中津南高等学校は、120年以上の長い歴史と輝かしい伝統を誇る、大分県北部を代表する進学校です。毎年、九州大学をはじめとする難関国公立大学へ多くの合格者を輩出しており、高いレベルの学習環境を求める中学生にとって、憧れの存在であり続けています。アカデミックなイメージが強いかもしれませんが、実はそれだけがこの学校の魅力ではありません。
活気あふれる部活動、クラス一丸となって作り上げる学校行事、そして何より、同じ目標を持つ仲間たちとの出会いが、かけがえのない3年間を彩ります。伝統を重んじながらも、生徒の声に耳を傾け、より良い学校生活を目指して変化を続ける柔軟な姿勢も、中津南高等学校の大きな特長です。勉強も、学校生活も、全力で楽しみたい。そんなあなたにぴったりの場所かもしれません。
この記事では、偏差値や進学実績といったデータだけでなく、在校生や卒業生のリアルな声をもとに、学校の雰囲気や日々の生活までを徹底的に掘り下げていきます。皆さんが「この学校で高校生活を送りたい!」と思えるかどうか、一緒に確かめていきましょう。
中津南高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。学校選びの第一歩は、正確な情報を知ることから始まります。
項目 | 情報 |
正式名称 | 大分県立中津南高等学校 |
区分 | 公立 |
男女の別 | 共学 |
所在地 | 〒871-0043 大分県中津市高畑2093 |
電話番号 | 0979-22-0224 |
公式サイト | https://kou.oita-ed.jp/nakatuminami/ |
中津南高等学校の偏差値・難易度・併願校
地域のトップ進学校である中津南高等学校に合格するためには、どれくらいの学力が必要なのでしょうか。具体的な数字で見ていきましょう。
偏差値
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普通科: 66
各種の模擬試験や塾のデータを見ると、中津南高等学校の偏差値は63から66の範囲で示されることが多いですが、おおむね66と考えておくと良いでしょう。これは大分県内の公立高校の中でトップクラスに位置し、高い学力が求められることを意味します。
難易度のイメージと内申点の目安
偏差値66というのは、学力テストで常に上位10%以内に入っているレベルが一つの目安となります。同じくらいの偏差値の高校としては、大分豊府高等学校(普通科 偏差値64)や大分西高等学校(総合学科 偏差値64)などが挙げられます。
そして、大分県の高校入試で非常に重要になるのが「内申点」です。大分県では、中学1年生から3年生までの3年間の成績が評価対象となり、合計260点満点で計算されます。特に中学3年生の成績は、主要5教科が2倍、実技4教科が4倍と、非常に大きな比重を占めます。
中津南高等学校に合格するためには、この内申点が非常に重要です。明確な合格ラインは公表されていませんが、同じレベルの高校のデータを参考にすると、260点満点中230点以上、できれば240点近くを目指したいところです。これは、3年間を通してほとんどの教科で「5」を取る必要があることを示しています。中学1年生の最初のテストから、すでに入試は始まっているという意識を持つことが大切です。
主な併願校
大分県の公立高校入試では、原則として1つの高校しか受験できません。そのため、併願校は私立高校から選ぶことになります。中津南高等学校を受験する生徒の多くが併願先として選ぶのは、以下のような高校です。
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東九州龍谷高等学校(普通科特別進学コース)
万が一の場合に備え、私立高校のオープンスクールにも参加し、自分に合った併願校をしっかりと検討しておきましょう。
中津南高等学校に設置されている学科・コース
中津南高等学校は、生徒一人ひとりの進路希望に対応できるよう、特色ある学びの場を提供しています。
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普通科(本校)
国公立大学や難関私立大学への進学を目指すためのコースです。高いレベルの授業が展開され、幅広い教養と深い学力を身につけることができます。将来、大学で専門的な学問を究めたい、高い目標に挑戦したいという強い意志を持つ生徒におすすめです。
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普通科(耶馬溪校)
本校とは別に、豊かな自然に囲まれた耶馬溪に分校があります。こちらは偏差値39で、少人数教育を活かし、地域と連携したユニークな学びを実践しています。全国から生徒を募集しており、寮生活のサポートも充実しています。自然の中で伸び伸びと学び、地域貢献に関心がある生徒におすすめです。
中津南高等学校の特色・校風
学校選びで偏差値と同じくらい大切なのが、学校の雰囲気や文化、つまり「校風」です。中津南高等学校は、「文武両道」「伝統と革新」「地域随一の進学校」といったキーワードで表現されます。ここでは、口コミなどから見えるリアルな学校生活について、詳しく見ていきましょう。
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宿題の量は多い?少ない?
これは、多くの在校生や卒業生が口をそろえるポイントです。「課題の量が異常に多い」という声が昔から多く、慣れるまでは自分の勉強時間を確保するのが大変だと感じるかもしれません。しかし、最近では「自学自習」を重視する方針にシフトしつつあり、以前よりは課題が減ったという声も聞かれます。それでも、週末課題などはかなりの量が出るようです。この課題をこなすことで、自然と学習習慣が身につくという側面もあります。
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校則は厳しい?緩やか?
