沖縄県立那覇国際高等学校、通称「那覇国」。この名前を聞いて、多くの受験生や保護者の方が「県内トップクラスの進学校」というイメージを抱くのではないでしょうか。その評価は、毎年発表される高い大学進学実績に裏付けられたものであり、多くの先輩たちがここで夢への第一歩を踏み出してきました。那覇国際高等学校が目指すのは、単に学力が高い生徒を育てることだけではありません。勉強も、部活動も、学校行事も、すべてに全力で打ち込むことで得られる、かけがえのない経験と仲間との絆を大切にしています。

「文武両道」という言葉がこれほど似合う学校は、県内でもそう多くはないでしょう。平日は夜遅くまで仲間と教え合い、週末は部活動の練習に汗を流す。そして、体育祭や文化祭では学年を超えて団結し、一生の思い出を作り上げる。そんなエネルギッシュで充実した毎日が、那覇国際高等学校にはあります。ここでは、勉強と「青春」を天秤にかける必要はありません。むしろ、その両方を全力で追い求めることが推奨される文化が根付いているのです。

この記事では、そんな魅力あふれる那覇国際高等学校について、進学アドバイザーの視点から、偏差値や進学実績といったデータはもちろん、在校生や卒業生のリアルな声をもとに、学校生活の隅々まで詳しく解説していきます。この記事を読み終える頃には、「那覇国」がどんな場所で、どんな3年間を過ごせるのか、きっと具体的にイメージできるようになっているはずです。皆さんの高校選びにとって、有益な情報となることを心から願っています。

那覇国際高等学校の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。進路を考える上で、所在地や連絡先は大切な情報です。

項目 内容
正式名称 沖縄県立那覇国際高等学校
公立/私立の別 公立
共学/別学 男女共学
所在地 〒900-0005 沖縄県那覇市天久1-29-1
代表電話番号 098-860-5931
公式サイトURL http://www.nahakokusai-h.open.ed.jp/

那覇国際高等学校は、那覇新都心の中心という非常に恵まれた立地にあります。周辺には商業施設や公園も多く、現代的で活気のある環境が、学校の明るい雰囲気にも繋がっているようです。

那覇国際高等学校の偏差値・難易度・併願校

那覇国際高等学校への進学を考える上で、最も気になるのが学力的な難易度でしょう。ここでは、最新の偏差値データと共に、合格に必要な内申点の目安など、より具体的な情報をお伝えします。

学科・コースごとの偏差値

那覇国際高等学校には2つの学科があり、それぞれで求められる学力レベルが異なります。

  • 普通科: 63~64

  • 国際科: 58~62

この数値は、沖縄県内の公立高校の中でトップグループに位置することを示しています。特に普通科は、県内最難関の一つである開邦高等学校や球陽高等学校と並ぶレベルです。

難易度のイメージと内申点の重要性

沖縄県の高校入試では、偏差値と同じくらい、あるいはそれ以上に「内申点」が重要になります。内申点とは、中学校3年間の成績を点数化したもので、日々の授業態度や定期テストの結果が直接反映されます。

那覇国際高等学校の合格を目指す上での内申点の目安は、165点満点中、普通科で144点前後、国際科で142点前後と言われています。これは、3年間の9教科の評定で「5」をほぼ取り揃え、いくつか「4」がある、という極めて高いレベルです。一部では、合格者の平均は155点(評定平均4.7)に達するというデータもあり、いかに中学校生活を通じた継続的な努力が求められるかが分かります。

入試本番では、調査書(内申点)と学力検査(当日のテスト)が4:6の比率で評価されます。つまり、当日のテストの比重が高いものの、高い内申点を確保していることが、合格への大きなアドバンテージになることは間違いありません。一夜漬けの勉強では届かない、長期的な学習計画と真面目な学校生活が合格の鍵を握っています。

主な併願校

沖縄県の公立高校入試では、原則として1つの高校・学科しか受験できません。そのため、万が一に備えて私立高校を併願することが一般的です。那覇国際高等学校を受験する生徒の多くは、学力レベルや大学進学サポートが充実している沖縄尚学高等学校や興南高等学校などを併願校として選択する傾向があります。自分の学力や将来の目標に合わせて、私立高校のオープンスクールにも参加し、しっかりと情報を集めておくことが大切です。

