兵庫高等学校は、県内トップクラスの学力と、何よりも「自由な校風」を両立させている、非常にユニークで魅力的な進学校です。勉強も、学校行事も、日々の生活も、すべてにおいて生徒の自主性が尊重され、「自分たちで高校生活を創り上げる」という気風に満ちあふれています。
この学校の最大の特長は、高いレベルの学習環境に身を置きながら、まるで大学生のような自由度の高い毎日を送れる点にあります。髪型や服装も自由、文化祭や体育祭などのイベントは生徒が主体となって企画・運営し、毎年大変な盛り上がりを見せます。兵庫高等学校は、まさに勉強も青春も、どちらも本気で楽しみたいと考える生徒にとって最高の舞台と言えるでしょう。
この記事では、そんな兵庫高校の具体的な魅力や、受験に向けて知っておくべき情報を、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたが兵庫高校という素晴らしい環境で輝けるかどうか、きっとイメージが湧いてくるはずです。
兵庫高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
正式名称 | 兵庫県立兵庫高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/別学 | 男女共学 |
所在地 | 〒653-0804 兵庫県神戸市長田区寺池町1-4-1 |
代表電話番号 | 078-691-1135 |
公式サイトURL | https://dmzcms.hyogo-c.ed.jp/hyogo-hs/NC3/ |
兵庫高等学校の偏差値・難易度・併願校
兵庫高校への合格は、県内でも最難関レベルであり、非常に高い学力が求められます。偏差値だけでなく、合格に不可欠な内申点についても理解を深めておきましょう。
学科・コース別偏差値
2025年-2026年入試における偏差値の目安は以下の通りです。
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創造科学科:72
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普通科:70
難易度のイメージと内申点の目安
偏差値70を超えるというのは、学年トップクラスの成績が必要になるレベルです。同じくらいの偏差値の高校としては、長田高校(普通科 73)、神戸高校(普通科 71)、姫路西高校(普通科 70)などが挙げられ、これらの高校と共に兵庫県の公立トップ校群を形成しています。
兵庫県の公立高校入試で特に重要なのが「内申点」です。合否は、当日の学力検査(500点満点を250点に換算)と内申点(250点満点)の合計で判定されます。内申点は、主要5教科の通知表の5段階評価を4倍し、実技4教科を7.5倍して合計する、実技教科が重視される計算方法です。
兵庫高校の合格者の平均内申点は234点前後というデータがあり、これは通知表の評価が「ほぼオール5」でなければ到達できない数字です。このことからも、中学1年生の時から定期テスト対策はもちろん、授業態度や提出物など、日々の学校生活全般で高い評価を得続けることが、兵庫高校合格の絶対条件と言えます。
主な併願校
兵庫県の公立高校入試は、第一志望と第二志望を同時に出願できる複数志願選抜制度がありますが、万が一に備えて私立高校を併願するのが一般的です。兵庫高校を第一志望とする受験生の主な併願校は、同じくレベルの高い以下の私立高校が中心となります。
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須磨学園高等学校
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滝川第二高等学校
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滝川高等学校
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親和女子高等学校(女子)
兵庫高等学校に設置されている学科・コース
兵庫高校には、それぞれ特色ある2つの学科が設置されており、どちらも探究的な学びを重視しているのが大きな特長です。
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創造科学科
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どんなことを学ぶ?:理数教育を土台としながら、文系・理系の枠を超えて社会科学と自然科学を主体的に学ぶ学科です。大学や企業、国際機関などと連携しながら、現実社会の課題解決に挑戦する本格的な研究活動を行います。
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どんな生徒におすすめ?:知的好奇心が旺盛で、教科書の勉強だけでは物足りないと感じる生徒。将来、研究者やグローバルな舞台で活躍したいという高い志を持つ生徒に最適です。
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普通科
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どんなことを学ぶ?:高いレベルの大学進学を目指す学力を養うのはもちろん、「ひょうたん(兵庫探究)」と呼ばれる独自の探究活動に力を入れています。SDGsや地域の未来などをテーマに、生徒が主体となって課題発見・解決に取り組むことで、思考力や表現力を磨きます。
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どんな生徒におすすめ?:難関大学への進学を考えつつ、受け身の学習ではなく、自ら考える力を高校生活で身につけたい生徒。仲間と協力しながら何かを成し遂げたいという意欲のある生徒におすすめです。
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兵庫高等学校の特色・校風
兵庫高校の最大の魅力は、その校風にあります。キーワードは「自由闊達」「生徒主体」「文武両道」です。
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校則や生徒の雰囲気
口コミで最も多く語られるのが、校則がほとんどない「自由」な雰囲気です。制服はなく、生徒は思い思いの私服で登校します。髪を染めたり、ピアスを開けたりすることも認められており、校内は非常に華やかで活気があります。生徒たちは、勉強するときは集中し、遊ぶときは思い切り楽しむという「オン・オフの切り替え」が非常に上手なようです。個性的で面白い生徒が多く、「最高の仲間に出会えた」という声が多数聞かれます。
