東京都立大島高等学校は、伊豆大島の豊かな自然に抱かれた、個性あふれる都立高校です。東京から高速船で約1時間45分、そこには都会の喧騒とは無縁の、のびのびとした学習環境が広がっています。普通科に加えて、島の産業を支える専門的な知識や技術を学べる農林科・家政科が設置されているのが、東京都立大島高等学校の大きな魅力です。

広大な敷地を誇るキャンパスからは、海越しに富士山や伊豆半島を望むことができ、四季折々の美しい景色が日々の学校生活を彩ります。地域とのつながりを大切にしており、島の伝統文化を学ぶ機会や、自然を活かした体験活動が豊富に用意されています。

この記事では、そんな東京都立大島高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。本土の高校とはひと味違った魅力あふれる「島での高校生活」に、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

東京都立大島高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 東京都立大島高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒100-0101 東京都大島町元町字八重の水127
代表電話番号 04992-2-1431
公式サイト https://www.metro.ed.jp/oshima-h/

東京都立大島高等学校の偏差値・難易度・併願校

東京都立大島高等学校は、学科によって偏差値が異なりますが、入学しやすいレベルと言えるでしょう。しかし、専門学科ではっきりとした目的意識を持っている生徒が集まるため、入学後の学習意欲が大切になります。

  • 普通科:39

  • 農林科・家政科:38

同じくらいの偏差値の高校としては、大森高等学校(普通科)や田無工科高等学校(建築科)、瑞穂農芸高等学校(園芸科学科)などが挙げられます。 合格に必要な内申点の目安は、9教科でオール2に3がいくつかある程度、いわゆる「素内申」で22〜24前後がひとつの目安となりそうです。

東京都立大島高等学校を第一志望とする場合、都内の私立高校を併願することが一般的です。具体的な併願校としては、本人の学力や希望進路によって様々ですが、同じような専門学科を持つ学校や、面倒見の良さを特色とする学校が選ばれる傾向にあります。

東京都立大島高等学校に設置されている学科・コース

東京都立大島高等学校には、全部で3つの学科が設置されており、それぞれの興味や将来の夢に合わせて専門的な学びを深めることができます。

  • 普通科

    • どんなことを学ぶ場所?:国語、数学、英語といった普通教科を中心に、幅広い知識を身につけます。2年生からは文系・理系に分かれ、多様な選択科目で一人ひとりの進路希望に対応します。

    • どんな生徒におすすめ?:大学進学や専門学校進学など、幅広い進路を考えている人。まだ将来の夢がはっきり決まっていないけれど、高校で色々な可能性を探したい人におすすめです。

  • 農林科

    • どんなことを学ぶ場所?:野菜や草花の栽培、森林の管理、動物の飼育など、農業や環境に関する専門的な知識と技術を、実習を通して学びます。 島の特産品である椿の栽培についても深く学ぶことができます。

    • どんな生徒におすすめ?:自然や生き物が好きな人、体を動かすことが好きな人。将来、農業や環境、食品に関わる仕事に就きたいと考えている人におすすめです。

  • 家政科

    • どんなことを学ぶ場所?:調理、被服、保育、介護、福祉など、生活に密着した分野を専門的に学びます。 生徒が考案したお弁当を製造・販売するなど、実践的な学習も豊富です。

    • どんな生徒におすすめ?:料理やお菓子作り、ファッション、子どもと関わることなどが好きな人。将来、調理師、保育士、介護福祉士など、人の生活を支える仕事に興味がある人におすすめです。

東京都立大島高等学校の特色・校風

東京都立大島高等学校は、「自然豊か」「アットホーム」「地域密착」といったキーワードで表現できる校風です。

在校生や卒業生の口コミを見ると、以下のような点が挙げられています。

  • 宿題の量:多くはないという意見が多いようです。自分のペースで学習を進めやすい環境と言えるでしょう。

  • 校則:比較的自由な雰囲気のようですが、頭髪などについては指導が入ることもあるようです。最近は、生徒会を中心に校則を見直す動きも活発に行われています。

  • 生徒たちの雰囲気:全校生徒の人数が少ないため、学年を超えて生徒同士の仲が良いようです。 先生との距離も近く、親身に相談に乗ってくれるという声が多く聞かれます。

  • アルバイト:原則として禁止されていますが、特別な事情がある場合は許可されることもあるようです。

  • 制服:男子は黒の学ラン、女子はブレザーです。 全日制は制服がありますが、定時制にはありません。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

東京都立大島高等学校の部活動・イベント

部活動

東京都立大島高等学校は、部活動への加入率が90%を超えており、多くの生徒が熱心に活動しています。 離島という環境のため、本土の高校との練習試合などは限られますが、その分、部員同士の絆が深まりやすいようです。

  • 運動部:野球部、女子バレーボール部、サッカー部、陸上競技部、硬式テニス部、ダンス部などがあります。 野球部は地域の方々からの応援も厚く、充実した環境で練習に励んでいます。 女子バレーボール部は都大会ベスト32を目標に掲げて活動しています。

  • 文化部:吹奏楽部、美術部、茶道部などの他に、大島ならではの「和太鼓部」があります。 地域のイベントやお祭りで演奏を披露する機会も多く、迫力あるパフォーマンスが人気です。

