新潟県立新津工業高等学校は、「ものづくり」を通して、社会で活躍できる技術者を目指すための専門高校です。皆さんは「工業高校」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?「難しそう」「男子ばかりで大変そう」と感じる人もいるかもしれません。しかし、新津工業高等学校は、ただ技術を学ぶだけの場所ではありません。充実した設備と、各分野のプロフェッショナルから直接指導を受けられる環境で、自分の「好き」や「得意」を専門的な力へと変えていける、魅力あふれる学校なのです。

「学ぼう!匠の技と心」をコンセプトに掲げる新津工業高等学校では、実習を中心としたカリキュラムが組まれており、手を動かしながら実践的に学ぶことができます。 ゼロからスタートする人がほとんどなので、入学前に専門知識がなくても全く心配いりません。大切なのは「ものづくりに挑戦してみたい」という気持ちです。

この記事では、そんな新津工業高等学校の具体的な学習内容から、学校生活のリアルな様子、卒業後の進路まで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、きっと新津工業高等学校の新たな魅力に気づくはずです。

新津工業高等学校の基本情報

まずは、新津工業高等学校の基本的な情報を確認しましょう。

項目 内容
正式名称 新潟県立新津工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒956-0816 新潟県新潟市秋葉区新津東町1-12-9
代表電話番号 0250-22-3441
公式サイト https://niitsuk-h.nein.ed.jp/

新津工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

新津工業高等学校の受験を考える上で、偏差値や難易度は気になるところですよね。ここでは、具体的な数字と併せて、合格の目安や併願校について解説します。

偏差値

新津工業高等学校に設置されている学科の偏差値は以下の通りです。

  • 工業マイスター科:42

  • 日本建築科:42

  • 生産工学科:42

  • ロボット工学科:42

偏差値は42とされており、新潟県内の公立高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えるでしょう。 しかし、専門的な知識や技術を身につけたいという意欲のある生徒が集まるため、油断は禁物です。

難易度と内申点の目安

合格に必要な内申点の明確な基準は公表されていませんが、中学3年間の評定が大きく影響します。新潟県の公立高校入試では、中学1年生から3年生までの9教科の成績(合計135点満点)が調査書点として利用されるため、1年生のうちからコツコツと定期テスト対策に取り組むことが重要です。

偏差値42という数字は、中学校の基礎・基本が定着していれば十分に目指せるレベルです。苦手科目をなくし、特に技術・家庭科などの実技教科にも真面目に取り組む姿勢が評価される傾向があります。

主な併願校

新潟県の公立高校入試では、原則として1校1学科にしか出願できません。 そのため、新津工業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。

主な併願校としては、同じように工業系の学科を持つ私立高校や、新津工業高等学校と比較的偏差値が近い普通科の高校が挙げられます。

  • 新潟第一高等学校(普通科)

  • 北越高等学校(普通科)

  • 中越高等学校(普通科)

これらの高校は、万が一の場合の進学先としてだけでなく、それぞれの学校の特色を比較検討する上でも、一度調べてみることをお勧めします。

新津工業高等学校に設置されている学科・コース

新津工業高等学校には、それぞれに特色のある4つの専門学科が設置されています。 ここでは、各学科でどんなことが学べるのか、どんな人におすすめなのかを分かりやすく紹介します。

  • 工業マイスター科

    • どんなことを学ぶ?:機械技術を中心に、伝統的な加工方法からコンピュータを使った最先端の制御技術まで、幅広く学びます。 豊富な実習時間で、金属加工のプロを目指します。

    • どんな生徒におすすめ?:あらゆる工作機械を自分の手足のように使いこなし、ものづくりの基本を極めたい人におすすめです。

  • 生産工学科

    • どんなことを学ぶ?:製品を効率よく、かつ安全に作り出すための自動化やシステム化の技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:工場の生産ラインなど、ものが作られる仕組みに興味があり、将来的に生産管理などの分野で活躍したい人に向いています。

