大阪公立大学工業高等専門学校は、将来、日本のものづくりを支えるエンジニアや研究者を目指す君にぴったりの学校です。中学校を卒業してから5年間、高校と大学レベルの専門的な知識と技術を一貫して学べるのが「高等専門学校」、通称「高専」の大きな特徴。その中でも大阪公立大学工業高等専門学校は、全国に3校しかない公立の高専として、質の高い教育を提供しています。

普通の高校とは少し違う、大学のキャンパスのような自由な雰囲気の中で、専門分野を深く探求できるのが、この大阪公立大学工業高等専門学校の魅力です。1年生から専門の基礎に触れ、学年が上がるごとにどんどん面白くなるカリキュラムが君を待っています。同じ目標を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、未来の技術者としての第一歩を踏み出してみませんか。

この記事では、そんな魅力あふれる大阪公立大学工業高等専門学校について、偏差値や校風、進路先まで、中学生とその保護者の方が知りたい情報を、進学アドバイザーとして分かりやすく解説していきます。じっくり読んで、君の未来の選択肢の一つに加えてみてください。

大阪公立大学工業高等専門学校の基本情報

項目 内容
正式名称 大阪公立大学工業高等専門学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒572-8572 大阪府寝屋川市幸町26-12<br>※2027年度より大阪公立大学中百舌鳥キャンパス(堺市)へ移転予定。
代表電話番号 072-821-6401
公式サイトURL https://www.ct.omu.ac.jp/

大阪公立大学工業高等専門学校の偏差値・難易度・併願校

大阪公立大学工業高等専門学校は、専門的な技術者を育成する学校として、非常に高いレベルの教育を提供しており、その難易度も高くなっています。

  • 総合工学システム学科:偏差値 64

偏差値64は、大阪府内の公立高校でいうと、富田林高校などと同じくらいのレベル感です。 合格のためには、中学校での成績が重要視される傾向があります。特に推薦選抜を考えている場合は、中学3年生の評定合計が36以上、かつ数学・理科・英語・技術家庭の4教科の合計が18以上といった出願資格が設けられていることがあります。

大阪公立大学工業高等専門学校は公立の学校ですが、大阪府の公立高校との併願が可能です。そのため、併願校としては、大阪産業大学附属高等学校(特進コース)、常翔学園高等学校(スーパーサイエンスコース)、近畿大学附属高等学校(進学コース)など、理系に強い私立高校を選ぶ受験生が多いようです。

大阪公立大学工業高等専門学校に設置されている学科・コース

大阪公立大学工業高等専門学校の学科は「総合工学システム学科」の一つですが、1年次に共通の基礎科目を学んだ後、2年生から以下の4つの専門コースに分かれて、より深く専門知識と技術を追求していきます。

  • エネルギー機械コース:ロボットやエンジン、エネルギー技術など、機械工学の幅広い分野を学びます。ものづくりや機械の仕組みに興味がある人におすすめです。

  • プロダクトデザインコース:デザイン性と機能性を両立させた製品を生み出すための知識と技術を学びます。アイデアを形にしたり、デザインを考えたりするのが好きな人におすすめです。

  • エレクトロニクスコース:スマートフォンから人工衛星まで、あらゆる電子機器の心臓部である電子回路や通信技術を学びます。電気や電子工作が好きな人におすすめです。

  • 知能情報コース:AI(人工知能)やIoT、プログラミングなど、これからの社会に不可欠な情報技術を学びます。コンピュータやプログラミングに興味がある人におすすめです。

大阪公立大学工業高等専門学校の特色・校風

大阪公立大学工業高等専門学校の校風は、「自由」「自主性」「専門志向」といったキーワードで表せます。大学に近い雰囲気があり、生徒一人ひとりの個性を尊重する文化があるようです。

