将来に役立つ専門的なスキルを身につけながら、充実した高校生活を送りたいと考えている中学生の皆さん、そして保護者の皆様へ。滋賀県近江八幡市に、130年以上の歴史と伝統を誇る滋賀県立八幡商業高等学校があります。近江商人発祥の地で、社会で活躍する多くの卒業生を輩出してきたこの学校は、未来を見据えた先進的な教育にも力を入れています。
八幡商業高等学校の魅力は、ただ商業について学べるだけではありません。ヴォーリズ建築の美しい校舎で、礼儀正しさを大切にする落ち着いた雰囲気の中、勉強はもちろん、部活動や学校行事に全力で打ち込める環境が整っています。かつては文部科学省から先進的なビジネス教育を行う「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)」にも指定されており、その教育内容は折り紙付きです。
この記事では、八幡商業高等学校がどんな学校なのか、偏差値や難易度といった受験情報から、在校生や卒業生のリアルな声まで、皆さんが本当に知りたい情報を詳しく、そして分かりやすくお伝えします。この記事を読み終える頃には、八商での高校生活を具体的にイメージできるようになっているはずです。ぜひ、あなたの未来の選択肢の一つとして、じっくりと検討してみてください。
八幡商業高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 滋賀県立八幡商業高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒523-0895 滋賀県近江八幡市宇津呂町10 |
代表電話番号 | 0748-32-2072 |
公式サイトURL | http://www.hassho-ch.ed.jp/ |
八幡商業高等学校の偏差値・難易度・併願校
八幡商業高等学校の受験を考える上で気になる偏差値や難易度について、詳しく見ていきましょう。
学科・コースごとの最新の偏差値の目安は以下の通りです。
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国際経済科: 46 – 49
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商業科: 45
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情報処理科: 44
偏差値はあくまで一つの目安ですが、八幡商業高等学校の本当の価値は、専門的な知識やスキルを身につけられる点にあります。同じくらいの偏差値の高校としては、大津商業高等学校(偏差値45-48程度)や国際情報高等学校(偏差値47-49程度)などがあります。これらの学校と比較検討してみるのも良いでしょう。
合格に必要な内申点の目安は、滋賀県の公立高校入試制度(中学3年間の9教科5段階評価、合計135点満点)において、90点から100点あたりが一つの目標となりそうです。特に、大学進学も視野に入れた国際経済科を目指す場合は、より高い内申点が求められる傾向があります。滋賀県の公立高校入試では、学力検査と内申点の比率が高校ごとに定められており、八幡商業高等学校のような専門高校では「学力検査6:内申点4」の比率が採用されることが多く、当日の学力検査の得点も重要視されます。
滋賀県の公立高校入試では、一度に一つの公立高校しか受験できません。そのため、併願校としては私立高校を選ぶのが一般的です。八幡商業高等学校を受験する生徒の主な併願校としては、近江兄弟社高等学校、光泉カトリック高等学校、比叡山高等学校などが挙げられます。
八幡商業高等学校に設置されている学科・コース
八幡商業高等学校には、将来の目標に合わせて選べる3つの専門学科が設置されています。それぞれの学科でどんなことが学べるのか、どんな人におすすめかを見ていきましょう。
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商業科
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どんなことを学ぶ?:会計(簿記)やマーケティング、情報処理など、ビジネスの基本を幅広く学びます。3年生では模擬会社で取引を行う「総合実践」という授業もあり、実践的なスキルが身につきます。
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どんな生徒におすすめ?:将来、事務や販売、経理など、様々なビジネスの現場で活躍したい人や、まずはビジネスの全体像を掴みたい人におすすめです。
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国際経済科
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どんなことを学ぶ?:英語や国語、世界史などの授業が充実しており、豊かな国際感覚を養います。もちろん、簿記などの商業科目もしっかり学び、専門知識を活かした大学進学を目指します。
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どんな生徒におすすめ?:グローバルな仕事に興味がある人や、経済学部・商学部などの大学に進学して、より専門的に学びたい人におすすめです。
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情報処理科
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どんなことを学ぶ?:プログラミングやネットワークなど、ITに関する専門的な知識と技術を深く学びます。ITパスポートや基本情報技術者試験といった国家資格の取得を目標とします。
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どんな生徒におすすめ?:コンピュータやテクノロジーが好きで、将来はITエンジニアやプログラマーとして社会のデジタル化を支えたい人におすすめです。
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八幡商業高等学校の特色・校風
八幡商業高等学校の雰囲気や文化をキーワードで表すなら、「伝統と革新」「文武両道」「礼儀と規律」がぴったりです。
学校全体の雰囲気は、生徒も先生も元気な挨拶が飛び交う、活気のあるものです。生徒たちは勉強や部活動には真剣に取り組み、行事では思い切り楽しむというメリハリがしっかりついています。
中学生が特に気になる点について、口コミなどを基にまとめました。
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宿題の量:授業は月・水・金が6時間、火・木が7時間授業となっており、学校での学習時間が確保されているためか、宿題の量は標準的という声が多いようです。
