埼玉県久喜市に位置する久喜工業高等学校は、60年以上の歴史を持つ、ものづくりに特化した県立の工業高校です。 卒業後すぐに社会で活躍できる専門的な技術と知識を身につけることを目指し、実習を重視したカリキュラムが大きな特長となっています。JR宇都宮線と東武伊勢崎線が乗り入れる久喜駅から徒歩圏内という、通学にも便利な立地も魅力の一つです。

また、久喜工業高等学校では、約半数の生徒が就職し、残りの半数が大学や専門学校へ進学するなど、多様な進路選択が可能です。 生徒一人ひとりの希望に合わせた手厚いサポート体制が整っており、自分の将来の夢を具体的に描き、その実現に向けて着実にステップアップできる環境が用意されています。

この記事では、そんな久喜工業高等学校の偏差値や学科の特色、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。ものづくりに興味がある、専門的なスキルを身につけたいと考えている中学生とその保護者の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

久喜工業高等学校の基本情報

久喜工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 埼玉県立久喜工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒346-0002 埼玉県久喜市野久喜474
代表電話番号 0480-21-0761
公式サイト https://kuki-th.spec.ed.jp/

久喜工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

久喜工業高等学校は、専門的な知識と技術を学ぶことに意欲のある生徒が集まる学校です。偏差値だけでなく、自分の興味や将来の目標と照らし合わせて、じっくりと検討することが大切です。

学科ごとの偏差値の目安は以下の通りです。

  • 情報技術科: 45

  • 環境科学科: 44

  • 機械科: 42

  • 工業化学科: 42

  • 電気科: 42

これらの偏差値はあくまで目安であり、合格には中学校での内申点も重要になります。特に、技術・家庭科などの実技科目の評価も大切にされる傾向があります。

同じくらいの偏差値の高校としては、大宮工業高校や羽生実業高校などがあげられます。

埼玉県の公立高校入試では、原則として他の公立高校を併願することはできません。そのため、久喜工業高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、花咲徳栄高校国際学院高校などが考えられます。

久喜工業高等学校に設置されている学科・コース

久喜工業高等学校には、社会のニーズに応える5つの専門学科が設置されています。 それぞれの学科で特色ある学習が展開されており、自分の興味や将来の夢に合わせて選ぶことができます。

  • 機械科

    • どんなことを学ぶ?:機械の設計や製作、制御など、ものづくりの基本となる技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:ロボットや自動車など、動くものを作ることに興味がある人におすすめです。

  • 電気科

    • どんなことを学ぶ?:電気エネルギーの発生から利用まで、電気に関する幅広い知識と技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:電気工事や電子工作、コンピュータの仕組みに興味がある人に向いています。

  • 工業化学科

    • どんなことを学ぶ?:物質の変化や合成、分析などを通して、化学製品の開発や製造に関する技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:実験が好きで、新しい素材や薬品の開発に興味がある人におすすめです。

  • 情報技術科

    • どんなことを学ぶ?:プログラミングやネットワーク、データベースなど、IT社会を支える情報技術を基礎から学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:コンピュータやゲーム、アプリ開発に興味があり、将来IT業界で活躍したい人に最適です。

  • 環境科学科

    • どんなことを学ぶ?:環境分析やリサイクル技術、新エネルギーなど、地球環境を守るための科学技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:環境問題に関心があり、科学の力で社会に貢献したいと考えている人におすすめです。

久喜工業高等学校の特色・校風

久喜工業高等学校は、「ものづくりへの真摯な姿勢」と「挑戦する気持ち」を大切にする校風が特徴です。

口コミなどを見ると、校則は特に頭髪に関して厳しいという声があるようです。 アルバイトは許可制で、長期休業中などに認められることが多いようです。生徒たちは、専門分野の学習に真面目に取り組む一方で、活発な生徒も多く、全体的には落ち着いた雰囲気があると言われています。制服は一般的なブレザータイプです。土曜授業は基本的に実施されていません。

施設面では、専門的な実習を行うための充実した設備が整っている一方で、校舎自体は歴史があるため、少し古いと感じる部分もあるようです。

久喜工業高等学校の部活動・イベント

部活動

久喜工業高等学校では、多くの生徒が部活動に加入しており、勉強と両立しながら充実した高校生活を送っています。

運動部では、野球部、サッカー部、柔道部、バレーボール部などが県大会に出場するなど活発に活動しています。 特に登山部は全国大会で優勝した実績もあります。

文化部では、工業高校ならではの特色ある部活動が盛んです。 例えば、情報電子部がプログラムコンテストに出場したり、自動車部がエコラン(燃費競技)の大会に参加したりと、専門知識を活かして活躍しています。 その他にも、模型部や電気研究部など、ものづくりが好きな生徒にとっては魅力的な部活動が多数あります。

