熊本県にある天草拓心高等学校は、天草地域で唯一の専門高校として、多彩な学びのステージが用意されている魅力的な学校です。本渡校舎とマリン校舎という2つのキャンパスに、農業、工業、商業、水産、家庭、福祉といった幅広い分野にわたる8つの専門学科・コースがあり、自分の「好き」や「得意」をとことん追求できる環境が整っています。

天草拓心高等学校では、座学だけでなく、たくさんの実習や実験を通して、社会で即戦力となるための実践的な知識と技術を身につけることができます。資格取得にも力を入れており、将来の夢に向かって着実にステップアップできるのが大きな特長です。

この記事では、そんな天草拓心高等学校の具体的な魅力について、偏差値や設置学科、学校生活の様子から進路実績まで、詳しく解説していきます。この記事を読めば、きっとあなたの高校選びの視野が広がるはずです。

天草拓心高等学校の基本情報

天草拓心高等学校の基本的な情報を表にまとめました。本渡校舎とマリン校舎の2つのキャンパスがあります。

項目 内容
正式名称 熊本県立天草拓心高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 本渡校舎: 〒863-0002 熊本県天草市本渡町本戸馬場495<br>マリン校舎: 〒863-2507 熊本県天草郡苓北町富岡3757
代表電話番号 本渡校舎: 0969-23-2141<br>マリン校舎: 0969-35-1155
公式サイトURL https://sh.higo.ed.jp/amakusatakushin/

天草拓心高等学校の偏差値・難易度・併願校

天草拓心高等学校は、専門的な知識や技術を身につけたい生徒にとって非常に人気のある学校です。学科によって偏差値は異なりますが、自分の興味や将来の目標に合わせて選ぶことが大切です。

学科・コースごとの偏差値の目安は以下の通りです。

  • 商業科: 40~45

  • 普通科: 40~45

  • 生物生産科: 38~44

  • 食品科学科: 38~44

  • 生活科学科: 38~44

  • 普通科総合コース: 38~44

  • 海洋科学科: 38~44

同じくらいの偏差値の高校としては、熊本県内では天草工業高等学校や上天草高等学校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3程度が一つの基準となりそうですが、前期(特色)選抜と後期(一般)選抜があり、学科によっても評価の観点は異なります。

熊本県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、天草拓心高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、熊本市内の私立高校や、天草地域から通いやすい私立高校などが考えられます。

天草拓心高等学校に設置されている学科・コース

天草拓心高等学校には、本渡校舎とマリン校舎に合わせて8つの個性豊かな学科・コースが設置されています。それぞれの学科で専門的な知識と技術を深く学ぶことができます。

本渡校舎

  • 生物生産科: 野菜や草花、果樹の栽培、畜産など、農業の基礎から応用までを学びます。自然や動物が好きで、食料生産に興味がある人におすすめです。

  • 食品科学科: パンやジャムなどの食品加工技術や、食品の成分分析、衛生管理について学びます。 食べることが好きで、新しい商品を開発してみたい人に向いています。

  • 生活科学科: ファッション、保育、福祉、調理など、生活に関わる幅広い分野を学びます。 人の役に立ちたい、生活を豊かにする仕事に就きたい人におすすめです。

  • 商業科: 簿記や情報処理、マーケティングなど、ビジネスの基本を学びます。 将来、事務職や販売職、起業などを考えている人にぴったりです。

  • 普通科(福祉コース): 普通教科に加え、介護の知識や技術を専門的に学びます。福祉の心を持ち、高齢者や障がいのある方を支える仕事を目指す人におすすめです。

マリン校舎

  • 海洋科学科(海洋航海コース): 船の運航技術や海洋観測、ロープワークなどを学びます。 船や海が好きで、航海士や漁業関係の仕事に就きたい人におすすめです。

  • 海洋科学科(栽培・食品コース): 魚の養殖や水産加工品の開発、品質管理について学びます。 海の生き物を育てたり、水産物を使った食品づくりに興味がある人に向いています。

  • 普通科(総合コース): 基礎学力の定着を図りながら、2年次から進学希望の「普通類型」と就職希望の「情報ビジネス類型」に分かれます。 幅広い分野に興味があり、自分の進路をじっくり考えたい人におすすめです。

