新潟県立有恒高等学校は、120年以上の長い歴史と伝統を誇る、地域に根ざした高等学校です。 その源流は、明治29年に郷土の偉大な教育者・増村朴斎先生が設立した「有恒学舎」にあります。 「西の松下村塾、東の有恒学舎」とも称されたその学び舎の精神は、現在の有恒高等学校にも脈々と受け継がれています。

「有恒」という校名は、「常に変わらない正しい信念を持ち続ける人間を育成したい」という願いを込めて、中国の古典『論語』から名付けられました。 その名の通り、有恒高等学校は、生徒一人ひとりが持つ個性を大切に育み、社会に貢献できる人材を育成することを目指しています。

この記事では、歴史と自然に抱かれた美しい環境の中で、自分らしい高校生活を送ることができる有恒高等学校の魅力を、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。基本的な情報から、学校生活のリアルな様子、進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

有恒高等学校の基本情報

有恒高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 新潟県立有恒高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒944-0131 新潟県上越市板倉区針583-3
代表電話番号 0255-78-2003
公式サイト https://www.yuukou-h.nein.ed.jp/

有恒高等学校の偏差値・難易度・併願校

一部の高校情報サイトでは、有恒高等学校の偏差値が41と記載されている場合がありますが、これは過去の全日制課程のデータや参考値である可能性が高いです。現在の有恒高等学校は全日制課程の生徒募集を行っておらず、入学者選抜では学力検査を実施していません。そのため、一般的な「偏差値」という指標で難易度を測ることはできません。

選抜は主に面接やPRシートなどによって行われ、中学校での学習内容を学び直したい、自分のペースで高校卒業を目指したいという意欲が重視される傾向にあります。

難易度としては、中学校までの基礎学力に不安がある生徒でも、学習意欲や高校生活への前向きな姿勢を示すことができれば、合格の可能性は十分にあると言えるでしょう。同じくらいの難易度の高校というよりは、「学び直し」や「個に応じた指導」を特色とする他の高校が比較対象となります。新潟県の公立高校の制度上、他の公立高校との併願はできません。私立高校を併願する場合は、自分の学習スタイルや目標に合った学校を選ぶことが大切です。

有恒高等学校に設置されている学科・コース

有恒高等学校には、全日制課程の普通科が設置されています。 少人数制のクラス編成が特徴で、生徒一人ひとりの学習進度や理解度に合わせた、きめ細やかな指導が行われています。

  • 普通科:中学校までの学習内容の復習から始め、基礎学力の定着を重視したカリキュラムが組まれています。 国語・数学・英語では「マルチ・ベーシック」という学校設定科目を設け、学び直しを強力にサポートしています。 将来、大学や専門学校への進学を目指す生徒から、就職を希望する生徒まで、多様な進路希望に対応できる点が魅力です。

有恒高等学校の特色・校風

有恒高等学校の校風は、「落ち着いた雰囲気」「アットホーム」「自主・協調」といったキーワードで表現できます。 全校生徒が100名程度の小規模校ならではの、先生と生徒、また生徒同士の距離が近い、温かい人間関係が魅力です。

  • 宿題の量:担当の先生から出される課題をしっかりとやり遂げることが求められるようです。日々の復習を習慣づけることが大切になります。

  • 校則:社会の変化や生徒の自律心を育む観点から、令和5年度に校則の見直しが行われました。 スマートフォンは、登校後は電源を切り、昼休みのみ使用可能です。 服装や頭髪は清潔・質素を基本とし、アクセサリーや化粧は禁止されています。

  • 生徒たちの雰囲気:少人数だからこそ、学年を超えた交流が生まれやすく、体育祭や文化祭などの学校行事では強い団結力を発揮します。 生徒会活動も活発で、生徒が主体となって行事を企画・運営しています。

  • アルバイト:許可制で認められていますが、成績が振るわない場合や考査期間中はできません。

  • 制服:ブレザータイプの制服で、指定のベストやセーターを着用することもできます。 2024年には、生徒の意見を取り入れてネクタイとリボンのデザインが新しくなりました。

  • 土曜授業:行われていません。

  • その他:学食はありませんが、昼休みにパンの販売があります。

有恒高等学校の部活動・イベント

部活動

有恒高等学校は生徒数約80名の小規模校ですが、その分、部員同士や顧問の先生との距離が近く、アットホームな雰囲気で活動できるのが魅力です。 運動部が3つ、文化部が2つと数は多くありませんが、一人ひとりが自分のペースで活動に取り組んでいます。

  • 運動部:バドミントン部、卓球部、総合スポーツ部があります。 特にバドミントン部は各種大会に出場するなど、活発に活動しているようです。

  • 文化部:吹奏楽部、美術部があります。 美術部は文化祭で手作りの写真立てやレジン体験、しおり販売などを行い、来場者を楽しませています。

イベント

生徒会が中心となって企画・運営する学校行事は、有恒高校の大きな魅力の一つです。 少人数だからこそ、全校生徒が一丸となって盛り上がります。

  • 体育祭:6月に行われ、3年生を中心とした全校応援パフォーマンスが見どころです。 大玉送りやリレーなどの競技で、学年の壁を越えて協力し合います。 2025年には、校内に開校した上越特別支援学校有恒学舎の生徒も参加し、交流を深めました。

