鹿児島商業高等学校は、1894年(明治27年)に創立され、130年以上の長い歴史と伝統を誇る市立の商業高校です。「鹿商(かしょう)」の愛称で親しまれ、これまでに3万人以上の卒業生を社会に送り出してきました。経済界をはじめ、スポーツ界など様々な分野で活躍する卒業生が多く、母校への愛情が非常に熱いことでも知られています。

長らく男子校としての歴史を刻んできましたが、時代のニーズに応え、2024年度から男女共学へと移行しました。これを機に学科の再編も行われ、新たな歴史の1ページを刻み始めています。鹿児島商業高等学校では、校訓である「誠実・勤労」を基本理念に、文武両道を通して知・徳・体の調和がとれた心豊かでたくましい人間の育成を目指しています。

この記事では、そんな新たなスタートを切った鹿児島商業高等学校の基本情報から、偏差値、学科の特色、部活動、進学実績、そして在校生や卒業生からのリアルな口コミまで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく、そして分かりやすく解説していきます。歴史と伝統を受け継ぎながらも、新しい時代に即した教育へ挑戦を続ける鹿商の魅力を、ぜひ感じ取ってください。

鹿児島商業高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 鹿児島市立鹿児島商業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒892-0863 鹿児島県鹿児島市西坂元町58番1号
代表電話番号 099-247-7171
公式サイト https://www.keinet.com/syougyok/

鹿児島商業高等学校の偏差値・難易度・併願校

鹿児島商業高等学校は、商業やスポーツに関する専門的な知識を学びたい生徒にとって魅力的な選択肢です。偏差値は48とされています。

同じくらいの偏差値の高校としては、鹿児島情報高校、鹿児島女子高校、鹿児島玉龍高校(普通科)などがあります。合格に必要な内申点の目安は、一概には言えませんが、日頃の学習態度や定期テストの成績が重要になるでしょう。

鹿児島県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、鹿児島商業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、樟南高等学校、鹿児島実業高等学校、鹿児島城西高等学校などが挙げられることが多いようです。

鹿児島商業高等学校に設置されている学科・コース

2024年度から学科が再編され、より専門性の高い3つの学科が設置されました。 新たなスタートを切った鹿児島商業高等学校で、自分の興味や将来の夢に合った学びを見つけることができるでしょう。

  • ビジネスクリエイト科

    • どんなことを学ぶ場所か:経営や起業に関する知識、ビジネスマナーなど、ビジネスの基礎から応用まで幅広く学びます。 2年次からは7つのコースに分かれ、より専門的な探究学習に取り組みます。

    • どんな生徒におすすめか:将来、会社を経営したい、新しいビジネスを創造したいという意欲のある生徒や、地域社会の活性化に貢献したいと考えている生徒におすすめです。

  • 情報イノベーション科

    • どんなことを学ぶ場所か:プログラミングやネットワーク、AI、データベースなど、情報分野に関する高度な知識と技術を習得します。

    • どんな生徒におすすめか:IT業界で活躍したい、情報技術を駆使して社会の課題を解決したいという強い関心を持つ生徒におすすめです。

  • アスリートスポーツ科

    • どんなことを学ぶ場所か:体育に関する専門的な学習や部活動を通して、トップアスリートを目指すための知識と技能を学びます。 スポーツ栄養学や、ダイビング、キャンプなどの校外学習も行われます。

    • どんな生徒におすすめか:全国大会や九州大会での活躍を目指し、競技力向上に真剣に取り組みたい生徒におすすめです。

鹿児島商業高等学校の特色・校風

鹿児島商業高等学校は、「厳教慈育」の精神を受け継ぎ、礼儀正しく文武両道をモットーとする校風です。 2024年度からの共学化に伴い、新しい伝統を築き始めている活気のある学校です。

  • 校風キーワード:文武両道、質実剛健、地域貢献、新たな挑戦

  • 宿題の量:専門的な学習が多いため、予習・復習は欠かせませんが、特に宿題が多いという声は少ないようです。自分のペースで学習を進めやすい環境と言えるでしょう。

  • 校則:以前は男子校ということもあり厳しいという評判もありましたが、共学化に伴い見直しが進んでいるようです。 最低限のルールを守り、学校生活を送ることが求められます。