那覇国際高等学校に設置されている学科・コース

那覇国際高等学校には、それぞれの目標に合わせて学べる2つの魅力的な学科が設置されています。自分の興味や将来の夢と照らし合わせて、どちらが合っているか考えてみましょう。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、5教科を中心にハイレベルな学力を身につける学科です。文系・理系を問わず、幅広い進路に対応できるカリキュラムが組まれています。

    • どんな生徒におすすめか:将来の夢はまだ漠然としているけれど、とにかく高いレベルの大学に進学したい、幅広い選択肢の中から将来を考えたいという生徒におすすめです。

  • 国際科

    • どんなことを学ぶ場所か:外国語教育や国際理解に特化した学科です。語学力を徹底的に磨くとともに、世界の文化や社会問題について深く学び、グローバルな視点を養います。

    • どんな生徒におすすめか:将来、海外で活躍したい、語学を活かした仕事に就きたい、国際関係の学部に進みたいという明確な目標を持つ生徒に最適です。

学校名に「国際」とあるように、このグローバルな視点は国際科だけでなく、学校全体の教育方針の核となっています。かつて文部科学省から「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定されていた経験は、現在の探究活動などにも活かされており、普通科の生徒であっても、他の進学校とは一味違う国際的な雰囲気の中で学ぶことができるのが、那覇国際高等学校の大きな特長です。

那覇国際高等学校の特色・校風

学校選びでは、偏差値や進学実績だけでなく、学校全体の雰囲気、つまり「校風」が自分に合うかどうかも非常に重要です。ここでは、口コミなどを基に、那覇国際高等学校のリアルな日常に迫ります。

  • キーワード:文武両道、グローバル、活気がある、自主・敬愛・飛躍、勉強熱心

宿題の量や授業のペース

多くの在校生が口を揃えるのが、「課題の量は多く、授業のペースも速い」という点です。特に数学などは、予習をしておかないとついていくのが大変だという声も聞かれます。1年生のうちは水曜日以外は毎日7時間授業があり、学習時間は豊富に確保されています。楽な高校生活ではありませんが、この環境が、高い進学実績を生み出す土台となっています。「慣れるまでは大変だけど、周りも頑張っているから自分も頑張れる」という雰囲気が、学校全体にあるようです。

校則(スマホ、服装など)

校則は、県内の進学校としては標準的か、やや自由な部分もあるようです。

  • スマホ:校内での使用は原則禁止で、放課後に校舎の外でなら使用可能とされています。ルールを破ると「イエローカード」が渡される仕組みですが、生徒の自主性に任されている側面もあるようです。

  • 服装:制服は「可愛い」「かっこいい」と評判が高いです。スカート丈は膝にかかる程度と定められています。特筆すべき点として、女子生徒のスラックス着用が認められており、多様性を尊重する姿勢がうかがえます。

  • アルバイト:原則禁止ですが、家庭の事情など、特別な理由がある場合は許可を得て行うことが可能です。

  • その他:頭髪の染色は禁止。ピアスの穴は問題ありませんが、ピアスを付けて登校することはできません。

全体的に、生徒の高い規範意識を信頼した上で、ある程度の自由が認められている校風と言えるでしょう。

生徒たちの雰囲気

「人が良すぎる」「最高の仲間に出会える」といった口コミが非常に多く、生徒たちの人間関係が良好であることがうかがえます。真面目で努力家な生徒が多いですが、決して堅苦しいわけではなく、行事などでは一気に盛り上がる活発さも持ち合わせています。休み時間に分からない問題を教え合う光景も日常的で、お互いを高め合える刺激的な環境です。勉強も遊びも全力で楽しみたい、という生徒が集まっているため、学校全体が明るいエネルギーに満ちています。

制服の評判

前述の通り、制服の評判は非常に良いです。特に、アイボリー地のベストは年中着用可能で、着こなしのアクセントにもなっています。清潔感のあるブレザースタイルは、多くの受験生にとって憧れの一つとなっているようです。

土曜授業

現在、定常的な土曜授業は行われていないようですが、夏休みなどの長期休暇中には「飛躍WEEK」や夏季講座といった形で、希望者向けの講習が開かれています。

那覇国際高等学校の部活動・イベント

「勉強ばかりの学校」というイメージは、那覇国際高等学校には当てはまりません。ここでは、学校生活を彩る部活動とイベントについて紹介します。

部活動

那覇国際高等学校は、県内屈指の進学校でありながら、部活動も非常に盛んです。多くの生徒が勉強と部活を高いレベルで両立させています。部活動は原則として日曜日が休みとなっており、学習時間の確保にも配慮されています。

