山梨県立日川高等学校は、1901年(明治34年)に創立された120年以上の歴史と伝統を誇る男女共学の公立高校です。初代校長が掲げた「To Cultivate Your Own Mind(汝自身の精神を耕せ)」という建学の精神と、「質実剛毅」の校訓のもと、文武両道を教育方針に掲げています。多くの卒業生が社会の様々な分野で活躍しており、地域からの信頼も厚い学校です。

日川高校は、単位制の普通科という特色を活かし、生徒一人ひとりの興味や関心、進路希望に応じた多様な科目選択が可能です。また、2012年度からは文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定されており、先進的な理数系教育や、全生徒が取り組む課題探究活動にも力を入れています。

この記事では、そんな魅力あふれる日川高等学校について、進学アドバイザーの視点から、偏差値や難易度、学校生活の様子、部活動、進学実績などを詳しく解説していきます。中学生や保護者の皆さんが気になるポイントを分かりやすくまとめていますので、ぜひ志望校選びの参考にしてください。

日川高等学校の基本情報

日川高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 山梨県立日川高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒405-0025 山梨県山梨市一町田中1062
代表電話番号 0553-22-2321
公式サイトURL http://www.hikawa.kai.ed.jp

日川高等学校の偏差値・難易度・併願校

伝統ある日川高等学校を目指すにあたり、学力レベルや入試の難易度は気になるところでしょう。

偏差値・難易度

2025年度入試における日川高校の偏差値は「54」が目安とされています。これは山梨県内の公立高校の中では上位に位置し、しっかりとした学力が求められるレベルです。

合格に必要な内申点の目安としては、36〜38程度(5段階評価の9教科合計)が一つの基準となりそうです。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力検査の得点とのバランスで合否が判断されます。

同じくらいの偏差値の高校としては、近隣の公立高校や私立高校が挙げられます。自分の学力や校風などを総合的に考慮して、志望校を検討することが大切です。

主な併願校

山梨県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、日川高校を第一志望とする受験生の多くは、滑り止めとして私立高校を併願受験します。

主な併願校としては、以下のような高校が挙げられます。

  • 山梨学院高等学校

  • 駿台甲府高等学校

  • 東海大学付属甲府高等学校

これらの私立高校はそれぞれ特色が異なるため、オープンキャンパスや学校説明会に参加して、自分に合った学校かどうかを確かめておくと良いでしょう。

日川高等学校に設置されている学科・コース

日川高校は、生徒の多様な進路希望に対応するため、柔軟なカリキュラムが組める学科編成となっています。

  • 普通科(単位制)

    • どんなことを学ぶ場所なのか:1年生で基礎学力を固め、2年生から文系・理系に分かれ、さらに3年生では興味や関心、進路希望に応じて多種多様な選択科目から自分だけの時間割を作成します。単位制の特色を活かし、主体的に学ぶ力を養います。

    • どんな生徒におすすめか:大学進学を目指しており、自分の興味・関心を深く探究したい生徒や、文武両道を目指して学習と部活動を両立させたい生徒におすすめです。特にSSH指定校であるため、理数系の探究活動に興味がある生徒にも最適な環境です。

日川高等学校の特色・校風

日川高校は「質実剛毅」「文武両道」を校訓・教育方針として掲げており、真面目で落ち着いた雰囲気の中で、生徒たちは学習にも部活動にも全力で取り組んでいます。

  • 宿題の量:課題の量は「そこまで多くない」という声がある一方で、部活動との両立を考えると計画的に進める必要があるようです。

  • 校則:他の高校と比較して、特に厳しいということはないようです。「服装頭髪検査はかなりゆるい」といった口コミも見られます。ただし、ツーブロックや染髪は禁止されています。

  • 生徒たちの雰囲気:明るく活発な生徒が多いようです。「漫画みたいな青春を謳歌したいなら日川」という口コミもあり、充実した学校生活を送っている生徒が多いことがうかがえます。

  • アルバイト:原則として禁止されているようですが、特別な事情がある場合は許可されることもあるようです。

  • 制服の評判:以前の制服からデザインが変更され、現在の制服は生徒からの評判も良いようです。

  • 土曜授業:土曜日の午前中には「サタデーサプリ」という自主学習や特別講座の時間が設けられており、学習習慣の確立をサポートしています。

日川高等学校の部活動・イベント

部活動

日川高校は「文武両道」を掲げており、部活動が非常に盛んです。多くの部が全国大会や関東大会で輝かしい成績を収めています。

  • ラグビー部:全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園)の常連校として全国的に有名で、過去に何度も出場しています。

  • ウエイトリフティング部:男女ともに全国レベルで活躍しており、全国制覇の経験もあります。

  • 放送部:全国高等学校総合文化祭のアナウンス部門で最高賞である文部科学大臣賞を受賞するなど、文化部も非常に活発です。

  • 書道部:書道パフォーマンス大会で優秀賞を受賞するなど、高い実績を誇ります。

その他にも、体操部、ハンドボール部、ソフトボール部などが全国大会に出場経験があり、運動部・文化部ともに充実した活動が行われています。

イベント

日川高校では、生徒が主体となって作り上げる学校行事が多く、クラスの団結力を高める良い機会となっています。

  • 紫風祭(文化祭):毎年7月上旬に行われる文化祭は「紫風祭(しふうさい)」と呼ばれ、大変な盛り上がりを見せます。クラスごとの展示やステージ発表、部活動の発表など、生徒たちのエネルギーが爆発する一大イベントです。

