掛川工業高等学校は、「ものづくりは人づくり」を合言葉に、専門的な知識と技術の習得を通して、社会で活躍できる人材の育成を目指している工業高校です。中遠地区で唯一の工業高校として、地域産業の発展に貢献できる創造性豊かな技術者を育てることを目標としています。掛川工業高等学校では、普通科目と専門科目をバランス良く学びながら、少人数での実習や課題研究を通して、実践的な技術を磨くことができます。

2年生全員が参加するインターンシップ(職業体験)など、在学中から社会とのつながりを意識した教育が充実しているのも、掛川工業高等学校の大きな魅力です。このような教育活動により、「進学にも就職にも強い掛工」として、地域から高い評価を得ています。

この記事では、そんな掛川工業高等学校の偏差値や難易度、設置されている学科、部活動、進学実績など、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく解説していきます。専門的なスキルを身につけたい、ものづくりに興味があるという中学生の皆さんにとって、きっと魅力的な選択肢の一つになるはずです。

掛川工業高等学校の基本情報

掛川工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 静岡県立掛川工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒436-0018 静岡県掛川市葵町15-1
代表電話番号 0537-22-7255
公式サイトURL https://www.edu.pref.shizuoka.jp/kakegawa-th/

掛川工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

掛川工業高等学校の偏差値は、全ての学科で「48」程度とされています。これは静岡県内の公立高校の中では中堅レベルに位置します。

同じくらいの偏差値の高校としては、磐田西高等学校、小山高等学校、清水西高等学校、沼津商業高等学校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安としては、情報技術科が30、その他の学科は28程度と言われています。ただし、これらはあくまで目安であり、学力調査(学調)の点数も重要になります。

静岡県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、掛川工業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、常葉大学附属菊川高等学校や磐田東高等学校などがよく選ばれているようです。

掛川工業高等学校に設置されている学科・コース

掛川工業高等学校には、それぞれ特色のある5つの専門学科が設置されています。2024年度入学生からは、より時代のニーズに合わせた4つの学科に再編される動きもあるようです。ここでは、現在の主な学科について紹介します。

  • 機械科

    ものづくりの基礎となる機械の設計、製作、制御などについて幅広く学びます。機械いじりが好きな人や、将来メーカーなどで活躍したい人におすすめです。

  • 電子機械科

    機械と電子、情報の知識を融合させ、ロボットやメカトロニクス製品の開発・制御技術を学びます。ロボットやAIに興味がある人に向いています。

  • 電子電気科

    電気エネルギーの発生から利用まで、また電子回路や通信技術について学びます。インフラを支える仕事や、家電製品の開発などに興味がある人におすすめです。

  • 情報技術科

    コンピュータのハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、プログラミングなど情報技術の専門知識を学びます。ITエンジニアやゲームクリエイターを目指したい人に最適です。

  • 環境設備科

    人々が快適に過ごせる空間を作るため、空調や給排水、防災などの建築設備について学びます。建築やインテリア、環境問題に興味がある人におすすめです。

掛川工業高等学校の特色・校風

掛川工業高等学校は、「ものづくりを通した人づくり」を教育の柱としており、真面目で落ち着いた雰囲気の中で専門知識を学ぶことができます。

口コミなどを見ると、校則は他の高校と比較してやや厳しいと感じる生徒が多いようです。特に、スマートフォンの使用は昼休みなども含めて制限されている点に不満の声が見られます。服装や頭髪に関する指導も定期的に行われる傾向があるようです。アルバイトは原則として禁止されていますが、長期休暇中など条件付きで許可される場合もあるようです。

制服は、男子が伝統的な学ラン、女子がセーラー服となっています。生徒たちの雰囲気は、工業高校という特性上、男子生徒が大多数を占めており、専門分野の学習に真剣に取り組む生徒が多いようです。土曜授業は基本的にありません。

掛川工業高等学校の部活動・イベント

部活動

掛川工業高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの生徒が文武両道を目指して活動しています。運動部、文化部ともに充実しており、個性的な部活動も多いのが特徴です。

特に有名なのが、ロボットコンテストで全国大会に出場経験のある「ロボット工作部」や「電気研究部」です。工業高校ならではの知識と技術を活かした活躍は、掛川工業高校の大きな魅力の一つです。また、弓道部も全国大会に出場するなどの実績を誇っています。その他にも、自動車部や設備研究部など、専門学科と関連の深いユニークな部活動が存在します。運動部では野球部やサッカー部、陸上部などが熱心に活動しています。

イベント

掛川工業高等学校の学校生活を彩るイベントも充実しています。

  • 掛工祭(文化祭)

    毎年秋に開催される文化祭は「掛工祭」と呼ばれ、各クラスや文化部が日頃の学習や活動の成果を発表する場となっています。専門的な展示や体験企画など、工業高校ならではの催し物が多く、地域住民も訪れるなど盛り上がりを見せます。

  • 体育祭

    体育祭では、学科対抗のリレーなど、学校全体が一体となって熱戦を繰り広げます。男子生徒が多いため、迫力のある競技が多く見られるのが特徴です。

  • 修学旅行

    修学旅行では、関西方面などを訪れ、歴史や文化に触れるとともに、クラスメイトとの親睦を深めます。

掛川工業高等学校の進学実績

「進学にも就職にも強い掛工」と言われるように、掛川工業高等学校は多様な進路実績を誇ります。卒業生の約半数は就職し、残りの半数が大学や専門学校へ進学するというのが近年の傾向です。

