東京都立総合芸術高等学校は、芸術の道を志す中学生にとって、まさに夢のような環境が整った専門高校です。「総芸(そうげい)」の愛称で親しまれ、都立高校で唯一の芸術科専門高校として、未来のアーティストたちが全国から集まります。 音楽、美術、舞台表現という3つの専門学科が設置されており、それぞれが非常に高いレベルの教育を提供しているのが、総合芸術高等学校の大きな魅力です。

この学校の最大の特徴は、なんといってもその専門性の高さにあります。各分野の第一線で活躍するプロフェッショナルを含む、170名以上の講師陣から直接指導を受けられる環境は、他では得がたい貴重な経験となるでしょう。 同じ夢や目標を持つ仲間たちと、日々切磋琢磨しながら過ごす3年間は、技術や知識だけでなく、人間的にも大きく成長させてくれるはずです。

「芸術が好き」という気持ちを、本気で「将来の道」へと繋げたいと考えている皆さんにとって、総合芸術高等学校は最高の学び舎となる可能性を秘めています。この記事では、そんな総芸の魅力を、偏差値や口コミ、学校生活の様子など、さまざまな角度から詳しくご紹介していきます。

東京都立総合芸術高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 東京都立総合芸術高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒162-0067 東京都新宿区富久町22-1
代表電話番号 03-3354-5288
公式サイトURL http://www.sogo-geijutsu-h.metro.tokyo.jp/site/zen/

東京都立総合芸術高等学校の偏差値・難易度・併願校

総合芸術高等学校の入試は、一般的な学力検査に加えて専門分野の実技検査が大きな比重を占めるのが特徴です。そのため、単純な偏差値だけでは測れない難しさがありますが、自分の実力を客観的に知るための目安として参考にしてください。

学科ごとの偏差値の目安は56前後とされています。ただし、これはあくまで学力検査の目安であり、総合芸術高等学校の合否は内申点(調査書点)と実技検査の結果が大きく影響します。特に実技検査は配点が高く、専門的なスキルや表現力が求められるため、早くから対策を始めることが重要です。

合格に必要な内申点の目安としては、換算内申で50〜53程度、素内申で35〜36あたりが一つの基準とされています。

都立高校のため、他の都立高校との併願はできません。そのため、併願校としては、芸術系のコースを持つ私立高校が選ばれることが多いようです。

  • 主な併願校の例:

    • 女子美術大学付属高等学校

    • 東邦音楽大学附属東邦高等学校

    • 日本大学第二高等学校(芸術コース)

    • トキワ松学園中学校高等学校(美術デザインコース)

東京都立総合芸術高等学校に設置されている学科・コース

総合芸術高等学校には、それぞれが深い専門性を持つ3つの学科が設置されています。自分の興味や将来の夢に合わせて、最適な学びの場を選ぶことができます。

  • 音楽科

    • どんなことを学ぶ場所か:ピアノ、声楽、弦楽器、管打楽器など、各専攻に分かれて専門的なレッスンを受けます。ソルフェージュや音楽理論など、演奏技術の基礎となる科目も充実しています。

    • どんな生徒におすすめか:将来、演奏家や音楽家を目指し、毎日こつこつと練習に打ち込める人。音楽大学への進学を強く希望している人におすすめです。

  • 美術科

    • どんなことを学ぶ場所か:日本画、油彩画、彫刻、デザイン、映像の5つの専攻があり、入学時に1つを選択します。 3年間を通して専門的な知識と高度な技術を身につけます。

    • どんな生徒におすすめか:美術大学への進学を目指し、自分の表現したい世界を追求したい人。一つの分野をとことん探求する集中力と情熱がある人におすすめです。

  • 舞台表現科

    • どんなことを学ぶ場所か:演劇専攻と舞踊専攻(クラシックバレエコース、コンテンポラリーダンスコース)に分かれています。 表現者としての身体づくりから、舞台制作の裏方まで幅広く学びます。

    • どんな生徒におすすめか:俳優、ダンサー、演出家など、舞台芸術の世界で活躍したい人。チームで一つの作品を創り上げることの喜びを感じたい人におすすめです。

東京都立総合芸術高等学校の特色・校風

総合芸術高等学校の校風は、「自由と自主性」という言葉で表現できます。明確な校則はほとんどなく、生徒の良識に委ねられている部分が大きいため、のびのびとした雰囲気の中で学校生活を送ることができます。

