沖縄県立南部工業高等学校は、沖縄県島尻郡八重瀬町にある、ものづくりのプロフェッショナルを目指す生徒たちが集まる専門高校です。1969年の創立以来、地域産業を支える多くの技術者を育成してきました。南部工業高等学校では、充実した設備と、一人ひとりの生徒に寄り添った手厚い指導が魅力です。

専門的な知識や技術を基礎からじっくりと学び、社会で即戦力として活躍できる人材になるためのカリキュラムが整っています。資格取得にも力を入れており、将来の夢を実現するための強力なサポート体制があります。

この記事では、そんな南部工業高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを詳しくご紹介します。ものづくりに興味がある、専門的なスキルを身につけたいと考えている中学生とその保護者の方は、ぜひ最後まで読んで、志望校選びの参考にしてください。

沖縄県立南部工業高等学校の基本情報

沖縄県立南部工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 沖縄県立南部工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒901-0402 沖縄県島尻郡八重瀬町字富盛1338
代表電話番号 098-998-2313
公式サイトURL http://www.nanbu-th.open.ed.jp/

沖縄県立南部工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

沖縄県立南部工業高等学校の偏差値は36とされています。これは、沖縄県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルに位置づけられます。しかし、専門的な技術を身につけたいという明確な目的を持った生徒が集まるため、油断は禁物です。

合格に必要な内申点の目安としては、中学3年間の評定平均が2.5〜3.0程度あると安心できるでしょう。ただし、これはあくまで目安であり、当日の入学試験の得点も重要になります。日々の授業に真面目に取り組み、提出物をきちんと出すなど、基本的な学習習慣を身につけておくことが大切です。

沖縄県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、南部工業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、沖縄尚学高等学校や興南高等学校などが挙げられますが、自分の学力や興味に合った学校を選ぶことが重要です。

沖縄県立南部工業高等学校に設置されている学科・コース

沖縄県立南部工業高等学校には、社会のニーズに応える3つの専門学科が設置されています。それぞれの学科で、未来の技術者になるための専門知識と実践的なスキルを学ぶことができます。

  • 機械科: ものづくりの基本となる機械の仕組みや構造、設計、加工技術などを学びます。旋盤や溶接などの基礎技術から、コンピュータ制御による最先端の加工技術まで幅広く学習します。機械いじりが好きな人や、新しいものを創り出すことに興味がある人におすすめです。

  • 電気科: 私たちの生活に欠かせない電気について、発電の仕組みから家庭で使われるまでの流れ、電気工事の技術などを学びます。第二種電気工事士などの国家資格取得も目指せます。電気の仕組みに興味がある人や、社会インフラを支える仕事に就きたい人に向いています。

  • 建築設備科: 人々が快適に暮らすための建物の仕組みを学ぶ学科です。以下の2つのコースに分かれて、より専門的な知識を深めます。

    • 建築デザインコース: 建物のデザインや設計、大工技術、施工管理などを学びます。自分のアイデアを形にしたい、建築家やデザイナーを目指したい人におすすめです。

    • 設備工学コース: 給排水や空調など、建物に命を吹き込む「設備」について学びます。県内の高校で設備工学を専門的に学べるのは数少ないため、貴重な存在です。見えないところで社会を支える仕事に魅力を感じる人に向いています。

沖縄県立南部工業高等学校の特色・校風

沖縄県立南部工業高等学校は、「和衷協力・自主自律・創意工夫」を校訓に掲げ、生徒一人ひとりの個性を尊重し、主体性を育む教育を実践しています。全校生徒数が約230名と、県内の工業高校の中では比較的小規模なため、先生と生徒の距離が近く、アットホームな雰囲気があるようです。

口コミを見ると、専門的な知識を基礎から丁寧に教えてもらえるという声が多く、ものづくりが好きな生徒にとっては非常に充実した環境のようです。宿題の量は学科や時期によって差があるようですが、専門教科の課題や実習レポートなど、計画的に進める必要があるものが多い傾向にあります。

校則については、頭髪や服装に関する指導がやや厳しいと感じる生徒もいるようですが、社会人として必要なマナーを身につけるための指導と捉える声もあります。スマートフォンの使用については、校内でのルールが定められているようです。アルバイトは原則として許可制となっている場合が多いですが、家庭の事情などに応じて相談が可能です。制服は、男子は一般的な学ラン、女子はブレザーで、落ち着いたデザインが特徴です。土曜授業は基本的にありません。

沖縄県立南部工業高等学校の部活動・イベント

部活動

南部工業高等学校は、部活動も非常に盛んで、特にものづくり系の部活動とウェイトリフティング部が全国レベルで活躍しています。

  • ものづくり系部活動(ロボット製作部、機械工作部など): ロボット競技大会やものづくりコンテストなどで、毎年優秀な成績を収めています。日々の授業で学んだ知識や技術を活かし、仲間と協力しながら一つの作品を創り上げる経験は、大きな達成感と自信につながるでしょう。

  • ウェイトリフティング部: 全国大会の常連であり、オリンピック選手を輩出したこともある名門です。充実した練習環境と指導者の下、多くの生徒が自己記録の更新を目指して日々汗を流しています。

  • 野球部: 近年、着実に力をつけており、県大会でも上位に進出することが増えてきました。

運動部、文化部ともに活気があり、多くの生徒が部活動に加入して充実した高校生活を送っています。

イベント

南部工業高等学校では、生徒たちの絆を深め、学校生活を彩る様々なイベントが開催されています。

  • 体育祭: クラス対抗リレーや綱引き、棒倒しなど、工業高校ならではの力強い競技で毎年大変な盛り上がりを見せます。クラスTシャツや学級旗の制作にも力が入っており、生徒たちの一体感が感じられるイベントです。