  • ロボット工学科

    • どんなことを学ぶ?:マイクロコンピュータを使った制御技術を中心に、ロボットの組み立てからプログラミングまでを実践的に学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:ロボットやコンピュータが好きで、機械を自動で動かす仕組みを学びたい、未来の技術を創造したいという探究心のある人におすすめです。

  • 日本建築科

    • どんなことを学ぶ?:日本の伝統的な木造建築に関する知識と、職人の「匠の技」である大工技術を学びます。 現役の職人から直接、ノミやカンナといった手工具の使い方を教わることができます。

    • どんな生徒におすすめ?:神社仏閣などの伝統建築に興味がある人や、将来、大工や宮大工として日本の文化を支えたいという夢を持つ人にぴったりの学科です。

新津工業高等学校の特色・校風

新津工業高等学校は、専門技術の習得だけでなく、人としての成長も大切にしている学校です。ここでは、学校の雰囲気や生徒たちのリアルな声をもとに、その特色や校風に迫ります。

  • 校風キーワード:実践重視、資格取得に積極的、地域との連携、面倒見が良い

生徒たちのリアルな学校生活

  • 宿題の量:学科によって差はありますが、特に専門科目ではレポートや製図などの課題が出されることが多いようです。しかし、授業内で完結するものも多く、計画的に取り組めば部活動との両立も十分可能です。

  • 校則:頭髪や服装に関する指導は、他の高校と比較して厳しいという声が見られます。 これは、将来社会人として企業で働くことを見据え、身だしなみや規律を重んじる指導方針の表れと言えるでしょう。スマートフォンの使用については、校内での使用は原則禁止で、見つかると一定期間没収されるなどの厳しい指導があるようです。

  • 生徒たちの雰囲気:ものづくりが好きで、特定の分野に強い興味を持つ生徒が多く集まっています。お互いの好きなことを尊重し合える、落ち着いた雰囲気があるようです。挨拶が徹底されており、地域の方からも清々しいと評判です。

  • アルバイト:アルバイトは原則として許可されていませんが、家庭の事情など特別な理由がある場合は、学校に申請し許可を得ることで可能になる場合があります。

  • 制服:男子は一般的な黒の学ラン、女子はブレザーです。特にデザイン性が高いというわけではありませんが、シンプルで着こなしやすいという意見が多いようです。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。週末は部活動や資格取得の勉強、趣味の時間に充てることができます。

新津工業高等学校の部活動・イベント

専門知識を学ぶだけでなく、仲間との絆を深める部活動や学校行事も高校生活の大きな楽しみの一つです。新津工業高等学校では、工業高校ならではの部活動やイベントが充実しています。

部活動

新津工業高等学校の部活動は非常に活発で、多くの部が全国大会や北信越大会で優秀な成績を収めています。

  • 運動部

    • 特に陸上競技部や柔道部が強豪として知られています。 陸上競技部の投てき種目では、U18日本選手権で準優勝した卒業生もいるほどです。

    • その他にも野球部、サッカー部、バスケットボール部など、多くの運動部が熱心に活動しています。

  • 文化部(専門部)

    • 工業高校ならではの専門的な部活動が盛んです。特に機械部(ロボット・溶接)や建築部は、各種コンテストで全国レベルの実績を誇ります。

    • 例えば、機械部の溶接部門は県大会で優勝するほどの高い技術力を持っています。 建築部では、その卓越した技術が評価され、内閣総理大臣官邸で表彰を受けた卒業生もいます。

    • その他、茶道部が文化祭で本格的な茶会を開くなど、文化的な活動も行われています。

イベント

生徒たちが主体となって作り上げるイベントは、学校生活を彩る大切な思い出になります。

  • 体育祭(6月頃)

    • クラス対抗で様々な競技に熱中し、学年を超えて盛り上がる一日です。

  • 飛翔祭(文化祭)(10月頃)

