京都堀川音楽高等学校は、日本で唯一の音楽科単⽴の公⽴⾼校です。1948年に堀川高校に音楽課程として設置されて以来、70年以上の歴史の中で、指揮者の佐渡裕さんをはじめ、国内外で活躍する多くの優れた音楽家を輩出してきました。まさに、音楽家を志す中学生にとって憧れの存在と言えるでしょう。

京都堀川音楽高等学校では、プロの音楽家になるという高い志を持った仲間たちと、日々切磋琢磨できる環境が整っています。充実した講師陣による専門的な個人レッスンはもちろんのこと、オーケストラや合唱など、アンサンブルの授業も豊富です。この記事では、そんな京都堀川音楽高等学校の魅力を、進学アドバイザーの視点から、中学生とその保護者の皆さんにも分かりやすく解説していきます。

音楽漬けの3年間は、決して楽な道のりではないかもしれません。しかし、同じ夢を持つ仲間と共に過ごす時間は、何にも代えがたい貴重な経験となるはずです。この記事を読んで、京都堀川音楽高等学校での充実した学校生活を具体的にイメージしてみてください。

京都堀川音楽高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 京都市立京都堀川音楽高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒604-0052 京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1
代表電話番号 075-253-1581
公式サイト https://www.edu.city.kyoto.jp/hp/horion/

京都堀川音楽高等学校の偏差値・難易度・併願校

京都堀川音楽高等学校は音楽科のみの専門高校であるため、一般的な学力偏差値だけで難易度を測ることはできません。入学者選抜では、国語・数学・英語の学力検査に加えて、専攻実技、副科実技(ピアノ)、楽典、新曲視唱、コールユーブンゲンといった専門科目の試験が課され、特に実技試験が重視される傾向にあります。

合格のためには、高い演奏技術はもちろんのこと、音楽理論の知識や基礎的な学力も必要です。内申点については、オール5に近い成績の生徒もいるという声もあり、音楽と勉強の両立が求められます。

京都府の公立高校入試制度では、専門学科である京都堀川音楽高等学校は他の公立高校との併願が可能です。しかし、試験内容が特殊なため、音楽系の私立高校(例:同志社女子高等学校 音楽科、京都光華高等学校 音楽科など)を併願する受験生が多いようです。

京都堀川音楽高等学校に設置されている学科・コース

京都堀川音楽高等学校には「音楽科」のみが設置されており、その中で入学後に各専攻に分かれて専門性を深めていきます。

  • 声楽専攻 – 豊かな表現力を持つ声楽家を目指します。オペラや歌曲などを深く学びたい人におすすめです。

  • 器楽専攻 – ピアノ、弦楽器、管楽器、打楽器など、各楽器のプロフェッショナルを目指します。ソリストやオーケストラ奏者を志す人におすすめです。

    • ピアノ

    • 弦楽(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)

    • 管楽(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、サクソフォン、ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ)

    • 打楽(打楽器、マリンバ)

  • 作曲専攻 – 楽曲分析や和声法などを学び、独自の音楽を創造する力を養います。将来、作曲家として活躍したい人におすすめです。

  • 楽理専攻 – 音楽の歴史や理論を深く研究します。音楽学者や評論家などを目指す人におすすめです。

京都堀川音楽高等学校の特色・校風

京都堀川音楽高等学校の校風は「音楽への情熱」「プロフェッショナル志向」「協調性」といったキーワードで表現できるでしょう。生徒は皆、将来音楽家になるという明確な目標を持っており、日々の練習に真剣に取り組んでいます。

  • 宿題の量:音楽系の課題が多く、日々の練習と両立させる必要があります。特に演奏会の前は忙しくなるようです。

  • 校則:比較的緩やかで、生徒の自主性を重んじる校風のようです。髪型に関する規則はなく、スマートフォンやお菓子の持ち込みも許可されています。ただし、アルバイトは原則として禁止されています。

  • 生徒たちの雰囲気:男子生徒の比率が少ないため、男子同士の結束が強いという声があります。専攻を超えて仲が良く、互いに高め合える環境です。

  • 制服の評判:伝統と格式を意識した、落ち着きのあるグレーのスーツスタイルです。ネクタイ・リボン、スラックス・スカートが選択できます。襟付きのベストが特徴的で、フォーマルな印象を与えます。

  • 土曜授業:基本的にはありませんが、演奏会や特別レッスンなどが入ることがあります。

京都堀川音楽高等学校の部活動・イベント

部活動

京都堀川音楽高等学校では、音楽系のアンサンブル活動が部活動の中心となっています。授業の一環としてオーケストラや合唱があり、3学年合同で練習に励みます。

  • 主な部活動(アンサンブル):管楽アンサンブル、弦楽アンサンブル、重唱、ピアノ重奏などがあります。

  • 文化部:音楽研究、写真、園芸、ESS、読書俱楽部など、音楽以外にも多様な部活動があります。

  • 体育系部活動:スポーツ部があり、音楽の勉強の合間にリフレッシュすることができます。

イベント

音楽高校ならではの、演奏会や発表会が年間を通して数多く開催されます。

  • オーケストラ定期演奏会(7月):京都コンサートホールの大ホールで開催される、学校を代表する大きなイベントです。全校生徒で一つの音楽を作り上げる経験は、大きな達成感を得られます。

