神奈川県立小田原東高等学校は、専門的な知識を学べる「総合ビジネス科」と、大学進学を目指す「普通科」が併設された、県内でもユニークな特徴を持つ学校です。2017年に小田原総合ビジネス高等学校から現在の校名に変更し、新たな歴史を歩み始めました。生徒一人ひとりの進路や興味に合わせた学びが選択できるのが、小田原東高等学校の大きな魅力と言えるでしょう。

この学校のルーツは、100年以上の歴史を持つ商業高校にあります。その伝統を受け継ぎ、社会で即戦力となるための資格取得や実践的な学びを重視する一方で、普通科では大学進学に向けたきめ細かい指導も行っています。様々な目標を持つ仲間たちと切磋琢磨しながら、充実した3年間を送ることができます。

この記事では、そんな神奈川県立小田原東高等学校について、偏差値や難易度、学校生活の様子、部活動、進学実績などを、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読んでみてください。

神奈川県立小田原東高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 神奈川県立小田原東高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒250-0003 神奈川県小田原市東町4-12-1
代表電話番号 0465-34-2847
公式サイト https://www.pen-kanagawa.ed.jp/odawarahigashi-h/

神奈川県立小田原東高等学校の偏差値・難易度・併願校

小田原東高等学校の偏差値は、学科によって少し異なります。自分の学力や学びたい内容と照らし合わせて、目標設定の参考にしてください。

  • 普通科:37

  • 総合ビジネス科:38

偏差値だけで見ると、神奈川県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えます。しかし、油断は禁物です。合格のためには、中学校の内申点をしっかりと確保しておくことが重要になります。2024年度の入試では、合格者の平均内申点(9教科135点満点)は普通科で73.9、総合ビジネス科で75.6でした。まずは、日々の授業に真剣に取り組み、定期テストで着実に点数を取ることが、小田原東高等学校への合格の第一歩となります。

併願校としては、近隣の私立高校を選ぶ生徒が多いようです。具体的には、相洋高等学校や旭丘高等学校などがよく挙げられます。

神奈川県立小田原東高等学校に設置されている学科・コース

小田原東高等学校には、それぞれ特色の異なる2つの学科が設置されています。自分の将来の夢や、高校で学びたいことに合わせて選ぶことができます。

  • 総合ビジネス科

    社会で役立つビジネスの専門知識や技術を学びたい人におすすめです。1年生でビジネスの基礎を幅広く学んだ後、2年生からは会計や情報処理など、より専門的な分野に分かれて学習を進めます。簿記や情報処理などの資格取得にも力を入れています。

  • 普通科

    大学進学を目指す生徒のための学科です。2年生から文系と理系に分かれ、それぞれの進路希望に合わせた授業を選択します。併設されている総合ビジネス科の専門科目を一部選択することも可能で、幅広い知識を身につけられるのが特徴です。

神奈川県立小田原東高等学校の特色・校風

小田原東高等学校は、「資格取得に強い」「落ち着いた雰囲気」といったキーワードで表現できる学校です。校風や学校生活のリアルな様子について、様々な口コミを基に紹介します。

  • 宿題の量

    宿題の量は、標準的かやや少なめという声が多いようです。ただし、資格取得を目指す生徒やアドバンスクラスに所属する生徒は、補習などで学習時間は長くなる傾向があります。

  • 校則

    校則は、他の公立高校と比較して厳しいと感じる生徒が多いようです。特に、女子のスカート丈(膝下)、メイク、髪染め、ピアスの禁止などが厳しく指導されるという口コミが見られます。ビジネスマナーを重視する学校の伝統が背景にあると考えられます。

  • 生徒たちの雰囲気

    真面目で落ち着いた生徒が多いという印象です。特に総合ビジネス科では、資格取得という明確な目標を持って入学してくる生徒が多く、熱心に勉強に取り組む雰囲気が見られます。

  • アルバイト

    アルバイトは原則として許可制ですが、長期休暇中など条件付きで可能になる場合があるようです。ただし、学業との両立が前提となります。

  • 制服の評判

    制服は男女ともにブレザータイプです。デザインについては様々な意見がありますが、「制服が可愛いからという理由だけで選ぶと後悔する」といった厳しい意見も見られるため、実際にオープンスクールなどで確認することをおすすめします。

  • 土曜授業

    資格取得対策の講座などが土曜日に行われることがあります。

神奈川県立小田原東高等学校の部活動・イベント

部活動

小田原東高等学校は、12の運動部と15の文化部があり、活発に活動しています。

  • 運動部

    女子ソフトボール部、男子バスケットボール部、陸上競技部、ダンス部などが活発です。特にダンス部は、地域のイベントに参加したり、全国的なプロジェクトに参加したりと、精力的に活動しています。

  • 文化部

    文化部も非常に充実しており、簿記部、軽音楽部、放送部、吹奏楽部といった人気の部活から、華道部、茶道部、邦楽部といった日本の伝統文化に触れられる部活まで様々です。特に、商業高校の伝統を受け継ぐ簿記部や、地域のイベントで演奏を披露する吹奏楽部などが知られています。また、「店舗経営」という珍しい部活動もあります。