  • 体育祭:クラス対抗で様々な競技に臨み、学年を超えて学校全体が一体となります。

  • 修学旅行:例年、関西方面などを訪れ、歴史や文化に触れる貴重な体験をします。

  • 強歩大会:男子は約23km、女子は約17kmの距離を歩き、心身を鍛錬する伝統行事です。

日川高等学校の進学実績

日川高校は、山梨県内でも有数の進学校であり、多くの生徒が国公立大学や難関私立大学へ進学しています。

  • 国公立大学:山梨大学、山梨県立大学、都留文科大学といった地元の大学を中心に、東北大学、筑波大学、横浜市立大学など、全国の国公立大学に合格者を輩出しています。過去3年間で合計185名の国公立大学合格実績があります。

  • 難関私立大学:早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学といったGMARCHレベルの大学にも多数の合格者を出しています。

  • その他:日本大学や神奈川大学、地元の山梨学院大学や山梨英和大学などにも多くの生徒が進学しています。

これらの高い進学実績は、単位制を活かしたきめ細やかな進路指導や、土曜日の「サタデーサプリ」、長期休業中の講習など、学校全体の手厚いサポート体制によって支えられています。

日川高等学校の特長・アピールポイント

日川高校には、他の高校にはない独自の強みや魅力的な取り組みがたくさんあります。

  • SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校:文部科学省からSSHの指定を受け、先進的な理数教育を展開しています。大学や研究機関と連携した探究活動や課題研究は全生徒が取り組み、論理的思考力や課題解決能力を育成します。

  • 柔軟なカリキュラムが組める単位制:生徒一人ひとりの興味・関心や進路希望に応じて、2年次から多様な科目を選択できます。自分だけの時間割で、主体的に学習を進めることが可能です。

  • 活発な国際交流:イギリスの姉妹校と毎年相互に約2週間の交流プログラムを実施しており、グローバルな視野を養う機会が豊富です。

  • 輝かしい部活動の実績:「文武両道」の教育方針のもと、ラグビー部をはじめ多くの部活動が全国レベルで活躍しています。

  • 充実した学習サポート体制:土曜日の「サタデーサプリ」や長期休業中の講習、全学年に設置された自習室など、生徒の学習を強力にバックアップする環境が整っています。

  • 地域に根差した伝統校:120年以上の歴史の中で、3万人以上の卒業生を輩出しており、地域社会からの厚い信頼を得ています。

  • 豊かな奨学金制度:卒業生の支援による8つもの奨学金制度が設けられており、生徒の学びを経済的に支えています。

日川高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、日川高校での学校生活について様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「先生方のサポートが手厚く、進路相談にも親身に乗ってくれる」という声が多く聞かれます。

    • 「紫風祭(文化祭)などの学校行事が非常に楽しく、クラスの団結力が強まる」と、行事に対する満足度は高いようです。

    • 「部活動が盛んで、高いレベルで文武両道を目指せる環境がある」という点も高く評価されています。

    • 「明るくて面白い人が多く、毎日が楽しい」「漫画のような青春が送れる」といった、充実した学校生活をうかがわせる口コミも多数見られます。

  • 気になる点:

    • 「一部の施設が古い」という意見が時折見られます。

    • 「課題の量はそこまで多くはないが、部活動が忙しいと両立が大変」と感じる生徒もいるようです。

    • 「駅から少し距離があり、バスを利用するか自転車で通う必要がある」という点が、通学の負担として挙げられることがあります。

アクセス・通学

日川高校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅:JR中央本線「山梨市駅」

    • 山梨市駅より山梨市営バス「日川高校」下車

    • 山梨市駅から徒歩で約37分、自転車で約15〜20分

通学エリアとしては、山梨市、甲州市、笛吹市など、峡東地域から通う生徒が多い傾向があります。

日川高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

日川高等学校は、120年以上の歴史と伝統を受け継ぎながら、SSH指定による先進的な学びにも挑戦できる、非常に魅力的な学校です。文武両道を本気で目指したい、そして仲間と共に充実した高校生活を送りたいと考える君に、日川高校は最高の舞台を用意してくれるでしょう。

受験勉強においては、まずは中学校での学習内容をしっかりと定着させることが何よりも大切です。特に、苦手科目をなくし、全教科でバランス良く得点できる力を養いましょう。また、日川高校は探究活動にも力を入れているため、普段から様々なことに興味を持ち、「なぜだろう?」と考える習慣をつけておくと、入学後の学びにも繋がります。

高校生活は、君が大きく成長するための大切な3年間です。目標に向かってひたむきに努力できる人、知的好奇心が旺盛で主体的に行動できる人を日川高校は待っています。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。