静岡県立清水南高等学校は、静岡市清水区に位置し、普通科と芸術科を併せ持つユニークな県立高校です。中高一貫教育校でありながら高校からの入学も可能で、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが集まっています。世界文化遺産「三保松原」にほど近い風光明媚な環境の中、生徒たちはのびのびと学校生活を送っています。

清水南高等学校の最大の特長は、普通科の充実した学習環境に加え、県内でも数少ない芸術科が設置されている点です。音楽、美術、そして令和6年度からは演劇専攻も加わり、専門的な学びを深めることができます。 校内には生徒が制作した絵画や彫刻が飾られ、音楽の音色が響き渡るなど、日常的に芸術に触れられる環境が整っています。

この記事では、そんな魅力あふれる清水南高等学校について、偏差値や難易度、学校生活の様子、部活動、進学実績などを詳しく解説していきます。進路選択で悩んでいる中学生や保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

清水南高等学校の基本情報

静岡県立清水南高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 静岡県立清水南高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒424-8622 静岡県静岡市清水区折戸三丁目2番1号
代表電話番号 054-334-0431
公式サイトURL https://www.edu.pref.shizuoka.jp/shimizuminami-h/

清水南高等学校の偏差値・難易度・併願校

清水南高等学校を目指す上で気になる偏差値や難易度、そして併願校について見ていきましょう。

学科・コースごとの偏差値

  • 普通科:57

  • 芸術科:51

難易度・内申点の目安

清水南高等学校の普通科に合格するためには、内申点34程度がひとつの目安とされています。 学力調査(学調)の点数も重要視されるため、日々の授業を大切にし、基礎学力をしっかりと固めておくことが合格への鍵となります。

同じくらいの偏差値の高校としては、静岡県内では静岡市立高校、清水東高校、藤枝東高校などが挙げられます。芸術科は専門性が高いため、偏差値だけでなく、実技試験の対策も重要になります。

主な併願校

静岡県の公立高校入試では、基本的に1つの高校しか受験できません。そのため、清水南高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。

主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 静岡学園高等学校

  • 常葉大学附属橘高等学校

  • 常葉大学附属常葉高等学校

  • 静岡北高等学校

清水南高等学校に設置されている学科・コース

清水南高等学校には、普通科と芸術科の2つの学科が設置されています。それぞれの特色を理解し、自分の興味や将来の夢に合った学科を選びましょう。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、5教科を中心に幅広く学習します。中高一貫校の利点を活かし、計画的で継続的な学習指導が行われています。 探究活動にも力を入れており、主体的に学ぶ力を養います。

    • どんな生徒におすすめか:大学進学を考えており、文武両道を目指したい生徒や、落ち着いた環境でじっくりと学習に取り組みたい生徒におすすめです。

  • 芸術科

    • どんなことを学ぶ場所か:音楽、美術、演劇の各分野で、専門的な知識と技術を深く学びます。 演奏会や展覧会、公演などを通して、学習の成果を発表する機会も豊富に用意されています。

    • どんな生徒におすすめか:将来、音楽家、美術家、俳優など、芸術分野のスペシャリストを目指している生徒や、自分の好きなことをとことん追求したい生徒に最適です。

清水南高等学校の特色・校風

清水南高等学校は、「富士の如く端正に 橘の如く香り高く」を校訓に掲げ、知性と感性の両方を育む教育を実践しています。

校風

  • キーワード:文武両道、落ち着いた雰囲気、芸術的、グローバル

校内には芸術科の生徒の作品が展示され、音楽が聞こえてくるなど、穏やかで文化的な雰囲気が漂っています。 普通科と芸術科の生徒が互いに刺激し合いながら学校生活を送っているのが特徴です。

学校生活について

  • 宿題の量:いわゆる「自称進学校」という口コミもあり、課題は少なくないようです。 特に大学進学を目指す生徒にとっては、日々の予習復習が欠かせません。

  • 校則:校則は標準的ですが、スマートフォンの使用に関しては、登校後から帰りのSHRまでは電源を切り、カバンかロッカーにしまうというルールがあります(教員の指導下での使用を除く)。

  • 生徒たちの雰囲気:穏やかで真面目な生徒が多いという評判です。中等部からの内部進学生と高校からの入学生がいますが、すぐに打ち解けられる雰囲気があるようです。

  • アルバイト:特別な事情がある場合は、許可を得れば可能です。

  • 制服:男女ともにブレザータイプで、落ち着いたデザインが評判です。

  • 土曜授業:定期的に土曜学習が実施されています。

清水南高等学校の部活動・イベント

清水南高等学校では、勉強だけでなく部活動や学校行事も盛んで、充実した高校生活を送ることができます。

部活動

運動部、文化部ともに活発に活動しています。特に、他の高校ではあまり見られない珍しい部活動があるのも清水南高等学校の魅力です。

  • 男子ラクロス部:全国的にも珍しい部活動で、強豪校として知られています。

  • 管弦楽部:芸術科がある学校ならではの本格的なオーケストラ部です。定期演奏会なども開催しています。

  • ラグビー部:かつては全国大会に13回出場した名門で、現在も活発に活動しています。

  • 合唱部:各種コンクールで優秀な成績を収めています。

その他にも、弓道部、美術部、アートクラフト部など、多種多様な部活動があります。

イベント

生徒が主体となって作り上げるイベントは、毎年大変な盛り上がりを見せます。

  • 南陵祭(文化祭・体育祭):6月に行われる学校祭で、文化祭と体育祭が連続して開催されます。 文化祭では、各クラスや文化部による展示やステージ発表が行われ、芸術科の生徒による演奏会や作品展は特に見ごたえがあります。体育祭もクラス対抗で熱い戦いが繰り広げられます。

