函館中部高等学校は、1895年(明治28年)に創立された道南で最も長い歴史と伝統を誇る公立高校です。120年以上の歴史の中で、数多くの優れた人材を社会に送り出してきました。「白楊魂(はくようこん)」という言葉に象徴される、自主自立の精神を重んじる自由な校風が最大の特長です。生徒一人ひとりが持つ個性を尊重し、主体性を育む教育が実践されています。

函館中部高等学校では、高いレベルの学習環境が整っているだけでなく、部活動や学校行事も非常に盛んです。生徒たちは勉強だけでなく、仲間と共にさまざまな活動に打ち込むことで、充実した3年間を送っています。まさに文武両道を地で行く学校と言えるでしょう。

この記事では、そんな函館中部高等学校の偏差値や進学実績、学校生活の様子などを、中学生や保護者の皆さんにも分かりやすく、詳しくご紹介していきます。歴史と革新が共存する、魅力あふれる函館中部高等学校での高校生活を具体的にイメージしてみてください。

函館中部高等学校の基本情報

北海道函館中部高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 北海道函館中部高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒040-0012 北海道函館市時任町11-3
代表電話番号 0138-52-0303
公式サイト http://www.kanchu.hokkaido-c.ed.jp/

函館中部高等学校の偏差値・難易度・併願校

函館中部高等学校は、道南地域でトップクラスの学力を誇ります。偏差値は例年高く、合格にはしっかりとした学力が求められます。

  • 理数科:67

  • 普通科:64

難易度の目安

函館中部高等学校の偏差値は64~67と、北海道内でも上位に位置します。合格に必要な内申点の目安としては、Bランク以上が望ましいとされています。入試当日の学力検査も重視されるため、内申点に加えて、当日点で高得点を取れる実力が必要です。

同じくらいの偏差値の高校としては、札幌旭丘高等学校(67-68)や帯広柏葉高等学校(66)などが挙げられます。函館市内では、私立の函館ラ・サール高等学校(普通科64-66)が学力的に近いレベルの学校となります。

主な併願校

北海道の公立高校入試制度では、公立高校同士の併願はできません。そのため、函館中部高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。主な併願先としては、以下の高校が挙げられます。

  • 函館ラ・サール高等学校

  • 遺愛女子高等学校(特別進学コース)

  • 函館大学付属有斗高等学校(特別進学コース)

函館中部高等学校に設置されている学科・コース

函館中部高等学校には、普通科と理数科の2つの学科が設置されています。

  • 普通科

    文系・理系を問わず、幅広い学問分野に対応できるカリキュラムが組まれています。2年次から文系・理系に分かれ、さらに3年次には医学部進学を目指す「医進類型」も設置されており、生徒一人ひとりの進路希望に合わせたきめ細やかな指導が受けられます。

  • 理数科

    2022年度に新設された学科で、数学や理科、科学技術に強い関心を持つ生徒におすすめです。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校として、大学や研究機関と連携した高度な探究活動や課題研究が行えるのが大きな魅力です。

函館中部高等学校の特色・校風

1世紀以上の歴史を持つ函館中部高等学校は、「自主自立」「自由闊達」といった言葉がぴったりの校風です。

校風・雰囲気

生徒の主体性を重んじる自由な雰囲気が最大の特徴です。勉強熱心な生徒が多い一方で、行事や部活動にも全力で取り組む活気があります。

宿題・課題

進学校ということもあり、日々の予習・復習は欠かせず、課題の量は少なくないようです。特に長期休暇中の課題は多いという声もありますが、計画的に進めることで対応できる量です。

校則

校則は非常に緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が大きいです。

  • 制服: 制服はなく、私服での通学が認められています。TPOをわきまえた常識の範囲内での自由な服装が楽しまれています。

  • 頭髪: 髪型や髪の色に関する厳しい規則はないようです。

  • スマホ: スマホの校内への持ち込みは可能ですが、授業中の使用など、ルールを守って利用することが求められます。

  • アルバイト: アルバイトは原則として禁止されていませんが、学業との両立が求められます。

土曜授業

基本的に土曜授業はありませんが、進学に向けた補習や講習が実施されることがあります。

函館中部高等学校の部活動・イベント

部活動

函館中部高等学校は文武両道を掲げており、部活動への加入率も高く、活気に満ちています。多くの部が全道大会や全国大会への出場経験を持っています。

  • 運動部

    野球部、サッカー部、陸上競技部、男女バスケットボール部、バレーボール部、硬式テニス部、バドミントン部、柔道部、剣道部、弓道部など、多くの部が熱心に活動しています。特に陸上競技部やバドミントン部、弓道部などは全国レベルでの実績があります。

  • 文化部

    吹奏楽局(白楊吹奏楽団)は地域の演奏会にも多数出演し、高い評価を得ています。また、放送局や将棋部なども全国大会で活躍しています。音楽部や書道部、写真部、ESS(英語)部など、文化的な活動も盛んです。

イベント

生徒が主体となって作り上げる学校行事は、函館中部高校の大きな魅力の一つです。

  • 白楊祭(はくようさい)

    毎年7月に行われる文化祭は「白楊祭」と呼ばれ、地域でも有名です。クラスごとの展示やパフォーマンス、模擬店などで大変な盛り上がりを見せます。準備期間から生徒が一丸となって取り組み、クラスの団結力が深まる一大イベントです。

