京都市東山区に位置する大谷高等学校は、1875年(明治8年)創立の長い歴史と伝統を誇る、親鸞聖人の教えを建学の精神に掲げる私立の共学校です。東山の自然に囲まれた落ち着いた環境で、生徒一人ひとりが自分らしく、のびのびと学校生活を送っています。

「樹心」、すなわち「人と成る」という教育理念のもと、単なる大学進学だけでなく、社会で活躍できる人間力を育む教育が実践されているのが、この大谷高等学校の大きな魅力です。多彩なコース設定により、国公立大学を目指す生徒から、部活動と勉強を両立させたい生徒まで、多様なニーズに応える環境が整っています。

この記事では、そんな大谷高等学校について、偏差値やコースの特色、リアルな学校生活の様子まで、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

大谷高等学校の基本情報

まず、対象校である大谷高等学校の基本的な情報を表にまとめました。志望校を考える上での第一歩として、しっかり確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 大谷高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒605-0965 京都府京都市東山区今熊野池田町12
代表電話番号 075-541-1312
公式サイトURL https://www.otani.ed.jp/

大谷高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで気になるのが、やはり偏差値と難易度ですよね。大谷高等学校はコースによって難易度が大きく異なりますので、自分の学力や目標に合ったコースを見つけることが大切です。

学科・コース別偏差値

  • バタビアコース・マスタークラス:67

  • バタビアコース・グローバルクラス:63

  • バタビアコース・コアクラス:60

  • インテグラルコース:51

難易度のイメージと内申点の目安

最難関のマスタークラスは、京都府内でもトップクラスの私立高校に匹敵するレベルです。公立トップ校の受験生が併願先として選ぶことも多く、高い学力が求められます。合格には、主要5教科の通知表がオール5に近い成績が目安となるでしょう。

グローバルクラスやコアクラスは、中堅以上の学力層が目標とするレベルです。通知表では4と5が中心となる学力が求められると考えられます。インテグラルコースは、基礎学力を固めながら、部活動などにも力を入れたい生徒に適したコースです。通知表で3や4が中心の生徒が目指すことが多いようです。

主な併願校

大谷高等学校を検討する受験生は、以下のような高校を併願校として選ぶ傾向があります。

  • 京都橘高等学校

  • 龍谷大学付属平安高等学校

  • 京都産業大学附属高等学校

  • 京都外大西高等学校

大谷高等学校に設置されている学科・コース

大谷高等学校には、生徒一人ひとりの進路目標や興味に合わせて選べる、特色豊かなコースが設置されています。

  • バタビアコース マスタークラス

    • 国公立大学や最難関私立大学への現役合格を目指す、ハイレベルな授業が展開されるコースです。探究活動や少人数教育も充実しており、トップレベルの学力を身につけたい生徒におすすめです。

  • バタビアコース グローバルクラス

    • 2度の海外留学を柱としたカリキュラムで、実践的な英語力と国際感覚を養います。将来、海外で活躍したい、あるいは語学系の大学に進みたい生徒に最適なコースです。

  • バタビアコース コアクラス

    • 関関同立をはじめとする難関私立大学への進学を目標とします。習熟度別授業や豊富な講習で、着実に学力を伸ばしたい生徒におすすめです。

  • インテグラルコース

    • 基礎学力の定着を重視し、勉強と部活動の両立を目指すコースです。指定校推薦制度も充実しており、多様な進路実現をサポートします。

大谷高等学校の特色・校風

大谷高等学校の校風は、仏教の教えに基づいた落ち着いた雰囲気と、生徒の自主性を尊重する自由な気風が両立しているのが特徴です。

  • 校風キーワード:落ち着いた雰囲気、文武両道、自由と規律

  • 宿題の量:コースやクラスによって差があるようですが、特にマスタークラスは予習・復習が必須で、量は多めとの声があります。

  • 校則:他の私立高校と比較すると、緩やかだという評判が多いようです。スマホの持ち込みは可能ですが、授業中の使用はもちろん禁止です。服装や頭髪については、定期テスト前などに検査があるようです。ただ、スカート丈など一部の点では厳しく指導されることもあるという声も見られます。

  • 生徒たちの雰囲気:生徒数が多く、様々なタイプの生徒がいますが、全体的には真面目で落ち着いた生徒が多いようです。一方で、インテグラルコースなどは活発で明るい雰囲気だと言われています。

  • アルバイト:原則として禁止されているようですが、特別な事情がある場合は許可制となっているようです。

  • 制服の評判:制服は、ブレザータイプで上品なデザインが男女ともに人気が高いようです。夏服や冬服、シャツの種類など、組み合わせを選べるのも魅力の一つです。

  • 土曜授業:原則として隔週で土曜授業があります。

大谷高等学校の部活動・イベント

部活動

大谷高等学校は、運動部・文化部ともに非常に活発で、京都府内でも有数の規模を誇ります。多くの生徒が部活動に加入し、勉強と両立しながら充実した学校生活を送っています。

