東京都の伊豆諸島、神津島にある唯一の高校、それが東京都立神津高等学校です。 豊かな自然に囲まれた特別な環境で、充実した高校生活を送れることが最大の魅力と言えるでしょう。都会の喧騒から離れ、真っ青な海と満点の星空が広がる島で、自分自身と向き合い、仲間と共に成長できる3年間が待っています。

「島」と聞くと、少し不便なイメージを持つかもしれません。しかし、東京都立神津高等学校には、その環境を最大限に活かしたユニークな学びや体験が数多く用意されています。少人数教育だからこそ実現できる、先生方の手厚いサポートも心強いポイントです。 生徒一人ひとりが主役になれるこの学校は、ただ勉強するだけでなく、人として大きく成長したいと考える君にぴったりの場所かもしれません。

この記事では、そんな東京都立神津高等学校の魅力を、進学アドバイザーとして詳しく、そして分かりやすく解説していきます。本土の高校とはひと味もふた味も違う、ここでしか得られない経験や学びについて一緒に見ていきましょう。きっと、君の心を掴む新たな発見があるはずです。

東京都立神津高等学校の基本情報

まずは、神津高等学校の基本的な情報を確認しましょう。

項目 内容
正式名称 東京都立神津高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒100-0601 東京都神津島村1620
代表電話番号 04992-8-0706
公式サイトURL https://www.metro.ed.jp/kouzu-h/

東京都立神津高等学校の偏差値・難易度・併願校

東京都立神津高等学校は、その特殊な立地から一般的な偏差値が算出されていません。 ですので、他の高校と偏差値だけで単純に比較することは難しい学校です。大切なのは、偏差値の数字に惑わされず、この学校で何を学びたいか、どんな高校生活を送りたいかを考えることです。

難易度を考える上での目安としては、東京都の高校入試の基準に沿った学力検査と面接、そして作文が課されます。神津高等学校を志望する生徒の多くは、「島留学制度」を利用する都内在住者です。 この制度を利用するためには、書類選考や面接などを経る必要があります。 「なぜ神津高校で学びたいのか」という強い意志と、自然豊かな環境で主体的に学ぶ意欲が求められると言えるでしょう。

立地的な理由から、本土の私立高校を併願するケースは一般的ではありません。都立高校のため、他の都立高校との併願はできません。神津高等学校を第一志望として、じっくりと受験対策を進めることが合格への鍵となります。

東京都立神津高等学校に設置されている学科・コース

神津高等学校に設置されているのは、以下の学科・コースのみです。

  • 普通科:基本的な5教科を中心に幅広く学び、大学進学から就職まで、多様な進路希望に対応できるカリキュラムが組まれています。 特に3年生では選択科目が豊富に用意されており、一人ひとりの興味や目標に合わせた学習が可能です。

東京都立神津高等学校の特色・校風

神津高等学校の校風は、「アットホーム」「地域密着」「自然との共生」といった言葉で表現できます。全校生徒数が50人にも満たない少人数制の学校だからこそ、先生と生徒の距離が非常に近く、一人ひとりに行き届いたきめ細やかな指導が受けられます。

  • 宿題の量:個人の進路希望に応じて調整されることが多いようですが、補習なども含め、学習サポートは手厚い体制が整っています。

  • 校則:頭髪の加工やピアスは禁止されています。 アルバイトは、学校生活に支障がない範囲で、保護者の同意があれば認められています。 自転車やバイクでの通学は禁止です。 制服は指定のものがあり、夏服・冬服と移行期間が定められています。

  • 生徒たちの雰囲気:島内の生徒と「島留学生」が共に学んでおり、お互いの価値観を尊重し合う穏やかな雰囲気があります。 生徒数が少ないため、学年を超えて生徒全員が顔見知りで、強い一体感が生まれるようです。

  • 制服の評判:男子はブレザーにネクタイ、女子はブレザーにリボンというスタイルです。

  • 土曜授業:進学希望者向けの土曜講習などが実施されることがあります。

東京都立神津高等学校の部活動・イベント

部活動

神津高等学校では、多くの生徒が部活動に積極的に参加しており、兼部している生徒も少なくありません。 運動部、文化部ともに、少人数ながらも活気にあふれています。

  • 運動部:サッカー部、バレーボール部、バスケットボール部、バドミントン部、卓球部、テニス部、トレーニング部などがあります。 恵まれた環境の中で、のびのびと練習に打ち込んでいるようです。

  • 文化部:軽音楽部、美術部、家庭科部、吹奏楽部、天文部などがあります。 特に軽音楽部は部員数が多く、文化祭や学校説明会など、様々な場面でライブを披露しています。 また、「国際的に保護された星空」である神津島の夜空を観察できる天文部の活動は、この学校ならではの魅力と言えるでしょう。

イベント

神津高校の学校行事は、生徒だけでなく島全体で盛り上がるのが大きな特徴です。

  • 神高祭(文化祭):生徒数が少ないからこそ、一人ひとりが何役もこなし、全員で作り上げる一大イベントです。 模擬店やステージ発表など、工夫を凝らした企画で島の人々を楽しませています。

  • 村民大運動会:高校の体育祭は、島民も参加する「村民大運動会」として開催されます。 生徒が企画・運営の中心となり、子どもからお年寄りまでが一緒になって汗を流す、まさに地域一体のイベントです。

