鹿児島県の最南端、美しいサンゴ礁の海に囲まれた与論島に佇む鹿児島県立与論高等学校。 この学校は、ただ学ぶだけの場所ではありません。島の豊かな自然と温かい地域社会に育まれながら、一人ひとりの個性を伸ばし、未来を切り拓く力を養うことができる特別な環境がここにはあります。与論高校ならではのユニークな教育活動は、きっとあなたの中学校生活とはひと味違った、刺激的で充実した3年間を約束してくれるでしょう。

与論高等学校は、島唯一の高校として地域から大きな期待と愛情を寄せられています。 その期待に応えるように、生徒たちはのびのびと学校生活を送りながら、多様な進路希望を実現しています。少人数教育の利点を最大限に活かし、先生方が一人ひとりに寄り添ってくれる手厚いサポート体制も与論高校の大きな魅力です。

この記事では、そんな与論高等学校の特色や校風、部活動、進学実績などを、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたが与論高校でどんな高校生活を送れるのか、具体的なイメージが湧いてくるはずです。さあ、一緒にその魅力を探っていきましょう。

与論高等学校の基本情報

まずは、与論高等学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 鹿児島県立与論高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒891-9301 鹿児島県大島郡与論町茶花1234-1
代表電話番号 0997-97-2064
公式サイトのURL http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/yoron/

与論高等学校の偏差値・難易度・併願校

与論高等学校は、連携型中高一貫教育校であり、島内唯一の高校という特性上、一般的な高校入試における偏差値は算出されていません。 入学者のほとんどが連携校である与論町立与論中学校の卒業生で、レポートと面接による入学検査が行われます。

そのため、学力試験による選抜はなく、偏差値で難易度を測ることはできません。与論高等学校への進学を考える場合は、中学校での学習にしっかりと取り組み、レポート作成や面接で自分の考えを表現できるように準備しておくことが大切です。

鹿児島県の公立高校入試では、原則として1校1学科しか出願できません。 与論高等学校は特殊な入試形態のため、本土の高校との併願という概念は当てはまりにくいですが、島外の高校への進学を考える場合は、鹿児島県の入試制度をよく確認する必要があります。

与論高等学校に設置されている学科・コース

与論高等学校には普通科が設置されており、2年次から個々の進路希望に合わせてコースを選択します。

  • 普通科 総合コース

    • どんなことを学ぶ場所か:就職から専門学校、大学進学まで、幅広い進路に対応できる学力を身につけます。生徒一人ひとりの興味や関心を引き出し、学習意欲を高めることを目指しています。

    • どんな生徒におすすめか:まだ将来の夢が明確に決まっていない人や、多様な可能性の中から自分の進路をじっくり考えたい人におすすめです。

  • 普通科 文理コース

    • どんなことを学ぶ場所か:主に国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、基礎から応用まで確かな学力を習得します。放課後や土曜日には課外授業も行われ、大学入学共通テストや二次試験対策に力を入れています。

    • どんな生徒におすすめか:高いレベルの大学への進学を希望し、仲間と切磋琢磨しながら学力を伸ばしたい人におすすめです。

与論高等学校の特色・校風

与論高等学校の校風は、「地域密着」「アットホーム」「文武両道」といったキーワードで表現できます。島唯一の高校として、地域住民との交流が深く、学校行事は島全体で盛り上がるのが大きな特徴です。

  • 宿題の量:宿題の量については、コースや個人の進路目標によって異なりますが、特に文理コースでは大学受験を見据えた学習が中心となるため、相応の学習量が求められるようです。

  • 校則:校則は、社会のルールを守れる生徒を育てるという観点から定められていますが、生徒の自主性を尊重する雰囲気があるようです。スマホの持ち込みは許可されていることが多いですが、使用ルールは学校の規定に従う必要があります。服装に関する規定も一般的で、特に厳しいという声は少ないようです。

  • 生徒たちの雰囲気:生徒は純朴で素直な生徒が多く、全体的に和気あいあいとした明るい雰囲気です。 ほとんどの生徒が同じ中学校の出身ということもあり、生徒同士の仲が良いのが特徴です。

  • アルバイト:アルバイトについては、学校の許可が必要な場合があります。学業との両立が前提となりますので、希望する場合は先生に相談してみましょう。

  • 制服:制服は、一般的なブレザースタイルです。評判については個人の好みによりますが、落ち着いたデザインで好意的に受け止められているようです。

  • 土曜授業:文理コースでは、進学対策のための土曜講座が実施されています。

与論高等学校の部活動・イベント

部活動

与論高等学校は部活動への加入率が約90%と非常に高く、多くの生徒が学業と両立させながら熱心に活動しています。 運動部、文化部ともに活気があり、島という環境を活かした活動も見られます。

  • 運動部:陸上部、女子バレーボール部、サッカー部、バスケットボール部、ソフトテニス部、バドミントン部、弓道部、卓球部などがあります。 離島というハンデを乗り越え、各種大会で活躍しています。

  • 文化部:文化部の種類は年度によって変動する可能性がありますが、地域のイベントに参加するなど、文化的な活動も盛んです。

イベント

与論高等学校の学校行事は、生徒だけでなく地域住民も一体となって盛り上がるのが最大の魅力です。

  • 体育祭:体育祭は与論高校最大のイベントの一つです。茶花・那間・与論の3つの校区に分かれて競い合い、特に応援合戦は3年生を中心に各校区が一体となって創り上げる演舞が見ものです。