  • 宿題の量:音楽科以外の教科では、宿題はほとんど出されないことが多いようです。 しかし、各学科の専門課題や自主練習には多くの時間を費やす必要があり、放課後も熱心に活動する生徒がほとんどです。

  • 校則:校則は非常に緩やかで、生徒の自主性が重んじられています。

    • スマホ:持ち込み可能で、校内での使用も特に制限はないようです。

    • 服装:式典など指定された日以外は私服での通学が可能です。 制服(標準服)はありますが、着用は自由です。制服はグレーを基調としたブレザータイプで、落ち着いたデザインが好評のようです。

    • 頭髪:髪型や髪色に関する厳しい規則は特にないようです。

  • 生徒たちの雰囲気:同じ目標を持つ仲間が集まっているため、非常に意欲的で、互いに切磋琢磨し合う真面目な雰囲気があります。 一方で、ハロウィンやクリスマスには仮装して登校するなど、芸術高校ならではのユニークで活発な一面も見られます。

  • アルバイト:原則として禁止されていませんが、学業との両立を考え、担任の先生と相談することが推奨されています。

  • 土曜授業:定期的に土曜学習日が設けられており、制作や練習のために学校の施設を利用することができます。

東京都立総合芸術高等学校の部活動・イベント

部活動

総合芸術高等学校では、多くの生徒が学科の活動に力を入れているため、部活動への加入は必須ではありません。それでも、運動系・文化系ともにユニークで多彩な部活動や同好会が存在し、学科の垣根を越えた交流の場となっています。

  • 特徴的な部活動:

    • 殺陣部:本格的な殺陣を学び、文化祭などで披露します。

    • コンテンポラリーダンス部:舞台表現科の生徒だけでなく、他学科の生徒も所属し、表現力豊かなダンスを追求しています。

    • カレー部、メサイア研究部など:他校にはない、非常に個性的な同好会も多く存在します。

  • 全体の様子:運動部はテニス、ダンス、空手道部などがあり、文化部は写真、漫画研究、ジャズ研究部など多岐にわたります。 専門分野の練習で忙しい生徒も多いため、活動は比較的ゆるやかな部が多いようですが、それぞれが楽しみながら活動しています。

イベント

芸術高校ならではの、発表会を中心としたイベントが一年を通して数多く開催されます。

  • 文化祭:9月に行われる文化祭は、総芸の学びの集大成ともいえる最大のイベントです。 各学科が一体となって創り上げる展示や公演は圧巻で、特に音楽科のミュージカルや舞台表現科の演劇・舞踊公演、美術科の作品展示は非常にレベルが高いと評判です。 毎年多くの来場者で賑わいます。

  • 発表会・公演:文化祭以外にも、各学科で定期的に発表の機会が設けられています。音楽科の「発表演奏会」や「定期演奏会」、舞台表現科の「定期公演」、美術科の「卒業制作展」や各年次の展示会など、日々の練習の成果を披露する場が豊富にあります。

  • 修学旅行:2年次の11月に行われます。

  • 芸術鑑賞教室:プロの舞台や演奏、美術展などを鑑賞する機会も設けられています。

東京都立総合芸術高等学校の進学実績

総合芸術高等学校の生徒の多くは、芸術系の大学への進学を強く希望しており、進学実績もその特色を反映しています。東京藝術大学をはじめ、多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京音楽大学といった難関芸術大学へ、毎年多くの合格者を輩出しています。

  • 国公立大学:東京藝術大学への合格者は特に多く、全国の高校の中でもトップクラスの実績を誇ります。その他、金沢美術工芸大学などにも合格者を出しています。

  • 難関私立大学(美術・音楽):多摩美術大学、武蔵野美術大学、東京造形大学、女子美術大学、日本大学藝術学部、東京音楽大学、桐朋学園大学、国立音楽大学など、主要な芸術大学に多数の合格実績があります。

  • 進路サポート:各学科の専門教員や講師陣による、きめ細やかな進路指導が行われます。特に実技試験対策は手厚く、大学の傾向を分析した指導や、入試直前のリハーサル試験なども実施されます。 通常の大学受験を目指す生徒に対しても、変わらず熱心なサポートがあるとの声もあります。

(注:具体的な合格人数は年度によって変動するため、公式サイトの最新情報をご確認ください)

