「早稲田」の名を冠する高校は数多くありますが、その中でも特別な響きを持つのが早稲田実業学校高等部です。この名前は、単なるブランドではありません。それは、日本のトップ私立大学である早稲田大学への扉を開く、特別な切符を意味します。大学受験という大きな関門を目前にせず、自分の興味や情熱を深く追求できる3年間は、一体どのような成長をもたらしてくれるのでしょうか。この問いこそが、この学校の魅力を解き明かす鍵となります。

しかし、その魅力は約束された未来だけではありません。早稲田実業学校高等部の根底には、「去華就実(華やかなものを去り、実に就く)」という、外見よりも内面の実質を重んじる校是と、「文武両道」を実践するたくましい精神が息づいています。これらは単なるスローガンではなく、日々の授業から活気あふれる部活動、そして校則の一つひとつに至るまで、学校生活のあらゆる場面に浸透している文化そのものです。

この先では、輝かしい偏差値や有名な名前の向こう側にある、在校生や卒業生たちの「生の声」に耳を傾けていきます。熱気に満ちた学校行事、全国レベルで競い合う部活動、大学と連携したユニークな授業、そして生徒たちが日々感じていること。このガイドブックが、あなたにとってかけがえのない3年間を過ごす場所として、早稲田実業学校高等部が本当にふさわしいのかを見極めるための、信頼できる羅針盤となることを願っています。

早稲田実業学校高等部の基本情報

まずは、学校の基本的な情報を確認しましょう。受験を考える上で、正確な情報を把握しておくことは第一歩です。

項目 内容
正式名称 早稲田大学系属早稲田実業学校高等部
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒185-8505 東京都国分寺市本町1-2-1
代表電話番号 042-300-2121
公式サイトURL https://www.wasedajg.ed.jp/

早稲田実業学校高等部の偏差値・難易度・併願校

早稲田実業学校高等部を目指す上で、その難易度を正確に理解しておくことは非常に重要です。偏差値という数字だけでなく、それが意味する競争の激しさや、どのような学校とよく比較されるのかを見ていきましょう。

偏差値は、各種の模擬試験や塾によって算出されていますが、一般的に「75」とされており、これは全国でもトップクラスの難易度を示します。東京都内にある約620校の高校の中ではトップ10に、全国約9,800校の中でも上位に位置づけられる、まさに最難関校の一つです。

この高い偏差値の背景には、卒業生のほとんどが早稲田大学へ進学できるという絶大な魅力があります。この「早稲田大学への切符」を求めて、全国から極めて優秀な受験生が集まるため、入学の門は非常に狭くなっています。特に女子の競争は熾烈を極め、一般入試の倍率が4倍を超えることもあるなど、男子よりもさらに高いレベルでの戦いになる傾向が見られます。合格のためには、中学校での内申点(通知表の成績)がほぼ満点に近いことに加え、入学試験本番で高得点を取ることが求められます。また、スポーツや文化活動での実績を評価する推薦入試も、出願資格を得ること自体が非常に難しいのが実情です。

このような厳しい競争環境から、早稲田実業学校高等部を受験する生徒たちは、同じく最難関レベルの高校を併願校として選ぶことが一般的です。

  • 男子の主な併願校例:早稲田大学高等学院、慶應義塾志木高等学校、筑波大学附属高等学校、市川高等学校など

  • 女子の主な併願校例:早稲田大学本庄高等学院、慶應義塾女子高等学校、青山学院高等部、中央大学附属高等学校、都立日比谷高等学校、横浜翠嵐高等学校など

これらの併願校リストを見ても、早稲田実業学校高等部が、全国のトップ校を目指す受験生たちの間で、いかに高い目標として位置づけられているかが分かります。

早稲田実業学校高等部に設置されている学科・コース

早稲田実業学校高等部では、将来の多様な進路を見据えつつ、まずは全員が同じ土台の上でしっかりと基礎学力を固めることを重視しています。そのため、学科は「普通科」の一つに統一されています。

  • 普通科:高校生活のスタートラインは、文系・理系の区別なく、全員が同じカリキュラムで学びます。1年生の間に幅広い教養と基礎学力を身につけ、自分の興味や適性を見極める期間となります。

