1894年創立の長い歴史と伝統を誇る東北高等学校は、宮城県仙台市に2つのキャンパスを持つ私立の共学校です。 130年以上の歴史の中で、スポーツや文化活動など様々な分野で活躍する多くの卒業生を社会に送り出してきました。 学校法人南光学園が運営し、通称「東北」または「南光(なんこう)」として地域に親しまれています。

東北高等学校の最大の魅力は、生徒一人ひとりの「個性尊重」を建学の精神に掲げ、多様な進路希望に応える多彩なコース設定にあります。 難関大学を目指すコースから、専門的な知識や技術を学ぶコース、そして全国レベルで活躍する部活動に打ち込めるスポーツコースまで、生徒が自分の目標に合わせて学べる環境が整っています。

この記事では、そんな東北高等学校の具体的なコース内容や偏差値、学校生活の様子、部活動、進学実績などを詳しく解説していきます。 受験生や保護者の皆さんが気になる情報を網羅していますので、ぜひ志望校選びの参考にしてください。

東北高等学校の基本情報

東北高等学校の基本的な情報を以下の表にまとめました。

項目 内容
正式名称 東北高等学校
公立/私立の別 私立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 小松島キャンパス: 〒981-8543 宮城県仙台市青葉区小松島4-3-1<br>泉キャンパス: 〒981-3214 宮城県仙台市泉区館七丁目101番1号
代表電話番号 022-234-6361(小松島キャンパス)
公式サイト https://www.tohoku.ed.jp/

東北高等学校の偏差値・難易度・併願校

東北高等学校はコースによって偏差値が大きく異なりますが、自分の学力や目標に合わせて挑戦できるのが魅力です。国公立大学や難関私立大学を目指す「創進コース」は最も難易度が高くなっています。

コースごとの偏差値の目安は以下の通りです。

  • 普通科創進コース: 57

  • 普通科文理コース: 46

  • 普通科スポーツコース: 41

  • 普通科文教コース: 40

  • 普通科栄泉コース: 40

同じくらいの偏差値の高校としては、公立では泉館山高校、泉高校、仙台南高校、宮城野高校などが挙げられます。私立では、仙台育英学園高等学校(特別進学コース以外)、東北学院榴ケ岡高等学校、聖和学園高等学校などが併願校として考えられます。

合格に必要な内申点の目安はコースによって異なりますが、創進コースを目指す場合は高い評定が求められる傾向があります。一方で、文教コースや栄泉コースなどは、中学時代の基礎学力を固めていれば十分に合格を目指せます。入試問題は基礎的な内容を問う問題が中心との声もあるため、過去問にしっかりと取り組み、苦手分野を克服しておくことが大切です。

東北高等学校に設置されている学科・コース

東北高等学校には、2つのキャンパスにそれぞれ特色あるコースが設置されており、生徒一人ひとりの多様な夢や目標に対応しています。

  • 小松島キャンパス

    • 創進コース: 国公立大学や難関私立大学への現役合格を目指す、学習に特化したコースです。 質の高い授業や手厚い進路指導を受けたい生徒におすすめです。

    • 文理コース: 地元の大学や有名私立大学への現役合格を目指します。 部活動と勉強を両立させながら、大学進学を目指したい生徒に向いています。

    • 文教コース: 大学進学から公務員、就職、資格取得まで、幅広い進路希望に対応するコースです。 自分の将来の夢をじっくり探したい生徒におすすめです。

  • 泉キャンパス

    • 栄泉コース: 大学進学、専門学校、就職など、生徒一人ひとりの進路目標達成をサポートします。 基礎から学び直し、自分のペースで学習を進めたい生徒に適しています。

    • スポーツコース: 全国レベルで活躍できるアスリートを目指しながら、スポーツに関する専門知識も学びます。 指定された部活動で競技力を高め、スポーツを通じた進路実現を目指す生徒に最適です。

なお、泉キャンパスの総合コースは令和7年度入試より募集を停止しています。

東北高等学校の特色・校風

東北高等学校は、「個性尊重」を建学の精神に掲げる、自由で活気のある校風が特徴です。 2つのキャンパスと多彩なコースがあり、生徒数も多いため、「マンモス校」とも言われますが、その分、多様な個性を持つ生徒たちが集まり、互いに刺激し合える環境があります。

中学生が気になる学校生活のポイントについて、口コミなどを基にまとめました。

  • 校則: 全体的に見ると、厳しすぎず緩すぎず、標準的なようです。ただし、コースによって雰囲気が異なり、創進コースや文理コースは学習に集中する環境のため、服装などに関する指導がやや厳しいと感じる生徒もいるようです。 泉キャンパスでは金曜日に私服登校が可能な「カジュアルフライデー」を導入するなど、生徒の自主性を尊重するユニークな取り組みも見られます。 スマホの使用については、校内でのルールが定められており、休み時間などの使用は可能なようです。

