専修大学松戸高等学校、通称「専松(せんまつ)」。千葉県内でもトップクラスの進学校として、また甲子園出場経験のある野球部をはじめとした部活動の強豪校として、その名を聞いたことがある中学生や保護者の方も多いのではないでしょうか。県内トップの公立高校を目指す受験生が併願校として選ぶことも多く、毎年3,000人以上が出願する、非常に人気の高い学校です。
この学校の最大の魅力は、一人ひとりの目標に合わせて高校生活をデザインできる「選択肢の多さ」にあります。難関国公立大学を目指すための集中学習環境から、勉強と部活動を高いレベルで両立させるための環境まで、専修大学松戸高等学校には多様な道が用意されています。しかし、その自由度の高さから「入学後の過ごし方は自分次第」という声も多く聞かれます。
この記事では、「専松って、実際のところどんな学校なの?」「自分に合っているのかな?」という皆さんの疑問に、進学アドバイザーとしてしっかりお答えします。公式サイトの情報はもちろん、在校生や卒業生のリアルな声をたくさん集めて、学校の雰囲気、学習環境、そして高校生活の楽しさや少し大変なところまで、具体的で分かりやすい言葉で解説していきます。3年間の大切な時間を過ごす場所として、専修大学松戸高等学校があなたにとって最高の舞台になるか、一緒に見極めていきましょう。
専修大学松戸高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。学校選びの第一歩として、所在地や連絡先は正確に把握しておくことが大切です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 専修大学松戸高等学校 |
公立/私立の別 | 私立 |
共学/男子校/女子校の別 | 共学 |
所在地 | 〒271-8585 千葉県松戸市上本郷2-3621 |
代表電話番号 | 047-362-9101 |
公式サイトのURL | http://www.senshu-u-matsudo.ed.jp/ |
専修大学松戸高等学校の偏差値・難易度・併願校
専修大学松戸高等学校の入試は、千葉県内でも屈指の難易度を誇ります。コースごとに求められる学力レベルが異なるため、自分の目標と照らし合わせてしっかりと確認しましょう。
学科・コースごとの偏差値は、各種模擬試験によって多少の差はありますが、おおむね以下のようになっています。
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E類型:72
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A類型:69~70
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S類型:61~62
E類型は千葉県内の私立高校の中でもトップ10にランクインするほどの高いレベルです。A類型も非常に高く、県内上位の学力が求められます。この偏差値の高さに加え、専修大学松戸高等学校は2024年度の入試で3,000人以上が出願し、私立高校としては千葉県で最も志願者が多い学校でした。多くの受験生が不合格となる厳しい入試であることは覚悟しておく必要があります。
合格に必要な内申点の明確な基準は公表されていませんが、第一志望入試(A類型)では「3年間の欠席が21日以内」「9教科で1がないこと」といった出願基準が設けられています。一般入試では学力試験の得点が重視されますが、このレベルの高校を目指すのであれば、中学校の成績も主要5教科を中心に高い評価を得ていることが望ましいでしょう。
その人気と難易度の高さから、多くの受験生が地域のトップ公立高校の併願校として専修大学松戸高等学校を選んでいます。
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主な併願校(公立):県立船橋高校、東葛飾高校、小金高校、柏南高校など
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主な併願校(私立):市川高校、芝浦工業大学柏高校、日本大学習志野高校、八千代松陰高校、流通経済大学付属柏高校など
専修大学松戸高等学校に設置されている学科・コース
専修大学松戸高等学校の大きな特長が、目標に応じて選べる3つの類型(コース)です。入学後の学校生活を大きく左右する重要な選択ですので、それぞれの違いをしっかり理解しましょう。
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E類型 (難関国公立大学進学類型)
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どんなことを学ぶ場所か:最難関の国公立大学や私立大学への現役合格を目指すコースです。授業の進度が速く、放課後や長期休暇中には必修の講座が設けられています。
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どんな生徒におすすめか:明確に高い目標を持ち、勉強に多くの時間を費やす覚悟のある人。大学の指定校推薦を利用せず、一般選抜で道を切り拓きたい人におすすめです。
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A類型 (専修大学・国公立・私立大学進学類型)
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どんなことを学ぶ場所か:部活動や学校行事にも力を入れながら、GMARCHをはじめとする難関私立大学や国公立大学、そして専修大学への進学を目指す、文武両道を体現するコースです。
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どんな生徒におすすめか:勉強も部活も学校行事も、すべてに全力で取り組みたい人。大学の指定校推薦という選択肢も視野に入れて、多様な進路を考えたい人におすすめです。
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S類型 (スポーツ類型)
