山形県置賜地方で唯一の農業高校である置賜農業高等学校は、130年近い歴史と伝統を誇る、地域に根ざした専門高校です。 広大な敷地と充実した施設を活かし、「いのち」を育み、「こころ」を育み、「ひと」を育むことを教育の柱としています。 動物や植物とのふれあい、仲間と共に汗を流す実習を通して、生きた知識と技術を学ぶことができるのが、置賜農業高等学校の大きな魅力です。

普通科の高校とは一味違う、専門的な学びがここにはあります。農業と聞くと、作物を育てることだけをイメージするかもしれませんが、実際には食品加工、環境保全、バイオテクノロジー、さらには福祉との連携まで、その領域は多岐にわたります。置賜農業高等学校では、そうした幅広い分野を体験的に学ぶことで、将来、地域社会の様々な場面で活躍できる人材を育成しています。

この記事では、そんな置賜農業高等学校の具体的な学びの内容から、学校生活のリアルな様子、卒業後の進路まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく解説していきます。自然が好き、動物が好き、食べることが好き、そして何より、仲間と一緒に何かを創り出すことが好きなあなたにとって、きっと新しい発見があるはずです。

置賜農業高等学校の基本情報

置賜農業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 山形県立置賜農業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒999-0121 山形県東置賜郡川西町大字上小松3723
代表電話番号 0238-42-2101
公式サイトURL http://www.okitama-ah.ed.jp/

置賜農業高等学校の偏差値・難易度・併願校

置賜農業高等学校の偏差値は、専門高校という特性上、普通科の高校とは少し異なる視点で見る必要があります。学科ごとの専門性や実習内容に興味・関心があるかどうかが、入学後の学びの充実度に大きく影響します。

  • 食料生産経営科:41

  • 農業資源活用科:41

偏差値だけで見ると、山形県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えるでしょう。しかし、置賜農業高等学校では学力だけでなく、面接や中学校での活動なども重視される傾向があります。特に、農業への興味や学習意欲、将来の目標などを自分の言葉でしっかりと伝えることが合格への鍵となります。

合格に必要な内申点の目安としては、5段階評価で平均3程度がひとつの基準と考えられますが、これはあくまで目安です。中学校での委員会活動や部活動、ボランティア活動などに積極的に取り組んだ経験も評価されるようです。

主な併願校としては、同じ置賜地区にある私立高校が中心となります。

  • 米沢中央高等学校

  • 九里学園高等学校

これらの高校の普通科や専門学科を併願する受験生が多いようです。

置賜農業高等学校に設置されている学科・コース

置賜農業高等学校には、社会の変化や地域のニーズに合わせて2024年度から新しい2つの学科が設置されました。 それぞれの学科で、特色ある専門的な学びが展開されています。

  • 食料生産経営科

    • どんなことを学ぶ?:米や野菜、果樹などの作物の栽培から、牛や鶏などの家畜の飼育、そしてそれらを加工して販売するまでの一連の流れ(生産・加工・経営)を総合的に学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:将来、農業経営者や食品関連の仕事に就きたい人、自分で作ったものを多くの人に届けたいという夢がある人におすすめです。

  • 農業資源活用科

    • どんなことを学ぶ?:草花や野菜の栽培、ガーデニングなどの園芸分野、地域の森林資源を守り活用する林業分野、そしてバイオテクノロジーなどの先端技術まで、農業が持つ多様な資源を活かす方法を幅広く学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:花や緑が好きで、それに関わる仕事がしたい人、自然環境を守ることに興味がある人、新しい技術を使って農業の可能性を広げたい人におすすめです。

置賜農業高等学校の特色・校風

置賜農業高等学校の校風は、「質実剛健」「誠実明朗」「実践奉仕」という校訓に象徴されています。 生徒たちは全体的に穏やかで真面目な雰囲気があり、日々の実習を通して仲間との協調性を育んでいます。

  • 校風のキーワード:実践重視、地域密着、アットホーム、協調性

  • 宿題の量

    一般的な普通科の高校と比較すると、宿題の量はそれほど多くないという声が多いようです。ただし、各学科での実習レポートや課題研究など、専門科目に関する提出物は計画的に進める必要があります。

