札幌北高等学校は、札幌市内、ひいては北海道全体でもトップクラスの進学実績を誇る、伝統ある公立高校です。札幌の受験生なら誰もが一度は耳にする「東西南北」と呼ばれるトップ4校の一角を占め、その高い学力レベルで知られています。
しかし、札幌北高等学校の魅力は、ただ勉強ができるというだけではありません。生徒たちが主体となって創り上げる熱気に満ちた学校行事、全国レベルで活躍する部活動、そして互いに高め合える仲間たちとの出会いが、ここにはあります。厳しい勉強の先にある、かけがえのない充実した3年間。それは、一生の宝物になるはずです。
この記事では、そんな札幌北高等学校がどんな場所なのか、皆さんが高校生活を具体的にイメージできるよう、詳しく、そして分かりやすく解説していきます。未来の自分の姿を想像しながら、ぜひ最後まで読んでみてください。
札幌北高等学校の基本情報
まずは、学校の基本的な情報を確認しておきましょう。進路を考える上で、所在地や連絡先は大切な情報です。
項目 | 内容 |
正式名称 | 北海道札幌北高等学校 |
公立/私立の別 | 公立 |
共学/男子校/女子校の別 | 男女共学 |
所在地 | 〒001-0025 北海道札幌市北区北25条西11丁目 |
代表電話番号 | 011-736-3191 |
公式サイトURL | http://www.sapporokita.hokkaido-c.ed.jp/ |
札幌北高等学校の偏差値・難易度・併願校
札幌北高等学校を目指す上で、最も気になるのが偏差値や難易度でしょう。ここでは、具体的な数字と、合格に向けて知っておくべきポイントを解説します。
偏差値・難易度
札幌北高等学校の偏差値は「71」から「72」とされており、北海道内の公立高校では札幌南高校に次ぐトップレベルの難易度です。全国的に見ても非常に高い水準であり、まさに最難関校の一つと言えます。
このレベルの高校に合格するためには、入試当日の学力試験の得点だけでなく、中学校での成績(内申点)が非常に重要になります。北海道の公立高校入試では、内申点をランク(Aランク〜Mランク)に分けて評価しますが、札幌北高等学校の合格者の多くはAランクまたはBランクの生徒です。
各種学習塾が公表しているデータによると、合格の目安となるラインは以下のようになっています。
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Aランク(内申点305点)の生徒で、当日点が410点〜420点前後
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Bランク(内申点285点)の生徒で、当日点が430点〜435点前後
これはあくまで目安ですが、内申ランクが一つ下がると、当日点で15点から20点ほど多く取る必要があることがわかります。この事実は、受験が中学3年生から始まるのではなく、中学1年生からの日々の授業態度や定期テストへの取り組みがいかに大切かを示しています。札幌北高等学校を目指すのであれば、早い段階から高い内申点を確保しておくことが、合格への大きなアドバンテージになるのです。
同じくらいの偏差値の高校としては、同じく札幌のトップ校である札幌西高等学校(偏差値72)、札幌南高等学校(偏差値74)、札幌東高等学校(偏差値70)などが挙げられます。
主な併願校
北海道の公立高校入試では、公立高校同士の併願はできません。そのため、札幌北高等学校を受験する生徒は、万が一の場合に備えて、学力レベルの高い私立高校を併願先に選ぶのが一般的です。
主な併願校としては、以下のような高校の特進コースが選ばれています。
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札幌光星高等学校(ステラコース、マリスコース)
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札幌第一高等学校(文理選抜コース、文理北進コース)
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札幌日本大学高等学校(プレミアSコース)
これらのコースは、私立高校の中でも特に大学進学に力を入れているため、札幌北高等学校の受験生にとって、目標や学力レベルに合った選択肢となっています。併願校選びは、自分の学力を維持し、安心して公立入試に臨むための重要な戦略の一つです。
札幌北高等学校に設置されている学科・コース
札幌北高等学校は、その教育資源を一つのコースに集中させることで、質の高い教育を実現しています。
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普通科
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どんなことを学ぶ場所か:国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、5教科を中心に幅広く、そして深く学ぶコースです。特定の分野に偏らず、高いレベルの基礎学力を徹底的に身につけることができます。
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どんな生徒におすすめか:将来、難関大学に進学したいという強い意志を持っている生徒や、まだ具体的な夢は決まっていないけれど、大学進学の可能性を最大限に広げておきたいと考えている生徒におすすめです。