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どんなことを学ぶ場所か:野球、サッカー、ラグビー、陸上競技など、指定された強化部活動で全国レベルの活躍を目指す生徒のためのコースです。
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どんな生徒におすすめか:卓越したスポーツ技能を持ち、中学校長の推薦を受けて専門的に競技力を高めたい人におすすめです。
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専修大学松戸高等学校の特色・校風
専修大学松戸高等学校の校風をキーワードで表すなら、「文武両道」「自主自律」「多様性」の3つが挙げられます。非常に多くの生徒が在籍し、それぞれの目標も多様なため、学校生活の雰囲気は一言では語れません。ここでは、口コミなどから見えるリアルな学校の姿を紹介します。
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宿題の量:類型によって差があるようです。A類型は部活動との両立も考慮され、標準的な量と感じる生徒が多い一方、E類型は日々の授業内容が濃密で、必修講座もあるため、学習負担は大きいと言えます。
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校則(スマホ、服装など):全体的には「厳しすぎず、緩すぎず」という印象です。スマホは校内への持ち込みは許可されていますが、朝のホームルームから帰りのホームルームまでは使用禁止です。頭髪検査や服装検査は定期的にあり、髪染めやスカート丈など、基本的な部分は指導されます。ただ、先生によって厳しさが違うと感じる声もあります。
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生徒たちの雰囲気:大規模校らしく、真面目に勉強に打ち込む生徒、部活に熱中する生徒、友人との学校生活を楽しむ生徒など、本当に様々なタイプの生徒がいます。そのため、「静かな子もいれば活発な子もいて、誰でも自分の居場所を見つけやすい」という意見がある一方で、「クラスによって雰囲気が全然違う」という声も聞かれます。E類型は比較的落ち着いていて、A類型は活発な生徒が多い傾向にあるようです。
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アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情などがある場合は、申請すれば許可されることもあるようです。
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制服の評判:グレーを基調としたブレザースタイルで、「お洒落で可愛い」「格好いい」と男女ともに評判は非常に良いです。特に、ネクタイとリボンが緑・赤・黄の3色から自由に選べる点は、個性を出したい生徒に人気です。
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土曜授業:あります。週6日制で、十分な授業時間を確保しています。
全体として、学校側が細かく管理するというよりは、生徒の自主性を尊重する校風です。この「自由」な環境は、自分で目標を立てて行動できる生徒にとっては最高の環境ですが、受け身の姿勢でいると、周りに流されてしまう可能性もある、という点が多くの口コミで共通して指摘されています。
専修大学松戸高等学校の部活動・イベント
部活動
専修大学松戸高等学校の「文武両道」を象徴するのが、非常に活発な部活動です。全体の加入率は約9割、勉強が大変なE類型でも約8割の生徒が部活動に参加しており、学校生活の重要な一部となっています。
運動部、文化部ともに数多くのクラブがあり、選択肢が非常に豊富です。中でも、特に実績豊富な部活動をいくつか紹介します。
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野球部(特別強化指定部):言わずと知れた全国レベルの強豪です。夏の甲子園には複数回出場し、ベスト16に進出した実績もあります。プロ野球選手も輩出しており、校外の専用グラウンドや専用バスなど、環境も非常に充実しています。
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陸上競技部(強化指定部):野球部と並ぶ名門で、インターハイに50回以上出場している伝統ある部です。短距離から長距離、駅伝まで、多くの選手が関東大会や全国大会で活躍しています。
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ラグビー部・サッカー部・相撲部(強化指定部):これらの部も強化指定されており、県大会では常に上位争いを繰り広げる強豪です。
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文化部:吹奏楽部や合唱部といった音楽系の部から、茶道、華道、書道などの伝統文化部、かるた部といったユニークな部まで多種多様です。文化祭での発表は非常にレベルが高いと評判です。
イベント
専松での3年間を彩る、多彩な学校行事も大きな魅力です。仲間との絆を深め、忘れられない思い出を作ることができます。
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体育大会(6月):全校生徒が一同に会する一大イベント。生徒数が非常に多いため、学校外の「松戸運動公園」を借り切って行われるのが大きな特徴です。クラス対抗で様々な競技に熱く燃え上がります。
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文化祭(9月):通称「水無月祭(みなづきさい)」。各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、模擬店などで大いに盛り上がります。一般公開もされ、多くの来場者で賑わいます。
