東京都立富士高等学校は、1919年創立の東京府立第五高等女学校を前身とする、100年以上の歴史と輝かしい伝統を持つ進学校です。 中野区に位置し、落ち着いた環境の中で勉学や部活動に打ち込むことができます。長年にわたり「自主自律」「文武両道」の精神を掲げ、生徒一人ひとりの個性を尊重し、主体性を育む教育を実践してきました。

かつては都立高校全盛期に女子の最難関校として名を馳せ、学校群制度時代には東京大学に多数の合格者を輩出するなど、輝かしい実績を誇ります。 現在は附属中学校を持つ中高一貫校となり、高校からの募集は停止していますが、その教育の質の高さと人気は今も変わりません。

この記事では、そんな東京都立富士高等学校がどのような学校なのか、その特色や魅力を詳しく解説していきます。歴史と伝統に裏打ちされた質の高い教育内容や、活気あふれる学校生活の様子を知ることで、富士高等学校が長年にわたって多くの生徒や保護者から支持される理由が見えてくるはずです。

東京都立富士高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 東京都立富士高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒164-0013 東京都中野区弥生町五丁目21番1号
代表電話番号 03-3382-0601
公式サイト https://www.metro.ed.jp/fuji-s/

東京都立富士高等学校の偏差値・難易度・併願校

東京都立富士高等学校は、2021年度から高校での生徒募集を停止し、完全中高一貫校となりました。 そのため、高校受験における偏差値は存在しません。

中学校の偏差値は非常に高く、都内でもトップクラスの難易度を誇ります。

東京都立富士高等学校に設置されている学科・コース

東京都立富士高等学校は、高校からの生徒募集を行っていないため、高校受験で選択する学科やコースはありません。 附属中学校からの内部進学のみとなっています。

東京都立富士高等学校の特色・校風

東京都立富士高等学校の校風は、「自主自律」「文武両道」という言葉に象徴されます。 生徒の主体性を尊重し、勉強にも部活動にも全力で取り組む活気のある雰囲気が特徴です。

  • 生徒たちの雰囲気: 真面目で落ち着いている生徒が多い一方で、学校行事などでは一体となって盛り上がることのできる、バランスの取れた生徒が多いようです。 中高一貫校のため、先輩後輩の仲が良く、高校生が中学生をリードしていく場面も多く見られます。

  • 校則: 校則は、都立高校の中では標準的か、やや厳しいと感じる人もいるかもしれません。制服の着用が義務付けられており、服装に関する規定が定められています。 スマートフォンの持ち込みは可能ですが、校内での使用にはルールとマナーを守ることが求められます。 アルバイトについては明確な情報は見当たりませんでしたが、進学校という特性上、学業を優先する生徒が多いと考えられます。

  • 宿題・課題: 中高一貫で計画的な学習が進められており、特に探究活動「富士未来学」に関する課題など、自主的に考える力を養うための課題が多いという声があります。

  • 制服: 伝統あるセーラー服と詰襟が基本で、品位があると評判です。 高校生は夏用に、爽やかなデザインの準制服(青色のシャツ、チェックのスカート・スラックス)も用意されており、人気があるようです。

  • 土曜授業: 土曜授業は年に18回程度実施されており、学習時間の確保に力が入れられています。

東京都立富士高等学校の部活動・イベント

部活動

東京都立富士高等学校は、「文武両道」を掲げており、部活動も非常に盛んです。 中高一緒に活動する部が多く、高校生が中学生を指導しながら、学年を超えた交流が活発に行われています。

  • 運動部: 運動部は、剣道部や薙刀(なぎなた)部が関東大会に出場するなど、高いレベルで活動しています。 バドミントン部なども活気があり、専門のコーチから指導を受ける機会もあります。 珍しい部活動として、フラッグフットボール部もあります。

  • 文化部: 文化部も充実しており、様々な部が活動しています。 科学系の部活動は、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定校ということもあり、探究活動と連携した本格的な活動が期待できます。

イベント

富士高等学校の学校行事は生徒が主体となって企画・運営され、中高合同で行われるものが多く、非常に盛り上がります。

  • 富士祭(文化祭): 毎年9月に行われる文化祭は「富士祭」と呼ばれ、学校が一体となる大きなイベントです。 中学生と高校生が協力して準備を進め、クラスや部活動ごとの展示・発表は非常にレベルが高いと評判です。

  • 体育祭・合唱祭: 体育祭と合唱祭も、富士祭と並ぶ三大行事として位置づけられています。 特に合唱祭は、クラスごとに練習を重ね、美しいハーモニーを響かせます。

  • 修学旅行: 高校2年生の修学旅行では、台湾などを訪れ、現地の高校生との交流プログラムが組まれるなど、国際感覚を養う貴重な機会となっています。

東京都立富士高等学校の進学実績

東京都立富士高等学校は、都内でも有数の進学校として、国公立大学や難関私立大学へ多数の合格者を輩出しています。

近年の主な大学進学実績は以下の通りです。(人数は既卒生を含む場合があります)