  • 生徒たちの雰囲気:部活動に打ち込む生徒が多く、活気があります。挨拶がしっかりできる生徒が多いと評判です。 専門知識の習得という共通の目標があるため、生徒同士で高め合う雰囲気があるようです。

  • アルバイト:原則として禁止されているようです。学業や部活動に専念することが推奨されています。

  • 制服の評判:2024年度から、ビジネスを学ぶにふさわしいスタイリッシュなブレザータイプの制服に一新されました。 濃紺を基調とし、スクールカラーの紫色がアクセントになっています。女子はスカートとスラックスを選択できます。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

鹿児島商業高等学校の部活動・イベント

部活動

鹿児島商業高等学校は、全国レベルで活躍する部活動が多く、文武両道を実践しています。

特に硬式野球部は、「鹿商」の名を全国に轟かせた伝統ある部活動です。 甲子園には春夏合わせて25回出場した実績を誇り、専用球場や室内練習場など、練習環境も充実しています。 「闘志なきは去れ」をモットーに、日々厳しい練習に励んでいます。

また、バレーボール部も全国高等学校バレーボール選抜優勝大会に県内最多の12回出場し、ベスト4という輝かしい成績を残しています。 その他にも、柔道部、剣道部、相撲部、陸上部などが全国大会で活躍しており、多くの部が県の強化指定を受けています。 文化部も、珠算部やプログラミング部などが専門知識を生かして活動しています。

イベント

鹿児島商業高等学校では、生徒が主体となって盛り上がる学校行事が数多く開催されます。

  • 体育祭:9月に行われる体育祭は、鹿商の伝統を感じさせる一大イベントです。各クラスが一致団結し、熱い戦いを繰り広げます。

  • 文化祭:10月に行われる文化祭は、「鹿商万博」などのテーマを掲げ、生徒たちの創造性が発揮される場です。 各クラスや文化部による展示や発表、模擬店などで賑わいます。

  • クラスマッチ:7月にはクラス対抗の球技大会が開催され、クラスの親睦を深めます。

  • 長距離走大会:11月には桜島で長距離走大会が実施され、生徒たちは錦江湾の雄大な景色を眺めながら健脚を競います。

鹿児島商業高等学校の進学実績

鹿児島商業高等学校は、商業高校ならではの専門知識と資格を武器に、多様な進路を実現しています。就職に強いことはもちろん、大学や専門学校への進学にも力を入れています。

近年の進路状況を見ると、卒業生の約半数が就職し、残りの半数が大学や専門学校へ進学しています。

  • 主な進学先:

    • 国公立大学:鹿児島大学、長崎大学、佐賀大学などへ進学者を輩出しています。

    • 私立大学:日本大学、福岡大学、九州産業大学、鹿児島国際大学など、県内外の様々な大学へ進学しています。

    • 専門学校:KCS鹿児島情報専門学校や鹿児島医療技術専門学校など、専門知識をさらに深めるための進学も多いです。

  • 主な就職先:

    • 県内:京セラ、南日本銀行、新日本科学など、地元の優良企業への就職実績が豊富です。

    • 県外・公務員:九電工、トヨタ、マツダといった大手企業や、鹿児島県警、自衛隊など公務員として活躍する卒業生もいます。

進路実現に向けて、二人担任制によるきめ細やかなサポートや、就職試験対策、面接指導など、手厚い支援体制が整っています。

鹿児島商業高等学校の特長・アピールポイント

歴史と伝統を礎に、新たな時代への挑戦を続ける鹿児島商業高等学校には、他校にはない多くの魅力があります。

  • 130年以上の歴史と3万人を超える卒業生のネットワーク:経済界やスポーツ界など、様々な分野で活躍する卒業生との強いつながりは、生徒にとって大きな財産です。

  • 2024年度からの男女共学化と新学科体制:時代のニーズに応え、男女が共に学び、高め合える環境へと進化しました。 専門性を高めた3つの新学科で、未来を切り拓く力を育みます。

