岩手県立大槌高等学校は、地域と共に歩み、未来を切り拓く力を育むユニークな高校です。東日本大震災からの復興という経験を経て、大槌町と一体となった「大槌高校魅力化プロジェクト」を推進し、地域を学びのフィールドとした実践的な教育を展開しています。生徒一人ひとりが自分の興味や関心を深く掘り下げる「マイプロジェクト」は、他の高校ではなかなか経験できない貴重な学びの機会となるでしょう。

この記事では、そんな魅力あふれる大槌高等学校について、偏差値や難易度、ユニークな学科、学校生活の様子、部活動、進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく解説していきます。地域に根ざしながら、自分の可能性を大きく広げたいと考えている中学生にとって、大槌高校はまさに理想的な環境かもしれません。

この記事を読めば、きっとあなたも大槌高等学校の持つ独自の魅力に気づき、ここで高校生活を送る自分の姿を具体的にイメージできるようになるはずです。さあ、一緒にその扉を開いてみましょう。

岩手県立大槌高等学校の基本情報

岩手県立大槌高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 岩手県立大槌高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒028-1131 岩手県上閉伊郡大槌町大槌第15地割71番地1
代表電話番号 0193-42-3025
公式サイトURL http://www2.iwate-ed.jp/oht-h

岩手県立大槌高等学校の偏差値・難易度・併願校

岩手県立大槌高等学校の受験を考える上で、偏差値や難易度は重要な指標となります。

普通科の偏差値は42程度とされています。これは、岩手県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えるでしょう。しかし、近年「大槌高校魅力化プロジェクト」の推進により、全国から注目を集めており、入学者の学習意欲も高まっています。偏差値はあくまで一つの目安と考え、学校の特色や教育内容をよく理解した上で、自分に合った学校かどうかを判断することが大切です。

合格に必要な内申点の目安としては、日々の授業に真面目に取り組み、基本的な学力を定着させておくことが求められます。

岩手県の公立高校入試制度では、他の公立高校との併願はできません。そのため、併願校としては私立高校を選択することになります。主な併願校としては、釜石市や大船渡市、盛岡市などにある私立高校が考えられます。具体的な併願校選びについては、中学校の先生や塾の先生とよく相談しましょう。

岩手県立大槌高等学校に設置されている学科・コース

岩手県立大槌高等学校では、生徒一人ひとりの興味や進路希望に合わせた学びを実現するため、特色ある学科を設置しています。

  • 地域探究科: 2024年度からスタートした新しい学科です。地域を学びのフィールドとして、自分の興味・関心をとことん追求したい生徒におすすめです。2年生からは全員が自分だけのテーマを設定し「マイプロジェクト」に取り組みます。

以前は普通科の中に文理コースと教養コースが設置されていましたが、現在は地域探究科に一本化され、より探究的な学びが深められるようになっています。この学科では、地域課題の解決や魅力発信といった実践的な活動を通して、社会で生きる力を育むことを目指しています。

岩手県立大槌高等学校の特色・校風

岩手県立大槌高等学校は、「地域との協働」「探究的な学び」「生徒の主体性」をキーワードに、ユニークな教育活動を展開しています。

校則は比較的緩やかで、生徒の自主性を尊重する雰囲気があるようです。ただし、整容点検では頭髪や服装、爪などがチェックされるため、一定の規律は保たれています。生徒たちは、地域の方々と接する機会が多いためか、落ち着いていて真面目な生徒が多いという印象です。

アルバイトについては、特別な規定は見当たりませんでしたが、学業との両立を前提に、学校に相談してみるのが良いでしょう。制服は、一般的なブレザースタイルです。土曜授業については、公式サイト等で明記されていませんが、探究活動や地域連携のイベントが土日に行われることもあるようです。

宿題の量については口コミ等ではあまり触れられていませんが、探究活動「マイプロジェクト」では、自分で課題を設定して進めていくため、主体的な学習習慣が求められます。

岩手県立大槌高等学校の部活動・イベント

部活動

岩手県立大槌高等学校では、運動部、文化部ともに活動が盛んです。特に、地域の伝統を受け継ぐ部活動や、特色ある研究会が注目されています。

  • 郷土芸能部: 地域の伝統芸能である「虎舞」などに取り組んでおり、地域のイベントでも披露する機会があります。

  • 復興研究会: 東日本大震災からの復興をテーマに、町の定点観測や地域の子どもたちとの交流など、多彩な活動を行っています。

  • はま研究会: 東京大学大気海洋研究所と連携し、大槌湾の生き物調査など、本格的な海洋研究に取り組むユニークな活動です。

この他にも、野球部、サッカー部、バレーボール部などの運動部や、吹奏楽部、美術部、書道部といった文化部があり、多くの生徒が部活動に励んでいます。

イベント

大槌高校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が盛りだくさんです。

  • 大高祭(文化祭): 毎年秋に開催される文化祭は、クラス企画やステージ発表、部活動・研究会の展示などで大変盛り上がります。3年生による模擬店やお化け屋敷、PTAによる食堂など、地域の方々も楽しめる企画が満載です。