イベント

久喜工業高等学校の年間行事は、生徒たちの手で作り上げられるものが多く、クラスの団結力を高める良い機会となっています。

  • 文化祭(久工祭):最大のイベントである文化祭は「久工祭」と呼ばれ、各学科が日頃の学習成果を発表する展示や、ものづくり体験コーナーなど、工業高校ならではの企画で毎年大変盛り上がります。 地域住民も多く訪れ、活気に満ち溢れます。

  • 体育祭:学科対抗形式で行われる体育祭は、ユニークな競技も多く、生徒たちの熱気に包まれます。

  • 修学旅行:平和学習や自然体験などを通して、見聞を広め、仲間との絆を深めます。

  • インターンシップ:2年生全員が地元企業で4日間の就業体験を行います。 実際の現場で働く経験は、将来の進路を考える上で貴重な機会となります。

久喜工業高等学校の進学実績

久喜工業高等学校は、就職に強いだけでなく、大学や専門学校への進学にも力を入れています。 卒業生の約6割が就職し、約4割が進学するというのが近年の傾向です。

就職に関しては、毎年多くの企業から求人が寄せられ、就職内定率は非常に高い水準を維持しています。 大手メーカーや地元の優良企業など、様々な業種への就職実績があります。

進学については、工業系の大学への進学者が多いのが特徴です。特に、日本工業大学や埼玉工業大学、ものつくり大学などへの進学者が目立ちます。 また、日本大学、東洋大学、東京電機大学といった大学からの指定校推薦枠も多数あり、学業成績や学校生活での頑張りが評価されれば、有利に進学することが可能です。

進路指導が手厚いことも久喜工業高校の特長で、履歴書の書き方から面接練習まで、一人ひとりに寄り添った丁寧なサポートが受けられます。

久喜工業高等学校の特長・アピールポイント

久喜工業高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。

  • 圧倒的な就職実績:長年にわたる企業との信頼関係により、多くの求人が寄せられ、高い就職内定率を誇ります。

  • 豊富な資格取得サポート:危険物取扱者や電気工事士など、将来に役立つ国家資格の取得を学校全体で強力にバックアップしています。 資格取得は進学や就職の際に大きなアピールポイントになります。

  • 充実した実習設備:「ものづくり」のプロを育てるため、各学科に専門的な知識と技術を深く学べる最新の設備が整っています。

  • 実践的なインターンシップ:2年生全員が参加するインターンシップ(就業体験)を通じて、社会人として必要なスキルや心構えを実践的に学びます。

  • 地域との連携:久喜市民まつりへの参加や、地元の小中学校での「ものづくり体験教室」など、地域社会との交流を積極的に行っています。

  • 大学との連携・指定校推薦枠:日本大学や東洋大学、東京電機大学など、多くの大学から指定校推薦枠が用意されており、進学を目指す生徒にも有利な環境です。

  • 工業高校ならではのユニークな部活動:自動車部や情報電子部など、専門知識を活かせる部活動で、実践的なスキルを磨きながら大会出場を目指せます。

久喜工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

久喜工業高等学校について、在校生や卒業生からは様々な声が寄せられています。

良い点:

  • 「就職サポートが手厚い」という声が非常に多いです。 先生方が一人ひとり親身になって面接練習や履歴書作成の指導をしてくれる点が評価されています。

  • 「専門的な知識が身につき、資格も取れる」という点も、将来を考える生徒にとって大きな魅力となっているようです。

  • 「工業やものづくりに興味があれば、とても楽しく学べる」という意見も多く見られます。

気になる点:

  • 「施設や校舎が古い」という意見があります。 特にトイレなどの衛生面を気にする声が見られます。

  • 「校則が厳しい」と感じる生徒もいるようです。 特に男子の頭髪検査については、厳しいと感じる声が複数あります。

  • 「工業に興味がないと授業がつらいかもしれない」という意見もあります。 専門的な内容が多いため、入学前に自分の興味・関心をしっかりと見極めることが大切です。

アクセス・通学

久喜工業高等学校へのアクセスは以下の通りです。

  • JR宇都宮線・東武伊勢崎線「久喜駅」東口より徒歩約12〜15分

駅から徒歩圏内にあるため、久喜市内だけでなく、さいたま市、加須市、幸手市、蓮田市や、隣接する県(茨城県、栃木県、群馬県)など、幅広いエリアから生徒が通学しています。

久喜工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

久喜工業高等学校は、「ものづくりが好き」「将来は技術者として社会に貢献したい」という強い意志を持った君にこそ、ぴったりの学校です。充実した設備と、熱心な先生方のサポートのもとで、自分の夢中になれる分野を3年間かけて深く探求することができます。卒業後の進路も、就職から進学まで幅広く用意されており、君の未来の可能性を大きく広げてくれるはずです。

受験勉強においては、5教科をバランスよく学習することが基本ですが、特に数学と理科の基礎を固めておくことが重要です。また、面接では「なぜ久喜工業高等学校で学びたいのか」「どの学科で、どんな技術を身につけたいのか」を自分の言葉で具体的に話せるように準備しておきましょう。学校説明会や体験入学にはぜひ参加して、久喜工業高等学校の雰囲気を肌で感じてみてください。君の挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。