徳島県西部の豊かな自然に抱かれた、100年以上の歴史を誇る徳島県立池田高等学校。地元では「池高(いけこう)」の愛称で親しまれ、多くの卒業生を社会に送り出してきました。伝統を大切にしながらも、未来を見据えた新しい教育に挑戦し続けているのが大きな魅力です。

この学校が掲げるのは「勉強・部活動・探究」の三本柱。甲子園を沸かせた野球部の伝説に代表されるような活発な部活動と、一人ひとりの「なぜ?」を深く掘り下げる探究学習、そして確かな学力を育む授業が、バランス良く融合しています。池田高等学校は、ただ勉強するだけの場所ではありません。

仲間と共に目標に向かって汗を流し、地域の自然や文化に触れながら自分だけのテーマを見つけ、将来の夢へと繋げていく。そんな充実した3年間が、ここ池田高等学校であなたを待っています。この記事を読んで、池高での高校生活を具体的にイメージしてみてください。

徳島県立池田高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。

項目 内容
正式名称 徳島県立池田高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学の別 男女共学
所在地 〒778-8506 徳島県三好市池田町ウヱノ2834
代表電話番号 0883-72-1280
公式サイトURL https://ikeda-hs.tokushima-ec.ed.jp/

徳島県立池田高等学校の偏差値・難易度・併願校

高校選びで気になるのが、やはり偏差値や難易度ですよね。池田高等学校には2つの学科があり、それぞれで求められる学力レベルが異なります。

学科・コース 偏差値目安
探究科 58 – 60
普通科 49 – 51

探究科は、大学進学を強く意識した専門学科で、県内でも上位の学力が求められます。一方、普通科は幅広い進路に対応しており、より多くの生徒に門戸が開かれています。この偏差値の差は、池田高等学校が学力トップ層の育成と、地域に根差した幅広い教育の両方を担っていることを示しています。

難易度をより具体的にイメージするために、他の高校と比較してみましょう。探究科は脇町高等学校(偏差値61)などが学力的に近いレベルと言えます。普通科は、城北高等学校(偏差値51)あたりが目安になるでしょう。合格に必要な内申点(通知表の成績)は、探究科であれば主要5教科はもちろん、全教科で高い評価を得ていることが望ましいです。普通科は、中学校での基礎・基本をしっかり固め、平均以上の成績を目指すことが目標となります。

徳島県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、併願校は私立高校から選ぶことになります。池田高等学校の受験生が併願先として検討することが多いのは、以下のような私立高校です。

池田高校の志望学科 主な私立併願校 偏差値目安
探究科 生光学園高等学校 (特別進学コース) 約61
普通科 生光学園高等学校 (普通コース) 約40

探究科を目指す生徒は、学力レベルが近い生光学園の特別進学コースを併願先に選ぶ傾向があります。普通科を第一志望とする場合は、同じく生光学園の普通コースなどを視野に入れると良いでしょう。

徳島県立池田高等学校に設置されている学科・コース

池田高等学校には、自分の興味や将来の目標に合わせて選べる2つの学科があります。

  • 探究科

    • どんなことを学ぶ?:大学進学を目標に、物事を深く掘り下げて考える「探究活動」に力を入れる学科です。課題発見から解決までのプロセスを学び、プレゼンテーション能力も磨きます。

    • どんな人におすすめ?:知的好奇心が旺盛で、「なぜだろう?」と考えるのが好きな人、難関大学への進学を目指している人におすすめです。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ?:文系・理系の幅広い進路希望に対応する学科です。2年生から文系・理系に分かれ、さらに3年生ではより専門的なコースに分かれて学びを深めます。

    • どんな人におすすめ?:大学進学から就職まで、高校生活を送りながら自分の将来をじっくり考えたい人、特定の分野(医療・看護など)に興味がある人におすすめです。

    • コース詳細:

      • 文系:人文社会系コース、文系総合コース

      • 理系:自然科学系コース、医療看護系コース

特に注目したいのが、学校全体で取り組んでいる「探究」活動です。これは探究科だけの特別なものではなく、普通科の生徒も地域の企業や自治体と連携しながら活動します。この学校の大きな特徴は、豊かな自然環境や地域社会そのものを学びのフィールドとしている点です。都市部の学校では体験できない、実践的な学びが池田高校にはあります。

徳島県立池田高等学校の特色・校風

池田高校の雰囲気をキーワードで表すなら、「自由闊達」「文武両道」「自主・自律」そして「活気がある」といった言葉がぴったりです。

口コミなどでよく見られるのは「自由で楽しい」という声。ただし、それは「何をしてもいい」という意味ではありません。「自主・自律」の精神を重んじ、生徒が自分たちで考えて行動することを大切にしているからこその自由です。先生方が生徒を信頼し、生徒がその信頼に応える。そんな成熟した関係性が、池高ののびのびとした校風を生み出しているようです。

中学生が気になる学校生活のリアルなポイントを、口コミなどを基にまとめました。

  • 宿題の量は?