  • 体育祭: クラス対抗で様々な競技に熱中し、クラスの団結力を高める絶好の機会です。

  • 修学旅行: 近年では関西方面(京都・奈良・大阪)を訪れており、歴史的建造物の見学や自主研修、USJなどを満喫しています。

これらの行事を通して、生徒たちは企画力や協調性を学び、かけがえのない思い出を作っています。

岩手県立大槌高等学校の進学実績

岩手県立大槌高等学校は、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応した手厚い指導を行っています。近年の進路状況を見ると、4年制大学、短期大学、専門学校への進学から、公務員、民間企業への就職まで、幅広い分野に卒業生を送り出しています。

主な進学先(令和4年度・5年度実績より)

  • 国公立大学: 岩手大学、岩手県立大学、宮城大学など

  • 私立大学: 東北学院大学、石巻専修大学、盛岡大学、日本大学、文教大学など

  • 短期大学: 岩手県立大学宮古短期大学部、岩手県立産業技術短期大学校など

  • 専門学校: 岩手リハビリテーション学院、盛岡ヘアメイク専門学校、仙台デザイン専門学校など、医療・福祉、調理、美容、IT、公務員など多岐にわたる分野の専門学校へ進学しています。

  • 就職: 地元の有力企業であるSMC株式会社釜石工場や小野食品株式会社をはじめ、県内外の製造業、販売業、福祉・医療関係などへ就職しています。

進路実現に向け、1年次から職業人講話やインターンシップ、企業見学会などを通じて職業観を育む機会を設けています。また、校内にNPO法人カタリバが運営する「大槌臨学舎」があり、放課後の学習支援や探究活動のサポートを受けることができます。

岩手県立大槌高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、岩手県立大槌高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをご紹介します。

  • 地域全体がキャンパス「地域探究科」: 2024年度から始まった新学科で、大槌町をフィールドに、自分の興味関心を深く掘り下げる探究活動が授業の中心です。

  • 自分だけのテーマを追究する「マイプロジェクト」: 2年生全員が取り組む探究活動。震災伝承、地域活性化、料理、ゲーム、美容など、テーマは無限大で、生徒の主体性を最大限に引き出します。

  • 独自の学校設定教科「三陸みらい学」: 国語や数学などの主要5教科を、大槌町という地域を題材に学ぶユニークな授業です。教科横断的な学びで、知識の活用力を養います。

  • 全国から生徒が集まる「はま留学」: 県外からの入学者を受け入れる制度です。多様なバックグラウンドを持つ仲間と学ぶことで、視野が大きく広がります。

  • 本格的な海洋研究「はま研究会」: 東京大学の研究機関と連携し、海の生き物や環境について専門的に学べる貴重な機会です。

  • 震災からの学びを未来へ繋ぐ「復興研究会」: 震災の記憶や教訓を風化させないための伝承活動や、町の未来を考える活動に主体的に関わることができます。

  • NPO法人による手厚い学習・探究サポート: 校内に常駐するNPO法人カタリバのスタッフが、日々の学習から「マイプロジェクト」まで、親身にサポートしてくれます。

岩手県立大槌高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、大槌高等学校の特色ある学びやアットホームな雰囲気について、多くの声が寄せられています。

良い点:

  • 「地域の方々と関わる機会が多く、コミュニケーション能力が身についた」

  • 「マイプロジェクトを通して、自分の好きなことをとことん追求できた」

  • 「先生やカタリバのスタッフが親身に進路相談に乗ってくれた」

  • 「少人数なので、先生との距離が近く、質問しやすい環境だった」

  • 「『復興研究会』や『はま研究会』など、ここでしかできない貴重な経験ができた」

  • 「悪いことをしたら先生がきちんと指導してくれる」

気になる点:

  • 「先生が見ていないところでのいじめが少しあったように思う」という声も一部で見られます。

  • 「交通の便があまり良くないため、通学に時間がかかる」

  • 「専門的な大学進学を目指すには、塾などのサポートが必要かもしれない」

アクセス・通学

岩手県立大槌高等学校へのアクセス方法です。

  • 最寄り駅: 三陸鉄道リアス線「大槌駅」

  • アクセス: 大槌駅から徒歩約20分。

  • バス: 岩手県交通バス「大槌高校前」バス停下車。

通学エリアとしては、大槌町内から通う生徒が最も多いですが、近隣の釜石市や山田町、遠野市などから通学している生徒もいます。また、「はま留学」制度により、県外から入学し、町内の民宿などで生活しながら通学する生徒もいます。

岩手県立大槌高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

岩手県立大槌高等学校を目指す皆さんへ。この高校は、ただ教科書で勉強するだけでは物足りない、自分の好きなことや興味のあることをとことん探究したい、という強い想いを持った君にこそ、ぴったりの場所です。偏差値だけで判断せず、この学校でしかできない経験に価値を感じるなら、ぜひ挑戦してください。

大槌高校が求めているのは、地域に出て、たくさんの人と関わりながら学ぶ意欲のある生徒です。受験勉強では、基礎学力を固めることはもちろん大切ですが、面接や作文で「なぜ大槌高校で学びたいのか」「高校でどんなことに挑戦したいのか」を自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておくことが合格への鍵となります。特に「マイプロジェクト」や「復興研究会」などの活動に触れ、自分のやりたいことと結びつけて話せると、熱意がより伝わるでしょう。

大槌高校での3年間は、きっと君を大きく成長させてくれるはずです。地域という大きな教室で、未来を創る力を身につけませんか。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。