  • 全体の様子:運動部、文化部ともに充実しており、加入率も高いようです。限られた時間の中で集中して練習し、効率よく成果を出すスタイルが特徴です。

  • 特に有名な部活動:

    • ダンス部:全国大会の常連であり、数々の賞を受賞している学校の顔とも言える部活動です。そのパフォーマンスレベルは非常に高く、多くの生徒の憧れの的となっています。

    • 映画研究部:ダンス部と並び、全国レベルで活躍している文化部です。独自の視点で制作された作品は高い評価を得ています。

    • 運動部:陸上競技部、バドミントン部、ハンドボール部などが県大会で優勝や上位入賞を果たすなど、輝かしい実績を残しています。

イベント

那覇国際高等学校の学校行事は、生徒たちが主体となって創り上げる「本気」のイベントです。その熱気とクオリティの高さは、学校の大きな魅力の一つです。

  • 体育祭と文化祭:この二大イベントは、2年に1度、交互に開催されます。そのため、どちらの年も生徒たちの熱意は最高潮に達します。

    • 体育祭:全校生徒が学年を超えて3つの「団」に分かれ、優勝を目指します。名物の団対抗リレーや、各団が一体となって創り上げる「団演技」は圧巻の一言。先輩・後輩の絆が深まる最高の機会です。

    • 文化祭(那覇国祭):通称「那覇国祭(なはこくさい)」と呼ばれる文化祭は、その華やかさと企画力で知られています。クラスごとの展示やステージ発表はもちろん、生徒が主体となって企業とコラボレーション企画を行うなど、高校の文化祭の枠を超えた取り組みも見られます。生徒たちの自主性と創造性が爆発する2日間です。

  • その他の行事:修学旅行(2年次海外研修)、遠足、合唱祭、校内弁論大会など、年間を通して多彩な行事が計画されており、充実した学校生活を送ることができます。

那覇国際高等学校の進学実績

沖縄県内トップクラスと言われる那覇国際高等学校の進学実績。その具体的な数字を見ることで、学校の教育力の高さを実感できるはずです。

全体的な傾向

まず特筆すべきは、国公立大学への圧倒的な合格者数です。2024年3月卒業生の実績では、県内の高校で第1位となる229名の国公立大学合格者を輩出しました。卒業生全体に占める国公立大学合格者の割合も6割を超えており、これは驚異的な数字です。また、県内の琉球大学だけでなく、北海道大学や東北大学、九州大学といった旧帝大をはじめ、全国の難関大学に多くの合格者を出している点も特徴です。これは、学校の指導が全国レベルを視野に入れていることの証と言えるでしょう。

最新の大学進学実績(2024年3月卒業生)

具体的な進学先を見ていきましょう。

進路分類 合格者数 主な進学先
国公立大学 229名 琉球大学(107)、筑波大学(6)、九州大学(5)、横浜国立大学(4)、北海道大学(3)、東北大学(1)、大阪大学(1)、神戸大学(1) など多数
私立大学・短期大学 222名 沖縄国際大学(25)、沖縄大学(11)のほか、県外私立大学へ186名が進学
専門学校等 84名
就職・その他 7名

進学実績を支える取り組み

こうした高い進学実績は、日々の質の高い授業はもちろんのこと、学校独自の手厚いサポート体制によって支えられています。長期休暇中に行われる「飛躍WEEK」や各種講座では、普段の授業では扱いきれない発展的な内容や、受験に向けた実践的な演習が行われます。また、生徒一人ひとりの進路希望に合わせた丁寧な個別指導も、那覇国際高等学校の強みです。

那覇国際高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、那覇国際高等学校ならではの魅力を7つのポイントにまとめました。

    1. 県内トップクラスの進学実績と学習環境

      沖縄県の高校をリードする、国公立大学への高い進学実績が最大の魅力です。意識の高い仲間たちに囲まれ、自然と勉強へのモチベーションが高まる環境が整っています。

    1. SGHの伝統を継ぐ探究学習とグローバル教育

      元スーパーグローバルハイスクールとしての経験を活かした、質の高い探究活動が特徴です。「SGH課題探求」などの授業を通して、世界的な視野で物事を考え、問題を解決する力が養われます。