    • 探究科や進学を目指すコースでは、日々の課題に加えて、探究活動に関するレポートや発表準備など、自主的に取り組むべき学習が多いようです。量は少なくないですが、「やらされる」のではなく「自ら学ぶ」スタイルが中心です。

  • 校則は厳しい?緩やか?

    • 全体的には「比較的自由な校風」という声が多く、生徒の自主性が尊重されているようです。

    • 服装については、男子は伝統的な黒の学ラン、女子はセーラー服で、「シンプルで飽きのこないデザイン」として親しまれています。着こなしに関する基本的なルールはありますが、過度に厳しいという印象は少ないようです。

    • スマートフォンの校内での使用やアルバイトについては、ルールが定められています。特にアルバイトは許可制となっている場合が多いので、入学後に必ず確認しましょう。

  • 生徒たちの雰囲気は?

    • 「民度が高く、みんな仲が良い」「友達がいない人を見かけない」といった口コミがあるほど、明るくフレンドリーな雰囲気のようです。部活動や学校行事に全力で取り組む生徒が多く、学校全体が活気に満ちています。

  • 制服の評判は?

    • 昔ながらの伝統的なデザインです。この制服に憧れて入学する生徒もいる一方で、最新のデザインを好む人には少し物足りなく感じるかもしれません。学校の歴史と伝統の象徴とも言えるでしょう。

  • 土曜授業はある?

    • 探究科では週の授業時間数が多く設定されているため、土曜日に授業や補習、探究活動などが行われることがあるようです。

徳島県立池田高等学校の部活動・イベント

部活動

「文武両道」を掲げる池田高校では、部活動が学校生活の大きな柱の一つです。運動部・文化部ともに充実しており、多くの生徒が熱心に活動しています。

全国にその名を知らしめた輝かしい歴史を持つ部から、現在進行形で全国レベルの活躍を見せる部まで、多種多様なクラブがあります。

  • 硬式野球部

    • 池田高校と言えば、多くの人が思い浮かべるのが高校野球での活躍でしょう。故・蔦文也監督が率いた時代、徹底したパワー野球で「やまびこ打線」と恐れられ、甲子園で春夏連覇を達成するなど、高校野球の歴史に大きな足跡を残しました。その伝統は今も受け継がれ、県大会で上位に進出するなど、常に甲子園を目指して厳しい練習に励んでいます。

  • レスリング部・ハンドボール部

    • 現在の池田高校を象徴する強豪部活です。レスリング部は男女ともに全国の常連で、JOCジュニアオリンピックやインターハイで入賞する選手を輩出しています。女子ハンドボール部も県内トップクラスの実力を誇り、全国大会で活躍しています。全国の舞台で戦いたいという高い志を持つ生徒が、寮生活を送りながら練習に打ち込んでいます。

  • その他の部活動

    • 運動部はサッカー、バスケットボール、剣道、弓道、山岳部など、文化部は吹奏楽、書道、美術、JRC部など、多彩な選択肢があります。どの部も活気があり、自分の興味や目標に合わせて3年間打ち込める環境が整っています。

イベント

池田高校の学校生活を彩るイベントは、生徒たちの手で創り上げられ、非常に盛り上がると評判です。

  • 文化祭(池高祭)

    • 毎年、多くの来場者で賑わう学校最大のイベントの一つです。クラスごとの展示や模擬店、ステージでのパフォーマンスなど、生徒たちのアイデアとエネルギーが爆発します。準備期間を通じてクラスの団結力が一気に高まります。

  • 体育祭

    • スポーツの盛んな池高らしく、体育祭は熱気に包まれます。クラス対抗のリレーや綱引きなど、応援にも力が入ります。生徒も先生も一体となって楽しむ、学校の活気を象徴する一日です。

  • 修学旅行

    • 仲間との絆を深める貴重な機会です。行き先は年度によって異なりますが、高校生活で最も思い出深い行事の一つとして、多くの生徒が楽しみにしています。

  • 中学生体験入学「池高入門」

    • 夏に開催されるオープンスクールです。授業体験や部活動見学を通して、池高の雰囲気を肌で感じることができます。受験を考えている中学生はぜひ参加してみましょう。

徳島県立池田高等学校の進学実績

池田高等学校は、生徒一人ひとりの多様な進路希望を実現するための手厚いサポート体制を整えています。特に、大学進学を目指す生徒が多いのが特徴です。

具体的な進学実績については、年度によって変動しますが、全体的な傾向として、地元の徳島大学や鳴門教育大学、そして近県の岡山大学、広島大学といった国公立大学への進学者が多いです。これは、地域に貢献できる人材の育成を目指す公立高校としての役割をしっかりと果たしている証拠と言えるでしょう。

私立大学では、関西圏の「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)や「産近甲龍」(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)といった難関・人気大学に多くの合格者を輩出しています。また、県内の四国大学や徳島文理大学へ進学する生徒も多数います。

こうした進学実績を支えているのが、学校独自の取り組みです。

  • 探究科の専門カリキュラム

    • 大学進学に特化した探究科では、質の高い授業はもちろん、放課後や長期休暇中の補習、大学入試を想定した校外模試などを積極的に実施し、生徒の学力を着実に伸ばします。

