富山県内で商業を専門的に学びたいと考えている中学生と保護者の皆さん、こんにちは。120年以上の歴史と伝統を誇る富山商業高等学校は、これまで多くの卒業生を経済界に送り出してきた名門校です。長い歴史の中で培われた教育ノウハウと、時代に合わせた新しい学びを取り入れ、社会で即戦力として活躍できる人材を育成しています。

「富商(とみしょう)」の愛称で親しまれる富山商業高等学校では、簿記や情報処理といった専門資格の取得に力を入れているだけでなく、活発な部活動や学校行事を通して、人間的にも大きく成長できる環境が整っています。進学や就職においても、その確かな実績と卒業生のネットワークが大きな強みとなっています。

この記事では、そんな富山商業高等学校の魅力を、偏差値や口コミ、学校生活の様子など、さまざまな角度から詳しくご紹介します。皆さんの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

富山商業高等学校の基本情報

富山商業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 富山県立富山商業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒930-8540 富山県富山市庄高田413番地
代表電話番号 076-441-3438(事務室)
公式サイトURL https://www.tomisho.tym.ed.jp/

富山商業高等学校の偏差値・難易度・併願校

富山商業高等学校の偏差値は、全ての学科で「46」程度とされています。これは富山県内の高校の中では中堅レベルに位置します。しかし、商業高校としての専門性と人気から、決して油断はできません。

合格に必要な内申点の目安としては、135点満点中、80点〜90点前後が一つのラインと考えられます。ただし、これはあくまで目安であり、当日の試験の得点も重要になります。日頃から授業に真剣に取り組み、定期テストで安定した成績を収めることが合格への近道です。

富山県の公立高校入試制度では、基本的に公立高校同士の併願はできません。そのため、富山商業高等学校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を併願します。主な併願校としては、富山第一高等学校、龍谷富山高等学校、高岡第一高等学校などが挙げられます。これらの高校の特進コースや普通コースを併願し、万全の態勢で受験に臨む生徒が多いようです。

富山商業高等学校に設置されている学科・コース

富山商業高等学校には、社会のニーズに応える4つの専門学科が設置されており、それぞれの分野のスペシャリストを目指すことができます。2年次からは、より専門性を深めるためのコース選択もあります。

  • 流通ビジネス科

    • どんなことを学ぶ?:商品の開発や仕入れ、販売、広告など、モノやサービスが消費者に届くまでの「流れ」を学びます。実践的な販売実習も豊富です。

    • どんな生徒におすすめ?:将来、お店の経営や商品企画、営業の仕事に興味がある人。人と接するのが好きな人。

  • ビジネスマネジメント科

    • どんなことを学ぶ?:企業の経営や経済の仕組み、国際的なビジネスについて幅広く学びます。英語教育にも力を入れています。

    • どんな生徒におすすめ?:将来、会社の経営に携わりたい人や、海外と関わる仕事がしたい人。

  • 会計ビジネス科

    • どんなことを学ぶ?:会社の「お金」の流れを記録・管理する簿記や会計の知識を専門的に学びます。経理のプロフェッショナルを目指します。

    • どんな生徒におすすめ?:数字を扱うのが得意な人、コツコツと正確に作業するのが好きな人。公認会計士や税理士に興味がある人。

  • 情報ビジネス科

    • どんなことを学ぶ?:プログラミングやソフトウェアの活用法など、ICT社会で必須となる情報処理技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:パソコンやITに興味がある人。将来、システムエンジニアやプログラマーとして活躍したい人。

富山商業高等学校の特色・校風

富山商業高等学校の校風は、「文武両道」と「資格取得への強い意識」というキーワードで表現できます。部活動に打ち込みながら、多くの生徒が難易度の高い資格取得に挑戦しています。

  • 宿題の量:課題は多めという声が見られますが、計画的にこなせば部活動との両立も十分可能です。特に資格試験前は、自主的な学習が求められます。

  • 校則:校則は、県内の他の高校と比較するとやや厳しいという評判が多いようです。特に頭髪や服装に関する指導は定期的かつ厳格に行われています。女子のスカート丈は膝下と定められており、男子の頭髪も細かな規定があるようです。スマートフォンは校内への持ち込みは許可されていますが、使用にはルールが定められています。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で目標意識の高い生徒が多い印象です。資格取得や部活動、学校行事など、何事にも一生懸命取り組む活気のある雰囲気があります。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、家庭の事情など特別な理由がある場合は、許可を得て行うことが可能です。

  • 制服の評判:男子は県内でいち早くブレザーとネクタイを導入した伝統があります。女子の制服も伝統的なデザインで、清楚な印象が好評です。2023年度からは新制服が導入され、より現代的なデザインになっています。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

富山商業高等学校の部活動・イベント

部活動

富山商業高等学校は部活動が非常に盛んで、全員入部制をとっています。運動部・文化部ともに全国レベルで活躍する部が多く、学校全体で部活動を重視する雰囲気が強いです。

  • 運動部:特に硬式野球部は甲子園の常連校として全国的に有名で、春夏合わせて20回以上の出場経験を誇ります。陸上競技部や体操競技部なども全国大会で入賞する実力を持っています。

  • 文化部:吹奏楽部は「北陸の横綱」と称されるほどの強豪で、全日本吹奏楽コンクールに30回以上出場しています。また、商業高校ならではの珠算部、ワープロ部、経理部、情報処理部なども全国大会で優秀な成績を収めています。

