンジンに関する専門知識を学び、航海士や機関士を目指します。大型実習船「翔洋丸」での約65日間にわたる遠洋航海実習は、他ではできない貴重な経験です。

  • 海洋生産科: 魚の養殖や食品加工、海洋環境など、水産業全般について幅広く学びます。海の生き物が好きな人や、食料問題に関心がある人におすすめです。

多度津高等学校の特色・校風

多度津高等学校は、専門知識の習得を目指す生徒たちが集まる、活気と落ち着きが共存した学校です。

校風・雰囲気

「工業と水産の専門高校」ということもあり、真面目で実直な生徒が多いようです。校訓である「清明強和」の精神が根付いており、生徒たちはそれぞれの目標に向かって真摯に学んでいます。 専門分野の学習が中心となるため、同じ興味を持つ仲間と深く学び合える環境です。

校則・学校生活

口コミを見ると、校則、特に頭髪検査に関しては厳しいという意見が見られます。 これは、専門的な実習を行う上での安全確保や、卒業後に社会人として通用する規律を身につけるという目的があると考えられます。スマートフォンの使用については、一定のルールが設けられているようです。アルバイトは原則として許可制で、長期休暇中などに届出をすれば可能という声があります。

制服は、男子は一般的な学ラン、女子はブレザーです。制服に関する評判は様々ですが、機能性を重視したデザインと言えるでしょう。土曜授業は基本的にないようです。

多度津高等学校の部活動・イベント

部活動

多度津高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの部が全国レベルで活躍しています。 運動部、文化部ともに充実しており、生徒の多くが部活動に加入し、文武両道を目指しています。

  • 運動部: 特にレスリング部、ウエイトリフティング部、ソフトボール部、バレーボール部、水泳部、少林寺拳法部などは全国大会の常連校として知られています。 ヨット部やカヌー部といった、海の学校ならではの部活動も盛んです。

  • 文化部: 文化部も専門高校の特色を生かした活動が目立ちます。技術部や土木技術研究部、写真部などが各種コンクールで高い評価を得ています。

イベント

多度津高等学校では、生徒たちの団結力を高め、学校生活を彩る様々なイベントが開催されています。

  • 体育祭: 9月に行われる体育祭は、学科対抗で競い合うため、非常に盛り上がります。 特に学科対抗リレーや綱引きは、各科のプライドをかけた熱い戦いが繰り広げられます。

  • 多高祭(文化祭): 11月に行われる文化祭は「多高祭」と呼ばれ、一般にも公開されます。 各学科の学習成果を発表する展示や、実習製品の販売、部活動の発表など、多度津高校ならではの企画が満載で、毎年多くの来場者で賑わいます。

  • 修学旅行: 近年では、北海道などへ訪れているようです。仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

  • 研修航海: 全学科の1年生を対象に、大型実習船「翔洋丸」に乗船して研修航海が実施されます。 これは、海の学校である多度津高校ならではの特別な行事です。

多度津高等学校の進学実績

多度津高等学校の卒業生は、専門学科で培った知識と技術を活かし、就職と進学の両方で多様な進路を実現しています。特に、地元香川県をはじめとする企業への就職に強いのが大きな特徴です。

主な進路状況(令和6年3月卒業生実績)

  • 就職:

    • 香川県内: 82名(工業科67名、水産科15名)

    • 香川県外: 24名(工業科18名、水産科6名)

      地元の大手企業や、専門性を活かせる優良企業への就職者が多数を占めています。

  • 進学:

    • 大学: 国公立1名、私立19名

    • 短期大学・専門学校など: 26名

      専門分野をさらに深く学ぶため、関連する学部・学科のある大学や専門学校へ進学する生徒もいます。3年生では進学希望者に対応した授業も行われ、サポート体制も整っています。

また、水産科の生徒は、さらに高度な海技士の資格取得を目指せる専攻科へ進学する道も開かれています。

多度津高等学校の特長・アピールポイント

多度津高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 工業と水産、2つの専門分野が共存: 工業4学科、水産2学科という幅広い専門分野から、自分の興味関心に合わせて深く学べる環境は県内でも唯一無二です。

  • 充実した実習設備と実践的な学び: 各学科に専門的な実習を行うための最新の設備が整っており、即戦力となる技術を身につけることができます。

  • 大型実習船「翔洋丸」での航海実習: 海洋技術科の約65日間にわたる遠洋航海実習や、1年生全員が体験する研修航海は、人間的にも大きく成長できる貴重な機会です。

  • 高い就職実績と手厚いサポート: 地元企業との強い連携により、毎年高い就職率を誇ります。インターンシップなども充実しており、将来のキャリアを具体的に考えることができます。

  • 全国レベルで活躍する部活動: レスリング部やウエイトリフティング部をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で輝かしい成績を収めており、高いレベルでスポーツに打ち込めます。

  • 資格取得への強力なバックアップ: 電気工事士や測量士補、各種技能士など、将来に役立つ専門資格の取得を学校全体で奨励し、サポートしています。

  • 香川県で唯一の「土木科」: 公共施設など社会の基盤づくりを学べる土木科は、県内で多度津高校にしか設置されていません。

多度津高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、専門的な学びや就職に関するポジティブな声が多く聞かれる一方で、校則などに関する意見も見られます。

良い点

  • 「専門的な知識が身につき、資格もたくさん取れるので就職に有利」

  • 「同じ目標を持つ仲間が多く、刺激し合いながら学べる」

  • 「先生方が専門分野に詳しく、熱心に指導してくれる」

  • 「部活動が盛んで、全国を目指せる環境がある」

  • 「就職率が非常に高く、先生方のサポートも手厚い」

気になる点

  • 「頭髪検査など、校則が少し厳しいと感じることがある」

  • 「専門的な授業が多いため、途中で興味が変わると大変かもしれない」

  • 「施設や設備が少し古いと感じる部分がある」

  • 「進学よりも就職を重視する雰囲気が強い」

アクセス・通学

多度津高等学校は、交通の便が非常に良い場所にあります。

  • 最寄り駅: JR「多度津駅」から徒歩約3〜5分

    • JR予讃線と土讃線が乗り入れる主要駅のため、多度津町内だけでなく、丸亀市、坂出市、観音寺市、三豊市など、西讃・中讃地域の広い範囲から多くの生徒が電車で通学しています。

多度津高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

多度津高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、「将来、専門的な技術を身につけて社会で活躍したい」という明確な目標を持っている人に、最高の環境を提供してくれます。ものづくりが好き、海が好き、社会の役に立つ仕事がしたい。そんな強い想いを持つ君にこそ、ぜひ挑戦してほしい学校です。

受験勉強においては、まず中学校の5教科の基礎を固めることが何よりも大切です。特に、専門科目につながる数学や理科は、苦手意識をなくしておくことが重要になります。また、面接では「なぜ多度津高校なのか」「どの学科で何を学びたいのか」を自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。学校見学や体験入学には積極的に参加して、多度津高等学校の雰囲気を肌で感じ、自分の夢を具体的に描いてみてください。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。