    • どんな生徒におすすめか:特定の分野に絞る前に、まずはじっくりと自分の可能性を探りたい生徒や、文系・理系両方の基礎を固めたい生徒に最適です。

  • 文系・理系コース(2年生から):1年間の学びを経て、2年生からはそれぞれの希望進路に合わせて「文系コース」と「理系コース」に分かれます。これにより、より専門的な学習へとスムーズに移行することができます。

    • どんな生徒におすすめか:将来、早稲田大学の文系学部(政治経済学部、法学部、商学部など)や理系学部(理工3学部など)への進学を具体的に考えている生徒が、それぞれの目標に合わせた学びを深めることができます。

また、早稲田実業学校高等部ならではの特色として、その名の由来である「実業(=実践的な学問)」の精神を今に伝える選択科目が存在します。特に3年生の文系コースでは、以下のようなユニークな授業を選ぶことができます。

  • 選択初級会計学:商業学校としての伝統を受け継ぐ科目で、日商簿記検定の取得も視野に入れた実践的な内容です。将来、商学部や社会科学部でビジネスや経済を学びたい生徒にとって、大学での学びに直結する知識を得られる貴重な機会です。

  • 選択経済と法:経済学と法学の基本的な考え方を学ぶ科目です。社会の仕組みを多角的に理解したい生徒や、早稲田大学の文系最難関の2学部である政治経済学部、法学部を目指す生徒におすすめです。

早稲田実業学校高等部の特色・校風

早稲田実業学校高等部の文化を理解する上で欠かせないキーワードが、「去華就実(きょかしゅうじつ)」「文武両道(ぶんぶりょうどう)」「愚直(ぐちょく)」です。これらは、学校案内や式典で語られるだけでなく、生徒たちの日常生活や価値観に深く根付いています。「去華就実」は、見た目の華やかさよりも内面の実質を重んじる精神。「文武両道」は、学問と部活動の両方に全力で打ち込む姿勢。そして「愚直」は、要領の良さよりも、一つのことにひたむきに努力し続ける誠実さを表します。この独特の校風が、学校生活の様々な側面にどう表れているのか、口コミを基に詳しく見ていきましょう。

  • 宿題の量は多いか少ないか

    普段の授業で出される宿題の量は標準的という声が多いですが、夏休みなどの長期休暇には「ものすごい量」の課題が出されることがあるようです。休み明けにはテストが実施されることもあり、大学受験がない環境でも、継続的な学習習慣が自然と身につく仕組みになっています。

  • 校則は厳しいか緩やかか(スマホ、服装など)

    校則については「厳しい」という意見が目立ちます。これは「去華就実」の精神の表れであり、学校が内面の成長を重視していることの裏返しとも言えます。

    • 服装・頭髪:男子は伝統的な学ラン、女子は早稲田カラーの赤がアクセントのブレザーです。制服の着崩しや、染髪、化粧などは厳しく指導される傾向にあります。特に女子生徒に対しては、髪が長ければ結ぶといった規定があり、厳しいと感じる生徒もいるようです。

    • スマホ:校内での使用ルールはありますが、授業中の使用など、学習の妨げになると判断された場合は厳しく対応されるようです。これも、目の前の学びに集中することを重んじる学校の方針が反映されています。

      この校風が合うかどうかは、受験生にとって重要な判断材料の一つになるでしょう。

  • 生徒たちの雰囲気(真面目、活発など)

    生徒の雰囲気は、「真面目で落ち着いている」という側面と、「エネルギッシュで活発」という二つの側面を併せ持っています。大学受験がない分、生徒たちはそのエネルギーを部活動や学校行事に全力で注ぎ込みます。そのため、学校全体が熱気に満ちあふれる瞬間が数多くあります。一方で、日々の学習や将来の学部選択に向けて真摯に取り組む「地味だが真面目な人が多い」という評価もあります。初等部や中等部からの内部進学者と高等部からの入学者との間に壁を感じるという声は少なく、お互いを尊重し合う文化が根付いているようです。