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総合研修旅行(2年次2月):いわゆる修学旅行です。行き先は年度によって異なりますが、仲間と過ごす数日間は、高校生活の中でも特に大切な思い出となるでしょう。
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グローバル研修(希望制):夏休みや春休みを利用して、アメリカ、ニュージーランド、アジア諸国への海外研修プログラムが用意されています。異文化に触れ、語学力を磨く貴重な機会です。
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芸術鑑賞会や進路ガイダンス:学年ごとに、演劇や音楽を鑑賞する機会や、将来を考えるための様々なガイダンスが年間を通して計画的に実施されています。
専修大学松戸高等学校の進学実績
専修大学松戸高等学校の教育力の高さを最もよく示しているのが、その優れた大学進学実績です。E類型とA類型、それぞれの目標に応じた指導が、確かな結果に結びついています。
以下は、2025年春の大学入試における主な合格実績です(既卒生含む)。
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国公立大学:68名
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主な合格大学:東京大学(2)、京都大学(0)、一橋大学(2)、東京工業大学(2)、東北大学(2)、北海道大学(1)、筑波大学(14)、千葉大学(18)など。旧帝国大学や東工大、一橋大といった最難関大学にも合格者を輩出しています。
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難関私立大学:
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早慶上理(早稲田・慶應義塾・上智・東京理科):合計 155名
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GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政):合計 391名
特に私立大学への進学に強みを見せており、GMARCHには毎年非常に多くの合格者を出しています。
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その他の進路:
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専修大学へは、付属校推薦で36名、一般入試等で33名が合格しています。付属校ではありますが、専修大学への進学がメインではなく、あくまで多様な選択肢の一つという位置づけです。
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医学部医学科にも15名が合格しており、理系教育のレベルの高さも示しています。
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こうした実績を支えているのが、手厚い進学サポート体制です。1年次から計画的な進路指導が行われ、大学研究や学部調べなどを通して早期から進路意識を高めます。E類型では放課後や長期休暇中に必修講座を実施し、学力の底上げを図ります。また、進路指導室には豊富な過去問や大学資料が揃っており、いつでも相談できる環境が整っています。
専修大学松戸高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、専修大学松戸高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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目標に合わせて選べる「類型制システム」
難関国公立大を目指す「E類型」、文武両道で多様な進路を目指す「A類型」、全国レベルでスポーツに打ち込む「S類型」。自分の目標や高校生活で何をしたいかに合わせて、最適な環境を選べるのが最大の特長です。
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圧倒的なボリュームと質を誇る「大学進学実績」
東京大学からGMARCH、医学部まで、幅広い難関大学への豊富な合格実績は、学校の教育力の証明です。特に難関私立大学への進学実績は県内でもトップクラスです。
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本気で打ち込める「全国レベルの部活動」
甲子園常連の野球部やインターハイ常連の陸上部をはじめ、多くの部が全国や関東の舞台で活躍しています。高いレベルでスポーツや文化活動に挑戦したい生徒にとって、最高の環境が整っています。
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世界へ視野を広げる「グローバル教育プログラム」
希望者対象のアメリカ、ニュージーランド、アジアなどへの海外研修が充実しており、実践的な語学力と国際感覚を養う機会が豊富に用意されています。
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付属校のメリットを活かした「専修大学との高大連携」
専修大学への進学という選択肢だけでなく、大学のキャンパス見学や模擬授業への参加など、高校にいながら大学の学びに触れる機会が多く、進路選択の視野を広げることができます。
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生徒の「自主性」を尊重し、育む校風
充実した施設や手厚いサポート体制という土台の上で、生徒一人ひとりの「やりたい」という気持ちを尊重する自由な雰囲気があります。この環境が、大学や社会で必要とされる自律的な学習姿勢を育てます。
