兵庫県立芦屋高等学校、通称「芦高(あしこう)」は、長い歴史と自由な校風で知られる人気の高校です。1940年の創立以来、「自治・自由・創造」を教育綱領に掲げ、生徒一人ひとりの個性を尊重し、自主性を育む教育を実践してきました。進学実績はもちろんのこと、活発な部活動や生徒主体で作り上げる学校行事など、充実した高校生活が送れる環境が整っています。

この記事では、そんな兵庫県立芦屋高等学校の魅力を、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。偏差値や難易度といった受験情報から、在校生や卒業生のリアルな口コミ、他の高校にはないユニークな取り組みまで、中学生や保護者の方が本当に知りたい情報を分かりやすくまとめました。

なぜ芦屋高校が多くの受験生から選ばれるのか、その理由がきっと見つかるはずです。この記事を読んで、あなたの高校選びの参考にしてください。

兵庫県立芦屋高等学校の基本情報

芦屋高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 兵庫県立芦屋高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒659-0063 兵庫県芦屋市宮川町6番3号
代表電話番号 0797-32-2325
公式サイト https://www.hyogo-c.ed.jp/~kenashi-hs/

兵庫県立芦屋高等学校の偏差値・難易度・併願校

兵庫県立芦屋高等学校(普通科・単位制)の偏差値は57前後とされています。これは兵庫県内の公立高校の中では上位に位置し、合格するためにはしっかりとした学力が必要です。

同じくらいの偏差値の他の高校としては、葺合高等学校(国際科)や市立西宮高等学校(グローバル・サイエンス科)などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安は、250点満点中185点~190点程度と言われています。当日の学力検査で高得点を狙うのはもちろんですが、日々の授業態度や提出物、定期テストで好成績を収め、高い内申点を確保しておくことが芦屋高校合格への重要な鍵となります。

兵庫県の公立高校入試では、複数の公立高校を併願することはできません。そのため、芦屋高校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めの私立高校を併願します。主な併願校としては、報徳学園高等学校、仁川学院高等学校、神戸龍谷高等学校などが挙げられます。

兵庫県立芦屋高等学校に設置されている学科・コース

兵庫県立芦屋高等学校に設置されているのは「普通科(単位制)」です。芦屋高校は、一般的な学年制ではなく、大学のように自分で授業を選んで時間割を作成する「単位制」を導入しているのが大きな特徴です。

  • 普通科(単位制)

    • どんなことを学ぶ場所なのか:1年次は芸術科目以外は全員が同じ科目を学びますが、2年次からは自分の進路希望や興味・関心に合わせて、多種多様な選択科目の中から自分だけの時間割を作ることができます。選択科目には、大学受験に対応したハイレベルな講座から、「芦屋モダニズム」や「マリンスポーツ実習」といったユニークなものまであります。

    • どんな生徒におすすめか:将来の夢や目標が明確で、それに向かって主体的に学びたい生徒に特におすすめです。また、幅広い分野に興味があり、自分の可能性を広げたいと考えている生徒にとっても魅力的な環境と言えるでしょう。

兵庫県立芦屋高等学校の特色・校風

芦屋高校の校風は、「自治・自由・創造」という教育綱領に象徴されるように、非常に自由闊達な雰囲気です。生徒の自主性を尊重する文化が根付いています。

  • 宿題の量:口コミによると、宿題の量はそれほど多くないという声が見られます。ただし、毎週提出が求められる数学のワークなど、計画的に進める必要のある課題もあるようです。

  • 校則:校則は比較的緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が多いようです。

    • スマホ:スマートフォンの持ち込みは許可されています。

    • 服装:制服は定められておらず、私服での通学が認められています。式典などで着用するキャメル色のブレザーの「通学服」があり、これが可愛いと評判です。スカート丈などについては、学年によって指導の厳しさに違いがあるという声も見られます。

    • アルバイト:原則として禁止されています。

  • 生徒たちの雰囲気:明るく活発な生徒が多く、学校生活を楽しみたいという雰囲気があるようです。一方で、勉強に集中したい生徒にとっては、周囲の雰囲気に流されない強い意志が必要になるかもしれません。

  • 制服の評判:前述の通り、キャメル色のブレザーの「通学服」は、県内の高校の中でもお洒落で可愛いと高い評価を得ています。

  • 土曜授業:土曜授業の有無については、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。

兵庫県立芦屋高等学校の部活動・イベント

部活動

芦屋高校は部活動も非常に盛んで、文武両道を実践しています。多くの生徒が部活動に加入し、活気にあふれています。

特に、陸上競技部、ヨット部、カヌー部は全国大会に出場するほどの強豪として知られています。公立高校では珍しいヨット部やカヌー部があるのは、海の近くという立地ならではの特色です。文化部も、吹奏楽部、書道部、鉄道研究会など多岐にわたり、地域のイベントに参加するなど活発に活動しています。

イベント

芦屋高校の学校行事は、生徒主体の「自治会」が企画・運営の中心を担っており、非常に盛り上がることで知られています。

  • 記念祭(文化祭):クラスごとの出店やステージ発表などがあり、そのクオリティの高さには定評があります。近年では、キャッシュレス決済を導入するなど、ユニークな試みも行われ、テレビで取材されたこともあります。