  • 文化祭(音高祭、8月):クラスごとに出し物を行ったり、有志によるコンサートが開かれたりします。

  • ヨーロッパ研修旅行(11月、2年生):音楽の本場であるチェコやオーストリアを訪れ、現地の音楽院でレッスンを受けたり、コンサートを開催したりする機会があります。

  • 卒業演奏会(3月):3年間の集大成として、京都コンサートホールの大ホールで演奏します。

  • その他:春季定期演奏会(3年生の公開実技試験)やピアノコンサート、地域と連携した京都城巽音楽フェスティバルなど、演奏を披露する機会が豊富にあります。

京都堀川音楽高等学校の進学実績

京都堀川音楽高等学校の卒業生は、そのほとんどが音楽大学や教育大学の音楽科へ進学します。充実した講師陣による個人指導や、進路に合わせたサポートが手厚いのが特長です。

  • 国公立大学:京都市立芸術大学、東京藝術大学、愛知県立芸術大学、沖縄県立芸術大学など、全国の主要な音楽系国公立大学への進学実績が多数あります。

  • 私立大学:同志社女子大学、京都市立芸術大学、大阪音楽大学、桐朋学園大学、東京音楽大学など、難関私立音楽大学にも多くの合格者を出しています。

  • その他:海外の音楽院へ留学する生徒もいます。

進学実績に結びつく取り組みとして、大学で指導している先生によるレッスンや、志望校の入試を想定したリハーサルなどが行われています。

京都堀川音楽高等学校の特長・アピールポイント

  • 日本唯一の音楽科単⽴の公⽴⾼校:全国から音楽家を志す仲間が集まる、非常に専門性の高い環境です。

  • 国内最高水準の音響を誇るホール:客席数301席の本格的なホールで、授業や試験、自主的なコンサートなどを行うことができます。

  • 充実した練習環境:36のレッスン室やソルフェージュ室など、音楽に集中できる施設が整っています。

  • 第一線で活躍する講師陣による個人指導:生徒一人ひとりの才能を伸ばすため、各専攻で充実した講師陣による質の高い個人レッスンが行われています。

  • 豊富な演奏会の機会:定期演奏会や卒業演奏会をはじめ、年間を通して数多くの演奏の機会が用意されており、実践的な経験を積むことができます。

  • 音楽の本場を体験するヨーロッパ研修旅行:2年次にはヨーロッパを訪れ、現地の音楽に触れることで、国際的な視野を広げることができます。

  • 著名な音楽家を多数輩出:指揮者の佐渡裕氏をはじめ、世界で活躍する多くの卒業生がおり、そのネットワークは大きな財産です。

京都堀川音楽高等学校の口コミ・評判のまとめ

良い点

  • 「音楽を学ぶための環境が非常に整っている」という声が最も多く聞かれます。施設や設備の充実はもちろん、音楽に集中できる雰囲気が高く評価されています。

  • 「同じ志を持つ仲間と高め合える」という点も大きな魅力のようです。専攻を超えて生徒同士の仲が良く、互いに刺激し合いながら成長できる環境です。

  • 「先生方のサポートが手厚い」という口コミも見られます。専門的な指導はもちろん、進路相談などにも親身になって応えてくれるようです。

  • 「駅から近くて通学に便利」というアクセスの良さも好評です。

気になる点

  • 「一部の生徒によるレッスン室の使い方が良くないことがある」といった、施設利用のマナーに関する指摘が少数見られました。

  • 専門性が高いがゆえに、「音楽以外の進路を考え始めた時に選択肢が限られる」と感じる可能性もゼロではないようです。

  • 男子生徒の割合が少ないため、学校生活の雰囲気は女子校に近いと感じる人もいるかもしれません。

アクセス・通学

京都堀川音楽高等学校は、京都市の中心部に位置し、公共交通機関でのアクセスが非常に便利です。

  • 最寄り駅

    • 京都市営地下鉄東西線「二条城前駅」から徒歩約5分

    • 京都市営地下鉄烏丸線「丸太町駅」から徒歩約10分

    • 京都市バス「堀川御池」停留所からすぐ

京都市内からはもちろん、JRや私鉄各線との乗り換えも便利なため、大阪府や滋賀県、奈良県など、近畿一円から通学している生徒がいます。

京都堀川音楽高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

京都堀川音楽高等学校は、将来プロの音楽家として生きていきたいという強い意志と情熱を持った君に、最高の環境を提供してくれる学校です。もし君が、「とにかく音楽が好きだ」「一日中音楽のことだけを考えていたい」と思っているなら、ここはまさに理想の場所と言えるでしょう。

受験に向けては、専攻実技の練習に最も力を入れる必要があります。日々の練習を絶対に怠らず、コンクールなどに挑戦して経験を積むことも大切です。同時に、楽典やソルフェージュなどの基礎的な学習も疎かにしてはいけません。学力検査対策としては、中学校の授業内容をしっかりと復習し、基礎を固めておくことが重要です。

京都堀川音楽高等学校での3年間は、音楽漬けの毎日です。楽しいことばかりではないかもしれませんが、同じ夢を追いかけるかけがえのない仲間との出会いが、君を大きく成長させてくれるはずです。自分の可能性を信じて、挑戦してみてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。