東京都立大島海洋国際高等学校は、その名の通り「海」について専門的に学べる、日本で唯一の海洋国際高校です。伊豆大島の豊かな自然に囲まれた環境で、普通科の高校では決して味わえない特別な3年間が待っています。全寮制という特色も、この学校ならではの深い学びと人間的成長を後押ししてくれるでしょう。

船の運航や海洋生物、海洋産業、そして国際的な視点から海を学ぶ。そんなダイナミックな学びに興味はありませんか?東京都立大島海洋国際高等学校では、大型実習船「大島丸」を使った本格的な航海実習や、仲間と共に生活する寮生活を通して、知識や技術だけでなく、生涯の宝物となる友情や自主自立の精神を育むことができます。

この記事では、そんな魅力あふれる東京都立大島海洋国際高等学校について、偏差値や気になる学校生活、進路実績まで、中学生と保護者の皆さんが知りたい情報を分かりやすくまとめました。まだ見ぬ可能性に満ちた「海」という大きな舞台で、あなただけの未来を描いてみませんか。

東京都立大島海洋国際高等学校の基本情報

以下に東京都立大島海洋国際高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 東京都立大島海洋国際高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒100-0211 東京都大島町差木地字下原996-1
代表電話番号 04992-4-0385
公式サイト https://www.metro.ed.jp/oosimakaiyokokusai-h/

東京都立大島海洋国際高等学校の偏差値・難易度・併願校

東京都立大島海洋国際高等学校は、特別な専門分野を学ぶ学校のため、一般的な高校とは少し違った視点で難易度を考える必要があります。

  • 海洋国際科: 偏差値 48

偏差値だけで見ると、東京都内の高校の中では比較的入学しやすいレベルに位置づけられます。しかし、東京都立大島海洋国際高等学校の入試では、学力だけでなく、この学校で学びたいという強い意志や、寮での共同生活への適応性なども重視される傾向があります。特に推薦入試では、面接や作文が合否の重要なポイントとなるでしょう。

合格に必要な内申点の目安としては、9教科の合計で30前後が一つの基準となりそうです。同じくらいの偏差値の高校としては、都立大島高等学校(普通科)などがありますが、学ぶ内容が大きく異なるため、自分の興味・関心に合っているかをしっかり考えることが大切です。

都立高校のため、他の都立高校との併願はできません。そのため、併願校としては私立高校を受験する生徒が多いようです。具体的な併願校としては、本校と同じく専門的な分野を学べる高校や、自分の学力に合った私立高校などが考えられます。

東京都立大島海洋国際高等学校に設置されている学科・コース

東京都立大島海洋国際高等学校には、「海洋国際科」という一つの学科が設置されています。1年次では全員が共通の基礎を学び、2年次から自分の興味や進路希望に合わせて、以下の4つの系に分かれて専門性を深めていきます。

  • 船舶運航系:

    • どんなことを学ぶ場所か: 小型実習船やシミュレーターを使い、船の操縦や航海に関する知識と技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめか: 将来、船長や航海士など、船を動かす仕事に就きたい人におすすめです。

  • 海洋生物系:

    • どんなことを学ぶ場所か: 海の生き物や海洋環境について、飼育実験や海中での観察を通して専門的に学びます。

    • どんな生徒におすすめか: 水族館の飼育員や海洋調査の研究者など、海洋生物に関わる仕事を目指す人におすすめです。

  • 海洋産業系:

    • どんなことを学ぶ場所か: シーカヤックやセーリングなどのマリンスポーツや、海洋レジャー産業について学びます。

    • どんな生徒におすすめか: ダイビングインストラクターや観光業など、海を活かした仕事に興味がある人におすすめです。

  • 海洋探究系:

    • どんなことを学ぶ場所か: 海洋環境や政策、国際問題など、より広い視野で海を探究し、調査や発表も行います。

    • どんな生徒におすすめか: 海洋問題の解決や国際協力に貢献したい、知的好奇心が旺盛な人におすすめです。

東京都立大島海洋国際高等学校の特色・校風

東京都立大島海洋国際高等学校の最大の特色は、なんといっても「全寮制」であることです(島内生は自宅通学も可能)。 この寮生活を通して、生徒たちは自主自立の精神と協調性を育んでいきます。

