三重県立津工業高等学校は、100年以上の歴史と伝統を誇る、中勢地区で唯一の工業高校です。「ものづくり」を通して、社会で活躍できる技術者を育てることを目指しており、毎年多くの卒業生が県内を中心とした優良企業へ就職したり、専門知識をさらに深めるために大学へ進学したりと、多様な進路を実現しています。津工業高等学校には、機械科、電子科、電気科、建設工学科という、社会の基盤を支える重要な分野を学べる4つの学科が設置されています。

それぞれの学科で専門的な知識や技術を基礎からじっくりと学ぶことができ、実践的な実習も豊富に用意されています。また、部活動も非常に盛んで、特にヨット部やバスケットボール部などは全国大会レベルでの活躍が知られています。

この記事では、そんな津工業高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。ものづくりに興味がある人、専門技術を身につけて将来の夢を叶えたいと考えている中学生の皆さんにとって、きっと参考になるはずです。

津工業高等学校の基本情報

津工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 三重県立津工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒514-0823 三重県津市半田534
代表電話番号 059-226-1285
公式サイト http://www.mie-c.ed.jp/ttu/html/top.htm

津工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

津工業高等学校の偏差値は、学科によって少し異なりますが、おおむね43から44程度です。これは三重県内の高校の中では、専門学科として標準的な難易度と言えるでしょう。

  • 機械科:44

  • 電気科:44

  • 建設工学科:44

  • 電子科:43

合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3程度が一つの基準となりそうです。ただし、これはあくまで目安であり、前期選抜と後期選抜では評価の仕方も変わってくるため、中学校の先生や塾の先生とよく相談することが大切です。

津工業高等学校を第一志望とする場合、併願校としては私立高校を受験するケースが一般的です。同じ津市内や近隣の市にある、同程度の偏差値の私立高校が主な選択肢となるでしょう。具体的な併願校としては、高田高等学校や三重高等学校などが挙げられます。自分の学力や将来の進路希望に合わせて、慎重に併願校を選ぶようにしましょう。

津工業高等学校に設置されている学科・コース

津工業高等学校には、社会の様々な場面で活躍できる技術者を育成するための4つの専門学科が設置されています。それぞれの学科で特色ある学習が行われており、自分の興味や関心に合わせて選ぶことができます。

  • 機械科

    • どんなことを学ぶ?:全ての産業の基礎となる機械について、設計や製作、制御などの知識と技術を学びます。旋盤や溶接などの実習も豊富です。

    • どんな生徒におすすめ?:ものづくりが好きで、自動車やロボットなど、動く機械の仕組みに興味がある人におすすめです。

  • 電子科

    • どんなことを学ぶ?:スマートフォンやコンピュータなど、現代社会に欠かせない電子機器の仕組みや、情報通信技術(IT)の基礎を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:プログラミングや電子工作に興味があり、最先端の技術を学びたい人におすすめです。

  • 電気科

    • どんなことを学ぶ?:発電所から家庭に電気が届くまでの仕組みや、電気を安全に使うための技術、コンピュータ制御などを幅広く学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:エネルギー問題に関心があったり、電気工事士などの国家資格を取得して社会に貢献したい人におすすめです。

  • 建設工学科

    • どんなことを学ぶ?:人々が安全で快適に暮らすための、建物(建築)や道路、橋(土木)の設計や工事について学びます。2年次からは建築コースと都市システムコースに分かれます。

    • どんな生徒におすすめ?:地図に残るような大きなものづくりに携わりたい、街づくりやデザインに興味がある人におすすめです。

津工業高等学校の特色・校風

津工業高等学校は、「質実剛健」を校訓に掲げ、真面目でたくましい人材の育成を目指しています。工業高校という特性上、男子生徒が大多数を占めており、活気があってエネルギッシュな雰囲気が特徴です。

  • 校風キーワード:質実剛健、ものづくり、活気がある、ほぼ男子校

  • 宿題の量:専門科目が多く、レポートや製図などの課題はありますが、量は標準的という声が多いようです。計画的に進めることが大切になります。

  • 校則:頭髪や服装に関する基本的なルールはありますが、他の高校と比較して特別厳しいということはないようです。スマートフォンの持ち込みは可能ですが、授業中の使用はもちろん禁止です。

  • 生徒たちの雰囲気:ものづくりが好きな生徒が多く、同じ趣味を持つ仲間と出会いやすい環境です。男子生徒が多いため、ノリが良く元気な生徒が多いという印象です。

  • アルバイト:原則として長期休業中のみ可能で、学校の許可が必要です。

  • 制服:男子は伝統的な黒の詰襟学生服、女子はブレザーとスカートまたはスラックスです。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

津工業高等学校の部活動・イベント

部活動

津工業高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの部が県大会や東海大会、全国大会で活躍しています。特にヨット部はインターハイで全国制覇を成し遂げるほどの強豪として知られています。また、バスケットボール部も全国大会の常連です。

運動部だけでなく、文化部やものづくり系の生産部も充実しています。ロボット研究部や電子研究部などは、工業高校ならではの専門知識を活かして、様々なコンテストで優秀な成績を収めています。