  • 全国レベルで活躍する文武両道の部活動:硬式野球部やバレーボール部をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で輝かしい実績を残しています。

  • 充実した資格取得サポート:日商簿記検定やITパスポート試験など、将来に直結する様々な資格取得に学校全体で取り組んでおり、手厚い指導が受けられます。

  • 企業や地域と連携した実践的な学び:「課題研究」では、企業と連携した商品開発や、地域の課題解決に取り組む探究学習など、実社会で役立つスキルを実践的に学べます。

  • スタイリッシュな新制服:共学化に合わせて一新されたブレザータイプの制服は、「ビジネスを学ぶにふさわしい」と評判です。

  • 桜島を望む絶好のロケーション:鹿児島市内を一望できる高台に位置し、錦江湾と雄大な桜島を眺めながら学校生活を送ることができます。

鹿児島商業高等学校の口コミ・評判のまとめ

鹿児島商業高等学校に対する在校生や卒業生からの声は、伝統校ならではの厳しさと、そこで得られる成長や達成感を物語っています。

  • 良い点:

    • 「部活動に本気で打ち込める環境がある」「指導者が熱心で、精神的にも肉体的にも成長できた」という声が多く、文武両道を実践したい生徒にとって最高の環境のようです。

    • 「資格取得に向けて先生方が手厚くサポートしてくれる」「多くの検定に合格できたことが自信になった」など、進路に直結する学びへの評価が高いです。

    • 「挨拶や礼儀作法が身についた」「社会人として必要な基礎を学べた」といった、人間的な成長を実感する声も聞かれます。

    • 共学化や新制服、学科再編といった新しい変化に期待する声も多く見られます。

  • 気になる点:

    • 「施設が全体的に古い」という意見があります。特にトイレなどの水回りの改善を望む声が見られます。

    • 「坂の上にあるので、毎日の通学が大変」という声も。特に夏場は厳しいと感じる生徒もいるようです。

    • 男子校時代の「校則が厳しい」というイメージがまだ残っているようですが、共学化に伴い、より現代に合った形に変化していくことが期待されます。

アクセス・通学

鹿児島商業高等学校は鹿児島市の高台に位置しており、通学にはバスの利用が便利です。

  • 最寄りバス停からのアクセス:

    • 「第一公園前」バス停より徒歩約6分

    • 「坂元台小学校前」バス停より徒歩約6分

    • 「玉里団地東」バス停より徒歩約7分

  • 主要駅からのアクセス:

    • JR「鹿児島中央駅」や「鹿児島駅」から、市営バスや南国交通バスを利用して上記の最寄りバス停までアクセスできます。

  • 通学エリア:

    • 鹿児島市内全域から生徒が通学しています。バス路線が充実しているため、比較的広い範囲から通学が可能です。部活動によっては、学校の近くに寮や下宿を設けている場合もあります。

鹿児島商業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

鹿児島商業高等学校は、将来、ビジネスの世界で活躍したい、あるいはスポーツに打ち込みながら専門知識を身につけたい、という明確な目標を持つ君にぴったりの学校です。130年以上の歴史が育んだ「鹿商魂」と、共学化という新しい風が融合するこの場所で、君はきっと大きく成長できるはずです。

受験勉強においては、まず基礎学力をしっかりと固めることが大切です。特に、商業科目や情報、体育の専門的な学習につながる数学や英語、国語の基礎は疎かにできません。また、面接では「鹿商で何を学び、将来どうなりたいか」を自分の言葉で熱く語れるように準備しておきましょう。部活動の実績も評価される傾向があるので、中学時代に打ち込んだことがあるなら、自信を持ってアピールしてください。

鹿児島商業高等学校は、君の「挑戦したい」という気持ちを全力で応援してくれる学校です。 最高の仲間たちと切磋琢磨しながら、夢への第一歩を踏み出してみませんか。応援しています!


※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。