東京都立総合芸術高等学校の特長・アピールポイント

総合芸術高等学校には、他の高校では決して真似のできない、唯一無二の魅力がたくさん詰まっています。

  • 都立唯一の芸術専門高校:音楽・美術・舞台表現という3つの専門学科が集結した、都立で唯一の学校です。

  • プロフェッショナルによる指導:各分野の第一線で活躍する芸術家や専門家を含む、170名以上もの講師陣から直接指導を受けられる、非常に恵まれた環境です。

  • 充実した専門設備:プロ仕様のホールや劇場、各種アトリエやレッスン室など、専門的な学習に必要な施設が非常に充実しています。

  • 高い専門性を追求できるカリキュラム:3年間を通して、それぞれの専門分野をとことん深く学ぶことができます。マンツーマンのレッスンや少人数での授業も多く、個々のレベルに合わせた指導が受けられます。

  • 学科を越えた学びの機会:選択授業では、自分の専門以外の分野(例:音楽科の生徒が美術の授業を受ける)を学ぶことも可能で、多角的な視点から芸術に触れることができます。

  • 豊富な発表の場:文化祭や定期公演、各種展示会など、日々の学習の成果を発表する機会が数多く用意されており、実践的な経験を積むことができます。

  • 芸術系大学への高い進学実績:特に東京藝術大学をはじめとする難関芸術大学への進学に強く、専門的な進路指導が充実しています。

東京都立総合芸術高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、その専門的な環境を高く評価する声が数多く寄せられています。

  • 良い点:

    • 「同じ志を持つ仲間と切磋琢磨できる最高の環境」という声が最も多く聞かれます。お互いに刺激し合える仲間の存在が、大きなモチベーションになっているようです。

    • 「先生方や講師のレベルが非常に高く、専門的な指導が受けられる」といった、指導内容への満足度も非常に高いです。

    • 「都立とは思えないほど施設や設備が充実している」という意見も多く、恵まれた環境で学べることへの感謝の声が見られます。

    • 「自由な校風で、自分らしさを表現できる」と、のびのびとした学校生活に満足している生徒が多いようです。

    • 「文化祭などのイベントの本気度がすごく、最高の思い出になる」と、学校行事の充実ぶりを評価する声も多数あります。

  • 気になる点:

    • 「とにかく課題や自主練習が大変で忙しい」という声は共通して聞かれます。芸術と真剣に向き合うからこその悩みと言えるでしょう。

    • 「専門分野の勉強が中心になるため、普通科目の授業進度は少しゆっくりかもしれない」という意見もあります。一般大学の受験を考える場合は、塾などを利用して自分で補う必要があるかもしれません。

    • 「駅から少し歩くのが大変」といった、アクセスに関する声も一部で見られます。

    • 「自由な校風だからこそ、自分を律する強い意志が必要」という意見もありました。流されずに自分の目標に向かって努力し続けることが求められます。

アクセス・通学

総合芸術高等学校は新宿区にあり、複数の駅からアクセスが可能です。

  • 都営新宿線「曙橋」駅 A2出口より徒歩 約7〜9分

  • 都営大江戸線「若松河田」駅 河田口より徒歩 約9〜12分

  • 東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅 2番出口より徒歩 約11分

都内全域から生徒が通学していますが、新宿という立地から、JR、私鉄、地下鉄など様々な路線を利用して広範囲から通いやすい環境です。

東京都立総合芸術高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

芸術の道を本気で目指す君へ。総合芸術高等学校は、その夢を実現するための最高の舞台を用意してくれています。この学校は、ただ「絵が上手い」「歌が好き」というだけではなく、「芸術を通して自分を表現したい」という強い情熱と探究心を持つ生徒に特におすすめです。同じ目標を持つ仲間たちと過ごす3年間は、きっと人生で最も濃密で、かけがえのない時間になるでしょう。

総合芸術高等学校の受験では、学科の勉強はもちろん大切ですが、何よりも実技試験が合否を大きく左右します。付け焼き刃の技術では通用しません。日々のデッサン、楽器の練習、身体のトレーニングなど、基礎的な練習を毎日コツコツと続けることが何よりも重要です。そして、自分の作品やパフォーマンスを通して「何を伝えたいのか」を常に考え、表現力を磨いていってください。総芸は、君の「好き」を本気で受け止め、未来へと導いてくれる学校です。強い意志を持って、挑戦してください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。