    • 新津工業高等学校の文化祭は「飛翔祭」と呼ばれ、工業高校ならではの展示や実演が大きな見どころです。

    • 2年生は各学科で学んだ実習の成果を発表し、小物販売なども行います。 3年生やPTAは焼きそばなどの食品提供を行い、毎年大盛況となります。

    • 一般公開もされており、在校生の数をはるかに上回る来場者で賑わう、地域でも人気のイベントです。

  • 修学旅行(12月頃)

    • 2年生の冬に関東方面へ行くのが恒例となっています。 仲間との絆を深める貴重な機会です。

  • その他

    • 校内マラソン大会やスポーツ大会など、年間を通して様々な行事が企画されています。

新津工業高等学校の進学実績

「工業高校は就職がメイン」というイメージが強いかもしれませんが、新津工業高等学校は大学や専門学校への進学にも対応できるカリキュラムが組まれています。 ここでは、卒業生の多様な進路について見ていきましょう。

就職に強い!圧倒的な求人倍率

最大の強みは、やはり高い就職率です。新潟県内の有名企業をはじめ、多くの企業から求人が寄せられ、生徒一人ひとりに対する求人倍率は非常に高い水準にあります。これは、学校が長年にわたって築き上げてきた企業との信頼関係と、卒業生たちの社会での活躍の賜物です。

  • 主な就職先:製造業、建設業、電気・ガス関連企業など、学んだ専門知識を直接活かせる企業への就職が中心です。地域を支える優良企業への就職実績が多数あります。

進学という選択肢も

近年は、専門知識をさらに深めるために大学や専門学校へ進学する生徒も増えています。

  • 国公立大学:新潟大学、長岡技術科学大学など、工業系の学部に進学するケースが見られます。

  • 私立大学:新潟工科大学、金沢工業大学、千葉工業大学など、専門分野との親和性が高い大学への進学者が多い傾向にあります。

  • 専門学校:より実践的な技術を身につけるため、建築、自動車、情報処理などの専門学校へ進む生徒もいます。

進路サポート

3年生になると企業ガイダンスに参加したり、ハローワークの担当者による就職ガイダンスが校内で開かれたりと、手厚い進路サポートが受けられます。 インターンシップなどを通じて、在学中から社会との接点を持てるのも大きな魅力です。

新津工業高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、新津工業高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 「現代の名工」から直接指導

    各分野の第一線で活躍する「現代の名工」や「ものづくりマイスター」と呼ばれる熟練技能者を講師として招き、直接指導を受ける機会が豊富にあります。 プロの技を間近で体感できる貴重な経験は、技術力向上への大きな刺激になります。

  • 充実した資格取得サポート

    在学中に様々な国家資格や検定に挑戦できる環境が整っています。 危険物取扱者や各種技能検定など、将来の就職や進学に有利になる資格を取得することが可能です。

  • 地域企業との強い連携

    インターンシップ(就業体験)やデュアルシステム(学校と企業が連携して行う教育プログラム)などを通じて、地域の企業と深く連携しています。 実際の現場で働く経験は、職業観を養い、将来の目標を明確にするのに役立ちます。

  • 全国レベルで活躍する部活動

    機械部(ロボット・溶接)や建築部、陸上競技部などが全国大会の常連です。 専門分野の学習と部活動を両立させ、高いレベルで文武両道を目指せる環境があります。

  • 工業高校ならではのユニークな文化祭「飛翔祭」

    生徒たちが製作した作品の展示や実演、溶接体験など、ものづくりの楽しさを来場者と共有する企画が満載です。 毎年多くの来場者で賑わい、生徒たちの学習成果を発表する晴れの舞台となっています。