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知っておきたいリアルな情報
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宿題の量:課題の量は多いものの、提出を厳しく管理されるというよりは、生徒の自主性に任されている部分が大きいようです。そのため、自己管理能力が問われます。
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スマホ・服装:スマホの持ち込みは可能で、休み時間などには自由に使えます。服装は私服が基本で、式典などの際に着用する「標準服」があります。おしゃれな生徒が多いため、「服代がかかる」という現実的な声もあります。
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アルバイト:原則として禁止されています。
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土曜授業:毎週ではありませんが、希望者向けの補習や特別授業が「土曜教室」として開講されることがあります。
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この自由な環境は、生徒の自主性や自律性を飛躍的に伸ばす一方で、自分を律する強い意志がなければ、楽しさに流されてしまう危険性もはらんでいます。まさに「自由には責任が伴う」ことを実践的に学べる場と言えるでしょう。
兵庫高等学校の部活動・イベント
勉強だけでなく、部活動や学校行事にも全力で取り組むのが兵庫高校のスタイルです。
部活動
部活動への加入率は90%を超えており、ほとんどの生徒が学業と両立しながら活動に打ち込んでいます。運動部・文化部ともに非常に活発で、近畿大会や全国大会レベルで活躍する部も少なくありません。
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運動部:ラグビー部、野球部、サッカー部といった伝統的な強豪部に加え、陸上競技部、テニス部、ダンス部など、多種多様なクラブが活動しています。
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文化部:県内でも有数の実力を誇る吹奏楽部をはじめ、珍しいギターアンサンブル部や弦楽部、美術部、書道部など、文化的な活動も非常に盛んです。
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全体の様子:学校として部活動の休養日を週2日設けるなど、過度な活動にならないよう配慮もされています。多くの生徒が部活動を通して、かけがえのない仲間や思い出を作っているようです。
イベント
兵庫高校の学校行事は、そのほとんどが生徒主体で企画・運営されるのが最大の特長です。生徒たちのエネルギーが爆発する、活気に満ちたイベントが年間を通して目白押しです。
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文化祭(4月):新年度が始まってすぐの4月末に開催され、学校全体が熱気に包まれます。各クラスの模擬店や文化部の発表など、クオリティの高い企画が満載です。
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体育祭(9月):兵庫高校の体育祭名物といえば、クラスごとにテーマを決めて作り上げる「仮装」です。その完成度の高さは圧巻で、学校中がカラフルな衣装で埋め尽くされます。また、「下ろせません勝つまでは」という、20kgの砂袋を最後まで持ち続ける伝統の力比べ競技も大変な盛り上がりを見せます。
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神戸高校との定期戦:100年以上の歴史を持つ、ライバル校・神戸高校とのスポーツ対抗戦です。全校生徒が一体となって応援し、学校の団結力が最も高まる行事の一つです。
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修学旅行(2年次):行き先は年によって異なりますが、近年では沖縄が選ばれることが多いようです。
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その他:新入生歓迎遠足、合唱コンクール、年に何度も行われる球技大会、ハロウィンには一日中仮装で過ごすなど、ユニークで楽しいイベントが盛りだくさんです。
兵庫高等学校の進学実績
自由な校風でありながら、兵庫高校は県内屈指の進学実績を誇ります。生徒一人ひとりの「第一志望」を尊重する手厚い進路サポート体制が、その高い実績を支えています。
最新の大学合格実績(2024年)
国公立大学、難関私立大学ともに、毎年多くの合格者を輩出しています。
国公立大学 | 合格者数 |
京都大学 | 3 |
東京大学 | 1 |
大阪大学 | 18 |
神戸大学 | 28 |
北海道大学 | 4 |
九州大学 | 6 |
大阪公立大学 | 13 |
国公立大学 合計 | 193 |
上記は2024年度入試の主な合格実績です。 |
私立大学 | 合格者数 |
関西学院大学 | 201 |
関西大学 | 82 |
同志社大学 | 46 |
立命館大学 | 87 |
近畿大学 | 91 |
甲南大学 | 60 |
早稲田大学 | 2 |
慶應義塾大学 | 2 |
上記は2024年度入試の主な合格実績です。 |
進学実績を支える取り組み
生徒の希望進路実現のため、学校は多角的なサポートを提供しています。
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卒業生による進路講演会:東大、京大、阪大、神大といった難関大学に合格したばかりの卒業生を招き、具体的な勉強法や体験談を聞く機会が豊富に設けられています。
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予備校講師による特別授業:大手予備校の人気講師を招いた「土曜教室」が開催され、ハイレベルな授業を無料で受けることができます。
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大学との連携:神戸大学キャンパス訪問や、様々な大学の教授を招いての出張講義など、大学の学びを肌で感じる機会が多数用意されています。
兵庫高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、兵庫高校ならではの強みや魅力をまとめました。
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生徒が主役で創り上げる、自由で活気あふれる学校生活
