東葉高等学校は、千葉県船橋市にある、1925年創立の歴史と伝統を誇る私立の共学校です。生徒一人ひとりの個性を尊重し、自主性を育む「第三教育」を建学の精神に掲げています。この「第三教育」とは、家庭での教育、学校での教育に次いで、「自分が自分を教育する」力を養うことを目指すものです。

近年、東葉高等学校は進学実績を大きく伸ばしており、生徒の多様な進路希望に応えるためのコース制や、充実した学習サポート体制が注目されています。校風は比較的自由で、生徒たちがのびのびと学校生活を送っているのが特徴です。

この記事では、そんな魅力あふれる東葉高等学校について、偏差値やコース、部活動、進学実績、そして在校生や卒業生からのリアルな口コミまで、進学アドバイザーの視点から詳しく解説していきます。高校選びに悩んでいる中学生と保護者の皆さんにとって、きっと役立つ情報が見つかるはずです。

東葉高等学校の基本情報

以下に東葉高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 東葉高等学校
公立/私立 私立
共学/別学 共学
所在地 〒274-0822 千葉県船橋市飯山満町2-665-1
代表電話番号 047-463-2111
公式サイト https://toyohs.ed.jp

東葉高等学校の偏差値・難易度・併願校

東葉高等学校の偏差値は、コースによって異なります。自分の学力や目指す進路に合ったコースを選ぶことが大切です。

  • S特進クラス:60

  • 特進クラス:56

同じくらいの偏差値の高校としては、千葉敬愛高校、敬愛学園高校、千葉経済大学附属高校などが挙げられます。難易度の目安として、特進クラスの推薦入試(単願)を希望する場合、内申点は5科で21以上が一つの基準となるようです。

併願校としては、同じ私立の千葉明徳高校、秀明八千代高校、和洋国府台女子高校などを受験する生徒が多い傾向にあります。東葉高等学校を第一志望とする受験生は、これらの学校を併願先として検討してみるとよいでしょう。

東葉高等学校に設置されている学科・コース

東葉高等学校は普通科のみですが、目標に応じて3つのクラス(コース)が設置されています。それぞれの特色を理解し、自分に最適な環境を選びましょう。

  • S特進クラス

    国公立大学や早慶上理といった最難関私立大学への現役合格を目指すクラスです。国公立大学入試に対応したカリキュラムで、幅広い教科を深く学びます。高いレベルの仲間と切磋琢磨したい、難関大学に挑戦したいという生徒におすすめです。

  • 特進クラス

    GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)などの難関私立大学を目指すクラスです。私立大学の入試に特化したカリキュラムで、主要3教科を中心に効率よく学習を進めます。部活動と勉強を両立させながら、有名私立大学を目指したい生徒に適しています。

  • 進学クラス (※2025年度入試より募集停止)

    多様な進路希望に対応するクラスです。大学進学だけでなく、専門学校や就職など、幅広い選択肢の中から自分の将来を見据えます。週5日制授業で、放課後の時間を部活動や資格取得の勉強などに有効活用できるのが特徴でした。

東葉高等学校の特色・校風

東葉高等学校は、「自由」で「生徒の自主性を尊重する」校風が大きな特色です。キーワードとしては、「文武両道」「面倒見が良い」「アットホーム」などが挙げられます。

  • 校則: 他の私立高校と比較すると、校則は緩やかな傾向があるようです。特にスマートフォンの校内での使用が許可されている点は、多くの生徒から支持されています。ただし、もちろん授業中の使用は禁止されており、ルールを守ることが前提です。

  • 宿題の量: コースによって異なりますが、S特進クラスや特進クラスでは、日々の課題や週末課題など、量は比較的多めという声があります。進学クラスは、自分のペースで学習を進められるようです。

  • 生徒の雰囲気: 明るく活発な生徒が多い一方で、真面目に学習に取り組む生徒も多く、全体的にバランスが取れている印象です。生徒同士の仲が良く、いじめが少ないという口コミも多く見られます。

  • アルバイト: 条件付き(長期休暇中など)で許可されています。学校生活に支障が出ない範囲で行うことが求められます。

  • 制服: 2023年度からリニューアルされた新制服は、生徒からの評判が非常に高いようです。特に女子のスカートは、複数のデザインから選べるなど、おしゃれで人気があります。

  • 土曜授業: S特進クラスと特進クラスは週6日制で土曜授業があります。進学クラスは週5日制です。

東葉高等学校の部活動・イベント

部活動

東葉高等学校は部活動が非常に盛んで、多くの部が県大会や全国大会で活躍しています。文武両道を実践する生徒が多く、活気に満ちています。

  • 特に有名な部活動:

    • ダンスドリル部: 全国大会常連の強豪として知られています。キレのあるパフォーマンスは圧巻です。

    • テニス部: 男女ともに強豪で、関東大会やインターハイへの出場経験も豊富です。

    • 弓道部: 集中力を高め、礼儀作法も身につく武道として人気があります。

  • 全体の様子:

    運動部、文化部合わせて20以上の部・同好会があり、自分に合った活動を見つけやすい環境です。友人との交流を深め、高校生活をより豊かにするために、多くの生徒が部活動に加入しています。