  • 文化祭(南工祭): 各学科の特色を活かした展示や実演、ものづくり体験コーナーなどが人気です。日頃の学習の成果を発表する貴重な機会であり、地域住民も多く訪れ賑わいます。

  • 新入生歓迎球技大会: 入学して間もない時期に開催され、新入生が学校に馴染むきっかけとなるイベントです。

  • 修学旅行: 関西方面などを訪れ、歴史や文化に触れるとともに、仲間との思い出を深めます。

これらの行事を通して、クラスや学年を超えた交流が生まれ、学校全体に活気があふれています。

沖縄県立南部工業高等学校の進学実績

沖縄県立南部工業高等学校の生徒たちは、3年間で培った専門知識と技術を活かし、多様な進路へと羽ばたいています。卒業生の多くは、県内有数の優良企業へ就職し、即戦力として活躍しています。

  • 就職: 就職希望者の内定率は非常に高く、学校に寄せられる求人数も豊富です。主な就職先としては、ヤシマ工業、東洋設備、桐和空調設備、琉球伊奈、久建工業など、県内の建設・設備関連企業が中心です。学校のキャリアサポートも手厚く、面接指導や企業説明会などを通じて、生徒一人ひとりの就職活動を力強くバックアップしています。

  • 進学: 専門性をさらに高めるため、大学や専門学校へ進学する生徒もいます。主な進学先としては、久留米工業大学、姫路大学などの工業系大学や、沖縄職業能力開発大学校、沖縄キリスト教短期大学などが挙げられます。指定校推薦枠も充実しており、日々の学習に真面目に取り組むことで、進学の道も大きく開けます。

沖縄県立南部工業高等学校の特長・アピールポイント

南部工業高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 少人数教育による手厚い指導: 全校生徒数が比較的少ないため、先生方が一人ひとりの生徒に目を配りやすく、個別の質問や相談にも丁寧に対応してくれます。

  • 充実した専門設備: 各学科に最新の機械や設備が整っており、実践的なスキルを身につけるには最高の環境です。

  • 高い資格取得率: 第二種電気工事士や各種技能検定など、就職に有利な国家資格や専門資格の取得を学校全体で強力にサポートしています。

  • 「ものづくりマイスター」による指導: 現場で長年の経験を積んだ熟練技能者「ものづくりマイスター」を招き、プロの技を直接学ぶ機会があります。

  • 地域に根差した活動: 「地域に恩返しプロジェクト」など、学校で学んだ技術を活かして地域に貢献する活動にも積極的に取り組んでいます。

  • 全国レベルで活躍する部活動: ウェイトリフティング部やロボット製作部など、全国の舞台で活躍する部活動があり、高い目標を持って活動に打ち込めます。

  • 高い就職内定率: 地元企業との強いパイプがあり、多くの優良企業から求人が寄せられるため、安定した就職実績を誇ります。

沖縄県立南部工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

南部工業高等学校に関する口コミをまとめると、以下のような声が見られます。

  • 良い点:

    • 「専門的なことを基礎からしっかり学べるので、ものづくりが好きな人には最高の環境」

    • 「先生たちが親身になって教えてくれるので、分からないことがあっても安心」

    • 「資格がたくさん取れるので、将来の選択肢が広がる」

    • 「就職率が良く、先生方のサポートも手厚い」

    • 「小規模なので、みんな仲が良くアットホームな雰囲気」

    • 「部活動が盛んで、全国大会を目指せる部もある」

  • 気になる点:

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある(特に頭髪など)」

    • 「専門教科の勉強は、興味がないと少し大変かもしれない」

    • 「交通の便があまり良くなく、バス通学の生徒が多い」

    • 「施設や校舎が少し古い部分もある」

全体的に、専門技術を身につけたいという明確な目標を持つ生徒にとっては、非常に満足度の高い学校であるようです。一方で、校則や専門的な学習内容については、向き不向きがあるかもしれません。

アクセス・通学

沖縄県立南部工業高等学校へのアクセスは以下の通りです。

  • 所在地: 〒901-0402 沖縄県島尻郡八重瀬町字富盛1338

  • アクセス方法:

    • 那覇バスターミナルから琉球バス交通のバス路線(34番、35番、36番、45番、235番、334番など)を利用し、「富盛」バス停で下車、徒歩約5分。

    • 公共交通機関でのアクセスがやや不便な場所にあるため、八重瀬町、糸満市、南城市、豊見城市など、近隣の市町から自転車やバスで通学する生徒が多いようです。

沖縄県立南部工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

沖縄県立南部工業高等学校は、「ものづくりが好き」「将来は技術者として社会に貢献したい」という強い意志を持った君に、ぜひおすすめしたい学校です。この学校の最大の魅力は、なんといっても専門的なスキルを基礎からじっくりと学べる環境が整っていること。先生方はとても熱心で、君が「できるようになりたい」という気持ちさえあれば、どこまでもサポートしてくれます。

受験勉強においては、まずは中学校の基礎的な内容、特に数学と理科をしっかりと復習しておくことが大切です。難しい応用問題よりも、教科書レベルの基本的な問題を確実に解けるようにしておきましょう。また、面接では「なぜ南部工業高校で学びたいのか」「将来どんな技術者になりたいのか」といった、君自身の熱意や目標を自分の言葉で伝えられるように準備しておくことが合格への鍵となります。

南部工業高等学校での3年間は、君の夢を形にするための大切な時間になるはずです。同じ目標を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、一生モノの技術と自信を手に入れてください。応援しています!


※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。