  • 校則

    校則は、他の高校と比べてやや厳しいと感じる生徒もいるようです。特に、頭髪や服装に関する指導は定期的かつ厳格に行われる傾向があります。

    • スマホ:校内への持ち込みは許可されていますが、授業中の使用は禁止など、使用に関するルールが定められています。

    • 服装:制服の着こなしについては、厳しく指導されることがあります。

  • 生徒たちの雰囲気

    農業という共通の目標を持つ生徒が集まっているため、お互いに協力し合う雰囲気が自然と生まれます。 実習ではグループで作業することが多く、コミュニケーション能力や協調性が身につく環境です。穏やかで真面目な生徒が多いと言われています。

  • アルバイト

    アルバイトは原則として許可制です。 学校生活に支障が出ない範囲で、長期休業中などに許可されることが多いようです。無断でのアルバイトは指導の対象となります。

  • 制服の評判

    制服については、特に女子生徒からの評判が良いようです。デザインが可愛いという口コミが見られます。

  • 土曜授業

    基本的に土曜授業はありませんが、学校行事や実習、部活動の大会などで登校日となる場合があります。

置賜農業高等学校の部活動・イベント

部活動

置賜農業高等学校では、運動部・文化部ともに活発に活動しており、多くの生徒が部活動に加入しています。 特に、農業高校ならではの産業系の部活動も充実しています。

  • ホッケー部:全国大会の常連として知られ、インターハイに25回以上出場するなど輝かしい実績を誇ります。 卒業後も大学や社会人チームで活躍する選手を多く輩出しています。

  • 演劇部:地域の食や農業をテーマにした「食育ミュージカル」など、ユニークな活動で知られています。 東北大会や全国大会への出場経験もあり、地域での公演活動も積極的に行っています。

  • アグリサイエンス部:ダリアのウイルスフリー化や冬咲き技術の研究など、専門的な研究活動に取り組んでいます。 全国レベルの大会で数々の賞を受賞しており、バイオテクノロジーなどの先端技術を学ぶことができます。

運動部、文化部ともに、それぞれの目標に向かって熱心に活動しており、学校全体に活気をもたらしています。

イベント

置賜農業高等学校では、農業高校ならではの特色あるイベントが多く、生徒たちの学校生活を彩ります。

  • 置農祭(文化祭):毎年秋に開催される最大のイベントです。 生徒たちが実習で生産した新鮮な野菜や果物、加工品(ジャム、ジュース、味噌など)の販売には、毎年地域の方々が長蛇の列を作ります。各クラスや文化部による展示や発表、ステージイベントなども大変盛り上がります。

  • 体育祭:クラス対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げます。学科や学年を超えて団結力が高まる一日です。

  • 農業クラブ各種大会:日頃の学習や研究の成果を発表する「農業の甲子園」とも呼ばれる大会です。意見発表会やプロジェクト発表会などがあり、全国大会で最優秀賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

  • 宿泊実習:1年生の時に、校内にある畜舎で2泊3日の宿泊実習が行われます。 牛の世話などを通して、命の大切さや畜産の仕事を肌で感じる貴重な体験となります。

置賜農業高等学校の進学実績

置賜農業高等学校の卒業生の進路は、大学・短大・専門学校への進学から、農業法人や地元企業への就職まで多岐にわたります。専門的な知識と技術を身につけているため、即戦力として社会で活躍する卒業生が多いのが特長です。

  • 国公立大学

    山形大学農学部など、農業系の学部への進学実績があります。国公立大学への進学は少数ですが、目標を持って学習に取り組む生徒をサポートする体制があります。

  • 私立大学・短期大学

    東京農業大学、日本大学生物資源科学部、東北文教大学など、農業系や地域創生系の私立大学・短大への進学者が多い傾向にあります。指定校推薦の枠も充実しています。

  • 専門学校・大学校

    山形県立農林大学校をはじめ、全国の農業大学校や、調理・製菓、環境、福祉などの専門学校へ進学する生徒も多数います。

  • 就職

    JA(農業協同組合)、地元の食品製造会社、種苗会社、造園会社、公務員(農業・林業職)など、学校で学んだ専門知識を活かせる企業や団体への就職に強みを持っています。

進路実現に向けて、先生方が一人ひとりの希望に合わせて親身に相談に乗ってくれるなど、手厚いサポート体制が整っていると評判です。

置賜農業高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、置賜農業高等学校ならではの魅力的なポイントをまとめました。