  • Marine Day(マリンデー):神津島の美しい海を体感できる、神津高校ならではの学校行事です。 スキューバダイビングの体験やシュノーケリングなどを通して、海の環境について学びます。

  • 修学旅行:例年、9月頃に実施されています。

東京都立神津高等学校の進学実績

神津高等学校は、少人数ながらも生徒一人ひとりの希望に合わせた手厚い進路指導を行っています。 進学指導コーディネーターの教員が中心となり、全教員で生徒の学習計画や進捗を管理し、サポートする体制が整えられています。

  • 国公立大学:例年、国公立大学への進学者も輩出しています。

  • 難関私立大学:GMARCHレベルの大学への合格実績もあります。

  • その他:4年制大学だけでなく、短期大学、専門学校への進学や、公務員を含めた就職など、多様な進路を実現しています。 近年の傾向としては、4年制大学への進学希望者が増加しているようです。

進路実現に向けた取り組みとして、放課後の自学自習をサポートする「神チャレ」や、進学希望者向けの土曜講習「SS神チャレ」などが実施されています。

東京都立神津高等学校の特長・アピールポイント

神津高等学校には、他の高校では決して味わえない、ユニークな魅力がたくさん詰まっています。

  • 豊かな自然環境そのものが学びのフィールド:目の前に広がる美しい海や、日本有数の星空保護区に認定された夜空など、島のすべてが教室です。スキューバダイビング体験や天体観測など、ここでしかできない体験が日常にあふれています。

  • 「島留学」制度による全国からの仲間との出会い:都内の中学生を対象とした「島留学」制度を積極的に受け入れています。 島で育った生徒と、意欲を持って島に来た生徒が互いに刺激し合い、多様な価値観を育むことができます。

  • 先生との距離が近い、超少人数教育:全校生徒数が少ないため、先生方は生徒一人ひとりの顔と名前はもちろん、個性や得意なことまで把握しています。 学習面から生活面まで、家族のような温かさで親身にサポートしてくれます。

  • 地域全体が学校を応援してくれる環境:島唯一の高校として、島民から深く愛され、応援されています。 学校行事には多くの島民が参加し、生徒たちの成長を温かく見守ってくれる環境です。

  • 神津島の自然や文化を探究する独自の学習プログラム:「神津学」と呼ばれる探究活動では、キンメダイやイセエビといった地元の特産品について学んだり、島の課題についてグループで調査・発表したりします。

  • 充実した留学生用の寮生活:島外からの留学生のために、男子寮「しらすな寮」と女子寮が完備されています。 仲間と共に規則正しい生活を送りながら、自立心と協調性を養うことができます。

東京都立神津高等学校の口コミ・評判のまとめ

神津高等学校の口コミを見ると、そのユニークな環境を最大限に楽しんでいる生徒の声が多く見られます。

  • 良い点:「先生たちが本当に親身になってくれる」「少人数なので、授業で分からないところをすぐに質問できる」といった、手厚い教育体制を評価する声が多数あります。 また、「都会の高校では絶対にできない体験ができる」「自然が好き、人が少ない環境が好きな人には最高の場所」といった、島ならではの環境を満喫している様子がうかがえます。 卒業後も文化祭などの機会に島を訪れるなど、学校や島との強い絆を感じている卒業生も多いようです。

  • 気になる点:一方で、「遊ぶ場所やお店が少ない」「本土に出るのが大変」といった、離島ならではの不便さを指摘する声も見られます。しかし、多くの生徒は「自分の時間が増えて、本当にやりたいことに集中できる」と、その環境をポジティブに捉えているようです。

アクセス・通学

神津高等学校へのアクセスは、本土の高校とは大きく異なります。

  • 神津島へのアクセス:

    • 飛行機:調布飛行場から約45分

    • 大型客船:東京・竹芝桟橋から夜に出航し、翌朝到着(約10時間)

    • ジェット船:東京・竹芝桟橋から約3時間(季節により運航状況は変動)

  • 島内でのアクセス:

    • 神津島港(前浜港)から徒歩約15分

    • 三浦漁港(多幸湾)や神津島空港からは村営バスを利用し約15分

通学している生徒は、神津島在住の生徒と、都内各地から「島留学」で来ている生徒で構成されています。留学生は学校の寮から通学しています。

東京都立神津高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでくれてありがとう。東京都立神津高等学校という、少し特別な高校に興味を持ってくれたことを、とても嬉しく思います。この学校は、「偏差値」というものさしでは測れない、たくさんの魅力と可能性に満ちています。もし君が、「大自然の中で、自分らしくのびのびと高校生活を送りたい」「少人数の落ち着いた環境で、勉強や好きなことに集中したい」「都会ではできない、特別な体験を通して大きく成長したい」と少しでも感じたなら、東京都立神津高等学校は君にとって最高の選択肢になるかもしれません。

受験に向けては、まず「なぜ神津高校なのか」を自分の言葉で語れるようにしておくことが大切です。学校説明会や、島を訪れる短期滞在プログラムに参加して、実際の雰囲気を感じてみてください。 そして、この学校で3年間を過ごす強い意志を、面接や作文でしっかりと伝えましょう。君が神津高等学校の門をたたく日を楽しみにしています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。