    1. 最新設備が整った近代的な校舎と最高の立地

      那覇新都心の中心に位置し、アクセスは抜群。校舎はバリアフリー設計や全館空調などを備えた「インテリジェントビル」で、快適な学習環境が提供されています。この恵まれた立地も人気の理由の一つです。

    1. 生徒が主役で全力で楽しむ学校行事

      「那覇国祭」や体育祭は、その規模と熱気で有名です。生徒が企画・運営の中心を担うことで、教室では学べないリーダーシップや協調性を身につけることができます。

    1. 全国レベルで活躍する活発な部活動

      「文武両道」を地で行く学校です。ダンス部や映画研究部のように全国で名を馳せる文化部から、県大会で常に上位を争う運動部まで、多種多様な部活動が活発に活動しています。

    1. 高い意識を持つ仲間と出会える刺激的な環境

      在校生が最も価値を感じている点の一つが、素晴らしい友人との出会いです。互いに尊敬し、刺激し合い、共に成長できる一生の仲間がきっと見つかるはずです。

    1. 自主性を重んじる校風と充実した高校生活

      学校は生徒を信頼し、その自主性を尊重します。厳しい勉強の合間に、友情を育み、行事に熱中する。そんなメリハリのある充実した3年間は、まさに「青春」そのものです。

那覇国際高等学校の口コミ・評判のまとめ

ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

良い点

  • 「勉強も部活も行事も、すべてに全力投球できる環境が最高です。忙しいけど、毎日が本当に充実しています」という声が多数あります。

  • 「周りの友達の意識が本当に高くて、自然と自分も頑張ろうと思えます。休み時間に教え合う文化も素晴らしいです」。

  • 「先生たちが個性的で熱心。授業が面白くて、知的好奇心が刺激されます」。

  • 「体育祭や文化祭は、準備期間も含めて一生の思い出になります。クラスや団の団結力がすごいです」。

  • 「那覇新都心という立地、綺麗で近代的な校舎、そして可愛い制服は、学校の自慢です」。

  • 「とにかく人が良い。思いやりがあって、尊敬できる友達にたくさん出会えました」。

気になる点

  • 「課題の量がとにかく多く、入学したての頃は慣れるまでが本当に大変でした。計画的に進めないと終わりません」。

  • 「授業の進度が速いので、少しでも気を抜くと置いていかれます。予習・復習は必須です」。

  • 「校舎は新しいはずなのに、クーラーが故障するなど、設備の不具合が時々あるのが少し残念です」。

  • 「周りが優秀な生徒ばかりなので、『自称進学校』的なプレッシャーを感じてしまうこともあります」。

  • 「スマホのルールが少し厳しいと感じる人もいるかもしれません。休み時間くらいは使わせてほしい、という声も聞きます」。

アクセス・通学

那覇市の中心部にあるため、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。

  • 最寄り駅

    • 沖縄都市モノレール(ゆいレール)「古島駅」から徒歩約11分

    • 沖縄都市モノレール(ゆいレール)「おもろまち駅」から徒歩約13分

  • バス

    • 「那覇国際高校前」バス停から徒歩約1分

    • 那覇バスの99番(天久新都心線)などが利用できます。

  • 通学エリアの傾向

    那覇市内や浦添市など、近隣の市町村から通学する生徒が中心ですが、交通の便が良いため、より広範囲から生徒が集まっています。特に、県内全域から受験が可能な国際科には、遠方から通学する生徒もいます。自転車で通学する生徒も多いようです。

那覇国際高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。最後に、進学アドバイザーとして、那覇国際高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。

この学校は、「良い大学に行きたい」という目標だけでなく、「高校生活そのものを全力で楽しみたい」と強く願う君にこそ、ぴったりの場所です。世界への好奇心を持ち、周りの仲間から刺激を受けながら自分を成長させたい、そんな主体的な気持ちがあるなら、那覇国際高等学校の活気あふれるコミュニティは、君を温かく迎え入れてくれるでしょう。

那覇国際高等学校の入試を突破する最大の鍵は「継続」です。これまで見てきたように、中学3年間の頑張りが詰まった「内申点」が非常に重視されます。中学3年生になってから慌てるのではなく、1年生の最初の授業から、提出物や小テストの一つひとつを大切にしてください。その日々の積み重ねが、合格への一番の近道です。そして、高い目標を持つ仲間たちと過ごす、かけがえのない3年間が君を待っています。自分の可能性を信じて、挑戦してください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。