  • 校風キーワード: 自主自立、協調性、海洋教育、国際交流

  • 宿題の量: 寮では「宅習」と呼ばれる学習時間が毎日2コマ(50分×2)設けられており、学習習慣が身につきやすい環境です。 宿題の量は普通科高校と比較して特別多いというわけではないようですが、専門科目の予習・復習は欠かせません。

  • 校則: 校則は、集団生活の規律を保つために、都心の高校と比べると厳しい面もあるようです。特に寮生活には細かなルールが定められています。スマートフォンの使用は可能ですが、ルールが定められているという声があります。服装は制服が定められています。

  • 生徒たちの雰囲気: 全国の様々な地域から「海が好き」という共通の目的を持った生徒が集まるため、一体感が生まれやすいようです。寮生活や乗船実習といった共同生活を通して、強い絆で結ばれた仲間ができるという口コミが多く見られます。

  • アルバイト: 原則としてアルバイトは認められていないようです。ただし、長期休暇で本土に帰省した際にアルバイトをする生徒もいるという声がありました。

  • 制服: 男女ともにブレザータイプの制服で、落ち着いたデザインです。特に夏服は爽やかで評判が良いようです。

  • 土曜授業: 土曜授業の有無については、公式サイト等で明記されていませんが、実習などが土曜日に行われる可能性はあります。

東京都立大島海洋国際高等学校の部活動・イベント

部活動

東京都立大島海洋国際高等学校には、海を舞台にした学校ならではのユニークな部活動がたくさんあります。

  • カッター部(端艇部): 学校のシンボルともいえる部活動で、全国大会で優勝経験もある強豪です。 12人の漕ぎ手が一体となって船を進めるカッターは、まさにチームワークの結晶です。

  • セーリング部: ヨットを操り、風と波を読んで海上を滑るように進みます。インターハイや国民スポーツ大会への出場を目指して活動しています。

  • 潜水部: スキューバダイビングの技術を学び、伊豆大島の美しい海の世界を探検します。安全に潜るための知識とスキルを身につけることができます。

この他にも、釣り部や水泳部といった海洋系の部活動はもちろん、サッカー部、野球部、バスケットボール部などの運動部、吹奏楽部や郷土芸能部といった文化部も活発に活動しています。 生徒たちは寮生活や学習と両立させながら、部活動に打ち込んでいます。

イベント

年間を通して、海や島、寮生活に関連した特色あるイベントが盛りだくさんです。

  • 乗船実習: この学校の最大のイベントの一つが、大型実習船「大島丸」を使った航海実習です。 1年次では基礎を学び、学年が上がるにつれてより専門的な実習を行います。仲間と共に大海原を航海する経験は、何物にも代えがたい思い出となるでしょう。

  • 海国祭(文化祭): 毎年9月に行われる文化祭で、各クラスや部活動が趣向を凝らした展示や発表を行います。 保護者や地域の人々も訪れ、大変な盛り上がりを見せます。前日には波浮港で迫力満点のカッターレースも開催されます。

  • WGB選手権大会(水泳大会): 夏に行われる水泳大会で、クラス対抗で様々な競技に挑みます。

  • 遠足: 学年ごとに遠足が企画されており、自然散策などを楽しみます。

東京都立大島海洋国際高等学校の進学実績

東京都立大島海洋国際高等学校の生徒たちは、専門的な学びを活かして多様な進路に進んでいます。大学進学を目指す生徒が多い一方で、海運会社や水産関連企業への就職を選ぶ生徒もいます。

  • 国公立大学: 東京海洋大学、水産大学校、岩手大学、名桜大学など、特に水産・海洋系の国公立大学への進学実績があります。

  • 難関私立大学: 明治大学、東洋大学、日本大学、東海大学、東京農業大学などへの合格者も出ています。

  • その他: 上記の大学以外にも、海洋系の学部・学科を持つ大学や、各種専門学校への進学者が多いのが特徴です。また、学んだ知識や取得した資格を活かして、海運会社や水産関連企業、公務員(海上保安庁など)として就職する卒業生もいます。

学校では、日々の「宅習」による学習習慣の定着はもちろん、進路講演会などを通して生徒一人ひとりのキャリアプランをサポートしています。 専門高校でありながら、指定校推薦などを活用して4年制大学へ進学する道が開かれているのも、この学校の強みと言えるでしょう。

東京都立大島海洋国際高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、東京都立大島海洋国際高等学校ならではのユニークな魅力をまとめました。