かつては「ブラック校則」と評されるような厳しいルールもあったようですが、近年、生徒会の意見などを取り入れて大きく見直されています。特に頭髪に関するルールが緩和され、「とても過ごしやすくなった」という在校生の声が多く見られます。スマホは校内での使用ルールが定められていますが、これも常識の範囲内での運用のようです。伝統校でありながら、時代の変化に合わせて進化しようとする姿勢が見られます。
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生徒たちの雰囲気は?
「真面目で穏やかな生徒が多い」という評判です。トップクラスの進学校ですが、勉強ばかりしている堅苦しい雰囲気ではなく、明るく面白い人もたくさんいるようです。「一生懸命勉強する人を応援する」という文化が根付いているため、互いに高め合える環境だと言えるでしょう。ただし、入学時点で学力に差があるため、授業のスピードについていく努力は必要です。
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アルバイトは可能?
進学校という特性上、学業と部活動に専念することが推奨されており、原則としてアルバイトは許可されていないようです。特別な事情がある場合は、学校に相談する必要があるでしょう。
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制服の評判は?
特に女子の冬服が「清楚で可愛い」と非常に人気が高く、中学生の憧れの的となっています。制服が、この学校を選ぶ決め手の一つになることもあるようです。
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土曜授業はある?
以前は「土曜講座」として土曜日に授業が行われる日がありましたが、2024年度から廃止されたとの情報があります。これにより、週末を部活動や自分の勉強、リフレッシュの時間に使えるようになり、生徒にとっては大きな改善点と言えるでしょう。
中津南高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、部活動や学校行事も高校生活の醍醐味です。中津南高等学校は「文武両道」を掲げており、どちらも非常に盛んです。
部活動
多くの生徒が部活動に加入しており、活気に満ちています。学業との両立は大変ですが、時間をうまく使い、充実した毎日を送っている生徒が多いようです。
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かるた部
中津南高等学校を象徴する、全国屈指の強豪部です。毎年、全国高等学校選手権大会の常連であり、過去には「かるたクイーン」を輩出したこともあります。その活躍は学校の誇りであり、かるたに打ち込みたい生徒にとっては最高の環境です。
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科学部
文化部の中でも特に活発で、九州大会や全国規模の研究発表会に出場するなど、高いレベルで活動しています。探究心旺盛な生徒たちが集まり、日々研究に励んでいます。
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弓道部
人気の高い運動部の一つで、その凛とした姿に憧れて入部する生徒も多いようです。精神集中が求められる武道を通して、心身ともに鍛えられます。
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女子バスケットボール部
過去に全国大会(ウインターカップ)への出場経験もある強豪です。チーム一丸となって高い目標を目指しています。
この他にも、多くの運動部、文化部があり、それぞれの部が目標に向かって熱心に活動しています。
イベント
生徒たちが主体となって作り上げる学校行事は、クラスの団結力を高め、忘れられない思い出を作ります。
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開扇祭(かいさんさい)
9月に行われる、中津南高等学校で最も盛り上がるイベントです。文化祭と体育祭が一体となったもので、文化の部では各クラスや文化部が趣向を凝らした展示やステージ発表を披露します。書道部のパフォーマンスは特に見応えがあります。体育の部では、クラス対抗で様々な競技に熱中し、学校全体が一体感に包まれます。
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修学旅行
2年生の冬に実施されます。単なる観光旅行ではなく、キャリア教育の一環として、東京などの大都市で企業訪問を行うプログラムが組まれているのが大きな特色です。社会の第一線で活躍する人々の話を聞くことで、将来の進路について深く考える貴重な機会となります。
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百人一首大会・強歩大会
冬には、かるたが盛んな学校ならではの「百人一首大会」や、心身を鍛える伝統行事「強歩大会」など、ユニークなイベントも行われます。
中津南高等学校の進学実績
地域の期待を一身に背負う進学校として、中津南高等学校は毎年素晴らしい大学進学実績を誇っています。
国公立大学
2023年度には、107名の生徒が国公立大学に現役合格しています。これは卒業生のおよそ3人に1人以上が国公立大学に進学している計算になり、非常に高い合格率です。
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主な合格先(2023年度実績)
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九州大学: 12名(うち医学部医学科1名)
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その他、広島大学、熊本大学、大分大学など、九州を中心とした全国の国公立大学に多数合格。
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特に、旧帝国大学の一つである九州大学に毎年二桁の合格者を出していることは、質の高い教育が行われている証と言えるでしょう。
難関私立大学
国公立大学だけでなく、難関私立大学にも多くの合格者を出しています。
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主な合格先(2023年度実績)
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慶應義塾大学をはじめ、早稲田大学、東京理科大学などの関東の難関大学。
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同志社大学、立命館大学などの関西の難関大学。
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進学サポート体制
こうした高い進学実績を支えているのが、学校の手厚いサポート体制です。3年生を対象とした進路講演会や、大学入学共通テスト前の激励会など、生徒のモチベーションを高めるための様々な取り組みが行われています。また、職員室の近くには自習スペースが設けられており、放課後も集中して勉強できる環境が整っています。日々の質の高い授業と、きめ細やかな進路指導が、生徒たちの夢の実現を力強く後押ししています。
中津南高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、中津南高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。