  • ICTの活用

    • 教育プラットフォーム「Classi」などを導入し、生徒一人ひとりの学習状況を管理したり、家庭学習をサポートしたりと、ICTを効果的に活用しています。

  • 自ら学ぶ力の育成

    • 「探究活動」を通して、単なる知識の暗記ではなく、「自ら課題を見つけ、考え、表現する力」を養います。この力は、大学入試はもちろん、その先の社会で生きる上で最も重要なスキルとなります。

徳島県立池田高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、池田高校ならではの強みや魅力を7つのポイントにまとめました。

    1. 地域を学ぶフィールドにする「探究学習」

    • 祖谷渓谷などの世界クラスの自然や、三好市の企業・団体と連携した、ここにしかないユニークな探究学習プログラムがあります。

    1. 生き続ける「全国レベルの部活動」

    • 甲子園を沸かせた野球部の伝説から、現在全国で活躍するレスリング部やハンドボール部まで、高いレベルで文武両道を実践できる環境があります。

    1. 夢を応援する「三好寮」

    • 県内外から集まる生徒が共同生活を送る学生寮を完備。親元を離れて、勉強や部活動に集中したい生徒をサポートします。

    1. 生徒を信じる「自主・自律」の校風

    • 校則で厳しく縛るのではなく、生徒の自主性を尊重する自由な雰囲気が魅力。責任感を持ちながら、のびのびと高校生活を送れます。

    1. 伝統と革新が共存する学びの場

    • 100年以上の歴史を大切にしつつ、ICT教育の導入など、常に新しい教育に挑戦する姿勢があります。

    1. 多様な進路希望に応えるコース設定

    • 難関大学を目指す「探究科」から、医療・看護系など専門分野に特化した普通科のコースまで、一人ひとりの未来像に合わせた学びが可能です。

    1. 温かいコミュニティと人の繋がり

    • 生徒と先生の距離が近く、アットホームな雰囲気。地域の人々に見守られながら、豊かな人間関係の中で成長できます。

徳島県立池田高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を集めてみました。良い点と気になる点の両方を知って、自分に合う学校かどうかを判断する材料にしてください。

良い点

  • 「とにかく学校生活が楽しい」という声が圧倒的に多いです。自由な校風のもと、行事や部活動に全力で打ち込める環境が、充実感に繋がっているようです。

  • 「先生との距離が近く、親身に相談に乗ってくれる」という意見もあります。生徒数が多すぎないため、一人ひとりへのサポートが手厚いと感じる生徒が多いようです。

  • 「部活動が盛んで、目標を持って頑張れる仲間がいる」という点も高く評価されています。運動部、文化部ともに活気があり、有意義な時間を過ごせると評判です。

  • 「みんなフレンドリーで、すぐに友達ができる」といった人間関係の良さを挙げる声も目立ちます。いじめが少ない、和気あいあいとした雰囲気のようです。

気になる点

  • 最も多く指摘されるのが「アクセスの不便さ」です。最寄りの阿波池田駅から徒歩圏内ですが、学校が坂の上にあるため、「雨の日や夏場は大変」と感じる生徒が多いようです。

  • 「施設が少し古い」という意見もあります。歴史のある学校なので、最新の校舎というわけではありません。ただし、学習に必要な設備は整えられています。

  • 一部には「生徒数が少ないので、行事の規模が小さいと感じるかもしれない」という声もありました。大規模校のような華やかさとは違う、アットホームな雰囲気を好むかどうかで評価が分かれる点かもしれません。

アクセス・通学

池田高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 鉄道を利用する場合

    • JR土讃線・徳島線「阿波池田駅」から徒歩約10分。

    • 駅からは坂道を登ることになるので、少し時間に余裕を持っておくと安心です。

  • バスを利用する場合

    • 「大通り」バス停から徒歩約6分。

  • 自動車を利用する場合

    • 徳島自動車道「井川池田IC」から約5分。

通学している生徒は、三好市や東みよし町など近隣エリアが中心ですが、大きな特徴は「三好寮」という学生寮があることです。これにより、徳島県内の遠方の地域や、県外から「池高で部活動を頑張りたい」「探究学習に魅力を感じた」という志の高い生徒も集まっています。池田高等学校は、地域に根差しつつも、広いエリアから生徒を受け入れる拠点校としての役割も担っています。

徳島県立池田高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、池田高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。

池田高等学校は、「これ」という夢がまだ見つかっていなくても、3年間の中で夢中になれる何かを本気で見つけたい、そんなあなたにぴったりの学校です。自主性を重んじる自由な校風の中で、勉強にも部活にも行事にも全力で挑戦できます。特に、仲間と協力して何かを成し遂げたい人、自然豊かな環境で探究心をとことん満たしたい人には、最高の環境が待っています。

受験勉強では、探究科を目指すなら、5教科の応用力に加えて、自分の考えを論理的に説明する力を意識して学習を進めましょう。普通科を希望する人は、まず中学校の授業内容を完璧にすることが大切です。基礎がしっかりしていれば、池田高等学校に入ってから大きく成長できます。あなたの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。