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札幌北高等学校には専門学科がありませんが、後述する独自の探究学習「SPARK」などを通じて、生徒一人ひとりが自分の興味や関心を深く掘り下げることが可能です。これは、単に知識を詰め込むだけでなく、大学での研究や社会で必要とされる「自ら問いを立て、解決する力」を育むことを重視している学校の姿勢の表れと言えるでしょう。
札幌北高等学校の特色・校風
キーワード:文武両道、自主自律、自由闊達、伝統と革新
札幌北高等学校の校風を最もよく表しているのが「自主自律」という言葉です。生徒たちは高い目標を持ち、自らを律して勉学に励む一方で、学校行事や部活動には全力で打ち込みます。まさに「文武両道」を地で行く学校です。
勉強・宿題について
学習環境は非常にハイレベルです。授業は1コマ65分授業が1日5コマという形式で、じっくりと考える時間を確保しています。日々の小テストや課題も多く、予習・復習は欠かせません。また、希望者向けに土曜講習も開かれており、学習意欲の高い生徒をサポートする体制が整っています。口コミでは「勉強はかなり大変」という声がある一方で、「周りも頑張っているから自分も頑張れる」「嫌でも勉強する習慣がつく」といったポジティブな意見が多く見られます。
校則について
生徒手帳には、服装や髪型に関する細かい規定が記載されています。例えば、男子は標準型学生服、女子は伝統のセーラー服と定められ、頭髪の染色やパーマ、ピアスの着用は禁止されています。
しかし、在校生や卒業生の口コミを見ると、実際の運用は生徒の自主性に任されている部分が大きいようです。「校則はあってないようなもの」という声もあるほどで、常識の範囲内であれば、細かく注意されることは少ないようです。この公式なルールと実際の運用の間の「ギャップ」は、学校が生徒を信頼し、高いレベルでの自己管理能力を求めていることの証です。この成熟した環境は、高校から大学へとステップアップしていく生徒たちにとって、良いトレーニングの場となっています。
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スマートフォンの扱い:授業中はもちろん禁止ですが、休み時間中の使用は認められています。調べ物などで授業中に使用を許可する先生もいるようです。
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アルバイト:原則として許可制ですが、実際にアルバイトをしている生徒はほとんどいないようです。学業や部活動で忙しいというのが実情でしょう。
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制服の評判:男子の学ラン、女子のセーラー服ともに伝統的なデザインで、特に女子のセーラー服は「かわいい」と非常に人気があります。元AKB48の渡辺麻友さんのPVで北海道代表として紹介されたこともあり、この制服に憧れて札幌北高校を目指す受験生もいるほどです。
生徒の雰囲気
生徒たちは真面目で落ち着いており、学習意欲が非常に高いのが特徴です。何よりも特筆すべきは、「いじめがほとんどない」という口コミが圧倒的に多いことです。互いを尊重し、高め合おうという意識が学校全体に根付いているため、生徒は安心して勉強や部活動に集中できます。普段は物静かな生徒も、活発な生徒も、それぞれの個性を大切にしながら過ごせる居心地の良い環境が整っています。
札幌北高等学校の部活動・イベント
勉強だけが北高生活ではありません。ここでは、充実した部活動と、学校全体が熱狂するイベントについて紹介します。
部活動
札幌北高等学校は部活動が非常に盛んで、加入率も高いと言われています。運動部、文化部ともに数多くの部が設置されており、選択肢が豊富なのが魅力です。
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特に有名な部活動:文化部の活躍が目覚ましく、特に吹奏楽部、合唱部、放送局、書道部は、毎年のように全国大会に出場する強豪として知られています。これらの部活動は、高いレベルで自分の技術や表現力を磨きたい生徒にとって、最高の環境と言えるでしょう。
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珍しい部活動:一般的な高校ではあまり見かけない、ユニークな部活動も存在します。山歩きを通じて自然と親しむ「ワンダーフォーゲル部」、宇宙や地球の謎に迫る「地球惑星科学部」、日本の伝統文化に触れる「競技かるた部」など、自分の興味をとことん追求できる場が用意されています。
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運動部の様子:文化部の実績が目立ちますが、運動部も活気にあふれています。硬式野球部、サッカー部、男女テニス部、バドミントン部など、多くの部が日々熱心に練習に励んでいます。
イベント
札幌北高等学校の学校行事は、生徒たちが企画・運営の中心を担い、その熱量は他校の追随を許しません。
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北高祭(7月上旬):1年で最も盛り上がる学校祭です。その中心となるのが、3つの大きなプロジェクトです。
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行灯行列(あんどんぎょうれつ):北高祭の代名詞とも言える伝統行事。各クラスが約1ヶ月かけて、テーマに沿った巨大な紙製の「行灯」を制作し、それを担いで札幌市内の夜の街を練り歩きます。そのデザインの精巧さと迫力は圧巻で、これを見るために多くの市民が集まります。