  • アルバイトは可能か

    アルバイトは原則として禁止されています。ただし、家庭の事情など、やむを得ない理由がある場合は、学校に申請し許可を得ることで可能になることもあるようです。基本的には学業と学校活動に専念することが期待されています。

  • 制服の評判はどうか

    男子の伝統的な学ランは、今では珍しくなったこともあり、誇りを感じる生徒が多いようです。女子の制服も、一目で早稲田実業とわかるデザインで人気があります。全体的に、伝統と品格を感じさせる制服として、好意的に受け止められています。

  • 土曜授業はあるか

    はい、週6日制を採用しており、土曜日も授業があります。ただし、水曜日と土曜日は4時限までの短縮授業となっており、午後の時間を部活動や自主的な学習に充てられるよう配慮されています。これは、まさに「文武両道」を実践するための時間割と言えるでしょう。

早稲田実業学校高等部の部活動・イベント

早稲田実業学校高等部での3年間を語る上で、部活動と学校行事は欠かすことのできない中心的な要素です。大学受験勉強に追われることなく、生徒たちは有り余るエネルギーをこれらの活動に注ぎ込み、かけがえのない経験と仲間との絆を育んでいます。

部活動

高等部生徒の約95%が何らかの部に所属しており、その活動は非常に活発です。大学受験がないからこそ、3年間一つのことに打ち込める環境が、多くの部を全国レベルへと押し上げています。また、学校側もその活動を強力にサポートしており、スポーツ選手の怪我の予防や対応を専門とする米国公認アスレティックトレーナーが常駐している点は、他の高校ではめったに見られない大きな特長です。

  • 運動部

    • 硬式野球部:言わずと知れた全国屈指の名門。甲子園への出場は春21回、夏29回を数え、王貞治氏や斎藤佑樹氏など数々のスター選手を輩出してきました。八王子市にある「王貞治記念グラウンド」という専用球場で、日々厳しい練習に励んでいます。

    • サッカー部:野球部と並ぶ強豪で、全国高校サッカー選手権大会への出場経験もあり、Jリーガーも輩出しています。高いレベルでのプレーを目指す生徒が集まっています。

    • 山岳部:インターハイ常連の強豪です。夏や春の合宿では北アルプスなどの3000m級の山々に挑戦し、自然の中で心身を鍛えています。

    • 弓道部:部員のほとんどが高校から弓道を始めますが、熱心な指導のもとで実力をつけ、関東大会やインターハイに出場する選手もいます。早稲田大学弓道部OB・OGからの指導も受けられる恵まれた環境です。

  • 文化部

    • 商業経済部:「実業」学校の伝統を色濃く受け継ぐユニークな部活動です。公認会計士など外部の専門家から直接指導を受け、日商簿記検定の合格を目指します。学年を超えて教え合う文化があり、実践的な経済感覚を養うことができます。

    • 吹奏楽部:文化部の中でも最大級の部員数を誇る伝統ある部です。コンクールでの受賞はもちろん、野球応援や定期演奏会など、活躍の場は多岐にわたります。

    • その他:少林寺拳法部、ボート同好会、茶道同好会、鉄道研究同好会など、専門的で珍しい部活動や同好会も数多くあり、生徒一人ひとりの興味関心に応える多様な選択肢が用意されています。

イベント

生徒たちが主体となって創り上げる学校行事は、早稲田実業のもう一つの顔です。その熱気と一体感は、多くの生徒にとって最高の思い出となっています。

  • いなほ祭(文化祭):毎年10月に2日間にわたって開催される文化祭は、学校が一年で最も盛り上がるイベントの一つです。2023年度は「萌華(ほうか)」というテーマを掲げ、コロナ禍を乗り越えて新しい文化祭を創り上げたいという生徒たちの強い想いが込められました。各クラスや部活動による趣向を凝らした展示や模擬店、研究発表、ステージパフォーマンスなどが繰り広げられ、校内は来場者で溢れかえります。その企画力とホスピタリティは非常に高く評価されています。