  • 特に有名な部活動

    • ヨット部:インターハイ優勝経験のある全国トップレベルの強豪です。

    • バスケットボール部:ウィンターカップ出場経験もあるなど、県内屈指の実力を誇ります。

    • ラグビー部:東海ブロックのMVPに選ばれる選手を輩出するなど、高いレベルで活動しています。

    • ものづくり系部活動(電子研究部、機械研究部など):各種コンテストで優勝や上位入賞を果たしています。

イベント

津工業高等学校では、生徒たちが主体となって盛り上がる学校行事がたくさんあります。中でも「津工祭」と呼ばれる文化祭は、各クラスや部活動が趣向を凝らした展示や模擬店を出店し、多くの人で賑わいます。

体育祭やクラスマッチも、男子生徒が多い学校ならではの熱気と迫力で、クラスの団結力が一層深まるイベントです。修学旅行では、普段の学校生活では体験できない貴重な思い出を作ることができるでしょう。

津工業高等学校の進学実績

津工業高等学校の卒業生の進路は、約7割が就職、約3割が進学と、就職に強いのが大きな特徴です。

就職希望者に対しては、地元三重県内の優良企業をはじめ、東海地方や関西地方など、幅広い地域から多くの求人が寄せられます。トヨタ自動車、デンソー、中部電力、JR東海といった大手企業への就職実績も多数あります。学校からの手厚いサポートもあり、高い就職率を誇っています。

進学については、工業高校で学んだ専門知識をさらに深めるため、工業系の大学や専門学校へ進学する生徒が多いです。主な進学先としては、愛知工業大学、大同大学、名城大学などの私立大学や、名古屋工学院専門学校などが挙げられます。国公立大学への進学は多くはありませんが、指定校推薦などを活用して進学する生徒もいます。

津工業高等学校の特長・アピールポイント

津工業高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。

  • 100年以上の歴史と伝統:地域産業を支える多くの卒業生を輩出してきた実績と信頼があります。

  • 高い就職率と優良企業への就職実績:大手企業からの求人も多く、安定した将来を築きたい生徒にとって大きな魅力です。

  • 充実した資格取得サポート:第二種電気工事士や2級ボイラー技士、技能士など、将来に役立つ様々な国家資格や検定の取得を学校が全面的にバックアップしてくれます。

  • 全国レベルで活躍する部活動:ヨット部やバスケットボール部をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で輝かしい成績を収めています。

  • 実践的な「ものづくり」が学べる実習設備:各学科に専門的な実習を行うための充実した設備が整っており、即戦力となる技術を身につけることができます。

  • 中勢地区唯一の工業高校:地域の産業界との連携も強く、インターンシップなどを通して実践的な学びの機会が豊富にあります。

  • 卒業生の強いネットワーク:社会の様々な分野で活躍する卒業生との繋がりは、将来のキャリアを考える上で大きな財産となります。

津工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、津工業高等学校での学校生活について様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「就職に非常に強く、先生方のサポートも手厚い」という声が最も多く聞かれます。

    • 「専門的な知識や技術が身につき、資格もたくさん取れるので将来に役立つ」

    • 「男子が多くてノリが良く、毎日が楽しい。同じ趣味の友達が見つかりやすい」

    • 「部活動が盛んで、高いレベルで打ち込める環境がある」

    • 「先生との距離が近く、親身に相談に乗ってくれる」

  • 気になる点:

    • 「工業高校なので女子生徒が少なく、学科によってはクラスに女子がいないこともある」

    • 「施設の老朽化が少し気になる」という意見もあります。

    • 「専門科目の勉強は、興味がないと少し大変かもしれない」

    • 「いじめが全くないわけではない」という声も一部で見られます。

アクセス・通学

津工業高等学校へのアクセス方法です。

  • 近鉄名古屋線「津新町駅」から徒歩約13分

  • JR紀勢本線「阿漕駅」から徒歩約15分

  • 三重交通バス「工業高校前」バス停下車すぐ

津市内からの通学者が多いですが、松阪市や鈴鹿市、亀山市など、近隣の市町からも多くの生徒が電車やバスを利用して通学しています。

津工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

津工業高等学校は、「ものづくり」に少しでも興味がある君に、ぜひおすすめしたい学校です。将来、社会の役に立つ専門的な技術を身につけたい、あるいは、熱中できる部活動に打ち込みながら充実した高校生活を送りたい、そんな風に考えているなら、津工業高等学校は最高の環境を提供してくれるはずです。

受験勉強においては、まずは中学校で習う5教科の基礎をしっかりと固めることが何よりも大切です。特に、数学や理科は工業の専門科目を学ぶ上での土台となるので、苦手意識がある人は今のうちから重点的に復習しておきましょう。また、面接では「なぜ津工業高校で学びたいのか」「将来どんな技術者になりたいのか」といった、君自身の熱意や意欲が問われます。学校説明会などに積極的に参加して、津工業高等学校の魅力を肌で感じ、自分の言葉で語れるように準備しておくと良いでしょう。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。