新潟県立十日町総合高等学校は、県内で最初に設置された総合学科の高校です。「自分の興味や関心に合わせて、幅広い分野から学びたい」と考えている中学生にとって、まさに理想的な環境が整っています。普通科目に加えて、農業や工業、商業、家庭科といった専門的な科目まで、まるでビュッフェのように好きな学びを選べるのが、この十日町総合高等学校の最大の魅力です。

将来の夢がまだはっきりと決まっていない人も、心配はいりません。1年次に「産業社会と人間」という授業を通して、社会の仕組みや様々な職業について学びながら、自分の適性や進路についてじっくり考える時間があります。この時間を通して、きっとあなただけの「学びたいこと」「挑戦したいこと」が見つかるはずです。

この記事では、そんな十日町総合高等学校の特色や学校生活のリアルな姿を、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。偏差値や進学実績はもちろん、在校生の声や学校行事の様子まで、あなたが本当に知りたい情報をぎゅっと詰め込みました。ぜひ、最後まで読んで、未来の高校生活をイメージしてみてください。

十日町総合高等学校の基本情報

以下に、十日町総合高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 新潟県立十日町総合高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒948-0055 新潟県十日町市高山461番地
代表電話番号 (025)752-3186
公式サイトURL http://www.tookamachisou-h.nein.ed.jp/

十日町総合高等学校の偏差値・難易度・併願校

十日町総合高等学校を目指す上で、偏差値や難易度は気になるところでしょう。ここでは、具体的な数字と併せて、合格の目安や併願校について解説します。

総合学科の偏差値は「42」が目安とされています。これは新潟県内の公立高校の中では、比較的入学しやすいレベルと言えるでしょう。同じくらいの偏差値の高校としては、加茂農林高校(農業科)や海洋高校(水産科)などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安としては、中学3年間の9教科の評定合計が重要になります。新潟県の公立高校入試では、中学1年生から3年生までの成績が均等に評価されるため、1年生のうちからコツコツと定期テスト対策に取り組むことが大切です。

新潟県の公立高校入試は、原則として1校1学科しか出願できません。そのため、十日町総合高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、近隣の上越市にある上越高等学校や、長岡市の中越高等学校、帝京長岡高等学校などが考えられます。自分の学力や通学の便などを考慮して、最適な併願校を選びましょう。

十日町総合高等学校に設置されている学科・コース

十日町総合高等学校は「総合学科」のみを設置する高校です。総合学科の最大の特徴は、2年次から自分の興味や進路希望に合わせて、専門的な科目群である「系列」を選択できる点にあります。

十日町総合高等学校には、以下の5つの系列が用意されています。

  • 人文・自然科学系列: 大学進学を目指し、文系・理系の普通科目を深く学びたい生徒におすすめです。国語や数学、英語などの主要科目に加え、探究的な学習に取り組みます。

  • 農業生産系列: 野菜や草花の栽培、食品加工など、農業に関する知識と技術を実践的に学びます。自然が好きで、将来は農業や食品関連の仕事に就きたい人にぴったりです。

  • 工業系列: ものづくりの基礎となる機械や電気について学びます。機械の設計・製作や、電気工事などの実習を通して、実践的な技術を身につけたい生徒におすすめです。

  • ビジネス系列: 簿記や情報処理など、商業の専門知識を学びます。将来、事務職や販売職、または起業を目指す生徒に適しています。

  • 生活文化系列: 福祉や保育、調理、被服など、生活に密着した分野を幅広く学びます。人の役に立ちたい、生活を豊かにするスキルを身につけたいという生徒におすすめです。

十日町総合高等学校の特色・校風

十日町総合高等学校の校風は、一言でいえば「個性の尊重」と「地域との連携」です。総合学科という特性上、生徒一人ひとりの興味や目標が多様であるため、それぞれの個性を伸ばす自由な雰囲気が特徴です。

  • 宿題の量: 宿題の量は、選択する科目によって差があるようですが、全体的には標準的という声が多いです。自分で計画的に学習を進める力が求められます。

  • 校則: 校則は、他の高校と比較して標準的か、やや緩やかという意見が見られます。頭髪は自然のままとし、染髪やパーマは禁止されています。スマートフォンは持ち込み可能ですが、校内での使用は原則として禁止されており、放課後までロッカーで保管することになっています。

  • 生徒たちの雰囲気: 生徒は、専門的な系列で学ぶ目的意識の高い生徒から、様々なことにチャレンジしたい活発な生徒まで様々です。口コミでは「陽キャにとっては楽しい学校」という声も見られます。

  • アルバイト: 原則として禁止されていますが、長期休業中など、やむを得ない事情がある場合は届け出を提出し、許可を得ることで可能になります。

  • 制服: 制服は男女ともにブレザーです。男子はスラックス、女子はスカートまたはスラックスを選択できます。デザインについては、特に目立つものではなく、落ち着いた印象のようです。

  • 土曜授業: 土曜授業は基本的にありません。

十日町総合高等学校の部活動・イベント

部活動

十日町総合高等学校は、運動部・文化部ともに多彩な部活動があり、生徒たちは熱心に活動しています。

特に、豪雪地帯という地域性を活かしたスキー部(ノルディック)は全国レベルの実績を誇り、強豪として知られています。また、陸上競技部も各種大会で活躍しています。運動部は他にも、野球部、ソフトテニス部、バスケットボール部、バレーボール部などがあります。

文化部では、吹奏楽部や美術部、書道部といった文化的な活動から、農業クラブや商業クラブといった専門系列の学びを深める活動まで、幅広い選択肢があります。マンガ・アニメ同好会やボランティアサークルなど、ユニークな同好会も存在します。