  • 文化祭:文化祭も島を挙げてのイベントで、生徒たちの創意工夫を凝らした展示やステージ発表、バザーなどで賑わいます。

  • 修学旅行:2年生の時に実施され、島を離れて本土の文化や歴史に触れる貴重な機会となっています。

  • クラスマッチ:年に数回開催され、クラス対抗で様々な競技を楽しみ、団結力を深めます。

  • ロードレース:島の自然を感じながら長距離を走るロードレースも伝統行事の一つです。

与論高等学校の進学実績

与論高等学校は、少人数教育の強みを活かしたきめ細やかな進路指導で、国公立大学をはじめとする多様な進路実績を上げています。

  • 国公立大学:過去には、鹿児島大学、琉球大学、北九州市立大学、名桜大学などの地元の大学に加え、金沢大学、横浜市立大学、都留文科大学など、全国の国公立大学への合格者を輩出しています。

  • 難関私立大学:同志社大学、立命館大学、関西大学、関西学院大学といった関西の難関私立大学や、中央大学、東洋大学、日本大学などの関東の有名私立大学にも合格者を出しています。

  • その他:福岡大学や九州産業大学、鹿児島国際大学など、九州・沖縄地方の私立大学への進学者も多いです。 また、大学進学だけでなく、短期大学、専門学校への進学や、自衛隊、地元企業への就職など、生徒一人ひとりの希望に応じた多様な進路を実現しています。

進学実績を支える取り組みとして、放課後や長期休業中の課外授業、土曜講座などを実施しています。 入試対策の演習問題だけでなく、小論文や英作文の添削、面接練習など、個別のニーズに合わせた手厚いサポートが受けられます。

与論高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、与論高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。

  • 連携型中高一貫教育:与論中学校との連携により、6年間を見通した継続的な指導が行われています。高校の教員が中学校で授業を行ったり、その逆もあったりと、スムーズな学習の接続が図られています。

  • 総合的な探究の時間「ゆんぬ」:与論の言葉で「与論」を意味する「ゆんぬ」と名付けられた探究活動です。生徒一人ひとりが島の課題や未来についてテーマを設定し、地域の方々や大学の専門家と協力しながら探究活動を行います。

  • 海洋教育:小中高で連携し、与論島の豊かな海をフィールドとした海洋教育に島全体で取り組んでいます。

  • 「与論高校モデル」という教育改革:2021年度から、生徒の主体的な学びを促すために「朝課外」と「定期考査」を廃止しました。 単元ごとのテストで学習の定着度をこまめに確認し、生徒一人ひとりの得意・不得意を正確に把握して指導に活かす画期的な取り組みは、全国的にも注目されています。

  • 地域とともにある学校:学校図書館の地域住民への開放や、町内の小学校で授業補助を行うアシスタントティーチャー(AT)活動など、地域に開かれ、地域と密着した活動を積極的に行っています。

  • 少人数教育による手厚いサポート:生徒数が少ないからこそ、先生の目が行き届きやすく、一人ひとりの学習状況や進路希望に合わせたきめ細やかな指導が可能です。

  • 与論ふるさと留学制度:島外の中学生が与論高校に入学するための「ふるさと留学制度」があります。 豊かな自然と文化の中で高校生活を送りたいと考えている人には魅力的な制度です。

与論高等学校の口コミ・評判のまとめ

与論高等学校の在校生や卒業生からは、様々な声が寄せられています。

  • 良い点

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれるので、勉強や進路の不安が解消された」という、手厚いサポート体制を評価する声が多いようです。

    • 「体育祭や文化祭は島全体が盛り上がり、一生の思い出になる」といった、地域一体となった学校行事の楽しさを挙げる声も多数あります。

    • 「生徒数が少ないので、学年関係なくみんな仲が良い」「アットホームな雰囲気で、のびのびと学校生活が送れる」という意見も特徴的です。

    • 「『ゆんぬ』の探究活動を通して、プレゼンテーション能力や問題解決能力が身についた」と、独自の教育プログラムを評価する声もあります。

  • 気になる点

    • 「島なので、本土に比べて学習塾や予備校の選択肢が限られる」という点は、大学受験を考える上で考慮すべきポイントかもしれません。

    • 「部活動の種類が、都市部の大きな学校に比べると少ない」と感じる人もいるようです。

    • 「島外へのアクセスに時間と費用がかかる」という点は、オープンキャンパスへの参加や受験の際に不便さを感じる可能性があります。

アクセス・通学

与論高等学校は与論島のほぼ中央に位置しています。

  • アクセス方法

    • 与論空港から車で約10分

    • 与論港(供利港)から車で約10分

島内の生徒は、主に自転車や徒歩、家族の送迎で通学しています。島外から「ふるさと留学制度」を利用して入学する場合、寮や下宿からの通学となります。

与論高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

与論高等学校は、「郷土を愛し、豊かな心と生きる力をもった生徒」の育成を目指しています。 この学校は、与論島の自然や文化に興味があり、地域の人々と積極的に関わりながら学びたいという生徒に特におすすめです。また、少人数の落ち着いた環境で、自分のペースでじっくりと学習に取り組みたい人にも最適な場所と言えるでしょう。

与論高等学校の入学検査は、レポートと面接が中心です。 そのため、付け焼き刃の知識ではなく、中学校3年間を通して、あなたが何に興味を持ち、どのように考え、行動してきたかが問われます。特に、総合的な探究の時間「ゆんぬ」につながる活動となるため、与論島が抱える課題やその未来について、自分なりの考えをまとめておくことが重要です。日頃からニュースや新聞に目を通し、社会で起きていることに関心を持つ習慣をつけておくと良いでしょう。与論高校でしかできない経験を通して、大きく成長したいというあなたの熱意を、ぜひ先生方に伝えてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。