  • 宿題の量:専門科目のレポートや課題が多く、決して少なくはないようです。計画的に学習を進める自主性が求められます。

  • 校則:他の高校と比べると緩やかな傾向にあります。 1年生は制服がありますが、学年が上がると私服通学が中心となります。髪色やピアスについても比較的自由なようで、生徒の自主性に任されている部分が多いと言えます。 スマートフォンの持ち込みや使用も、マナーを守れば特に厳しくないという声が多いです。

  • 生徒たちの雰囲気:工学やものづくりに強い関心を持つ、真面目で探究心旺盛な生徒が集まっています。共通の趣味や目標を持つ仲間が見つかりやすく、アットホームな雰囲気もあるようです。

  • アルバイト:学業に支障のない範囲で可能とされていますが、専門科目の勉強が忙しいため、両立は計画的に行う必要があるでしょう。

  • 制服:1年生は指定の制服がありますが、シンプルで機能的なデザインです。上級生は私服のため、制服を着用する期間は短いです。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

大阪公立大学工業高等専門学校の部活動・イベント

部活動

大阪公立大学工業高等専門学校では、約6〜7割の学生が部活動に加入しており、勉強と両立しながら充実した学生生活を送っています。 運動部が17、文化部が13あり、5年間という長い期間を活かして、一つのことに打ち込める環境が整っています。

  • ロボット研究部:高専の代名詞ともいえる「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)」の常連です。全国大会出場経験も豊富で、チームで協力しながら独創的なロボットを製作しています。ものづくりが好きな生徒にとっては、最高の環境と言えるでしょう。

  • プログラミングゼミ:プログラミングの技術を競うコンテストで、全国優勝の実績がある強豪です。 AIやアプリケーション開発など、最先端の技術に触れることができます。

  • 硬式野球部・サッカー部・バスケットボール部など:一般的な運動部も活発に活動しており、近畿地区の高専が参加する「近畿地区高専体育大会」などで熱戦を繰り広げています。

イベント

5年間の学生生活を彩る、ユニークで盛り上がるイベントがたくさん用意されています。

  • 高専祭(文化祭):毎年11月頃に開催される最大のイベントです。 各クラスや部活動による研究発表、模擬店、ステージ企画などが行われ、地域の方々も訪れるなど大変な盛り上がりを見せます。高専ならではの技術力を活かした展示は必見です。

  • 体育祭:クラス対抗で様々な競技に挑みます。学年やコースの垣根を越えて交流できる貴重な機会です。

  • 修学旅行:行き先は年によって異なりますが、国内外の文化や技術に触れる研修旅行が企画されることが多いようです。

  • 球技大会:学年ごとに開催され、クラスの団結力を高めます。

大阪公立大学工業高等専門学校の進学実績

大阪公立大学工業高等専門学校の卒業生は、社会から即戦力として高く評価されており、就職と進学のどちらにも強いのが大きな特長です。卒業後の進路は、就職が約6割、進学が約4割となっています。

  • 国公立大学への編入学:進学希望者の多くは、国公立大学の3年次に編入学します。高専で培った専門知識を活かして、さらに高度な研究に取り組むことができます。

    • 主な進学先(過去5年間の実績など):大阪公立大学(旧大阪府立大学含む)、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、大阪大学、和歌山大学、京都工芸繊維大学、東京大学、神戸大学、東京工業大学など、難関大学への進学実績が多数あります。

  • 専攻科への進学:本科5年間の課程を修了後、さらに2年間の「専攻科」に進む道もあります。専攻科を修了すると、大学卒業と同じ「学士」の学位が取得でき、大学院への進学も可能になります。

  • 就職:就職希望者に対する求人倍率は非常に高く、毎年30倍を超える状況です。 日本を代表する大手メーカーや優良企業から多くの求人が寄せられ、卒業生は技術者として産業界の第一線で活躍しています。 就職先の約8割が大阪に根ざした企業という特徴もあります。

  • 進学サポート:大学編入のための特別な受験勉強は必要なく、高専での日々の学習に集中することが合格への近道です。 また、大学入学共通テストを受ける必要がないため、専門分野の探求に時間を充てることができます。

大阪公立大学工業高等専門学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、大阪公立大学工業高等専門学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。