  • 日本で唯一の「海洋国際科」を持つ都立高校: 海に関する多岐にわたる分野を、専門的かつ体系的に学ぶことができる唯一無二の教育環境です。

  • 全寮制による人間的成長: 全国から集まった仲間との共同生活を通して、自主性、協調性、コミュニケーション能力といった、社会で生きる上で不可欠な力を3年間で育むことができます。

  • 大型実習船「大島丸」での本格的な航海実習: 実際の大型船に乗り、航海や海洋観測を行うという、普通科高校では絶対にできないダイナミックな体験ができます。

  • 豊かな自然環境: 伊豆大島の雄大な自然そのものが学びのフィールドです。美しい海での実習や、島ならではの体験が日常の中にあります。

  • 多彩な資格取得のチャンス: 小型船舶操縦士、潜水士、海上特殊無線技士など、将来の進路に直結する専門的な資格の取得を目指すことができます。

  • 多様な進路選択が可能: 専門性を活かした就職から、水産・海洋系大学、さらには一般の4年制大学への進学まで、幅広いキャリアパスが用意されています。

  • 海で繋がる強い絆: 同じ目標を持つ仲間や、親身に指導してくれる先生方との出会いは、一生の財産になります。卒業後も続く強い繋がりが自慢です。

東京都立大島海洋国際高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、学校のユニークな環境について様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「寮生活が本当に楽しい。一生の友達ができた」という声が非常に多いです。

    • 「海が好きなら最高の環境。専門的なことを深く学べるのが魅力」

    • 「乗船実習など、他ではできない貴重な体験がたくさんできる」

    • 「先生との距離が近く、親身に相談に乗ってくれる」

    • 「大自然に囲まれてのびのびと過ごせる」

  • 気になる点:

    • 「寮のルールや集団生活が合わないと辛いかもしれない」という意見があります。

    • 「島の生活なので、都会のような便利さや娯楽はない。海に本気になれない人には向かないかも」

    • 「船酔いが心配だった」「虫が多いのが少し苦手」といった自然環境ならではの声もあります。

    • 「学校と寮の連携がうまくいかないことがある」という指摘も見られました。

総じて、この学校の特殊な環境を楽しめるかどうかで、評価が大きく分かれる傾向があるようです。入学を検討する際は、学校説明会や寄宿舎見学会に積極的に参加し、自分に合うかどうかをしっかり見極めることが重要です。

アクセス・通学

東京都立大島海洋国際高等学校は伊豆大島にあり、全寮制のため、本土から「通学」するわけではありません。ここでは、本土から大島へ、そして島の港から学校へのアクセス方法を紹介します。

  • 本土から大島へのアクセス:

    • 高速ジェット船: 東京・竹芝桟橋から元町港または岡田港まで、最短で約1時間45分です。

    • 飛行機: 調布飛行場から大島空港まで約25分です。

  • 島の港・空港から学校へのアクセス:

    • 元町港から: 大島バス「波浮港ライン」に乗車し、「海洋国際高校前」で下車(約30分)。

    • 岡田港から: 大島バス「大島公園ライン」で「元町港」まで行き、「波浮港ライン」に乗り換えて「海洋国際高校前」で下車(約45分)。

    • 大島空港から: 大島バスで「元町港」まで行き、「波浮港ライン」に乗り換えて「海洋国際高校前」で下車(約35分)。

生徒は東京都内全域から集まっており、長期休暇の際にはこれらの交通機関を利用して帰省します。

東京都立大島海洋国際高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

東京都立大島海洋国際高等学校を目指す君へ。この学校は、ただ勉強するだけの場所ではありません。海という大きな自然を舞台に、仲間と共に学び、生活し、成長していく特別な3年間が待っています。もし君が、「海が大好きだ!」「船に乗ってみたい!」「仲間と協力して何かを成し遂げたい!」そんな熱い気持ちを持っているなら、東京都立大島海洋国際高等学校は最高の選択肢になるはずです。

受験勉強では、基礎的な学力をつけることはもちろんですが、それ以上に「なぜこの学校で学びたいのか」という自分の思いを深めておくことが大切です。推薦入試では面接や作文が課されます。学校の特色をよく理解し、入学後に挑戦したいことや将来の夢を、自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。学習面だけでなく、中学校での委員会活動や部活動など、何かに一生懸命取り組んだ経験も大きなアピールポイントになります。

大変なこともあるかもしれませんが、それを乗り越えた先には、都心の高校では決して得られない感動と、生涯付き合える仲間が待っています。頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。