富山工業高等学校は、富山県富山市五福にある、ものづくりのスペシャリストを目指す生徒たちが集まる歴史と伝統のある公立の工業高校です。通称「富工(とみこう)」として地域に親しまれ、これからの社会を支える技術者を育成しています。充実した設備と経験豊富な先生方の指導のもと、専門的な知識と技術を基礎からじっくりと学べる環境が富山工業高等学校の大きな魅力です。
「自他敬愛」「進取敢行」を校訓に掲げ、豊かな人間性と社会の変化に対応できる実践力を育むことを教育目標としています。 6つの専門学科が設置されており、それぞれの分野で興味や関心を深め、将来の夢を実現するための第一歩を踏み出すことができます。部活動も非常に盛んで、全国レベルで活躍する部も多く、文武両道を実現できる学校です。
この記事では、そんな富山工業高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。ものづくりに興味がある、専門的なスキルを身につけたいと考えている中学生とその保護者の方は、ぜひ最後まで読んで、志望校選びの参考にしてください。
富山工業高等学校の基本情報
富山工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。
富山工業高等学校の偏差値・難易度・併願校
富山工業高等学校は、専門的な知識と技術を学べることから、毎年多くの受験生が目標とする人気の高い学校です。学科によって偏差値が異なるため、自分の興味や学力に合った学科を選ぶことが大切です。
学科ごとの最新の偏差値は以下の通りです。
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機械工学科: 49
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電子機械工学科: 49
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建築工学科: 47
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土木工学科: 47
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電気工学科: 46
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金属工学科: –
同じくらいの偏差値の他の高校としては、富山県内では桜井高等学校(普通科)、高岡工芸高等学校(各専門学科)などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3〜4程度が目標となるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、入試本番の点数も重要になります。
富山県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、富山工業高等学校を第一志望とする受験生の多くは、私立高校を併願校として選択します。主な併願校としては、富山第一高等学校、高岡第一高等学校、龍谷富山高等学校などが挙げられます。
富山工業高等学校に設置されている学科・コース
富山工業高等学校には、社会の様々な分野で活躍できる技術者を育成するため、6つの専門学科が設置されています。それぞれの学科で特色あるカリキュラムが組まれており、自分の興味や将来の夢に合わせて学ぶことができます。
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機械工学科: 工作機械の操作やロボット製作、機械設計など、ものづくりの基本となる知識と技術を学びます。 機械いじりが好きな人や、新しいものを創り出すことに興味がある人におすすめです。
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電子機械工学科: 機械と情報を融合させた分野で、プログラミングやソフトウェア、ハードウェアの基礎を学びます。 ロボット制御やコンピュータに興味がある生徒に向いています。
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電気工学科: 電気の送発電や電子回路、電気工事など、生活に不可欠な電気に関する基礎知識と技術を習得します。 エネルギー問題やインフラを支える仕事に興味がある人におすすめです。
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建築工学科: 快適で安全な建物を設計・施工するための知識と技術を学びます。デザインやインテリアに興味がある人や、地図に残る仕事がしたい人にぴったりです。
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土木工学科: 道路や橋、ダムなど、人々の生活を支える社会基盤(インフラ)をつくるための知識と技術を学びます。公共事業や街づくりに貢献したいという志を持つ生徒におすすめです。
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金属工学科: 材料の性質を理解し、新しい素材の開発や加工技術を学びます。目に見えないレベルで物質を探求することに興味がある人や、分析・研究が好きな人に向いています。
富山工業高等学校の特色・校風
富山工業高等学校は、「ものづくり」への情熱と活気に満ちた雰囲気が特徴の学校です。校風を表すキーワードとしては、「質実剛健」「文武両道」「専門性の追求」が挙げられます。
生徒たちは真面目で、それぞれの専門分野の学習に熱心に取り組んでいます。宿題の量は学科や学年によって差があるようですが、専門科目のレポートや課題は計画的に進める必要があるという声が多いです。校則については、頭髪や服装に関する指導はありますが、他の高校と比較して特別厳しいというわけではないようです。スマートフォンの校内での使用は、ルールを守った上での利用が認められています。アルバイトは原則として禁止されていますが、長期休暇中など、特別な事情がある場合は許可されることもあるようです。
制服は、男子は伝統的な詰襟、女子はブレザーで、落ち着いたデザインが評判です。特に女子の制服は可愛いという口コミも見られます。土曜授業は基本的にありません。生徒たちの雰囲気は、活発で元気な生徒が多く、体育祭や文化祭などの行事ではクラス一丸となって盛り上がります。
富山工業高等学校の部活動・イベント
部活動
富山工業高等学校は、部活動が非常に盛んなことでも知られています。 運動部、文化部、そして工業高校ならではの工学系部活動が充実しており、多くの生徒が部活動に加入し、充実した高校生活を送っています。
特に、ラグビー部や野球部、ソフトテニス部などは全国大会出場の経験を持つ強豪です。 ラグビー部は「花園でシード校を倒す!」を目標に日々厳しい練習に励んでいます。 また、男子ソフトボール部は県内唯一の部であり、毎年全国大会に出場しています。 剣道部は、体を大きくするために練習の一環として「ご飯を食べる」というユニークな取り組みをしています。
工学系の部活動では、建築工学部が数々のコンペで最優秀賞を獲得するなど、輝かしい実績を誇っています。 ものづくりコンテストなど、専門知識を活かせる大会で活躍する生徒も多くいます。文化部も吹奏楽部や写真部などが活発に活動しており、自分の興味や特技を伸ばせる環境が整っています。
イベント
富山工業高等学校では、生徒たちの絆を深め、学校生活を彩る様々なイベントが年間を通して開催されています。
6月に行われる体育大会は、学校全体が熱気に包まれる一大イベントです。 各学科やクラス対抗で様々な競技が行われ、応援にも熱が入ります。秋には球技大会も開催され、スポーツを通してクラスの団結力を高めます。
文化祭にあたる「富工展」は3年に1度、全日制と定時制が合同で開催する大規模なイベントです。 各学科の生徒たちが日頃の学習成果を発表する展示や実演、模擬店などが行われ、多くの地域住民で賑わいます。
2年生の8月には修学旅行が実施されます。 行き先は年によって異なりますが、仲間との共同生活を通して、忘れられない思い出を作ることができます。この他にも、遠足や芸術鑑賞会など、多彩な行事が企画されています。
富山工業高等学校の進学実績