  • 体育祭:文化祭と同じく10月に行われる体育祭は、クラス対抗で優勝を争う熱い一日です。男子校時代から続く伝統の「騎馬戦」や、体育祭の華であるクラス対抗リレーでは、クラスの団結力が試されます。応援にも熱が入り、クラブ対抗リレーの前には円陣を組んで早稲田の応援歌「紺碧の空」を熱唱するなど、学校全体が一体となる光景は圧巻です。

  • 修学旅行(校外教室):早稲田実業には、一般的な観光を主とする「修学旅行」はありません。その代わりに行われるのが、学習を目的とした「校外教室」です。これは「実物を見て学ぶ」ことを重視する学校の伝統の表れで、生徒たちは事前にテーマ(産業、歴史、文化など)を設定して研究し、現地で専門家への取材などを行うフィールドワークを実施します。近年では、沖縄での民泊体験や、四国での体験学習など、学びと体験が融合したプログラムが組まれており、単なる旅行では得られない深い学びと経験を得ることができます。

早稲田実業学校高等部の進学実績

早稲田実業学校高等部を選ぶ最大の理由、それは早稲田大学への進学です。ここでは、その圧倒的な進学実績と、希望の学部へ進むための仕組みについて詳しく解説します。

卒業生の進路の最大の特徴は、希望者のうち実に97%以上が早稲田大学へ推薦で進学していることです。大学受験のための勉強に時間を費やすことなく、高校3年間を部活動や探究学習など、自分の興味がある分野に存分に打ち込めるのは、系属校ならではの最大のメリットと言えるでしょう。

しかし、「早稲田大学へ進学できる」ことと「希望の学部に進学できる」ことはイコールではありません。入学後、本当の競争が始まります。どの学部に進学できるかは、高校3年間の成績によって決まるため、生徒たちは内部で厳しい成績争いを繰り広げることになります。具体的には、3年間の各科目の評定(主に定期テストの点数で決まる)と、在学中に2回実施される学力テストの成績などを合算した点数で順位が決まり、上位の生徒から順に希望の学部を選択していく仕組みです。

特に、看板学部である政治経済学部や法学部といった人気学部への進学を希望する場合、常に学年でトップクラスの成績を維持し続ける必要があります。つまり、入学時の試験がゴールではなく、高校3年間を通じた継続的な努力こそが、真の「受験」と言えるのです。

以下は、近年の早稲田大学への学部別推薦者数の一例です。年度によって多少の変動はありますが、どの学部にどれくらいの枠があり、人気が集中しているかの目安になります。

2024年度卒業生 早稲田大学学部別推薦者数

学部名 推薦者数
政治経済学部 65名
法学部 33名
文化構想学部 25名
文学部 20名
教育学部 41名
商学部 55名
基幹理工学部 30名
創造理工学部 22名
先進理工学部 18名
社会科学部 50名
人間科学部 1名
スポーツ科学部 2名
国際教養学部 11名

一方で、早稲田大学以外の進路を選ぶ生徒も少数ながら存在します。特に、早稲田大学にはない医学部を目指す生徒のために、日本医科大学への指定校推薦枠が毎年2〜3名用意されています。この枠をめぐる競争は、校内でも最も熾烈なものとなります。その他、自らの意志で東京大学などの国公立大学や他大学の医学部に挑戦し、合格を勝ち取る生徒もいます。

このような進路選択をサポートするため、高校3年生の1月からは、進学予定の学部に分かれて大学の教授や高校の教員による「高3特別授業」が実施されます。大学レベルの専門的な授業をいち早く受けることで、高校から大学への学びをスムーズに接続させるための手厚いサポート体制が整っています。

早稲田実業学校高等部の特長・アピールポイント

早稲田実業学校高等部には、他の高校にはない数多くのユニークな魅力があります。ここでは、その中でも特に際立った特長を6つのポイントに絞ってご紹介します。これらはすべて、学校の理念や早稲田大学との強いつながりから生まれています。

  • 圧倒的な早稲田大学への進学実績

    最大の魅力は、やはり卒業生の97%以上が早稲田大学へ進学できるという点です。これにより、生徒は大学受験のプレッシャーから解放され、目先の点数稼ぎではない、本質的な学びや人間的な成長に3年間を捧げることができます。