天草拓心高等学校の特色・校風

天草拓心高等学校は、「専門知識」「地域密着」「資格取得」をキーワードに、生徒一人ひとりの夢を育む校風が根付いています。

学校全体の雰囲気としては、専門分野の学習に意欲的な生徒が多く、実習などでは活気にあふれています。生徒たちはそれぞれの目標に向かって真面目に取り組む一方で、学校行事などでは学年や学科を越えて協力し合う、和やかな雰囲気もあるようです。

  • 宿題の量: 学科や選択科目によって差はありますが、専門教科のレポートや実習記録など、一般的な普通科高校とは異なる種類の課題が出されることが多いようです。

  • 校則: 校則は比較的厳しいという声が見られます。特に頭髪や服装に関する指導は定期的におこなわれるようです。 スマートフォンの校内での使用は原則禁止されているという口コミがあります。

  • 生徒たちの雰囲気: 専門的な目標を持った生徒が集まっているため、落ち着いて学習に取り組む雰囲気があるようです。個性的な生徒も多く、お互いの興味や関心を尊重し合える環境だと言えるでしょう。

  • アルバイト: アルバイトは許可制となっており、学校生活に支障が出ない範囲で認められているようです。

  • 制服の評判: 制服は、学校名が変更された際に新しくなり、評判は良いようです。

  • 土曜授業: 土曜授業の有無については、公式な情報が少ないため、学校説明会などで確認することをおすすめします。

天草拓心高等学校の部活動・イベント

天草拓心高等学校では、部活動や学校行事も盛んに行われており、充実した高校生活を送ることができます。

部活動

部活動は、運動部・文化部ともに多岐にわたり、専門高校ならではの特色ある部活動も存在します。

  • 運動部: ウエイトリフティング部やレスリング部などが、県内でも強豪として知られています。また、マリン校舎には、県内唯一のカッター部やヨット部、ダイビング同好会など、海の学校ならではの部活動があります。

  • 文化部: 郷土芸能部は地域のイベントなどでも活躍しています。その他、農業クラブや水産クラブなど、各学科の学びを深める活動も盛んです。

イベント

生徒たちが主体となって作り上げるイベントは、学校生活の大きな楽しみの一つです。

  • 天草拓心祭(文化祭): 毎年秋に開催される文化祭は、最大のイベントです。 各学科が日頃の学習の成果を発表する場であり、生徒たちが生産した野菜や果物、パンやジャムなどの加工品、実習製品の販売は、毎年地域の方々で大変な賑わいを見せます。

  • 体育祭: 学科対抗で行われるなど、専門高校ならではの工夫が凝らされ、クラスや学科の団結力が深まる行事です。

  • 修学旅行: 近年では、関東方面や関西方面などを訪れているようです。仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

  • Lコレ(ファッションショー): 生活科学科の生徒たちが制作した衣装を発表するファッションショーは、本格的で見応えのあるイベントとして知られています。

天草拓心高等学校の進学実績

天草拓心高等学校は、専門知識を活かした就職に非常に強いことで知られていますが、大学や専門学校への進学の道も開かれています。生徒一人ひとりの希望進路実現に向けて、手厚いサポートが行われています。

2024年3月卒業生の主な進路状況は以下の通りです。

  • 大学・短期大学:

    • 熊本学園大学、九州看護福祉大学、尚絅大学、筑紫女学園大学、南九州大学、武蔵野学院大学、東洋食品工業短期大学などへ進学しています。

  • 専門学校:

    • 看護・リハビリ系(天草市立本渡看護専門学校、九州中央リハビリテーション学院など)、美容系(九州美容専門学校など)、調理・製菓系(中村調理製菓専門学校など)、自動車整備系(トヨタ神戸自動車大学校など)をはじめ、多岐にわたる分野の専門学校へ進学しています。

  • 就職:

    • 就職希望者の内定率は非常に高く、多くの生徒が天草地域や熊本県内の優良企業に就職しています。

    • 主な就職先として、熊本部品、京まろん、日本郵便、ロッキー、ホテルアレグリアガーデンズ天草、ヒライ、イオン九州、山崎製パンなどがあります。 公務員として天草市役所に就職する生徒もいます。

進学や就職に向けて、少人数指導によるきめ細やかなサポートや、地域と連携した課題解決学習などを通して、社会で必要とされる力を育成しています。

天草拓心高等学校の特長・アピールポイント

天草拓心高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 天草唯一の総合専門高校: 農業、工業、商業、水産、家庭、福祉と、非常に幅広い分野の専門学科が一つの高校に集まっています。自分の興味関心に合わせて、多様な選択肢の中から学びたい分野を選べます。