  • 体育大会・水泳大会

    白楊祭と並んで盛り上がるのが体育関連の行事です。クラス対抗で様々な競技が行われ、学校全体が熱気に包まれます。

  • 修学旅行

    例年、関西方面などを訪れ、歴史や文化を学びます。仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

  • 耐久レース

    毎年5月に行われる伝統行事で、男子は約15km、女子は約10kmのコースを走ります。体力的な厳しさはありますが、走り終えた後の達成感は格別です。

函館中部高等学校の進学実績

道内屈指の進学校である函館中部高等学校は、毎年優れた大学進学実績を誇っています。生徒の多くが国公立大学や難関私立大学を目指します。

主な大学合格実績(2024年度の現役生実績など)

  • 国公立大学

    • 東京大学:1名

    • 京都大学:3名

    • 東北大学:8名

    • 大阪大学:3名

    • 北海道大学:14名(医学部1名含む)

      その他、札幌医科大学、旭川医科大学など、医学部医学科への合格者も多数輩出しています。全体では、卒業生の半数近くが国公立大学へ進学するという高い実績があります。

  • 難関私立大学

    • 早慶上理ICU(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科、国際基督教):19名

    • GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政):35名

    • 関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館):10名

進学サポート

3年次には「医進類型」が設置され、医学部を目指す生徒を手厚くサポートしています。また、夏休みなどの長期休暇中には進学講習が開かれ、受験対策も万全です。道内外の約40大学が参加する「大学個別相談会」も開催され、生徒が直接大学の担当者から話を聞ける貴重な機会となっています。

函館中部高等学校の特長・アピールポイント

函館中部高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。

  • スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校

    文部科学省からSSHの指定を受けており、理数教育に力を入れています。専門的な探究活動や大学との連携授業など、科学の面白さを深く体験できるプログラムが豊富です。

  • 医進類型で医学部進学を強力にサポート

    平成20年度から設置されている「医進類型」では、医学部受験に特化したカリキュラムや、地域医療体験といった独自のプログラムを提供し、未来の医療人を育成しています。

  • 英語教育の充実

    スーパーイングリッシュランゲージハイスクール(SELHi)に指定された実績もあり、英語教育にも定評があります。AET(外国語指導助手)との協働授業などを通じて、実践的なコミュニケーション能力を養います。

  • 「白楊魂」に象徴される自由な校風

    生徒の自主性を尊重する自由な校風は、120年以上の歴史の中で培われてきた最大の特長です。制服がなく私服で通学できるのも、その象徴と言えるでしょう。

  • 伝統の学校行事

    地域住民も楽しみにしている文化祭「白楊祭」や、心身を鍛える「耐久レース」など、歴史あるユニークな学校行事が生徒たちの学校生活を彩ります。

  • 活発な部活動と文武両道の実践

    多くの部活動が全道・全国レベルで活躍しており、学業と部活動を両立させる「文武両道」の精神が根付いています。

  • 充実した進路指導と高い進学実績

    伝統校ならではの豊富なデータとノウハウに基づいた手厚い進路指導により、北海道大学をはじめとする国公立大学や難関私立大学へ、毎年多くの合格者を輩出しています。

函館中部高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、自由な校風と充実した学習環境を評価する声が多く聞かれます。

良い点

  • 「とにかく自由。生徒の自主性を信じて任せてくれるので、のびのびと高校生活が送れる」という声が非常に多いです。

  • 「勉強だけでなく、行事や部活動にも本気で取り組む仲間が多く、刺激的で楽しい」といった意見も目立ちます。

  • 「先生方は熱心で、質問にも丁寧に対応してくれる。進路相談にも親身に乗ってくれるので心強い」という評判です。

  • 「SSHの活動など、他校ではできない貴重な経験ができる」と、特色ある教育プログラムを評価する声もあります。

気になる点

  • 「自由な校風だからこそ、自分を律する力が必要。流されてしまうと勉強が疎かになる可能性もある」という指摘があります。

  • 「進学校なので、課題の量が多く、予習・復習が大変」と感じる生徒もいるようです。

  • 「定時制課程が併設されているため、部活動の時間が17時までと制限されることがある」という意見がありました。

  • 校舎が比較的新しく綺麗だという声がある一方で、一部の施設については古さを指摘する声もみられます。

アクセス・通学

函館中部高等学校へのアクセス方法です。

  • 函館市電(路面電車): 「千代台」電停から徒歩約7分

  • 函館バス: 「中部高校前」バス停から徒歩約2分

函館市内全域から生徒が通学していますが、特にJR函館駅周辺や五稜郭地区など、公共交通機関でのアクセスが便利なエリアから通う生徒が多い傾向があります。

函館中部高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

函館中部高等学校を目指す皆さん、こんにちは!進学アドバイザーの視点から、皆さんにエールを送ります。

函館中部高等学校は、「自由な環境で、自分の可能性を最大限に伸ばしたい!」と考えている人にぴったりの学校です。勉強はもちろん、部活動や学校行事にも全力で打ち込める環境が、皆さんを待っています。自主性を重んじる校風の中で、自分で考え、行動する力が自然と身につくでしょう。SSHや医進類型など、将来の夢につながる専門的な学びの機会が豊富なのも、函館中部高等学校の大きな魅力です。

受験勉強においては、苦手科目をなくし、全教科でバランス良く得点できる基礎学力が何よりも大切です。特に、北海道の公立高校入試で採用されている裁量問題に対応できる応用力・思考力を養うことに力を入れましょう。高い目標を持つ仲間たちと切磋琢磨し、充実した3年間を送りたいと強く願う皆さん、ぜひ挑戦してみてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。