  • 大学レベルの学びを先取りする高大連携プログラム

    単に大学に進学できるだけでなく、高校在学中から大学の学びに触れられる機会が豊富に用意されています。早稲田大学の教授による模擬講義や学部説明会はもちろん、「高校生特別聴講制度」を利用すれば、大学生に混じって正規の授業を受け、大学の単位を先取りすることも可能です。

  • 「探究」を核とした独自のカリキュラム

    「総合的な探究の時間」が教育の核に据えられています。生徒たちは「食堂メニューを創ろう」といった身近なテーマから、少人数ゼミ形式の「早実セミナー」での専門的な研究まで、主体的に課題を発見し、協働して解決策を探る活動に取り組みます。これにより、知識だけでなく、思考力や表現力といった真の学力が養われます。

  • 全国レベルで活躍する文武両道の部活動

    「文武両道」は単なる目標ではなく、学校全体で実践されています。大学受験がないため、生徒は3年間部活動に全力で打ち込むことができ、野球部やサッカー部、山岳部など数多くの部が全国大会で輝かしい実績を上げています。学校側も、専門のアスレティックトレーナーを配置するなど、その活動を強力に後押ししています。

  • 充実した最新の教育環境と施設

    国分寺の広大で美しいキャンパスは、生徒たちの学びと活動を支える最新の設備で満たされています。全教室にWi-Fiと電子黒板が完備され、約7万冊の蔵書を誇る2階建ての図書館、人工芝のグラウンド、ゴルフ練習場まで備わっています。この恵まれた環境が、生徒の可能性を最大限に引き出します。

  • 「去華就実」の校是に根差した人間教育

    創立以来の校是「去華就実(外見の華やかさより、内面の実質を重んじる)」の精神が、教育のあらゆる場面に息づいています。厳しい校則や質実剛健な校風は、この理念の表れです。学校は、困難に立ち向かう「タフなリーダー」の育成を目指し、目先の成功だけでなく、社会に貢献できる人間の育成を重視しています。

早稲田実業学校高等部の口コミ・評判のまとめ

早稲田実業学校高等部に関する口コミは、非常に多岐にわたります。ある人にとっては「最高の学校」でも、別の人にとっては「合わなかった」と感じることもあります。この違いは、学校が持つ「去華就実」という明確で強い哲学に、生徒一人ひとりの価値観がどう共鳴するかによって生まれるようです。ここでは、在校生や卒業生から寄せられた様々な声を、良い点と気になる点に分けて公平にご紹介します。

良い点

  • 最高の仲間と青春を謳歌できる

    「良き仲間や良き師に恵まれ、かけがえのない青春時代を送れる」「部活に力を入れていて青春できる」といった声が非常に多く聞かれます。大学受験がない分、クラスや部活動の仲間と深い絆を育み、学校行事に全力で打ち込める環境は、多くの生徒にとって最高の魅力となっているようです。

  • 先生方のサポートが手厚い

    「先生も親切で生徒思いの方ばかり」「分からないことがあれば真摯に向き合ってくれる」など、教員の熱心さやサポート体制を評価する声も多数あります。生徒一人ひとりと向き合い、成長を後押ししてくれる存在がいることは、大きな安心材料です。

  • 施設が綺麗で充実している

    「校舎も綺麗で校庭も広く、設備も整った良い学校」「体育館までもが冷暖房完備」など、学習環境の素晴らしさは、ほぼすべての口コミで共通して高く評価されています。最新のICT設備も整っており、快適な環境で学ぶことができます。

  • 大学受験がないからこそ、好きなことに打ち込める

    「勉強なんか気にせず部活に打ち込み、なおかつ早稲田大学にも進学できるのが強み」という声に代表されるように、受験勉強から解放されることで、自分の本当に好きなことや興味のある分野に時間と情熱を注げる点を、最大のメリットとして挙げる生徒は少なくありません。

  • 早稲田大学への進学という絶対的な安心感

    「多くの生徒が、そのまま早稲田大学に行けるのが最大の魅力」「真面目にやっていれば早稲田大学に進める」という点は、生徒や保護者にとって何物にも代えがたい安心感につながっています。