イベント

学校生活を彩るイベントも東葉高等学校の魅力の一つです。生徒が主体となって作り上げる行事が多く、毎年大きな盛り上がりを見せます。

  • すずかけ祭(文化祭): 毎年9月に行われる文化祭は、クラスごとの展示やステージ発表、有志団体によるパフォーマンスなどで大変賑わいます。

  • 体育祭: クラス対抗で様々な競技に臨み、団結力を高めます。応援合戦なども見どころの一つです。

  • 修学旅行: 2年生の11月に関西方面(京都・奈良・大阪など)を訪れることが多いようです。

  • この指と~まれ: 教員が企画する自由参加型のイベントで、スポーツ大会や映画鑑賞会など、様々な企画が頻繁に開催され、学年やクラスを超えた交流の場となっています。

東葉高等学校の進学実績

東葉高等学校は、近年、大学進学実績を大きく向上させています。特に難関私立大学への合格者数が伸びているのが特徴です。

  • 国公立大学: 千葉大学、一橋大学、岩手大学、秋田大学、福島大学、茨城大学、千葉県立保健医療大学など、毎年合格者を出しています。

  • 難関私立大学:

    • 早慶上理(早稲田、慶應義塾、上智、東京理科)へは、2024年度に計5名の合格者が出ています。

    • GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)へは、2024年度に計35名の合格者を輩出しています。

  • その他: 日東駒専(日本、東洋、駒澤、専修)レベルの大学へは多数の合格実績があります。また、指定校推薦の枠も豊富で、多くの生徒が活用しているようです。

こうした進学実績を支えているのが、手厚い進路サポート体制です。「東葉塾」と呼ばれる校内予備校では、放課後に実力派講師によるハイレベルな授業を受けることができます。また、夏休みには「校内留学」と題した英語漬けのプログラムも用意されており、英語力の向上に繋がっています。

東葉高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、東葉高等学校ならではの強みやユニークな取り組みをまとめました。

  • 目標に合わせた3つのクラス制: 国公立・最難関私大を目指す「S特進」、難関私大を目指す「特進」、多様な進路に対応する「進学」と、一人ひとりの目標に合わせたきめ細やかな指導が受けられます。

  • 充実の進路サポート「東葉塾」: 放課後に校内で予備校レベルの講習を受けられる「東葉塾」があり、塾に通うことなく受験対策を完結させることが可能です。

  • 「朝の10分間読書」発祥の学校: 今や全国の多くの学校で取り入れられている「朝の読書」は、1988年に東葉高等学校が全国で初めて実施した取り組みです。

  • 人気の高い新制服: 2023年度から導入された新制服は、生徒から非常に好評です。特に、複数の種類から選べるスカートやスラックスが人気を集めています。

  • ICT教育の推進: 全生徒がiPadを所有し、授業や家庭学習で活用しています。各教室にはプロジェクターも完備され、最先端の学習環境が整っています。

  • 独自のイベント「この指と~まれ」: 教員が企画する自由参加型のイベントが頻繁に開催され、学年やクラスの垣根を越えた交流が盛んです。

  • 歴史と自然が共存するキャンパス: キャンパス内には有形文化財の「長屋門」が正門として使われており、歴史を感じさせます。周辺は緑も多く、落ち着いた環境で学ぶことができます。

東葉高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生から寄せられる声をまとめました。高校選びの参考にしてください。

  • 良い点:

    • 「校則が緩やかで、自由な校風が自分に合っている」という声が多数あります。特にスマホが使える点を評価する意見が多いようです。

    • 「先生方が親身で、進路相談などに熱心に乗ってくれる」といった、教師の面倒見の良さを挙げる口コミも目立ちます。

    • 「文化祭や体育祭などの行事がとても楽しく、クラスの団結力が強まる」という声も多く、充実した学校生活を送っている様子がうかがえます。

    • 「部活動が盛んで、目標に向かって仲間と頑張れる環境がある」と、文武両道を実践できる点を魅力に感じる生徒も多いです。

  • 気になる点:

    • 「最寄り駅から少し歩くので、アクセスが少し不便」という意見があります。特に雨の日などは大変に感じる生徒もいるようです。

    • 「施設の一部が古い」という声も一部で見られます。ただし、校舎の改修なども進められているようです。

    • 「コースによって学習の進度や雰囲気がかなり違う」という意見もあり、入学後のミスマッチを防ぐためにも、コース選択は慎重に行う必要があるでしょう。

アクセス・通学

東葉高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • **東葉高速鉄道「飯山満(はさま)駅」**より徒歩約8分

  • **新京成線「前原駅」**より徒歩約15分

  • **JR「津田沼駅」または「東船橋駅」**から京成バスを利用し、「東葉高校」バス停下車、徒歩約5分

船橋市内からの通学者が最も多いですが、八千代市、習志野市、鎌ケ谷市、千葉市など、幅広いエリアから生徒が通学しています。

東葉高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

ここまで読んでいただき、東葉高等学校の魅力は伝わりましたでしょうか。この学校は、「自分の意志で高校生活をデザインしたい」と考えている生徒に特におすすめです。自由な校風の中で、勉強に、部活動に、行事にと、何事にも主体的に取り組むことで、かけがえのない3年間を過ごすことができるでしょう。

また、「S特進」「特進」といったクラスが設置されていることから、「高いレベルの大学進学を目指したいけれど、厳しすぎる環境は少し苦手」という生徒にも最適な環境と言えます。先生方の手厚いサポートを受けながら、自分のペースで目標に向かって努力することができます。

受験勉強においては、まずは中学校で習う基礎的な学力をしっかりと定着させることが最も重要です。特に英語・数学・国語の3教科は、入試でも重視されます。苦手分野をなくし、どの教科でもバランス良く得点できる力を養っておきましょう。東葉高等学校で、あなたらしい高校生活をスタートできることを心から応援しています。

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。