  • 伝統を未来へ繋ぐ「日本建築科」

    全国的にも珍しい、日本の伝統的な木造建築の技術を専門的に学べる学科があります。 現役の職人から直接指導を受け、宮大工などの専門職を目指すことができます。

  • 社会で即戦力となる人材育成

    挨拶や礼儀、時間厳守といった社会人としての基礎を徹底して指導します。卒業生が就職先で高く評価される理由の一つが、こうした人間教育にあります。

新津工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

実際に通っている生徒や卒業生は、新津工業高等学校をどのように感じているのでしょうか。様々な口コミから見えてくる良い点と気になる点を公平にまとめました。

良い点

  • 就職に圧倒的に強い

    「有名な企業からの求人が多く、就職活動に有利」という声が多数あります。 先生方のサポートも手厚く、安心して就職活動に臨めるようです。

  • 専門的な資格がたくさん取れる

    「他の高校では取れないような専門資格に挑戦できるのが魅力」という意見が多く見られます。 資格は自信に繋がり、進路選択の幅を広げてくれます。

  • ものづくりが好きな人には最高の環境

    「同じ趣味や目標を持つ仲間と出会える」「実習の授業がとにかく楽しい」といった、専門分野を学べることへの満足度が非常に高いようです。

  • 先生のサポートが手厚い

    専門的な内容で分からないことがあっても、先生方が親身になって教えてくれるという声が多いです。進路相談などにも丁寧に対応してくれるようです。

気になる点

  • 校則が厳しい

    特に頭髪や服装、スマートフォンの使用に関する校則が厳しいと感じる生徒が多いようです。 「もう少し自由でも良いのに」という意見が見られます。

  • 施設・設備の古さ

    校舎や一部の実習設備が古いという指摘があります。ただし、学習に必要な機材は揃っており、専門的な実習に支障はないようです。

  • 大学進学には本人の努力が必要

    就職に主眼が置かれているため、大学進学、特に一般入試を目指す場合は、学校の授業に加えて自分自身での学習が不可欠になります。 「進学希望者向けのサポートがもっと充実してほしい」という声もあります。

  • 男女比の偏り

    工業高校という特性上、男子生徒の割合が高いです。 しかし、近年は女子生徒も増える傾向にあり、学科によっては女子生徒が複数在籍しています。

アクセス・通学

新津工業高等学校への通学方法や、どのエリアから生徒が通っているのかを見ていきましょう。

  • 最寄り駅からのアクセス

    • JR信越本線「新津駅」東口より徒歩約20~28分

    • JR羽越本線「東新津駅」より徒歩約32分

  • バスでのアクセス

    • 新津駅東口から新潟交通のバス路線があり、「新津工業高校前」バス停で下車すると徒歩3分です。

  • 自動車でのアクセス

    • 磐越自動車道「新津IC」から約500mと、車でのアクセスも良好です。

主な通学エリア

新潟市秋葉区内からの通学者が最も多いですが、JRやバスのアクセスが良いため、新潟市内の他区(中央区、江南区、南区など)や、近隣の五泉市、加茂市、田上町など、広い範囲から生徒が通学しています。

新津工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

新津工業高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。

この学校は、「何かを自分の手で作り上げることが好き」「特定の分野をとことん探究してみたい」という強い想いを持つ君にこそ、ぴったりの場所です。新津工業高等学校の最大の魅力は、その「好き」という気持ちを、社会で通用する本物の「技術」へと育て上げてくれる環境があることです。プロの職人から直接技を学び、最新の機械を操作し、仲間と切磋琢磨する3年間は、普通科の高校では決して味わえない、刺激的で密度の濃い時間になるでしょう。

受験勉強においては、まず中学校の5教科の基礎を固めることが何よりも大切です。特に数学や理科の知識は、入学後の専門科目の学習に直結します。難しい応用問題に手を出すよりも、教科書レベルの問題を確実に解けるように繰り返し練習してください。そして、技術・家庭科の授業にも真剣に取り組み、「ものづくり」に対する興味や関心を面接などで自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。新津工業高等学校で、君の可能性を大きく花開かせてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。