気になる点

  • 校則が厳しいと感じる声も

    「校則が厳しすぎる」「女子の校則が厳しすぎる感じがする」といった意見は、特に服装や頭髪に関する規定について多く見られます。学校の「去華就実」という理念を窮屈に感じてしまう生徒もいるようです。「校則に縛られたい人!カモーン」という皮肉めいた声も見られます。

  • 内部進学のための成績競争が大変

    「大学への進路は成績順」であるため、3年間の成績競争は常にプレッシャーとなります。特に人気学部を目指す生徒にとっては、定期テストや小テスト一つひとつが気の抜けない戦いとなります。テスト内容が「暗記や暗唱ばかり」で、思考力よりも暗記力が試されると感じる生徒もいるようです。

  • 授業の質に疑問を持つ意見

    少数ですが、「授業のレベル、先生の質が低い」「面白くないし生徒と先生ともに向上心がない」といった厳しい意見もあります。大学受験がない環境が、一部で授業の緊張感を緩ませていると感じる生徒がいるのかもしれません。

  • 高等部からの入学者と内部生との壁

    多くの生徒が「内部生と外部生で隔たりを感じるような事もほとんどない」と語る一方で、「内部生に媚びを打ったもん勝ち」「内部生との壁を覚悟して」といった、高入生が疎外感を感じる可能性を示唆する声も存在します。

  • 長期休暇の宿題が多い

    「長期休暇には、宿題がものすごい量でる」という点は、多くの生徒が挙げる注意点です。休み明けには試験もあり、のんびりと過ごせるわけではないようです。

アクセス・通学

早稲田実業学校高等部への通学は、都心や多摩地区、さらには近隣の県からもアクセスしやすい立地にあります。

  • 最寄り駅からのアクセス

    最も一般的なアクセス方法は、国分寺駅を利用するルートです。

    • JR中央線・西武国分寺線・西武多摩湖線「国分寺駅」北口から徒歩約7〜8分

    駅からの道のりは平坦で、多くの生徒がこのルートを利用しています。また、バスを利用する場合は、京王バスの「早稲田実業学校」バス停が学校のすぐ近くにあります。

  • 通学エリアの傾向

    早稲田実業学校高等部には、非常に広いエリアから生徒が通学しています。2024年度のデータによると、生徒の居住地の内訳は以下のようになっています。

    • 東京都:約74%(うち23区内が約42%、23区外が約32%)

    • 埼玉県:約12%

    • 神奈川県:約11%

    • 千葉県:約3%

    このデータからわかるように、東京都内、特に中央線沿線や多摩地区からの通学者が多い一方で、埼玉、神奈川、千葉といった隣接県からも、毎日1時間以上かけて通学している生徒が数多く在籍しています。これは、学校が持つ高い魅力が、通学時間の長さを補って余りあるものであることを示しています。

早稲田実業学校高等部受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで、早稲田実業学校高等部の様々な側面を見てきました。最後に、進学アドバイザーとして、この学校を目指す皆さんへ応援のメッセージとアドバイスを送ります。

早稲田実業学校高等部は、特に「目標に向かって、こつこつと努力を続けられる生徒」そして「勉強だけでなく、部活動や学校行事など、何かに夢中になって打ち込みたい情熱を持っている生徒」に強くおすすめします。大学受験という短期決戦ではなく、3年間という長いスパンで自分を磨き続ける覚悟と、学校の「去華就実」という伝統や文化を尊重できる姿勢があれば、これ以上ないほど充実した高校生活が待っているでしょう。

早稲田実業学校高等部の入学試験を突破するためには、英国数の3教科において、苦手科目を作らないことが絶対条件です。どの科目も高いレベルで出題されるため、基礎を完璧にした上で、応用問題に素早く正確に対応できる実践力を養う必要があります。過去問演習を繰り返し、時間配分を体に染み込ませることが合格への鍵となります。この学校への挑戦は、間違いなく厳しい道のりです。しかし、その先には、自らの手で未来を切り拓くための、無限の可能性に満ちた素晴らしい環境が広がっています。自分の力を信じ、ひたむきに努力を続けてください。心から応援しています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。