  • 県内随一の広大な実習施設

    校内には水田、畑、果樹園、ビニールハウス、牛や鶏を飼育する畜舎、演習林など、県内でもトップクラスの広さと設備を誇る農場があります。 生徒はこれらの施設を存分に活用し、実践的なスキルを磨くことができます。

  • 多彩な専門資格の取得をサポート

    危険物取扱者、フォークリフト運転、溶接、フラワー装飾技能士、日本農業技術検定など、将来の進学や就職に役立つ様々な専門資格の取得を学校全体でサポートしています。

  • 地域と連携したプロジェクト学習

    地元の企業や団体と協力し、商品開発や地域の課題解決に取り組むプロジェクト学習が盛んです。 例えば、「高校生山形うまいもの商品開発コンテスト」で大賞を受賞するなど、実践的な学びを通して社会貢献を体験できます。

  • 「お米甲子園」で3年連続金賞受賞の米作り

    全国の農業高校が米の品質を競う「全国農業高校お米甲子園」で、3年連続で金賞を受賞するなど、非常に高いレベルの稲作技術を学ぶことができます。

  • 国際的な農業の安全基準「JGAP」の認証取得

    食の安全や環境保全に関する厳しい基準をクリアした農場に与えられる「JGAP(Japan Good Agricultural Practice)」の認証を取得しています。持続可能な農業について、先進的な取り組みを学ぶことができます。

  • 命と向き合う宿泊実習

    1年生の時に行われる畜舎での宿泊実習は、動物の世話を通して命の尊さや食への感謝の気持ちを育む、本校ならではの貴重な体験です。

  • 全国レベルで活躍する部活動

    ホッケー部や演劇部、農業クラブなど、全国の舞台で輝かしい成績を収めている部活動が多く、文武両道で充実した高校生活を送ることができます。

置賜農業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられる、置賜農業高等学校のリアルな声を集めました。

  • 良い点

    • 「専門的な知識や技術が身につき、将来の夢に直結する学びができる」

    • 「実習が多く、座学だけでは学べない『命の大切さ』や『協力することの重要性』を実感できる」

    • 「先生方が親身で、進路相談などに熱心に対応してくれる」

    • 「動物や植物が好きなので、毎日が楽しい。同じ興味を持つ友達がたくさんできる」

    • 「置農祭などの行事がとても盛り上がり、地域の人たちとの交流も楽しい」

    • 「充実した施設や設備が整っていて、本格的な農業を学べる環境が良い」

  • 気になる点

    • 「実習は夏は暑く、冬は寒いなど、体力的に大変なこともある」

    • 「最寄り駅から少し距離があり、バスの本数も多くないので、アクセスが少し不便」

    • 「校則が少し厳しいと感じることがある。特に頭髪検査は厳しい」

    • 「虫が苦手な人には、実習が少し辛いかもしれない」

    • 「学科によっては、男子生徒または女子生徒の比率に偏りがある場合がある」

アクセス・通学

置賜農業高等学校へのアクセス方法です。

  • 最寄り駅

    • JR米坂線「羽前小松駅」から徒歩約15〜20分

多くの生徒は、羽前小松駅から徒歩または自転車で通学しています。また、米沢市、長井市、南陽市、高畠町、飯豊町など、置賜地方の広いエリアから生徒が通学しており、電車やバスを乗り継いで通う生徒もいます。冬期間は保護者による送迎も多くなります。

置賜農業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

置賜農業高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとしてメッセージを送ります。

この学校は、「自然や動物が大好き」「自分の手で何かを育てたり、作ったりすることが好き」「将来は食や環境、地域に関わる仕事がしたい」と考えている君に、まさにぴったりの場所です。普通科の高校では決して味わえない、土に触れ、命と向き合う3年間は、君を大きく成長させてくれることでしょう。置賜農業高等学校は、そんな君の「好き」という気持ちを、未来を切り拓く「力」に変えてくれる学校です。

受験勉強においては、もちろん基礎学力も大切ですが、それ以上に「なぜ置賜農業高校で学びたいのか」という強い意志を自分の言葉で表現できることが重要になります。学校説明会や置農祭に積極的に参加して、学校の雰囲気を肌で感じてみてください。そして、自分がこの学校で何を学び、どのように成長したいのかを具体的にイメージすることが、合格への一番の近道です。面接では、その熱い想いを自信を持って伝えてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。