  • 特に有名な部活動

    • 軽音楽部:全国大会の常連として知られ、非常に高いレベルで活動しています。

    • 競技かるた部:こちらも全国レベルの実績を誇る強豪部です。

    • 女子ハンドボール部、硬式野球部、サッカー部なども府内で上位の成績を収めています。

  • 全体の様子

    • 人工芝のグラウンドや、バスケットコート3面分の広さを持つアリーナなど、施設が充実しているのも特長です。運動部、文化部ともに種類が豊富で、自分に合った部活動を見つけやすい環境です。

イベント

学校生活を彩るイベントも、大谷高等学校の魅力の一つです。

  • 学園祭(9月):文化祭と体育大会が連続して開催され、学校全体が大きな盛り上がりを見せます。クラスや部活動単位での発表・展示など、生徒が主体となって作り上げるイベントです。

  • 研修旅行(2年生12月):ハワイ、シドニー、沖縄など、複数のコースから行き先を選択できるのが特徴です。

  • 報恩講:仏教系の学校ならではの行事で、東本願寺に参拝するなど、建学の精神に触れる貴重な機会となっています。

大谷高等学校の進学実績

大谷高等学校は、近年進学実績が大きく向上しており、国公立大学や難関私立大学への合格者を多数輩出しています。

  • 国公立大学

    • 京都大学、大阪大学、神戸大学、京都工芸繊維大学、滋賀大学、京都府立大学など、難関国公立大学に多くの合格者を出しています。(※人数は年度により変動します)

  • 難関私立大学

    • 同志社大学、立命館大学、関西大学、関西学院大学といった「関関同立」に多数の合格者を輩出しています。また、早稲田大学や慶應義塾大学など関東の難関大学にも合格者が出ています。(※人数は年度により変動します)

  • その他の進路

    • 系列校である大谷大学や龍谷大学、京都産業大学、近畿大学などへの進学者も多いのが特徴です。ほとんどの生徒が4年制大学への進学を目指します。

  • 進学サポート

    • 夏期・冬期・春期に行われる講習や、放課後の補習などが充実しており、生徒の学力向上を力強くサポートしています。

大谷高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、大谷高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。

  • 150年近い歴史と伝統に裏打ちされた人間教育:「樹心」の精神のもと、知・徳・体のバランスがとれた人間形成を目指します。

  • 目標に応じた多彩な4つのコース設定:最難関大学を目指すコースから、部活動との両立を図るコースまで、自分に合った学びの場が選べます。

  • 充実した施設・設備:人工芝グラウンドや大規模なアリーナ、校内のコンビニなど、快適な学校生活を送るための環境が整っています。

  • 活発な部活動:全国レベルの部活動から、ユニークな同好会まで、多種多様なクラブがあり、生徒の可能性を広げます。

  • 仏教系の学校ならではの情操教育:報恩講などの行事を通じて、感謝の心や他者を思いやる心を育みます。

  • 便利な交通アクセス:JR・京阪「東福寺」駅から徒歩約5分と、通学に非常に便利な立地です。

  • グローバル教育の推進:グローバルクラスを中心に、留学制度や国際交流の機会が豊富に用意されています。

大谷高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、様々な声が寄せられています。学校選びの参考として、ポジティブな点と気になる点の両方を見てみましょう。

  • 良い点

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」「施設が新しく綺麗で、特にトイレが快適」という声が多いようです。

    • 「制服が可愛い・かっこいいと評判が良い」「校内にコンビニや食堂があり便利」といった学校生活の快適さに関する評価も高いです。

    • 「部活動の種類が豊富で、本気で打ち込める環境がある」「イベントが盛り上がり、楽しい思い出がたくさん作れる」という意見も多く見られます。

  • 気になる点

    • 「コースによって生徒の雰囲気や授業のレベルにかなり差がある」という声があります。

    • 「校則が以前より厳しくなったと感じる部分がある」「グラウンドが少し狭い」といった意見も見られます。

    • 「生徒数が多いので、先生の目が行き届きにくいと感じることがあるかもしれない」という指摘もあります。

アクセス・通学

大谷高等学校は、交通の便が非常に良い場所にあります。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • JR奈良線・京阪本線「東福寺駅」下車、徒歩約5分

    • 京阪本線「七条駅」下車、徒歩約9分

    • JR各線・近鉄京都線・市営地下鉄烏丸線「京都駅」から徒歩約15分

    • 京都市バス「今熊野」バス停下車、徒歩約2分

  • 通学エリア

    • 京都市内全域のほか、宇治市や城陽市などの府内南部、さらには滋賀県や大阪府から通学している生徒も多いようです。

大谷高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

大谷高等学校を目指す皆さん、こんにちは!進学アドバイザーとして、最後に応援メッセージを送ります。

この学校は、「落ち着いた環境で勉強に集中したいけれど、高校生活の楽しさや部活動も諦めたくない」と考えている君にぴったりの場所です。特に、将来の目標が明確で、それに向かって努力できるコースが用意されている点は大きな魅力です。ぜひ一度、学校説明会に足を運んで、東山の豊かな自然と、新しく綺麗な校舎の雰囲気を肌で感じてみてください。

受験勉強においては、まず自分の目標とするコースの偏差値をしっかりと把握し、そこから逆算して学習計画を立てることが重要です。特に併願で受験する場合は、公立高校の勉強と並行して、私立高校の過去問にも早めに取り組むことをお勧めします。大谷高等学校は、君の「なりたい自分」を全力で応援してくれる学校です。頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。