世界自然遺産の島、屋久島。その雄大な自然に抱かれた場所に、鹿児島県立屋久島高等学校はあります。島内唯一の公立高校である屋久島高等学校は、ただ自然が豊かなだけではありません。ここでしかできない特別な学びや体験を通して、生徒一人ひとりの可能性を大きく伸ばしてくれる、魅力あふれる学校です。

「環境コース」という全国的にも珍しいコースが設置されており、屋久島の自然や文化を深く探究できるのは、屋久島高等学校ならではの大きな特長です。 都会の喧騒から離れ、落ち着いた環境でじっくりと勉強や部活動に打ち込みたいと考えている中学生や、ここでしかできない学びに挑戦してみたいという意欲のある生徒にとって、最高の3年間が待っているでしょう。

この記事では、そんな屋久島高等学校の基本情報から、気になる偏差値や難易度、学校生活のリアルな口コミ、そしてユニークな取り組みまで、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、きっとあなたも屋久島で高校生活を送る自分の姿をイメージできるはずです。

屋久島高等学校の基本情報

まずは、屋久島高等学校の基本的な情報を確認しておきましょう。

項目 内容
正式名称 鹿児島県立屋久島高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒891-4205 鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦2479-1
代表電話番号 0997-42-0013
公式サイト http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/yakushima/

屋久島高等学校の偏差値・難易度・併願校

屋久島高等学校の受験を考える上で、偏差値や難易度は気になるところですよね。ここでは、具体的な数字と併せて、難易度をイメージしやすくなるような情報をお伝えします。

屋久島高等学校に設置されている学科の偏差値は以下の通りです。

  • 情報ビジネス科:38

  • 普通科:38

偏差値だけで見ると、鹿児島県内では比較的入学しやすいレベルと言えるかもしれません。しかし、油断は禁物です。合格のためには、中学校の基礎学力をしっかりと定着させることが大切になります。内申点については、具体的な目安は公表されていませんが、日々の授業態度や提出物、定期テストへの取り組みが評価されることを忘れないようにしましょう。

鹿児島県の公立高校入試制度では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、屋久島高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。屋久島から通学可能な範囲で考えると選択肢は限られますが、鹿児島市内には鹿児島実業高等学校、樟南高等学校、鹿児島情報高等学校など、様々なレベルの私立高校があります。 自分の学力や将来の進路希望に合わせて、じっくりと検討することが重要です。

屋久島高等学校に設置されている学科・コース

屋久島高等学校には、普通科と情報ビジネス科の2つの学科があり、それぞれに特色ある学びが用意されています。 特に普通科の「環境コース」は、この学校ならではの魅力的な選択肢です。

  • 普通科

    • 文系コース: 国語や地歴公民、英語といった人文系の科目を重点的に学びます。大学進学を目指し、幅広い教養を身につけたい生徒におすすめです。

    • 理系コース: 数学や理科といった自然科学系の科目を深く学びます。理系の大学や専門学校への進学を考えている生徒に適しています。

    • 環境コース: 2年次から選択可能な、全国的にも珍しいコースです。 世界自然遺産である屋久島の自然・文化・歴史をフィールドワークや調査・研究を通して実践的に学びます。 自然科学だけでなく、社会学的な視点も取り入れているのが特長で、推薦入試やAO入試での進学にも強みを発揮します。

  • 情報ビジネス科

    • 簿記や情報処理など、ビジネスに関する専門知識と技術を学びます。 資格取得にも力を入れており、卒業後は就職から専門学校、大学進学まで多様な進路に対応できる実践的なスキルが身につきます。 地元企業と連携した商品開発など、地域と密着した活動も行っています。

屋久島高等学校の特色・校風

屋久島高等学校は、世界自然遺産に囲まれた環境ならではの、落ち着いた雰囲気とアットホームな校風が魅力です。キーワードで表すなら、「自然との共生」「地域密着」「アットホーム」といった言葉がぴったりでしょう。

生徒たちの雰囲気は、全体的に穏やかで真面目な生徒が多いようです。先生と生徒の距離が近く、全校生徒が顔見知りになれるほどの規模感なので、一人ひとりへのサポートが手厚いという口コミが多く見られます。 放課後も夜8時まで学校を開放し、先生方が勉強を教えてくれるなど、学習環境も整っています。

校則については、「特に厳しいと感じることはない」という声が多く、社会のルールとして一般的な内容のようです。 スマートフォンの持ち込みは許可されていますが、校内での使用ルールは定められているようです。アルバイトは原則として許可されていませんが、長期休暇中など条件付きで可能になる場合もあるため、学校への確認が必要です。

制服は、男子が黒の学ラン、女子が紺色のブレザーにスカートです。女子の制服については、リボンやネクタイはないシンプルなデザインのようです。

屋久島高等学校の部活動・イベント

部活動

屋久島高等学校では、多くの生徒が部活動に励んでおり、文武両道を実現しています。体育系、文化系ともに様々な部活動があり、それぞれの目標に向かって日々活動しています。

  • 運動部: 野球部、サッカー部、男女バレーボール部、男子バスケットボール部、男女バドミントン部、弓道部、剣道部、テニス部、そして屋久島ならではの山岳部などがあります。 特に山岳部は、恵まれた自然環境を活かした活動が期待できます。