  • 5年間の一貫教育:中学卒業後から高校・大学レベルの専門教育を5年間、受験に中断されることなく継続して学べます。これにより、深く専門性を追求することが可能です。

  • 大学レベルの専門教育と研究:早い段階から大学レベルの講義や実験・実習を体験できます。 5年生になると、大学の学部生と同じように「卒業研究」に取り組み、興味のあるテーマを深く掘り下げます。

  • 大阪公立大学との強力な連携:同じ公立大学法人が運営する大阪公立大学との連携が緊密です。 大学の講義を受けたり、共同で研究を行ったりする機会があり、より高度な学びに触れることができます。

  • 圧倒的な就職実績:企業からの評価が非常に高く、求人倍率は毎年驚異的な数値を記録しています。 就職活動で困ることはほとんどないと言われるほど、有利な状況です。

  • 難関大学への編入という選択肢:卒業後は就職だけでなく、東京大学や大阪大学といった難関国公立大学の3年次に編入学する道も開かれています。 高専からの編入枠は、一般入試とは異なるため、目標を高く持つ生徒にとって大きな魅力です。

  • 2027年度からのキャンパス移転:大阪公立大学の中百舌鳥キャンパスへ移転が予定されており、最新の施設・設備で学べるようになります。 大学との物理的な距離も近くなり、連携がさらに強化されることが期待されます。

  • 自由で自主性を重んじる校風:校則が比較的緩やかで、生徒の自主性が尊重されます。 大学のような雰囲気の中で、のびのびと自分の興味を追求できます。

大阪公立大学工業高等専門学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、専門性を高められる環境や自由な校風を評価する声が多く聞かれます。一方で、学習内容の高度さや課題の多さについての意見も見られます。

  • 良い点:

    • 「専門的なことを早くから深く学べるので、将来の目標が明確な人には最高の環境」

    • 「就職にも進学にも強く、卒業後の選択肢が広いのが魅力」

    • 「校則が自由で、大学のような雰囲気。自分のペースで勉強や研究に打ち込める」

    • 「同じ趣味や目標を持つ友人が多く、話が合うし、お互いに高め合える」

    • 「先生方が専門分野のエキスパートで、質問にも丁寧に答えてくれる」

  • 気になる点:

    • 「レポートや課題が多く、勉強はかなり大変。自主的に勉強しないとついていけなくなる」

    • 「赤点が60点と高く、留年する人もいるため、しっかりとした学習習慣が必要」

    • 「駅から少し歩くので、アクセスが少し不便に感じることもある」

    • 「5年制なので、高校3年生で卒業していく地元の友達とは少し生活サイクルがずれる」

アクセス・通学

大阪公立大学工業高等専門学校へのアクセス方法です。

  • 京阪本線「寝屋川市駅」(北改札口)から徒歩約15分

  • 京阪本線「香里園駅」(東口)から徒歩約25分

大阪府内全域から通学が可能ですが、特に京阪沿線に住む生徒が多い傾向があります。その他、JRや大阪メトロを乗り継いで通学している生徒もいます。

大阪公立大学工業高等専門学校受験生へのワンポイントアドバイス

大阪公立大学工業高等専門学校は、ただ偏差値が高いからという理由だけで選ぶのではなく、「ものづくりが好き」「特定の技術分野を深く学びたい」という強い探究心を持つ君にこそ、心からおすすめしたい学校です。大学のような自由な環境で、5年間という長い時間をかけて専門性を磨き、社会で活躍する技術者になるための土台を築くことができます。

受験勉強においては、学力検査で傾斜配点が採用されることが多いため、特に数学と理科、英語には重点的に力を入れてください。 単に問題を解くだけでなく、「なぜそうなるのか」という原理原則を理解することが、入学後の専門的な学びにも繋がります。大阪公立大学工業高等専門学校の入学試験は、全国の国立高専と共通の問題が使われるため、過去問題に繰り返し取り組むことが有効な対策になります。

未来のエンジニアを目指す君の挑戦を、心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。