  • 宿題・学習: 創進コースや文理コースでは、放課後や夏休みなどに講座や講習があり、学習量は多い傾向にあります。 特に創進コースは、国公立大学や難関私立大学を目指す生徒が集まるため、勉強に集中したい生徒にとっては良い環境と言えるでしょう。 他のコースは、自分のペースで学習を進められる雰囲気があるようです。

  • 生徒の雰囲気: コースによって雰囲気が大きく異なります。創進コースは真面目に勉強に取り組む生徒が多く、文教コースや栄泉コースは明るく活発な生徒が多いようです。 スポーツコースは部活動に打ち込む生徒が多く、学校全体が活気に満ちています。

  • アルバイト: アルバイトは原則として禁止されているようですが、特別な事情がある場合は許可制となっているようです。

  • 制服: 制服は、特に女子生徒からの評判が良いようです。

  • 土曜授業: 現在、土曜授業は実施されていないようです。

  • 施設: 小松島キャンパスには2017年に新しい中央校舎が完成し、メディアセンターやホールなど近代的な設備が整っています。 泉キャンパスは広大な敷地にグラウンドや専用野球場など、充実したスポーツ施設を誇ります。

東北高等学校の部活動・イベント

部活動

東北高等学校は、県内でもトップクラスの48もの部活動があり、非常に活発です。 全国大会で輝かしい実績を残す部活動も多く、文武両道を実践できる環境が整っています。

特に有名な部活動としては、以下が挙げられます。

  • 硬式野球部(男子): 甲子園出場の常連校として全国的に知られ、過去には準優勝の経験もあります。多くのプロ野球選手を輩出しています。

  • ゴルフ部: 男子、女子ともに全国レベルの強豪で、全国制覇の経験も豊富です。

  • フィギュアスケート部: オリンピック金メダリストの羽生結弦さんや荒川静香さんを輩出した名門です。

  • ソフトテニス部: 全国大会で数多くの優勝を誇る強豪です。

  • 柔道部(男子): 100年以上の歴史を持つ伝統ある部活で、インターハイ優勝者などを多数輩出しています。

  • 陸上競技部: インターハイで優勝経験があり、宮城県の高校記録を持つ選手も在籍しています。

この他にも、バレーボール部、自転車競技部、ヨット部、少林寺拳法部なども全国大会で活躍しています。 文化部もeスポーツ部やビブリオバトル同好会などユニークな部活があり、多くの生徒が自分の興味に合わせて活動を楽しんでいます。

イベント

東北高等学校では、キャンパスやコースごとに特色ある様々な学校行事が年間を通じて行われています。

  • 東北高祭(文化祭): 毎年秋に開催される文化祭は、生徒会が中心となって企画・運営され、大変な盛り上がりを見せます。 各クラスや文化部による展示・発表のほか、有志によるステージパフォーマンスなどが行われ、一般公開もされるため多くの来場者で賑わいます。

  • スポーツ大会: コースごとにスポーツ大会が開催され、クラス対抗で様々な競技に熱中します。 クラスの団結力を高める良い機会となっています。

  • 修学旅行・校外研修: 学年やコースによって、行き先や内容は異なりますが、校外での研修や旅行が実施されます。 クラスメイトとの絆を深める貴重な思い出となるでしょう。

  • その他: 新入生をサポートする「ブラザー&シスタープログラム」や、大学の先生を招いての進路ガイダンスなど、独自のイベントも充実しています。

東北高等学校の進学実績

東北高等学校は、多彩なコース設定を活かし、生徒一人ひとりの希望進路を実現するための手厚いサポート体制が整っています。特に、2011年からは日本大学の提携校となっており、推薦での進学者数が大きく増加しています。

2025年度の大学入試では、国公立大学に21名が合格するなど、確かな進学実績を上げています。 福島県立医科大学医学部医学科への合格者も輩出しており、創進コースを中心とした進学指導の成果が表れています。

主な進学実績は以下の通りです。(2025年度入試)

  • 国公立大学:

    • 北海道大学、東北大学、弘前大学、岩手大学、宮城教育大学、山形大学、福島大学など、合計21名が合格しています。

  • 難関私立大学:

    • 具体的な大学名と人数の公表はありませんが、GMARCHや関関同立などの難関私立大学にも合格者を出していると考えられます。

  • その他:

    • 提携校である日本大学へは、付属推薦制度を利用して多くの生徒が進学しています。

    • その他、東北学院大学をはじめとする地元私立大学や、各種専門学校への進学、そして公務員や一般企業への就職など、幅広い進路実績があります。

進学実績を支える取り組みとして、創進コースや文理コースでは、放課後や長期休暇中に補習や講習が実施されています。 また、全コースで進路ガイダンスや大学の入試説明会などが頻繁に開催され、生徒が早期から進路意識を高められるようサポートしています。