生徒の自主性を最大限に尊重する校風のもと、服装や髪型も自由。学校行事は生徒が企画・運営し、最高の盛り上がりを見せます。
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「自由」の先にある「自主・自律」を育む教育
校則で縛るのではなく、自由な環境の中で生徒一人ひとりが自らを律し、責任ある行動をとることを学ぶことができます。
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大学や社会と連携する、本格的な「探究学習」
「創造科学科」や普通科の「ひょうたん」では、実社会の課題に触れながら、答えのない問いに挑戦する本質的な学びを経験できます。
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グローバルな視点を養うユネスコスクール
ユネスコスクールとして、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けた学習や国際交流に力を入れており、世界に目を向けるきっかけが豊富にあります。
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卒業生から予備校講師まで、万全の進路サポート体制
難関大に合格した先輩からの直接アドバイスや、予備校講師による特別授業など、生徒の「第一志望」合格を強力に後押しする体制が整っています。
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100年以上の歴史を誇る、神戸高校との伝統の定期戦
ライバル校との熱い戦いは、学校全体が一つになる特別なイベントであり、生徒たちの大きな誇りとなっています。
兵庫高等学校の口コミ・評判のまとめ
在校生や卒業生からのリアルな声を集めました。良い点と気になる点の両方を知ることで、より深く兵庫高校を理解できるはずです。
良い点
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「とにかく学校生活が楽しく、最高の青春が送れる」という声が圧倒的に多いです。自由な校風の中で、信頼できる友人や尊敬できる先生に出会えることが、大きな魅力のようです。
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「行事が生徒主体で本当に盛り上がる。文化祭や体育祭は一生の思い出」と、イベントの満足度が非常に高いことがうかがえます。
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「個性的で面白い人が多く、互いの多様性を認め合う雰囲気がある」ため、自分らしくのびのびと過ごせるという意見も多数あります。
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「オンとオフの切り替えが上手い人が多く、やるときはやるというメリハリがある」ので、勉強も遊びも両立しやすい環境のようです。
気になる点
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「自由な反面、自己管理ができないと勉強が疎かになりがち」という声は、良い点の裏返しとしてよく聞かれます。良くも悪くも「自分次第」な学校です。
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「校舎が古くて、少し暗い感じがする」といった、施設面に関する指摘が一部で見られます。
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「最寄り駅から10分近く歩くので、少し遠いのが難点」という意見もあります。特に神戸電鉄長田駅からは少し距離があるようです。
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「キラキラした高校生活のイメージが強いが、勉強はかなり大変。期待しすぎるとギャップを感じるかもしれない」という、入学後の現実的なアドバイスも見受けられます。
アクセス・通学
兵庫高校は複数の駅から徒歩圏内にあり、神戸市内の様々なエリアから通学しやすい立地にあります。
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最寄り駅からのアクセス
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神戸市営地下鉄 西神・山手線「長田駅」から徒歩 約6~8分
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神戸市営地下鉄 西神・山手線「上沢駅」から徒歩 約8~10分
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神戸高速鉄道 東西線「高速長田駅」から徒歩 約9~10分
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神戸市バス「長田神社前」バス停、「五番町4丁目」バス停から徒歩 約5~6分
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主な通学エリア
兵庫高校は兵庫県公立高校の「第1学区」に属しています。そのため、主な通学エリアは神戸市全域(東灘区、灘区、兵庫区、長田区、須磨区、垂水区、北区、中央区、西区)、芦屋市、洲本市、南あわじ市、淡路市となります。特に神戸市営地下鉄沿線や神戸高速鉄道沿線に住む生徒が多く通学しているようです。
兵庫高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
兵庫高等学校を目指す皆さん、素晴らしい目標ですね。この学校は、ただ偏差値が高いだけでなく、他にはない特別な価値を持っています。もしあなたが「誰かにやらされる勉強ではなく、自分の意志で学びたい」「高校生活を自分の手で最高に面白くしたい」と考えるなら、兵庫高校は最高の選択肢になるでしょう。
受験勉強では、何よりも「内申点」を意識してください。兵庫高校の合格者は、中学3年間、ほぼオール5の成績を維持してきた生徒たちです。日々の授業を大切にし、提出物を丁寧に行い、定期テストで高得点を取るという地道な努力の積み重ねが、合格への一番の近道です。
兵庫高校での3年間は、自由と責任の中で自分を大きく成長させる、かけがえのない時間になるはずです。その挑戦権を得るために、今日からできる一歩を力強く踏み出してください。応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。