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校則:校則は「厳しい」という意見が多数を占めます。特に服装に関する指導は厳格で、スカートの長さや化粧は厳しくチェックされるようです。部活動に所属している生徒は、夏服でもシャツの第一ボタンを留めるなど、より厳しい指導がある場合もあります。しかし、この規律正しさが社会に出てから役立つという声も多く、学校の良き伝統として受け継がれています。
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生徒たちの雰囲気:真面目で礼儀正しい生徒が多いと評判です。落ち着いた環境で勉強に集中したい人には最適な雰囲気と言えるでしょう。
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アルバイト:原則として許可制であることが多いようです。学業や部活動との両立を考慮し、学校に確認することをおすすめします。
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制服の評判:制服は伝統的なデザインです。着こなしに関する校則は厳しいですが、その分、きちんとした印象を与え、学校の品位を保っています。特に女子生徒のスカートが長めなのは、昔からの伝統のようです。
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土曜授業:通常は土曜授業はありません。
この「規律」は、八幡商業の教育の根幹をなすものです。社会人として求められる礼儀やマナーを高校生活の中で自然に身につけることを目的としており、その教育方針が企業の高い評価につながり、優れた就職実績を支えています。
八幡商業高等学校の部活動・イベント
部活動
八幡商業高等学校の高校生活を語る上で、部活動は欠かせない要素です。運動部、文化部ともに非常に活発で、全国レベルで活躍する部も少なくありません。
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硬式野球部:滋賀県を代表する強豪校として全国的に有名です。春夏の甲子園にそれぞれ7回出場した実績を誇り、プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスで活躍する則本昂大選手もOBの一人です。野球部の活躍は、学校全体の誇りとなっています。
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女子バレーボール部:こちらも全国大会の常連で、「春の高校バレー」にも何度も出場しています。「強化部」に指定されており、高いレベルを目指して日々厳しい練習に励んでいます。
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簿記珠算部:運動部だけでなく、文化部の活躍も目覚ましいのが八商の特長です。簿記珠算部は全国高等学校簿記コンクールで準優勝するなど、輝かしい実績を誇ります。中には在学中に税理士試験の科目試験に合格する生徒もいるほど、専門教育の水準の高さを示しています。
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コンピュータ部:情報処理科の生徒を中心に活動し、全国高等学校情報処理選手権大会など、全国レベルの大会で実力を発揮しています。
イベント
八幡商業高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が一年を彩ります。仲間との絆が深まる、思い出深いイベントが盛りだくさんです。
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体育祭:9月に行われる学校最大のイベントです。1年生から3年生までの縦割りで団を結成し、「競技」「エクス(創作ダンス)」「バック(団幕)」の3部門で総合優勝を競い合います。この日だけは厳しい校則が一時的に緩和され、メイクや髪型も自由になるため、生徒たちはおしゃれを思い切り楽しみます。普段の真面目な姿とのギャップが、体育祭を一層盛り上げる要素となっています。
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文化祭:12月に開催され、各クラスが工夫を凝らした教室展示やステージ発表を行います。近年では、クラブや有志による模擬店も出店されるようになり、活気に満ちています。文化部の生徒にとっては、日頃の活動の成果を発表する晴れの舞台です。
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球技大会:7月と3月の年2回開催されます。種目は生徒へのアンケートで決定され、学年の垣根を越えたトーナメント戦は、体育祭さながらの熱戦が繰り広げられます。
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修学旅行:近年では台湾を訪れるなど、国際感覚を養う貴重な機会となっています。
八幡商業高等学校の進学実績
八幡商業高等学校の卒業後の進路は、伝統的に就職に強いことで知られていますが、大学や専門学校への進学の道も幅広く開かれています。
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大学進学実績:国公立大学や難関私立大学への進学者も輩出しています。特に国際経済科は大学進学を視野に入れたカリキュラムが組まれており、商業高校ならではの推薦入試制度を活用して、有名私立大学の経済学部や商学部に進学する生徒が多くいます。資格取得に向けた講習会や補習なども充実しており、進学希望者へのサポートも手厚いです。
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就職実績:就職希望者の内定率は非常に高く、県内トップクラスを誇ります。これは、130年以上の歴史の中で築き上げてきた企業との信頼関係と、礼儀正しく実践的なスキルを身につけた卒業生への高い評価の賜物です。事務職、販売職、技術職など、多岐にわたる優良企業への就職実績があります。
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著名な卒業生:ワコールの創業者である塚本幸一氏や、伊藤忠商事の社長を歴任した伊藤忠兵衛氏など、日本を代表する企業の経営者を数多く輩出していることも、八幡商業の教育の質の高さを物語っています。
八幡商業高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、八幡商業高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを7つのポイントにまとめました。