  • 修学旅行:2年生の12月にハワイへ研修旅行に行きます。 異文化に触れる貴重な体験となります。

  • 芸術科発表会:音楽専攻のサマーコンサートや校内演奏会、美術専攻の作品展など、芸術科の生徒が日頃の学びの成果を発表する場が数多く設けられています。

清水南高等学校の進学実績

清水南高等学校は、中高一貫の計画的な学習指導により、国公立大学をはじめとする難関大学へ多くの合格者を輩出しています。

主な大学進学実績

近年の進学実績を見ると、卒業生のおよそ3割近くが国公立大学へ進学しています。

  • 国公立大学:静岡大学、静岡県立大学などの地元の大学を中心に、毎年安定した合格実績があります。過去には、東京大学や京都大学への合格者も出ています。

  • 難関私立大学:GMARCH(学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)や関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)など、首都圏や関西圏の有名私立大学にも多数の合格者を出しています。

  • 芸術系大学:芸術科の生徒は、東京藝術大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学といった国内トップクラスの芸術系大学へ進学しています。

進路サポート

大学入学共通テストに対応した補習や講習が充実しており、生徒一人ひとりの進路希望に合わせた手厚いサポート体制が整っています。 また、総合的な探究の時間などを通じて、計画的なキャリア教育にも力を入れています。

清水南高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、清水南高等学校ならではの魅力をまとめました。

  • 普通科と芸術科の併設:文武両道を目指す生徒と、芸術の道を志す生徒が同じキャンパスで学ぶ、多様性に富んだ環境です。

  • 充実した芸術教育:音楽、美術、演劇の3つの専攻があり、専門的な設備と指導者の下で本格的に芸術を学べます。

  • グローバルな探究活動:”Who do you want to be?”(どんな人になりたい?)を探究テーマに、国際交流や外部機関と連携した探究活動を積極的に行っています。

  • 中高一貫教育の強み:6年間を見通した計画的なカリキュラムで、じっくりと学力を伸ばし、豊かな人間性を育むことができます。

  • 活発な国際交流:フランスやモンゴルの高校生との交流など、異文化に触れる機会が豊富にあります。

  • 恵まれた自然環境:世界文化遺産「三保松原」に近く、富士山を望む風光明媚な環境で学ぶことができます。

  • ユニークな部活動:全国的にも珍しい男子ラクロス部や、本格的な管弦楽部など、特色ある部活動が盛んです。

清水南高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、清水南高等学校での学校生活について様々な声が寄せられています。

良い点

  • 「芸術科があり、校内に絵画や彫刻が飾られていて雰囲気が良い」

  • 「穏やかで優しい人が多く、いじめも少ない印象」

  • 「先生方が熱心に進路相談に乗ってくれる」

  • 「中等部からの生徒も高校からの生徒も分け隔てなく仲が良い」

  • 「南陵祭(文化祭)はとても盛り上がり、良い思い出になる」

気になる点

  • 「駅からバスに乗る必要があり、アクセスが少し不便」

  • 「いわゆる自称進学校で、課題や模試が多いと感じることがある」

  • 「施設が全体的に少し古いという意見がある」

  • 「校則でスマートフォンの使用が制限されているのが少し厳しい」

アクセス・通学

清水南高等学校へのアクセス方法と、通学エリアについてです。

最寄り駅からのアクセス

  • JR清水駅・静岡鉄道 新清水駅から

    • しずてつジャストラインバス(三保山手線)に乗車(約15分)、「西折戸」バス停で下車し、徒歩約5分。

  • JR草薙駅から

    • しずてつジャストラインバス(三保草薙線)に乗車(約40分)、「西折戸」バス停で下車し、徒歩約5分。

最寄り駅からは少し距離があるため、多くの生徒がバスを利用して通学しています。

通学エリア

静岡市清水区内からの通学者が多いですが、全県から生徒が集まる芸術科があるため、静岡市葵区や駿河区、さらには市外から通学している生徒もいます。

清水南高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

清水南高等学校は、落ち着いた環境で勉強に集中したい人、そして自分の好きな芸術をとことん追求したい人の両方にとって、素晴らしい環境が整っている学校です。普通科と芸術科という異なる目標を持つ仲間と交流することで、視野が広がり、人間的にも大きく成長できるでしょう。清水南高等学校が掲げる「高い知性と豊かな感性・表現力を備えたグローバル人材」という目標に共感し、主体的に学校生活を楽しみたいという意欲のある生徒に特におすすめです。

受験勉強においては、まず中学校の授業内容を完璧に理解し、基礎学力を定着させることが最も重要です。特に普通科を目指す人は、5教科のバランスを意識して学習を進めましょう。芸術科を志望する人は、学力試験の対策と並行して、実技試験に向けた練習を計画的に進める必要があります。過去の入試問題を分析し、出題傾向を掴んでおくことも大切です。

皆さんの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。