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広域から通学可能な「アクセスの良さ」
JR常磐線と新京成線の2路線が利用でき、駅から徒歩圏内という立地は大きな魅力です。松戸、柏、流山といった周辺地域はもちろん、東京方面から通う生徒もいます。
専修大学松戸高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からのリアルな声は、学校選びの貴重な情報源です。ここでは、様々な口コミサイトで見られるポジティブな意見と、少し気になる点を公平に紹介します。
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良い点:
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「先生のサポートが手厚い」:自分から質問に行ったり相談したりすれば、先生方はとても親身になって応えてくれるという声が多数あります。進路相談に関しても、豊富なデータに基づいた的確なアドバイスがもらえると評判です。
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「施設が綺麗で充実している」:人工芝のグラウンドや、資料が豊富な図書館(進路指導室)、カフェテリアなど、私立ならではの恵まれた学習環境を評価する声が多いです。
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「部活動が本気でできる」:全国レベルの部活で高みを目指すことも、様々な種類の部活で仲間と楽しく活動することもでき、学校生活が充実するという意見が目立ちます。
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「友達に恵まれた」:生徒数が多く、多様な生徒がいるため、気の合う友人を見つけやすいようです。特に部活動や行事を通して、強い絆が生まれることが多いようです。
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気になる点:
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「自分次第な部分が大きい」:「自称進学校」という少し厳しい意見が見られるのは、この点の裏返しです。学校から手取り足取り指導されるというよりは、用意された環境をどう活かすかが生徒に委ねられています。自主性がないと、周りに流されてしまう危険性も指摘されています。
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「先生の質に差がある」:熱心で素晴らしい先生がいる一方で、授業が分かりにくい、指導が厳しいと感じる先生もいる、という声は少なくありません。これは大規模校ではある程度避けられない点かもしれません。
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「一部の施設が古い」:特にトイレの古さや使いにくさを指摘する声が、複数の口コミで一貫して見られます。
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「校則の運用が気になる」:校則そのものよりも、先生によって指導の厳しさが違うなど、運用面での不満を持つ生徒がいるようです。
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アクセス・通学
専修大学松戸高等学校は、2つの駅から徒歩でアクセス可能です。
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最寄り駅とアクセス方法
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JR常磐線(東京メトロ千代田線直通)「北松戸」駅下車、徒歩約10分
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新京成線「松戸新田」駅下車、徒歩約15分
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多くの生徒が利用する北松戸駅からの通学路には、少し急な坂道があることが知られています。毎日の通学で自然と体力がつく、と前向きに捉える生徒もいるようです。なお、安全上の理由から自転車通学は禁止されています。
通学エリアは非常に広く、所在地の松戸市をはじめ、柏市、流山市、市川市など千葉県内の広範囲から生徒が集まります。また、JR常磐線が東京メトロ千代田線と直通しているため、東京の城東地区や足立区などから通学する生徒も少なくありません。
専修大学松戸高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んで、「専修大学松戸高等学校、自分にはどうだろう?」と考えている君に、アドバイザーとして最後にメッセージを送ります。この学校は、素晴らしい施設、豊富なコース、高い進学実績という最高の「舞台」を用意してくれています。しかし、その舞台でどんな物語を演じるかは、主役である君自身に委ねられています。
もし君が、「絶対にあの大学に行きたい」「部活動で全国を目指したい」といった明確な目標を持っているなら、専修大学松戸高等学校は最高のパートナーになるでしょう。この学校の持つ膨大なリソースを使いこなし、夢を実現する力を存分に発揮できるはずです。受験勉強では、E類型を目指すなら応用力まで、A類型を目指すなら苦手を作らない盤石な基礎力を、それぞれ意識して築き上げてください。
高校選びは、これからの3年間、そしてその先の未来を左右する大きな一歩です。専修大学松戸高等学校という選択肢が、君の可能性を最大限に引き出すきっかけになるかもしれません。自分の力を信じて、挑戦してみてください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。