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130年を超える歴史と伝統:1886年の創立以来、近江商人発祥の地で商業教育の中心を担ってきました。その歴史が、学校の誇りと文化を育んでいます。
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強力な卒業生ネットワーク:国内外の様々な業界で活躍する卒業生との絆が非常に強く、在校生にとって大きな支えとなっています。
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礼儀と規律を重んじる人間教育:全国の高校の中でも特に礼儀正しい学校として知られており、社会で通用する人間性を3年間で徹底的に養います。
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活発な国際交流プログラム:費用の一部を学校の基金が補助する、1年間の長期留学や夏休みの短期留学制度があり、グローバルな視野を広げるチャンスが豊富です。
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社会で即戦力となる資格取得サポート:簿記や情報処理、英語検定など、将来に直結する価値の高い資格の取得を学校全体で強力にバックアップします。
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先進的なビジネス教育の実績(SPH):文部科学省の「スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール」として培った、先進的で質の高い教育プログラムが今も受け継がれています。
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ヴォーリズ建築の美しい校舎:著名な建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した歴史ある校舎は、生徒たちの自慢であり、日々の学びを豊かに彩ります。
八幡商業高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生から寄せられた声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。
良い点
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「先生方のサポートが手厚く、将来に役立つ実践的な授業が多い」という声が多数あります。
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「就職に非常に強く、学校の評判が良いので安心して就職活動ができた」という卒業生の声も目立ちます。
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「体育祭や文化祭などの行事が本当に楽しく、クラスや団の団結力が強い」と、学校行事の満足度は非常に高いようです。
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「挨拶が習慣になっており、礼儀作法が自然と身についた」と、人間的な成長を実感する声も多く聞かれます。
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「部活動が盛んで、高いレベルを目指せる環境がある」と、文武両道に励む生徒からの評価も高いです。
気になる点
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「校則が厳しい。特に服装や頭髪に関する指導は厳しいと感じることがある」という声は、最も多く聞かれる意見の一つです。
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「歴史ある校舎なので、施設が少し古い部分がある。特に夏は教室に冷房がないのが大変」といった意見もあります。
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「難関大学の一般入試を目指すには、カリキュラムが専門科目に特化しているため、普通科の高校と比べると少し不利かもしれない」という指摘もあります。
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「最寄り駅から徒歩で20分以上かかるので、少し遠いのが難点」という声も聞かれます。
アクセス・通学
八幡商業高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。
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最寄り駅:JR琵琶湖線 「近江八幡駅」
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駅からのアクセス:
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徒歩:約20分~25分
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バス:近江鉄道バスに乗車し、「中村町」バス停で下車、徒歩約3分。または「八商前」バス停を利用するルートもあります(駅から約6分)。
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JR琵琶湖線の主要駅である近江八幡駅が最寄りであるため、近江八幡市内だけでなく、東近江市、野洲市、守山市など、幅広いエリアから生徒が通学しています。
八幡商業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれてありがとうございます。八幡商業高等学校は、明確な目標を持つ君にこそ、最高の環境を提供してくれる学校です。もし君が「ビジネスやITの世界に興味がある」「将来に役立つ専門スキルや資格を高校生のうちに手に入れたい」「規律ある環境で自分を成長させたい」「勉強も部活も行事も、全部に全力で打ち込みたい」と考えているなら、八幡商業高等学校はまさにうってつけの場所です。
受験勉強では、まず5教科の基礎を徹底的に固めることが大切です。特に一般選抜では当日の学力検査が重視される傾向にあるため、中学校3年間の学習内容をしっかり復習しておきましょう。そして、推薦選抜を考えているなら、「なぜ八商で学びたいのか」「将来どんなことに挑戦したいのか」という自分の想いを、面接や書類でしっかりと伝える準備をしてください。この学校は、君の熱意と目的意識をきっと評価してくれます。未来への扉を開く、充実した3年間が君を待っています。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。