イベント

東京都立大島高等学校では、島の自然や文化を活かしたユニークなイベントが数多く開催されます。

  • 学校祭:クラスや部活動、有志団体によるパフォーマンスや展示、模擬店などで大変盛り上がります。

  • 郷土芸能祭:大島の7つの地域に伝わる伝統的な踊りや太鼓を、地域の方々から直接教わり、全校生徒で発表する一大イベントです。 この行事を通して、郷土への愛着と理解を深めます。

  • 三原山登山:伊豆大島のシンボルである三原山に登り、火山の地形や島の成り立ちについて学びます。

  • 修学旅行:行き先は年によって異なりますが、5泊6日の日程で仲間との絆を深めます。

東京都立大島高等学校の進学実績

東京都立大島高等学校では、少人数教育の強みを活かし、一人ひとりの希望進路の実現に向けた手厚いサポートが行われています。

  • 国公立大学:例年、若干名の合格者が出ています。

  • 難関私立大学:GMARCHレベルの大学への合格実績もあります。

  • その他:日本大学、東洋大学、駒澤大学、国士舘大学などへの進学者が多い傾向にあります。 また、農業や家政の専門知識を活かして、東京農業大学や東京家政大学などへ進学する生徒もいます。

  • 専門学校・就職:専門学校への進学や、島内・島外への就職など、進路は多岐にわたります。公務員になる卒業生もいます。

進路指導としては、早い段階からのキャリア教育に力を入れています。 資格取得や各種検定の受験も奨励されており、多くの生徒が挑戦しています。

東京都立大島高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、東京都立大島高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをご紹介します。

  • 島の自然をまるごと学ぶフィールド:都立高校屈指の広大な敷地を持ち、キャンパスから富士山を一望できます。 三原山での学習や海洋体験など、雄大な自然すべてが学びの舞台です。

  • 専門性を深める3つの学科:普通科に加え、島の産業に直結した農林科・家政科があり、高校生のうちから専門的な知識と技術を実践的に学べます。

  • 地域との深いつながり:「郷土芸能祭」や地域の清掃活動「ビーチクリーン」など、島の人々と交流し、共に活動する機会が豊富にあります。

  • 海外との国際交流:ハワイ島のヒロ高校と姉妹校提携を結んでおり、オンライン交流などを通して異文化理解を深めています。 将来的にはハワイ島への訪問も目標にしています。

  • 島外からの生徒受け入れ(島留学):都内に在住する生徒を対象とした島留学制度があります。 新設された学生寮「星海寮」で生活しながら、大島ならではの高校生活を送ることができます。

  • アットホームな教育環境:生徒数が少ないため、先生と生徒の距離が非常に近く、一人ひとりに行き届いたきめ細やかな指導が受けられます。

  • 独自の探究学習プログラム「さくらプロジェクト」:「総合的な探究の時間」で、伊豆大島を代表するオオシマザクラをテーマに、3年間を通して植樹までの過程を体験的に学びます。

東京都立大島高等学校の口コミ・評判のまとめ

東京都立大島高等学校には、在校生や卒業生から様々な声が寄せられています。

  • 良い点:

    • 「先生たちがフレンドリーで話しやすい」「先生の対応がものすごく良い」といった、教員のサポートの手厚さを評価する声が多数あります。

    • 「学年関係なく皆仲が良い」「少人数なので、すぐに友達ができる」など、アットホームな人間関係を魅力に感じる生徒が多いようです。

    • 「自然が豊かで、のびのびと過ごせる」「都会にはない貴重な体験ができる」という、大島ならではの環境を高く評価する意見が見られます。

    • 「農林科や家政科で専門的なことが学べて楽しい」という、専門学科の満足度の高さがうかがえます。

  • 気になる点:

    • 「本土の高校が羨ましくなることがある」という声もあり、お店が少ない、交通の便が良くないといった離島ならではの側面もあるようです。

    • 「校庭などの施設をもっと整備してほしい」といった、施設に関する意見も見られます。

    • 「進学を考えているなら、自分自身の頑張りが特に重要になる」という趣旨の口コミもあり、周囲に流されず高い意識を保つ努力が必要なようです。

アクセス・通学

東京都立大島高等学校へのアクセスは、船または飛行機を利用します。

  • 船の場合:

    • 東京・竹芝桟橋から高速ジェット船で約1時間45分。

    • 熱海港から高速ジェット船で約45分。

    • 大島の元町港または岡田港から、大島バスで約10分、「大島高校前」バス停下車。

  • 飛行機の場合:

    • 調布飛行場から飛行機で約25分。

    • 大島空港から大島バスで約5分、「大島高校前」バス停下車。

島外から入学する生徒の多くは、2025年に完成した学生寮「星海寮」や、下宿などを利用して通学しています。

東京都立大島高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

東京都立大島高等学校は、何よりもまず「自然が大好き!」という人にぴったりの学校です。都会の高校では決して味わえない、島ならではのゆったりとした時間の中で、のびのびと高校3年間を過ごしたいと考えている君に、心からおすすめします。また、農林科や家政科という専門学科があるため、「将来は農業や食、福祉の道に進みたい」という明確な目標がある人にとっても、夢への大きな一歩を踏み出せる場所となるでしょう。

東京都立大島高等学校の入試では、基礎的な学力がしっかりと身についているかが問われます。日々の授業を大切にし、特に中学校で習う基本事項を穴がないように復習しておくことが合格への近道です。面接では、「なぜ大島高校で学びたいのか」「高校でどんなことに挑戦したいのか」を自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておきましょう。君だけのユニークな高校生活が、この島で待っています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。