  • 体育大会:クラスTシャツを作成し、クラス一丸となって競技に臨むなど、大きな盛り上がりを見せます。

  • 修学旅行:近年は沖縄方面で実施されています。

  • 球技大会:年に2回開催されるなど、スポーツを楽しむ機会が豊富にあります。

兵庫県立芦屋高等学校の進学実績

芦屋高校は、自由な校風の中にもしっかりとした進学実績を誇っています。多くの生徒が4年制大学へ進学しており、国公立大学や難関私立大学への合格者も多数輩出しています。

  • 国公立大学:例年、北海道大学、大阪大学、神戸大学などの難関大学を含む国公立大学に多くの合格者を出しています。

  • 難関私立大学:関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学といった「関関同立」や、京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学などの「産近甲龍」に、毎年多くの生徒が進学しています。

  • その他:大学進学だけでなく、専門学校への進学や就職など、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応しています。

進学実績を支える取り組みとして、芦屋高校では少人数授業による基礎学力の徹底や、豊富な選択科目の中から進路に応じた学習ができる環境が整っています。また、関西学院大学や甲南大学など近隣の大学と連携した「高大連携講座」も開講されており、高校にいながら大学の授業を受けることができます。

兵庫県立芦屋高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、芦屋高校ならではの強みやユニークな取り組みをご紹介します。

  • 自由な時間割を作れる「単位制」:2年次から、自分の興味や進路に合わせて100種類以上ある選択科目から授業を選び、自分だけの時間割で学べます。

  • 生徒が主役の「自治会」:文化祭や体育祭などの学校行事は、生徒組織である「自治会」が中心となって企画・運営します。生徒の自主性を重んじる芦高ならではの伝統です。

  • 国際交流プログラムの充実:台湾の姉妹校とのオンライン交流や、希望者対象のオーストラリア語学研修など、グローバルな視野を育む機会が豊富に用意されています。

  • 地域と連携した探究活動:芦屋の歴史や文化を学ぶ「芦屋モダニズム」といった特色ある授業や、地域のイベントへの参加、ボランティア活動などを通して、地域社会に貢献する姿勢を育みます。

  • 大学の授業を先取りできる「高大連携講座」:関西学院大学や甲南大学、神戸大学などと連携し、大学の正規の授業を受けられる講座があります。

  • 全国レベルで活躍する部活動:ヨット部やカヌー部、陸上競技部など、全国大会で活躍する部活動があり、高いレベルで文武両道を目指せる環境です。

  • 私服OK&可愛いと評判の「通学服」:校則が比較的緩やかで私服通学が可能です。式典などで着用するキャメルのブレザーはデザイン性が高く、生徒からの人気も高いです。

兵庫県立芦屋高等学校の口コミ・評判のまとめ

芦屋高校の在校生や卒業生から寄せられる声を、良い点と気になる点に分けてまとめました。

  • 良い点:

    • 「自由な校風で、のびのびと高校生活が送れる」「生徒の自主性を尊重してくれる」という声が非常に多いです。

    • 「文化祭や体育祭などの行事がとても楽しく、クラスの団結力が強い」といった、学校行事の盛り上がりを評価する意見も目立ちます。

    • 「私服での通学が認められており、通学服もおしゃれで可愛い」と、服装の自由度やデザイン性を魅力に感じる生徒が多いようです。

    • 「先生が個性的で面白い授業をしてくれる」という声もあります。

  • 気になる点:

    • 「自由な反面、勉強に対する意識は個人差が大きく、周りに流されやすい環境かもしれない」という指摘があります。高い目標を持つには強い意志が必要という意見も見られます。

    • 「校舎やトイレなどの施設が少し古い」という声が一部で見られます。

    • 「校則は緩いと言われているが、スカート丈など服装に関しては先生によって指導の厳しさが違うことがある」という口コミもあります。

アクセス・通学

芦屋高校は、複数の駅からアクセス可能で、通学に便利な立地にあります。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • 阪神本線「芦屋駅」から東へ徒歩約8分

    • JR神戸線「芦屋駅」から南へ徒歩約10分

    • 阪神本線「打出駅」から徒歩約10分

    • 阪急神戸線「芦屋川駅」から南東へ徒歩約18分

芦屋市内や神戸市東灘区、西宮市など、阪神間の幅広いエリアから生徒が通学しているようです。

兵庫県立芦屋高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

芦屋高校は、「自治・自由・創造」の精神のもと、生徒一人ひとりの個性を伸ばすことを大切にしている学校です。高校生活を思いきり楽しみながら、自分の将来の夢に向かって主体的に学びたいと考えている君に、まさにおすすめの学校と言えるでしょう。活発な学校行事や部活動を通して、最高の仲間たちと出会えるはずです。

芦屋高校の入試では、当日の学力検査の得点だけでなく、中学校での成績である内申点も非常に重視されます。合格を勝ち取るためには、5教科はもちろん、実技教科にも真剣に取り組み、少しでも高い内申点を確保することが鍵となります。日々の授業を大切にし、定期テストで着実に結果を出すことを心がけてください。自由な校風に憧れているなら、まずは受験勉強という「責任」をしっかり果たし、芦高生になる夢を掴み取りましょう!応援しています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。