イベント

十日町総合高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が盛んです。

  • 体育祭: 6月に行われる体育祭は、学校全体が熱気に包まれる一大イベントです。全校生徒が紅、青、緑、黒などの軍に分かれ、学年を超えて団結し、優勝を目指して競い合います。

  • 赤城祭(文化祭): 秋に開催される文化祭は「赤城祭」と呼ばれ、各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表、模擬店などで盛り上がります。

  • 修学旅行: 2年次には修学旅行が実施されます。近年では沖縄を訪れることが多いようで、平和学習やマリン体験など、普段の学校生活では得られない貴重な経験をします。

  • スキー実習: 1年次には、地域の特色を活かしたスキー実習が行われます。初心者から上級者まで、レベルに合わせてスキーの技術を学びます。

十日町総合高等学校の進学実績

十日町総合高等学校の卒業生は、総合学科での多様な学びを活かし、大学進学から専門学校、就職まで、幅広い分野へ進んでいます。

  • 大学・短大進学: 国公立大学では、新潟大学や上越教育大学など地元の大学への進学が見られます。私立大学では、県内や首都圏の様々な大学に合格者を出しています。人文・自然科学系列を中心に、指定校推薦などを活用して進学する生徒も多いようです。

  • 専門学校: 卒業生の中で最も多い進路が専門学校です。農業、工業、ビジネス、福祉、保育、調理、美容など、高校で学んだ専門分野をさらに深めるために、それぞれの分野の専門学校へ進学する生徒が多数を占めています。

  • 就職: 地元十日町市や魚沼地域を中心に、製造業やサービス業などへ就職する生徒もいます。高校で身につけた専門的な知識や技術、資格が就職活動で強みになることが多いようです。

学校としても、独自の「キャリア教育グランドデザイン」に基づき、生徒一人ひとりの進路実現に向けた手厚いサポート体制を整えています。

十日町総合高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、十日町総合高等学校ならではの魅力的なポイントをまとめました。

  • 自分だけの時間割を作れる総合学科: 最大の特長は、約100以上ある選択科目から自分の興味や進路に合わせて科目を選び、オリジナルの時間割を作成できることです。

  • 5つの専門「系列」: 農業から工業、ビジネス、生活文化まで、専門的な5つの系列が用意されており、早くから将来の夢に直結する学びを深めることができます。

  • 地域と連携した学び「T-LAP」: 「十日町総合高校・地域協働プロジェクト(T-LAP)」として、地域企業や団体と連携した探究学習やインターンシップが盛んです。

  • 充実したキャリア教育: 1年次の「産業社会と人間」の授業をはじめ、3年間を通して自分の生き方や働き方について考える機会が豊富に用意されています。

  • 雪国ならではのスキー授業: 1年次にはスキー実習があり、地域の自然を活かした授業が体験できます。

  • 全国レベルで活躍する部活動: 特にスキー部(ノルディック)は全国大会の常連であり、高いレベルで競技に打ち込みたい生徒にとって魅力的な環境です。

  • 多様な進路実現のサポート: 大学進学から専門学校、就職まで、生徒一人ひとりの多様な進路希望に合わせたきめ細やかな指導が受けられます。

十日町総合高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、十日町総合高等学校の様々な側面について、多くの声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「自分の好きなこと、興味のあることを中心に学べるので楽しい」という、総合学科のシステムに対する肯定的な意見が最も多く見られます。

    • 「専門的な資格を取得できるのが嬉しい」「将来の夢に直結する勉強ができる」など、キャリア形成に役立つ点を評価する声も多いです。

    • 「先生方が親身に進路相談に乗ってくれる」といった、サポートの手厚さに関する口コミもあります。

    • 「行事が盛り上がり、クラスの団結力が強い」という学校生活の充実度を評価する声も聞かれます。

  • 気になる点:

    • 「体育の授業が厳しい」という声が一部で見られます。特に、伝統の「学校体操」を覚えるのが大変だという意見があるようです。

    • 「駅から徒歩10分以上かかり、少し遠い」というアクセスに関する意見もあります。

    • 「選択科目によっては、大学受験に必要な科目が少なくなる場合がある」という、総合学科ならではの注意点を指摘する声もあります。進学希望者は計画的な科目選択が必要です。

    • 「校舎や施設が少し古い」と感じる生徒もいるようです。

アクセス・通学

十日町総合高等学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅: JR飯山線・北越急行ほくほく線「十日町駅」

  • アクセス方法:

    • 十日町駅から徒歩約10分~15分

    • 越後交通バス「総合高校入口」バス停から徒歩約6分

通学している生徒は、十日町市内の生徒が中心ですが、津南町や魚沼市、南魚沼市など、近隣の市町村から通学している生徒もいます。

十日町総合高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

十日町総合高等学校は、「将来やりたいことがまだ見つからないけれど、高校生活で何かを見つけたい」という探究心旺盛なあなたや、「好きなこと、得意なことをもっと専門的に学びたい」という明確な目標を持つあなたのどちらにも、素晴らしい学びの場を提供してくれる学校です。

この学校を特におすすめしたいのは、受け身で授業を受けるのではなく、自ら「何を学びたいか」を考え、積極的に行動できる生徒です。自分だけの時間割を作るということは、それだけ自分で将来について考える力が必要になるからです。

受験勉強においては、まず5教科の基礎学力をしっかりと固めることが何よりも大切です。総合学科は入学時の学力だけでなく、入学後の学習意欲や目的意識も重視される傾向があります。学校説明会などに積極的に参加し、十日町総合高等学校で何を学びたいのか、自分の言葉で語れるように準備しておくと、面接などでもきっと役立つはずです。あなたの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。