富山工業高等学校の卒業生は、学校で培った専門知識と技術を活かし、多様な進路に進んでいます。就職率の高さが大きな特徴で、卒業生の約7割が県内を中心とした優良企業に就職しています。 一方で、専門性をさらに高めるために大学や専門学校へ進学する生徒も少なくありません。
近年の主な進学実績は以下の通りです。
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国公立大学: 富山大学、富山県立大学など
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私立大学: 金沢工業大学、福井工業大学、日本工業大学、名城大学など
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短期大学・専門学校: 富山短期大学、富山クリエイティブ専門学校、富山情報ビジネス専門学校など
特に建築工学科では、約4割の生徒が工業系の大学に進学するなど、進学への意識も高い傾向があります。 就職希望者に対しては、学校が手厚いサポートを行っており、高い就職内定率を誇ります。地元企業からの信頼も厚く、多くの求人が寄せられています。
富山工業高等学校の特長・アピールポイント
富山工業高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。ここでは、その特長やアピールポイントをいくつかご紹介します。
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充実した専門設備と実践的な実習: 各学科に最新の専門設備が整っており、企業で使われているものと同じ機械や装置を使って実践的な技術を学ぶことができます。
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高い資格取得実績: 在学中に様々な国家資格や検定に挑戦できる環境が整っています。 多くの生徒がジュニアマイスター顕彰制度などを活用し、自身のスキルを証明しています。
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全国レベルで活躍する部活動: ラグビー部や野球部をはじめ、多くの部活動が全国大会で活躍しています。 文武両道を目指せる環境です。
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圧倒的な就職率と手厚いサポート: 地元企業との強いパイプがあり、毎年高い就職率を誇ります。 卒業生の多くが、地域産業を支える技術者として活躍しています。
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工業高校ならではのユニークな部活動: 機械工学、建築工学など、各学科に関連した工学系の部活動があり、専門知識を深めながらものづくりの楽しさを追求できます。
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活気あふれる学校行事: 体育大会や3年に一度の「富工展」など、学校全体で盛り上がる行事が多く、生徒たちの自主性や協調性を育んでいます。
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生徒の胃袋を支える食堂: 校内には生徒に人気の食堂があり、安くて美味しいメニューで生徒たちの学校生活を支えています。
富山工業高等学校の口コミ・評判のまとめ
富山工業高等学校に関する在校生や卒業生からの口コミをまとめました。良い点と気になる点の両方を知ることで、より深く学校を理解できるでしょう。
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良い点:
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「専門的な知識や技術が身につき、資格もたくさん取れるので就職にとても有利」
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「先生方が親身になって指導してくれるので、分からないことがあっても安心」
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「部活動が盛んで、目標に向かって仲間と頑張れる環境がある」
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「体育祭や文化祭などの行事がとても盛り上がり、最高の思い出ができる」
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「同じ目標を持つ仲間がたくさんいるので、お互いに高め合える」
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「就職率が非常に高く、先生方のサポートも手厚い」
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気になる点:
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「専門科目の勉強は難しく、予習・復習が欠かせない」
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「校舎や施設が少し古いと感じる部分がある」
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「男子生徒の割合が高いので、入学前とのギャップを感じるかもしれない」
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「駅から少し歩くので、雨の日などは少し大変」
アクセス・通学
富山工業高等学校へのアクセス方法です。
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富山地方鉄道富山軌道線:
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「トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)」電停から徒歩約4分
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「富山大学前」電停から徒歩約6分
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バス:
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富山駅などから出ている路線バスを利用し、最寄りのバス停で下車する方法もあります。
富山市内を中心に、県内各地から多くの生徒が通学しています。公共交通機関のアクセスが良く、通いやすい立地と言えるでしょう。
富山工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
富山工業高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、将来「ものづくり」の世界で活躍したいという強い意志を持った生徒にぴったりの場所です。専門的な学習は決して簡単ではありませんが、同じ夢を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、実践的なスキルを身につけることができます。特に、何かを創り出すことが好きな人、探究心が旺盛な人、そして部活動にも全力で打ち込みたい人には、最高の環境が待っています。
受験勉強においては、まず中学校の基礎学力をしっかりと固めることが何よりも大切です。特に、数学と理科は工業の専門科目を学ぶ上で土台となる重要な教科ですので、苦手分野を残さないように重点的に学習しましょう。また、面接では「なぜ富山工業高校で学びたいのか」「将来どんな技術者になりたいのか」といった、自分の考えをしっかりと伝えられるように準備しておくことが重要です。
富山工業高等学校で過ごす3年間は、あなたの夢を叶えるための大きな一歩となるはずです。目標に向かって、最後まで諦めずに頑張ってください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。