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圧倒的な進学実績と120年以上の伝統
九州大学をはじめとする難関国公立大学への高い合格実績は、地域トップクラスです。長い歴史の中で培われた教育ノウハウと、卒業生のネットワークが大きな強みです。
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全国レベルで活躍する文武両道の部活動
特に「かるた部」は全国にその名を知られる強豪で、学校の象徴的存在です。他にも科学部や弓道部など、多くの部がハイレベルな活動を展開しています。
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生徒の声で進化する、柔軟な校風
伝統を大切にしながらも、校則の見直しや土曜授業の廃止など、生徒の意見を積極的に取り入れ、より良い学校環境づくりを進めています。
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心と向き合う独自のウェルビーイングプログラム
「SUSUMEプロジェクト」と題し、心理学や演劇の手法を取り入れて、生徒が自分自身の心や他者との関わり方について考える先進的なプログラムを導入しています。
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美しく整備された学習環境
校舎や中庭は綺麗に整備されており、生徒が気持ちよく3年間を過ごせる環境が整っています。学習に集中できる静かで美しい環境は、大きな魅力です。
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社会とつながる先進的なキャリア教育
修学旅行での企業訪問など、早い段階から社会との接点を持ち、将来のキャリアについて具体的に考える機会を豊富に提供しています。
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学校全体が一つになる「開扇祭」
文化祭と体育祭を合わせた「開扇祭」は、準備期間から本番まで、生徒たちの熱気とエネルギーに満ち溢れる一大イベントです。
中津南高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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「レベルの高い友人に恵まれる」
最も多く聞かれるのが、素晴らしい友人に出会えたという声です。穏やかで知的な生徒が多く、互いに刺激し合い、高め合える最高の環境だという意見が多数あります。
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「先生のサポートが手厚い」
課題は多いものの、質問に行けば親身になって教えてくれる熱心な先生が多いようです。生徒のやる気を引き出し、全力で応援してくれるという声が聞かれます。
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「文武両道が本当にできる」
勉強と部活動の両立は大変ですが、それを成し遂げている先輩や同級生がたくさんいるため、自然と頑張れる雰囲気があるようです。
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「人間的に大きく成長できた」
厳しい環境だったけれど、卒業してみると、あの3年間があったから今の自分があると感謝している卒業生が多いようです。自律心や計画性が身についたという声も聞かれます。
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「綺麗な校舎と可愛い制服が自慢」
学校生活を送る上でのモチベーションにつながる、という意見も少なくありません。
気になる点
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「とにかく課題が多くて大変」
最も多いネガティブな意見です。授業のスピードも速く、ついていくのがやっとで、苦手分野を克服する自分の勉強時間が取りにくいと感じる生徒もいるようです。
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「学校の方針が絶対という雰囲気がある」
進学校特有の傾向かもしれませんが、学校のやり方を第一とし、塾や予備校の活用にあまり肯定的でない先生もいる、という声が一部で見られます。
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「先生との相性が合わないと辛い」
これはどの学校でもあり得ることですが、一部の先生の指導方法や考え方が合わないと感じる生徒もいるようです。
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「生徒間の学力差が大きい」
高いレベルの生徒が集まる一方で、入学後の努力次第で成績に大きな差が生まれやすい環境でもあるようです。
アクセス・通学
中津南高等学校への通学方法と、どのエリアから生徒が通っているかを見てみましょう。
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最寄り駅からのアクセス
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JR日豊本線「中津駅」南口から 徒歩 約11分~15分
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JR日豊本線「吉富駅」(福岡県)から 徒歩 約16分
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バスでのアクセス
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バス停「豊田町二丁目」から 徒歩 約5分~7分
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主な通学エリア
中津市内の生徒が最も多いですが、宇佐市や豊後高田市など、近隣の市町村から通学する生徒もたくさんいます。また、福岡県の吉富駅が徒歩圏内にあることから、県境を越えて福岡県側(吉富町、上毛町など)から通う生徒も少なくありません。これは、中津南高等学校が市や県を越えて、広い地域から優秀な生徒が集まる教育の拠点となっていることを示しています。
中津南高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
最後に、進学アドバイザーとして、中津南高等学校を目指す皆さんへメッセージを送ります。
中津南高等学校は、「将来は国公立大学に進学したい」という明確な目標を持ち、高いレベルの環境で自分を試したい、成長させたいと考える生徒に特におすすめの学校です。同じ志を持つ仲間たちと切磋琢磨する3年間は、きっとあなたの人生の大きな財産になるでしょう。
中津南高等学校の合格を勝ち取るための最大の鍵は、「中学1年生からの継続的な努力」です。特に内申点は3年間の積み重ねが評価されるため、日々の授業を大切にし、定期テストで着実に得点することが何よりも重要です。受験勉強では、まずは教科書の基礎を完璧に固め、その上で過去問に繰り返し取り組み、出題傾向に慣れておきましょう。挑戦する価値のある素晴らしい学校です。皆さんの健闘を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。