  • 国公立大学: 2024年度は、東京大学4名、京都大学1名をはじめ、一橋大学や東京工業大学などの難関国公立大学に合格者を出しています。

  • 難関私立大学: 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学といった難関私立大学にも毎年多くの生徒が進学しています。GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)にも多数の合格者を送り出しています。

このような高い進学実績を支えているのが、6年間を見通した計画的な進路指導とキャリア教育です。 探究活動「富士未来学」を通して培われる論理的思考力や表現力が、大学入試にも繋がっていると言えるでしょう。

東京都立富士高等学校の特長・アピールポイント

東京都立富士高等学校には、生徒の知的好奇心を引き出し、大きく成長させるための独自の取り組みが数多くあります。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校: 2021年度から文部科学省のSSHに指定されており、先進的な理数系教育を受けることができます。

  • 6年間を貫く探究活動「富士未来学」: 中学1年から高校3年まで続く独自の探究学習プログラム「富士未来学」が教育の核となっています。 課題設定から研究、発表までを主体的に行うことで、思考力や課題解決能力を徹底的に鍛えます。

  • 富士山型の人間育成: 幅広い教養と高度な専門性を両立させ、社会の課題解決に挑戦できる「富士山型の人間」の育成を教育目標に掲げています。

  • 充実した国際教育: 海外の大学との指定校協定や、希望者向けのオーストラリア短期語学研修など、グローバルな視野を育む機会が豊富に用意されています。

  • 生徒主体で盛り上がる学校行事: 文化祭、体育祭、合唱祭などの学校行事は、生徒が中心となって企画・運営され、学校全体が一体となって大きな盛り上がりを見せます。

  • 中高一貫のメリットを活かした教育: 中学生と高校生が共に学び、活動する機会が多く、高校生はリーダーシップを、中学生は高い目標を持つことができます。

  • 伝統と革新の融合: 100年以上の歴史を持つ伝統校でありながら、SSH指定や探究活動の推進など、常に新しい教育に挑戦し続けています。

東京都立富士高等学校の口コミ・評判のまとめ

東京都立富士高等学校について、在校生や卒業生、保護者からは多くの声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「自主自律の精神が根付いており、生徒の主体性が尊重される」

    • 「勉強だけでなく、部活動や行事にも全力で取り組める環境がある」

    • 「先生方が熱心で、質問にも親身になって対応してくれる」

    • 「探究活動が本格的で、自分の興味をとことん追求できる」

    • 「中高一貫で生徒同士の仲が良く、一体感がある」

    • 「進学実績が良く、周囲のレベルも高いため刺激になる」

  • 気になる点:

    • 「課題の量が多く、慣れるまで大変だと感じることもある」

    • 「施設が全体的に少し古いという意見がある」

    • 「最寄り駅から近いが、路線によってはアクセスが良いとは言えない」

アクセス・通学

東京都立富士高等学校へのアクセスは以下の通りです。

  • 電車:

    • 東京メトロ丸ノ内線 「中野富士見町駅」から徒歩約1〜6分

    • 東京メトロ丸ノ内線 「中野新橋駅」から徒歩約11分

  • バス:

    • JR中央・総武線 「中野駅」南口から京王バスで約10分、「中野車庫」下車徒歩2分、または「富士高校」下車徒歩1分

    • 京王線 「幡ヶ谷駅」から京王バスで約10分、「富士高校」下車徒歩1分

中野区、杉並区を中心に、幅広いエリアから生徒が通学しているようです。

東京都立富士高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

(注:2021年度以降、高校からの生徒募集は停止されています。以下の内容は、附属中学校の受検を考える小学生とその保護者の方へのメッセージです。)

東京都立富士高等学校・附属中学校を目指す皆さんへ。この学校は、ただ偏差値が高いだけでなく、自分の「好き」や「なぜ?」をどこまでも探究できる、本当に魅力的な場所です。もしあなたが、勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で挑戦したい、そして仲間と協力しながら何かを創り上げることが好きなら、富士での6年間は、きっとかけがえのない宝物になるでしょう。

富士高等学校・附属中学校が求めるのは、知識の量だけでなく、物事を多角的に見て、自分の頭で考え抜く力です。適性検査では、理数的な思考力や、自分の経験を基に考えを表現する力が問われます。 日頃から身の回りのことに興味を持ち、「どうしてだろう?」と考える習慣を大切にしてください。そして、その考えを自分の言葉で説明する練習を重ねることが、合格への大きな一歩となります。皆さんの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。