就職に関しては、地元静岡県内の優良企業を中心に、毎年多くの求人が寄せられており、高い就職率を維持しています。

大学進学では、工業高校の専門知識を活かせる国公立大学や難関私立大学への進学者も輩出しています。主な進学先は以下の通りです。

  • 国公立大学

    静岡大学、豊橋技術科学大学、静岡文化芸術大学など

  • 私立大学

    静岡理工科大学、愛知工業大学、金沢工業大学、名城大学、日本大学、東海大学など

  • その他

    専門学校への進学者も多く、浜松工科自動車大学校や静岡デザイン専門学校、大原法律公務員専門学校などが挙げられます。また、職業能力開発校へ進む生徒もいます。

掛川工業高等学校では、多くの大学や専門学校から指定校推薦枠を得ており、これが高い進学実績につながっています。

掛川工業高等学校の特長・アピールポイント

掛川工業高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。

  • 全国唯一の施設「ものづくりハウス」

    NC工作機械やレーザー加工機、電気自動車など、最新鋭の設備が整った「ものづくりハウス」という施設があります。ここで生徒たちは、より高度で実践的な研究や製作活動に取り組むことができます。

  • 高い就職率と地元企業との強い連携

    地元企業からの信頼が厚く、毎年多くの求人が寄せられます。2年生全員が参加するインターンシップなどを通して、実践的な職業観を養うことができます。

  • 豊富な資格取得サポート

    在学中に様々な国家資格や検定に挑戦できる環境が整っています。卒業後の進路に直結する資格を取得できるのは大きな強みです。

  • ロボットコンテストなどでの輝かしい実績

    ロボット工作部や電気研究部は、全国規模のコンテストで優秀な成績を収めています。工業高校ならではの専門性を活かした活動が盛んです。

  • DXハイスクールへの指定

    デジタル技術を活用した教育を推進する「DXハイスクール」に指定されており、AIやIoTなど最先端の技術を学ぶ機会が提供されています。

  • 地域や企業と連携した課題研究

    ヤマハ発動機などの地元企業や研究機関と連携し、より専門的で社会の課題解決に繋がるような研究活動(課題研究)を行っています。

  • きめ細やかな少人数教育

    実習では生徒5〜10人に対して1人の教員が指導にあたるなど、一人ひとりの理解度に合わせた丁寧な指導が行われています。

掛川工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

掛川工業高等学校に関する口コミをまとめると、専門的な知識を学びたい生徒にとっては非常に良い環境である一方、校則や施設面でいくつかの注意点があるようです。

  • 良い点

    • 「就職に非常に強く、大手企業への就職実績も多い」という声が多数あります。

    • 「専門的な資格がたくさん取れるので、将来に役立つ」と評価されています。

    • 「先生方が専門知識を持っており、熱心に指導してくれる」という意見が見られます。

    • 「工業系の大学への進学、特に指定校推薦が充実している」点が魅力として挙げられています。

    • 「ものづくりが好きな人にとっては、設備が整っていて最高の環境」という口コミがあります。

  • 気になる点

    • 「校則が他校に比べて厳しい」と感じる生徒が多いようです。特にスマホの使用制限に関する不満の声が見られます。

    • 「校舎や一部の施設が古い」という意見があります。

    • 「女子生徒の数が少なく、クラスによっては女子がいないこともある」ため、華やかな高校生活をイメージしているとギャップを感じるかもしれません。

    • 「先生によって指導の熱意に差がある」と感じる生徒もいるようです。

    • 専門科目の勉強が本格的なため、「工業分野に本当に興味がないと授業についていくのが大変」という声もあります。

アクセス・通学

掛川工業高等学校へのアクセス方法です。

  • 最寄り駅

    • JR・天竜浜名湖鉄道「掛川駅」南口から徒歩約17〜18分

  • バス

    • 掛川市自主運行バス「京徳池前」バス停から徒歩約6分

    • 掛川市自主運行バス「掛川税務署前」バス停から徒歩圏内

掛川市内からの通学者が多いですが、近隣の袋井市、磐田市、菊川市、御前崎市など、中東遠地区の広い範囲から生徒が通学しています。

掛川工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

掛川工業高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、将来「ものづくり」の世界で活躍したい、専門的な技術を身につけて社会に貢献したいという強い意志を持った人に、最高の学びの場を提供してくれます。もしあなたが、機械を触るのが好きだったり、プログラミングに夢中になったり、あるいは快適な建物を設計することに興味があるなら、掛川工業高等学校はまさにうってつけの学校です。

受験勉強においては、まず中学校の基礎的な学力をしっかりと固めることが大切です。特に、数学や理科は専門科目を学ぶ上での土台となりますので、苦手意識をなくし、得意を伸ばす努力をしましょう。また、面接では「なぜ掛川工業高校で学びたいのか」「どの学科で何を学び、将来どうなりたいのか」を自分の言葉で具体的に話せるように準備しておくことが重要です。

高校3年間はあっという間です。明確な目標を持って掛川工業高等学校の門を叩き、充実した学校生活を送ってください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。