東北高等学校の特長・アピールポイント

東北高等学校には、130年以上の歴史の中で培われた、他校にはない独自の魅力がたくさんあります。

  • 2キャンパス・5コース制による多様な学び:

    学習に特化した小松島キャンパスと、スポーツや個性を伸ばす活動が充実した泉キャンパス。 目標に合わせて選べる多彩なコースで、自分に合った高校生活が送れます。

  • 全国屈指の部活動:

    硬式野球、ゴルフ、フィギュアスケートなど、全国レベルで活躍する部活動が数多くあります。 高いレベルで文武両道を目指せる環境は大きな魅力です。

  • 充実したICT教育環境:

    全教室にWi-Fiと大型モニターが完備され、生徒にはiPadが無償で貸与されます。 学習支援アプリや電子図書館なども導入し、新しい時代の学びに力を入れています。

  • 日本大学との教育提携:

    日本大学への付属推薦制度があり、多くの生徒がこの制度を利用して進学しています。 大学進学への有利な選択肢の一つです。

  • 「個性尊重」の教育理念:

    建学の精神である「個性尊重」のもと、生徒一人ひとりの自主性を育む教育が実践されています。 泉キャンパスの「カジュアルフライデー」もその一例です。

  • 社会で活躍する多くの卒業生:

    スポーツ選手をはじめ、様々な分野で活躍する著名な卒業生を多数輩出しており、そのネットワークは生徒たちの誇りとなっています。

  • 近代的な学習施設と広大なスポーツ施設:

    2017年に完成した小松島キャンパスの中央校舎や、泉キャンパスの充実したスポーツ施設など、学習にも部活動にも集中できる恵まれた環境が整っています。

東北高等学校の口コミ・評判のまとめ

東北高等学校についての在校生や卒業生からの口コミをまとめました。学校選びの参考にしてください。

  • 良い点:

    • 「コースが多様で、自分のやりたいことに合わせて選べるのが良い」という声が多く見られます。

    • 「部活動がとても盛んで、全国レベルの活動ができる」「施設が充実していて、思い切りスポーツに打ち込める」といった、部活動に関するポジティブな意見が多数あります。

    • 「制服が可愛い、格好良い」と、特に女子生徒からの評判が良いようです。

    • 「新しい校舎はとても綺麗で、気持ちよく学校生活が送れる」と、施設の充実度を評価する声もあります。

    • 「イベントが多く、学校生活が楽しい」という口コミも見られました。

  • 気になる点:

    • 「マンモス校なので、先生のサポートが行き届いていないと感じることがある」という意見があります。

    • 「コースによって校則の厳しさや生徒の雰囲気がかなり違う」という声もあり、自分に合ったコース選びが重要になるようです。

    • 「進学コースは放課後の講座が強制で大変」と感じる生徒もいるようです。

    • 「駅から少し歩くので、アクセスが不便」という口コミも見られます。

    • 「施設が古い部分もまだ残っている」という指摘もあります。

アクセス・通学

東北高等学校は、小松島キャンパスと泉キャンパスの2つのキャンパスがあります。

  • 小松島キャンパス(仙台市青葉区小松島4-3-1)

    • JR仙山線: 「東照宮駅」から徒歩約14〜15分

    • 仙台市営地下鉄南北線: 「台原駅」から徒歩約21分、「旭ヶ丘駅」から徒歩約23分

    • 仙台市営バス: 「東北医科薬科大・東北高校前」バス停から徒歩約5分

  • 泉キャンパス(仙台市泉区館七丁目101番1号)

    • 仙台市営バス: 「泉ビレッジ二丁目」バス停から徒歩約2分

    • スクールバスも運行されています。

仙台市内を中心に、宮城県内各地から多くの生徒が通学しています。

東北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

東北高等学校を目指す受験生の皆さん、こんにちは!進学アドバイザーとして、皆さんの挑戦を心から応援しています。

東北高等学校は、自分の「やりたいこと」がはっきりと決まっている人にも、これから見つけたいと思っている人にも、ぴったりの場所が見つかる学校です。もしあなたが「文武両道で全国を目指したい!」「難関大学に合格して夢を叶えたい!」「たくさんの仲間と最高の高校生活を送りたい!」そんな風に考えているなら、東北高等学校はきっとあなたの期待に応えてくれるはずです。

受験勉強では、まず基礎を徹底的に固めることを意識してください。特に、創進コースや文理コースを目指す人は、中学校の学習内容を完璧に理解した上で、応用問題にもチャレンジしていく力が必要です。過去問を繰り返し解き、出題傾向を掴むことも忘れないでください。そして何より大切なのは、「この高校で何をしたいのか」という強い気持ちです。その気持ちが、最後まで頑張り抜くための大きな力になります。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。