  • 2つのキャンパスと8つの学び: 本渡校舎とマリン校舎という特色の異なるキャンパスで、合計8つの学科・コースが設置されています。 校舎間での交流もあり、多様な価値観に触れることができます。

  • 実践重視のカリキュラム: 各学科で実習や実験の時間が豊富に設けられており、体験を通して生きた知識と技術を身につけることができます。

  • 豊富な資格取得サポート: 簿記検定、情報処理検定、危険物取扱者、小型船舶操縦士、潜水士など、それぞれの学科に関連した専門的な資格の取得を学校全体で強力にバックアップしています。

  • 地域との深い連携: 地元の企業や自治体と連携した商品開発やイベント企画、課題解決学習(PBL)などが盛んに行われています。 地域社会に貢献しながら実践力を養うことができます。

  • 高い就職実績: 専門的なスキルを身につけた卒業生は、地元企業からの信頼が厚く、毎年高い就職率を誇ります。公務員になる卒業生もいます。

  • 寮生活で育む自立心(マリン校舎): マリン校舎には「拓洋寮」という寮があり、多くの生徒が共同生活を送っています。 親元を離れて生活することで、自立心や協調性を育むことができます。

天草拓心高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、天草拓心高等学校での学びや生活について、様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「専門的な知識や技術が身につき、資格もたくさん取れるので、将来の夢に直結する」という声が最も多く聞かれます。

    • 「先生方が専門分野に詳しく、熱心に指導してくれる」といった、教師陣への信頼を寄せる意見も多いようです。

    • 「拓心祭などの行事がとても楽しく、学科の特色が出ていて面白い」と、学校行事の充実度を評価する声もあります。

    • 「就職にとても強く、先生方のサポートも手厚い」など、進路指導に対する満足度の高さがうかがえます。

    • 「同じ目標を持つ仲間と出会え、充実した3年間を過ごせた」という意見も多く見られます。

  • 気になる点:

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある」特に頭髪や服装に関する指導について、もう少し自由度が欲しいという声があります。

    • 「校舎や施設が少し古い部分がある」という意見も見られますが、実習に必要な設備は整っているようです。

    • 「本渡校舎、マリン校舎ともに、交通の便があまり良くない」ため、通学に時間がかかるという声もあります。

    • 「学科によってクラスの雰囲気や男女比が大きく異なる」ため、入学前に学科の特色をよく理解しておくことが大切だというアドバイスもありました。

アクセス・通学

天草拓心高等学校へのアクセス方法は、校舎によって異なります。

本渡校舎

  • バスでのアクセス: 産交バス「天草拓心高校入口」バス停から徒歩約2分です。

  • 通学エリア: 主に天草市内の本渡、牛深、有明、御所浦、倉岳、栖本、新和、五和、天草、河浦の各地域や、上天草市から通学している生徒が多いようです。

マリン校舎

  • アクセス: 苓北町富岡に位置しており、公共交通機関でのアクセスは本渡校舎に比べて限られます。

  • 通学エリア: 天草郡苓北町や天草市内のほか、寮があるため、熊本県内全域や県外から入学する生徒もいます。

どちらの校舎も、自転車や保護者の送迎で通学する生徒も多くいます。

天草拓心高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

天草拓心高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、「将来こんな仕事がしたい」「この分野のプロフェッショナルになりたい」という、はっきりとした夢や目標を持っている人に特におすすめの学校です。農業、工業、商業、水産、家庭、福祉という幅広い選択肢の中から、自分の「好き」を専門的に学べる環境は、あなたの可能性を大きく広げてくれるでしょう。

受験勉強においては、まず中学校の基礎学力をしっかりと固めることが何よりも大切です。特に、国語、数学、英語の3教科は、専門科目を学ぶ上での土台となります。また、面接や口頭試問が課される前期(特色)選抜では、「なぜこの学科で学びたいのか」「高校で何を頑張りたいのか」を自分の言葉で具体的に伝えられるように準備しておくことが合格への鍵となります。

天草拓心高等学校は、あなたの「やりたい」という気持ちを全力で応援してくれる学校です。ぜひ一度、オープンスクールや拓心祭に足を運んで、学校の活気ある雰囲気を肌で感じてみてください。応援しています!


※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。