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全校行事(ぜんこうぎょうじ):クラスごとに演劇やミュージカルなどのステージ発表を行います。脚本から大道具、衣装まで全て生徒たちの手作りで、プロ顔負けのパフォーマンスが繰り広げられます。
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学級プロジェクト(がっきゅうぷろじぇくと):各教室がお化け屋敷や縁日、カフェなどに変身します。クラスの個性が光る企画で、校内は終日活気に満ち溢れます。
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体育祭(夏季・冬季):夏と冬の年2回開催されます。クラス対抗でバレーボールやバスケットボールなどの種目を競い、オリジナルのクラスTシャツを着て一体となって盛り上がります。
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見学旅行(10月〜11月):2年生の秋には、4泊5日で関西方面(京都・奈良など)を訪れます。班別自主研修やクラス別研修など、生徒自身が計画を立てる場面が多く、日本の歴史文化に触れるだけでなく、自主性や協調性を育む貴重な機会となっています。
これらの行事は単なる「お楽しみ」ではなく、企画力、協調性、問題解決能力といった、社会で生きる上で不可欠な力を育むための、重要な教育活動として位置づけられています。
札幌北高等学校の進学実績
札幌北高等学校がトップ進学校たる所以は、その圧倒的な大学進学実績にあります。ここでは最新のデータをもとに、その実力を詳しく見ていきましょう。
2025年度入試(令和7年度卒業生)では、国公立大学に251名(うち現役197名)という驚異的な合格者数を記録しました。特に、北海道大学や旧帝国大学を含む難関国立大学への進学者が多いのが特徴です。
国公立大学(主な大学と合格者数)
以下は、2025年度入試における主な難関国立大学の合格者数です。()内は現役合格者数を示します。
大学名 | 合格者数(現役) |
北海道大学 | 97名 (82名) |
東北大学 | 15名 (13名) |
京都大学 | 13名 (12名) |
大阪大学 | 12名 (11名) |
東京大学 | 3名 (2名) |
神戸大学 | 8名 (6名) |
九州大学 | 4名 (3名) |
一橋大学 | 3名 (1名) |
国公立大学医学部合計 | 26名 (18名) |
地元の北海道大学には毎年100名前後の合格者を輩出しており、道内トップクラスの実績を誇ります。また、医学部への合格者が多いことも、理系教育の水準の高さを示しています。
難関私立大学など
国公立大学だけでなく、首都圏の難関私立大学にも多くの合格者を出しています。主な進学先としては、明治大学、東京理科大学などが挙げられます。また、道内の私立大学では、北海道科学大学や北海学園大学への進学者も多くなっています。
これらの輝かしい実績は、質の高い授業や手厚い講習体制はもちろんのこと、後述する探究学習「SPARK」などを通じて、大学が求める思考力や表現力を3年間かけてじっくりと育成している成果と言えるでしょう。
札幌北高等学校の特長・アピールポイント
他の高校にはない、札幌北高等学校ならではの強みや魅力をまとめました。
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圧倒的な大学進学実績
北海道大学をはじめとする難関国公立大学へ、毎年道内トップクラスの合格者を輩出しています。質の高い教育と手厚いサポート体制が、生徒の夢を実現へと導きます。
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独自の探究学習「SPARK」
全校を挙げて取り組む探究学習プログラムです。生徒は自ら課題を設定し、情報の収集・分析、発表を行います。この活動を通じて、大学での学問や社会で必要となる主体的な学びの姿勢と論理的思考力を養います。
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生徒が主役の熱い学校行事
名物の「行灯行列」を擁する北高祭は、生徒たちの情熱と創造性が爆発する一大イベントです。仲間と協力して何かを成し遂げる達成感は、一生の思い出になります。
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道内トップクラスの充実した施設
数年前に新しくなった校舎は近代的で美しく、快適な学習環境を提供します。特に図書館の蔵書数や規模は道内有数と言われており、知的好奇心を満たすには最高の場所です。
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「かわいい」と評判の伝統の制服
女子のセーラー服は、その伝統的で清楚なデザインから人気が高く、学校の象徴の一つとなっています。この制服への憧れが、志望動機になる生徒も少なくありません。
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自主自律を重んじる自由な校風
厳しい校則で縛るのではなく、生徒一人ひとりの自主性を尊重する校風です。自由と責任のバランスを学びながら、大人へと成長できる環境が整っています。
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安全で落ち着いた学習環境
生徒間のいじめやトラブルが極めて少ないという点は、多くの在校生や保護者が挙げる大きな魅力です。互いを尊重する文化が根付いており、誰もが安心して学校生活を送ることができます。