イベント

富山商業ならではのイベントが多く、生徒たちの手で作り上げる達成感を味わえるのが魅力です。

  • 富商祭(文化祭):毎年秋に開催される文化祭は、クラスごとの展示やステージ発表、文化部の発表などで大変盛り上がります。特に、各クラスが企画・運営する模擬店は、本格的で地域の方々も楽しみにしています。

  • 体育大会:クラス対抗で様々な競技に熱中し、クラスの団結力が一層深まるイベントです。応援合戦なども見どころの一つです。

  • 販売実習(T-Shop):流通ビジネス科が中心となり、模擬株式会社「TOMI SHOP」を設立して行う大規模な販売実習は、富山商業の伝統行事です。仕入れから販売、決算までを生徒自身の手で行い、ビジネスの面白さと難しさを実践的に学びます。

  • 修学旅行:例年、関東方面や関西方面を訪れ、企業研修や文化施設の見学、自主研修などを行います。仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

富山商業高等学校の進学実績

富山商業高等学校は、就職に強いイメージがありますが、近年は進学希望者が増加し、全体の約7割が進学の道を選んでいます。商業高校の専門性を活かした多様な進路選択が可能です。

  • 国公立大学:富山大学、金沢大学、新潟大学など、地元の国公立大学へ毎年合格者を出しています。

  • 難関私立大学:中央大学、法政大学、同志社大学、立命館大学といった有名私立大学にも、指定校推薦や総合型選抜などを利用して進学しています。

  • その他の進路:四年制大学だけでなく、短期大学や専門学校への進学者も多数います。就職に関しても、120年以上の歴史と実績から、地元優良企業からの求人が非常に多く、高い就職率を誇ります。公務員になる卒業生も少なくありません。

  • 進学サポート:進学希望者向けの補習や講習が充実しており、個々の進路希望に合わせたきめ細やかな指導が行われています。ICTを活用した学習システムを導入し、個々の苦手分野の克服をサポートしています。

富山商業高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、富山商業高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをご紹介します。

  • 圧倒的な資格取得サポート:日商簿記や情報処理、リテールマーケティング(販売士)など、社会で役立つ専門資格の取得を学校全体で強力にバックアップしています。多くの生徒が在学中に複数の資格を取得します。

  • 実践的なキャリア教育「T-Shop」:模擬株式会社を設立して行う販売実習「T-Shop」は、企画力、実践力、協調性を養う最高の学びの場です。

  • 全国レベルの部活動:野球部や吹奏楽部をはじめ、多くの部活動が全国の舞台で活躍しており、高いレベルで文武両道を実践できる環境です。

  • デザイン思考を取り入れた探究学習:自ら課題を見つけ、考え、行動する力を養う「デザイン思考」の教育プログラムを導入し、これからの社会で求められる創造力を育んでいます。

  • 120年以上の歴史と卒業生のネットワーク:長い歴史の中で築かれた社会的な信頼と、各業界で活躍する卒業生との強い繋がりは、進学・就職において大きなアドバンテージとなります。

  • 充実したICT教育環境:最新のコンピュータ設備が整っており、情報化社会に対応できるスキルを基礎から応用までしっかりと身につけることができます。

  • 高い就職実績と豊富な求人:「富商生が欲しい」という企業からの指定求人も多く、大卒でも就職が難しいとされる優良企業への道も開かれています。

富山商業高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられる声をまとめました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点

    • 「将来に役立つ資格がたくさん取れるので、進学にも就職にも有利だと感じます。」

    • 「先生方がとても熱心で、資格の勉強や進路相談に親身になって乗ってくれます。」

    • 「部活動がとても盛んで、高い目標を持って仲間と切磋琢磨できる環境が素晴らしいです。」

    • 「T-Shopや富商祭などの行事が本当に楽しく、クラスの団結力が強まります。」

    • 「礼儀やマナーについて厳しく指導されるので、社会に出てから役立つと感じています。」

  • 気になる点

    • 「校則が他の高校に比べて厳しいと感じることがあります。特に頭髪検査は厳しいです。」

    • 「校舎や施設が少し古い部分があるのが気になります。」

    • 「資格試験前などは課題が多く、勉強が大変だと感じることがあります。」

    • 「専門科目の授業は進むのが早いので、予習・復習が欠かせません。」

アクセス・通学

富山商業高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 富山地方鉄道(市内電車):「トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)」電停下車、徒歩約10分

  • JR高山本線:「西富山駅」下車、徒歩約20分

  • バス:富山駅などから「富山球場前」または「五福末広町」バス停下車、徒歩約10分

富山市内を中心に、県内広域から生徒が通学しています。公共交通機関の便が良く、通学しやすい立地と言えるでしょう。

富山商業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

富山商業高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、「将来、ビジネスの世界で活躍したい」「専門的な知識や資格を身につけて、自分の強みにしたい」という明確な目標を持っている人に特におすすめの学校です。高校生活を通して、社会で通用する実践的なスキルと、何事にも真摯に取り組む姿勢を身につけることができるでしょう。

受験勉強においては、まず中学校の基礎学力をしっかりと固めることが何よりも大切です。特に、商業科目の基本となる数学(計算能力)と、国際化に対応するための英語は、重点的に学習しておくと入学後の授業にもスムーズに入っていけます。また、面接試験が課される場合もあるため、なぜ富山商業高等学校で学びたいのか、自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておくことも重要です。

「富商」での3年間は、勉強に、部活動に、行事にと、忙しくも充実した毎日が待っています。高い志を持つ仲間たちと共に、夢に向かって挑戦したい君を、富山商業高等学校は温かく迎えてくれるはずです。頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。