  • 恒高祭(文化祭):秋に開催され、地域住民にも開かれた賑やかなイベントです。 各クラスがお化け屋敷やカフェ、縁日などの企画を工夫を凝らして実施します。 有志によるダンスや歌のステージ発表も大変盛り上がります。 キッチンカーが出店することもあり、お祭りのような雰囲気を楽しめます。

  • 修学旅行:行き先は学年によって異なりますが、関西方面などを訪れることが多いようです。

  • その他:夏季・冬季の球技大会や、3学期のスキー授業など、季節ごとの行事も充実しています。

有恒高等学校の進学実績

有恒高等学校は、生徒一人ひとりの希望に合わせた丁寧な進路指導を特色としており、大学進学から専門学校、就職まで幅広い進路に対応しています。

近年の卒業生の進路状況を見ると、専門学校への進学者が最も多く、次いで就職、大学等への進学者となっています。

  • 国公立大学:具体的な大学名や人数の公表はありませんが、進学実績があるようです。

  • 私立大学:具体的な大学名や人数の公表はありませんが、進学実績があるようです。

  • 専門学校・就職:卒業生の多くが専門学校への進学や地元企業への就職を果たしており、地域社会で活躍しています。

  • 進学サポート:1年生の段階から進路ガイダンスや地元企業の事業所見学などを実施し、早期からキャリア教育に力を入れています。 進学や資格取得を目指す3年生向けには、放課後補習も希望制で行われており、手厚いサポート体制が整っています。

有恒高等学校の特長・アピールポイント

有恒高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 120年以上の歴史と伝統:明治29年創立の「有恒学舎」を前身とし、創立者・増村朴斎の「三綱領・五学規」という教えが今も校訓として受け継がれています。

  • 学び直しを支える「マルチ・ベーシック」:国語・数学・英語で、中学校までの学習内容を復習する学校独自の科目を設定。基礎学力の定着を徹底的にサポートします。

  • 小規模校ならではのアットホームな環境:全校生徒が100名程度のため、先生と生徒の距離が非常に近く、一人ひとりに行き届いた丁寧な指導が受けられます。

  • 生徒が主役の学校行事:体育祭や文化祭(恒高祭)は、生徒会が中心となって企画・運営。少人数だからこそ生まれる強い一体感が魅力です。

  • 地域との連携を重視した探究活動:「総合的な探究の時間」では、地域と連携し、地域の課題解決に向けた活動に取り組んでいます。

  • 安心の進路サポート体制:1年生からの計画的なキャリア教育と、個々の希望に応じたきめ細やかな進路指導で、卒業後の多様な道をサポートします。

  • 自然豊かな学習環境:霊峰妙高山を望む頸城平野の中にあり、落ち着いた環境で学業に集中できます。

有恒高等学校の口コミ・評判のまとめ

有恒高等学校の在校生や卒業生からは、そのアットホームな環境や手厚いサポート体制を評価する声が多く聞かれます。

  • 良い点:

    • 「先生と生徒の距離が近く、何でも相談しやすい」という声が非常に多いようです。

    • 「少人数なので、授業で分からないところをすぐに質問できる」

    • 「自分のペースで勉強を進められるので、中学校で不登校気味だった自分でも安心して通えた」

    • 「行事がとても楽しく、クラスや学年全体の仲が良い」

    • 「学び直しができるカリキュラムがありがたい」

  • 気になる点:

    • 「部活動の種類が少ない」という意見があります。

    • 「最寄り駅からバスに乗る必要があり、交通の便が少し悪い」と感じる生徒もいるようです。

    • 「学食がないのが少し残念」という声もあります。

    • 「施設の古さが少し気になる」という口コミも見られます。

アクセス・通学

有恒高等学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン「新井駅」から:

    • 頸南バス「新井・板倉線」に乗車(約14分)、「板倉コミュニティプラザ前」バス停で下車し、徒歩約2〜3分。

  • えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン「高田駅」から:

    • 頸南バス「島田線」に乗車、「板倉コミュニティプラザ前」バス停で下車。

上越市内を中心に、妙高市などからも生徒が通学しているようです。バイク通学は1年生の夏休み以降、許可制で認められています(原付のみ)。

有恒高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

有恒高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、「もう一度、基礎から勉強をやり直したい」「自分のペースでじっくり学びたい」「アットホームな環境で高校生活を送りたい」と考えている君に、ぴったりの場所です。有恒高等学校の最大の魅力は、先生方が一人ひとりに親身になって向き合い、君の成長を全力でサポートしてくれる点にあります。

入試では学力試験がない分、面接やPRシートで「なぜ有恒高等学校で学びたいのか」「高校生活でどんなことに挑戦したいか」という君自身の「思い」が問われます。これまでの成績に自信がなくても、心配する必要はありません。大切なのは、これからの3年間に対する前向きな意欲です。自分の言葉で、熱意をしっかりと伝えてください。有恒高等学校で、新しい自分を見つける3年間を過ごしてみませんか。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。