  • 文化部: 吹奏楽部、書道部、美術部、演劇部などがあり、文化的な活動も盛んです。 演劇部は、県の大会で最優秀賞を受賞するなど、高い実績を誇っています。

イベント

屋久島高等学校の学校生活を彩るイベントも充実しています。中でも最大のイベントは、文化祭と体育祭を合わせた「岳南祭(がくなんさい)」です。クラスや部活動、有志による発表や展示、模擬店などで学校中が一体となって盛り上がります。

また、1年生の時には学校登山が恒例行事として行われ、屋久島の雄大な自然を体感しながら級友との絆を深める貴重な機会となっています。 修学旅行では、県外の文化や歴史に触れるなど、普段の学校生活では得られない経験をすることができます。

屋久島高等学校の進学実績

屋久島高等学校は、生徒一人ひとりの希望に合わせた多様な進路実現をサポートしており、国公立大学への進学者から就職まで、幅広い実績を誇っています。

近年の主な進学実績を見ると、国公立大学では鹿児島大学や九州大学 といった地元の大学をはじめ、全国の大学に合格者を出しています。難関私立大学への進学者もいます。

進学だけでなく、公務員や地元企業への就職にも強いのが屋久島高校の特長です。特に情報ビジネス科では、在学中に取得した資格を活かして、多くの生徒が希望の就職先に内定しています。

このような実績を支えているのが、手厚い進路指導です。少人数教育の利点を活かし、生徒一人ひとりの個性や目標に合わせた丁寧な指導が行われています。 補習や講習なども充実しており、生徒の「学びたい」という意欲に全力で応える体制が整っています。

屋久島高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、屋久島高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 世界自然遺産が学びのフィールド: 何といっても最大の魅力は、屋久島の雄大な自然そのものが教室になることです。特に「環境コース」では、専門的な知識を持つ先生方の指導のもと、世界レベルの自然環境を肌で感じながら探究活動に取り組むことができます。

  • 全国から生徒が集まる「離島留学」: 「地域みらい留学」の制度を利用して、全国から生徒を受け入れています。 島外からの生徒と地元の生徒が交流することで、多様な価値観に触れ、視野を広げることができます。

  • 地域と連携した探究活動「黒潮キャンパス」: 総合的な探究の時間では「黒潮キャンパス」と名付け、生徒が自ら課題を設定し、主体的に研究に取り組んでいます。 地域の企業や団体と連携した商品開発やイベント企画など、実践的な学びが豊富です。

  • アットホームで手厚い教育環境: 全校生徒数が比較的少ないため、先生と生徒の距離が非常に近く、一人ひとりに行き届いた丁寧な指導を受けることができます。

  • 独自の「環境コース」: 普通科の中に設置された「環境コース」では、屋久島の自然や文化、歴史を多角的に学ぶことができます。 ここでの学びは、推薦入試やAO入試で高く評価される傾向があります。

  • 充実した資格取得サポート: 情報ビジネス科を中心に、簿記や情報処理など様々な資格取得を強力にバックアップしています。 取得した資格は、進学や就職の際に大きな武器になります。

  • 伝統行事「岳参り」への参加: 江戸時代から続く島の伝統行事「岳参り」に学校として参加することがあります。 九州最高峰の宮之浦岳に登り、集落の繁栄を祈願するこの行事を通して、屋久島の文化を深く理解することができます。

屋久島高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、屋久島高等学校での学校生活について様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「先生方がとても優しく、親身になって相談に乗ってくれる」

    • 「自然に囲まれた環境で、のびのびと学校生活が送れる」

    • 「生徒数が少ない分、みんな仲が良く、学年を超えて交流がある」

    • 「放課後遅くまで学校で勉強でき、先生に質問しやすい環境がありがたい」

    • 「屋久島の自然を活かした授業や活動は、他では絶対に体験できない」

  • 気になる点:

    • 「島の中心部から少し離れているため、交通の便が少し不便に感じることがある」

    • 「都会の高校に比べると、施設の設備が少し古いと感じる部分があるかもしれない」

    • 「生徒数が少ないため、部活動の種類が限られてしまう」

    • 「夏は暑く、冬は寒いが、普通教室に冷暖房が完備されていない」

アクセス・通学

屋久島高等学校へのアクセス方法です。

  • 宮之浦港から: 車で約5分

  • 屋久島空港から: 車で約15分

  • 安房港から: 車で約25分

島内の生徒は、バスや自転車、家族の送迎で通学していることが多いようです。また、「地域みらい留学」制度を利用する島外からの生徒は、学校の近くに設けられた寮や下宿から通学することになります。

屋久島高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

屋久島高等学校は、ただ勉強するだけでなく、世界に誇る自然の中で自分を大きく成長させたいと願う君にぴったりの学校です。特に、自然科学や環境問題に興味がある人、地域活性化や商品開発といった実践的な学びに挑戦したい人、そして、少人数でのびのびと学びたい人には、最高の環境が整っています。

受験勉強においては、まずは中学校3年間の基礎を固めることが最も重要です。苦手科目をなくし、どの教科もバランスよく得点できる力をつけておきましょう。面接では、なぜ屋久島高等学校で学びたいのか、入学してどんなことに挑戦したいのかを、自分の言葉で具体的に伝えられるように準備しておくことが大切です。「環境コース」に興味があるなら、屋久島の自然や文化について事前に調べておくと、より熱意が伝わるはずです。

屋久島という特別な場所での3年間は、きっと君にとって一生の宝物になるはずです。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。