札幌北高等学校の口コミ・評判のまとめ
ここでは、在校生や卒業生から寄せられたリアルな声を、良い点と気になる点に分けて公平に紹介します。
良い点
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「勉強に集中できる環境が整っている」
周りの生徒の学習意欲が非常に高いため、自然と勉強する習慣が身につくという声が多数あります。先生方も熱心で、質問にも丁寧に対応してくれるようです。
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「行事が本当に楽しく、クラスの団結力が強い」
特に北高祭は、準備期間も含めて最高の思い出になるという意見が圧倒的です。クラス一丸となって目標に取り組む経験を通じて、強い絆が生まれます。
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「いじめが全くなく、安心して通える」
これは札幌北高等学校の最も素晴らしい点の一つかもしれません。互いの個性を尊重する穏やかな雰囲気があり、人間関係の悩みなく過ごせるという声が多く聞かれます。
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「制服が可愛くて、校舎も綺麗」
伝統あるセーラー服や近代的な校舎は、日々の学校生活のモチベーションにつながる大切な要素のようです。
気になる点
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「先生の質に当たり外れがある」
非常に熱心で分かりやすい先生がいる一方で、授業の進め方や進路指導の方針が合わないと感じる生徒もいるようです。これはどの学校にも言えることですが、合わない場合は塾や参考書で自ら補う努力が必要になります。
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「課題や小テストが多く、勉強はかなり大変」
トップレベルの学力を維持するため、学習のペースは速く、量も多いです。自主的に学習計画を立てて進められないと、ついていくのが大変だと感じる可能性があります。
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「国公立大学への進学を強く勧められる傾向がある」
学校全体として国公立大学、特に北海道大学への進学を重視する雰囲気があるため、私立大学を第一志望とする生徒は、少し肩身の狭い思いをすることがあるかもしれません。
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「体育館など一部の施設は古い」
校舎は新しいですが、第一体育館など、一部の施設には古さが感じられるという意見もあります。
これらの口コミは、札幌北高等学校が「高いレベルのインプットを求め、高いレベルのアウトプットを出す」学校であることを示しています。自分自身が、このような環境で成長したいと思えるかどうか、じっくり考えてみることが大切です。
アクセス・通学
札幌北高等学校は、複数の公共交通機関が利用でき、アクセスしやすい場所にあります。
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最寄り駅
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地下鉄南北線「北24条駅」下車、徒歩約10分
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JR札沼線(学園都市線)「新川駅」下車、徒歩約10分
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最寄りバス停
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「北高校前」や「北24条西13丁目」などのバス停も近くにあり、バスでの通学も便利です。
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札幌市内全域はもちろん、石狩市、江別市、北広島市といった札幌近郊の市町村から通学している生徒も多く、その人気の高さがうかがえます。
札幌北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
ここまで読んでくれて、札幌北高等学校への気持ちがさらに高まった人も多いのではないでしょうか。最後に、皆さんへの応援の気持ちを込めて、アドバイスを送ります。
札幌北高等学校は、「高いレベルで勉強も学校行事も全力で楽しみたい!」という人に特におすすめの学校です。周りのレベルの高さに刺激を受けながら自分を成長させたい、自主性を重んじる環境で高校生活を送りたい、そして何より、一生忘れられない熱い3年間を過ごしたいと願う君に、最高の場所となるでしょう。
合格を勝ち取るためには、まず中学1、2年生のうちから内申点を意識してください。Aランク、最低でもBランクを確保することが、受験を有利に進めるための鍵となります。そして入試本番に向けては、応用問題に対応できる確かな基礎力を築くことが不可欠です。難しい問題に挑戦するだけでなく、教科書の隅々まで完璧に理解することを心がけましょう。札幌北高等学校への道は決して平坦ではありませんが、その先には、努力に見合うだけの素晴らしい経験と、かけがえのない仲間たちが待っています。夢に向かって、頑張ってください!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。