イベント

小田原東高等学校では、生徒たちが主体となって盛り上がる年間行事がたくさんあります。

  • 体育大会

    クラス対抗で様々な競技に熱中し、学年を超えて団結力が高まる一日です。

  • 文化祭

    「城東祭」と呼ばれ、各クラスや文化部が趣向を凝らした展示や発表を行います。中でも、総合ビジネス科の生徒たちが中心となって運営する模擬株式会社「城湯屋(しろゆや)」による販売実習は、本格的なビジネスを体験できる貴重な機会として知られています。

  • 修学旅行

    生徒たちにとって、高校生活の大きな思い出となるイベントです。行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める大切な機会となっています。

神奈川県立小田原東高等学校の進学実績

小田原東高等学校は、総合ビジネス科と普通科の特色を活かし、多様な進路実現をサポートしています。卒業後の進路は、大学進学、短期大学、専門学校、就職と多岐にわたります。

  • 大学進学

    普通科を中心に、多くの生徒が大学進学を目指します。主な進学先としては、神奈川大学や関東学院大学、東海大学などが挙げられます。日本大学などへの合格実績もあります。

  • 専門学校・就職

    総合ビジネス科で取得した資格や専門知識を活かし、専門学校への進学や、地元企業への就職を選ぶ生徒も多数います。商業系の高校としての長年の実績から、企業からの信頼も厚いようです。

  • 進路サポート

    進学や上位資格取得を目指す生徒のために「アドバンスクラス」を設置しており、平日放課後の補習などを通じて学力向上をサポートしています。

神奈川県立小田原東高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、小田原東高等学校ならではの魅力的なポイントをまとめました。

  • 普通科と専門学科のハイブリッドスクール

    普通科と総合ビジネス科が併設されているため、普通科の生徒が商業科目を学んだり、その逆も可能だったりと、柔軟な学びができます。

  • 充実した資格取得サポート

    日商簿記検定や情報処理検定など、社会で役立つ様々な資格の取得を学校全体で強力にバックアップしています。

  • 本格的なビジネス体験ができる「城湯屋」

    文化祭で出店される模擬株式会社「城湯屋」では、商品の仕入れから販売、決算までを生徒自身の手で行い、実践的なビジネススキルを磨くことができます。

  • 大学や地域との連携プロジェクト

    産業能率大学と連携した地域活性化プロジェクトなど、学校外の組織と協力した探究的な学習活動が盛んに行われています。

  • 180台のPCを完備したICT棟

    情報教育のための設備が充実しており、専門的なプログラミングなども学ぶことができます。

  • 伝統文化に触れる機会

    部活動では、箏を演奏する邦楽部や華道部、茶道部など、日本の伝統文化に触れることができます。

  • 100年を超える歴史と伝統

    商業学校としての長い歴史の中で培われた教育ノウハウと、地域や産業界との強い結びつきが強みです。

神奈川県立小田原東高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からのリアルな声を集めました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点

    • 「ビジネス科ではたくさんの資格が取れて、社会に出てから役立つと思う」という声が多くあります。

    • 「先生方はフレンドリーで、質問しやすい雰囲気がある」といった意見も見られます。

    • 「将来の目標がはっきりしている人にとっては、とても良い環境だと思う」という評価があります。

    • 「校舎は比較的きれいだと思う」という口コミもあります。

  • 気になる点

    • 「校則が他の高校に比べて厳しい」という意見が非常に多く見られます。特に服装や頭髪に関する指導が厳しいと感じる生徒が多いようです。

    • 「思い描いていた『キラキラな高校生活』とは少し違うかもしれない」といった声もあります。

    • 「教師によって生徒への対応に差があると感じる」という厳しい指摘も見られます。

    • 最寄り駅からバスを利用する必要があるため、交通の便が少し悪いと感じる人もいるようです。

アクセス・通学

小田原東高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • 小田原駅から

    JR東海道線、小田急線などが乗り入れる「小田原駅」東口バス7番乗り場から、箱根登山バス「山王経由国府津駅」行または「鴨宮駅経由ダイナシティ」行に乗車し、約10分。「小田原東高校前」バス停で下車し、徒歩2分です。

  • 国府津駅から

    JR東海道線「国府津駅」バス1番乗り場から、「山王経由小田原駅東口」行に乗車し、約15分。「小田原東高校前」バス停で下車し、徒歩2分です。

  • 鴨宮駅から

    JR東海道線「鴨宮駅」が最寄り駅の一つですが、徒歩で約30分かかります。駅からのバスの本数が少ないため、小田原駅または国府津駅からバスを利用するのが一般的です。

通学している生徒は、小田原市内を中心に、南足柄市、開成町、大井町など、県西地域の広い範囲から集まっています。

神奈川県立小田原東高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとうございます。神奈川県立小田原東高等学校は、将来、社会で活躍するための専門的なスキルを身につけたいと考えている人、あるいは、落ち着いた環境で大学進学に向けてじっくりと勉強したいと考えている人にとって、とても魅力的な選択肢になるはずです。特に、簿記や情報処理などの資格に興味があるなら、小田原東高等学校は県内でも有数の環境が整っています。

受験勉強においては、まず中学校の基礎を固めることが何よりも大切です。内申点が合否に大きく影響するため、毎日の授業を大切にし、定期テストで確実に点数を取れるように努力しましょう。派手な高校生活ではありませんが、ここで得られる知識や資格は、あなたの将来を支える大きな力になります。自分の目標に向かって、真面目にコツコツと努力できるあなたを、小田原東高等学校は待っています。頑張ってください!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。