三重県立桑名工業高等学校は、「ものづくり」を通して、社会で活躍できる技術者の育成を目指す、歴史と実績のある専門高校です。 卒業生の多くが、その専門知識と技術を活かして、地元の優良企業をはじめとする様々な分野で活躍しています。 「就職に強い」というイメージが強い桑名工業高等学校ですが、近年では大学や専門学校への進学の道も開かれており、多様な進路選択が可能になっています。

このページでは、そんな桑名工業高等学校について、偏差値や学科の特色、学校生活の様子から進路実績まで、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を、分かりやすくまとめています。ものづくりに興味がある人、専門的なスキルを身につけて将来に活かしたいと考えている人にとって、桑名工業高等学校がどのような学校なのか、具体的なイメージを掴む手助けになれば幸いです。

この記事を読んで、桑名工業高等学校の魅力を発見し、あなたの進路選択の一つとして、じっくり考えてみるきっかけにしてください。

桑名工業高等学校の基本情報

桑名工業高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 三重県立桑名工業高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒511-0944 三重県桑名市大字芳ケ崎1330-1
代表電話番号 0594-31-5231
公式サイト http://www.mie-c.ed.jp/tkuwan

桑名工業高等学校の偏差値・難易度・併願校

桑名工業高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は重要なポイントです。ここでは、具体的な数値や目安を解説します。

桑名工業高等学校の偏差値は、学科によって異なりますが、おおむね「45」前後とされています。 これは三重県内の公立高校の中では、平均的な難易度に位置します。

合格に必要な内申点の目安としては、20台後半から30程度が一つの基準となりそうです。ただし、これはあくまで目安であり、前期選抜・後期選抜や年度によっても変動するため、中学校の先生や塾の先生とよく相談することが大切です。

主な併願校としては、同じく専門的な知識が学べる私立高校や、同程度の偏差値の私立高校が挙げられます。具体的には、津田学園高等学校などが候補となることが多いようです。 三重県の公立高校入試では、原則として公立高校同士の併願はできないため、私立高校を併願先として検討することになります。

桑名工業高等学校に設置されている学科・コース

桑名工業高等学校では、社会のニーズに応えるための専門的な知識と技術を学べる、魅力的な学科が設置されています。 大きく「機械系」と「電気系」の2つの系に分かれており、1年生のうちは共通の科目を学びながら基礎を固め、2年生から希望や適性に応じて各コースに分かれる「くくり募集」というシステムを採用しているのが大きな特徴です。

  • 機械系

    • テクノシステムコース: ものづくりの基礎からCADやNC工作機械といった最先端技術まで幅広く学び、設計や加工のスペシャリストを目指します。

    • エコシステムコース: 環境に配慮したエネルギー技術やリサイクル技術などを学び、持続可能な社会に貢献できる技術者を目指します。

    • キャリア探究コース(進学専攻・デュアルシステム専攻): 進学を目指す生徒や、企業での長期実習(デュアルシステム)を通して実践力を高めたい生徒向けのコースです。

  • 電気系

    • 電気技術者コース: 電気工事や自動制御など、社会インフラを支える電気技術の基礎から応用までを学びます。

    • 情報技術者コース: プログラミングやネットワーク、AIなど、IT社会で活躍するための情報技術を専門的に学びます。県内の工業高校で唯一の情報に特化したコースです。

    • キャリア探究コース(進学専攻・デュアルシステム専攻): 機械系と同様に、進学や企業での実践的な学びを深めるためのコースです。

桑名工業高等学校の特色・校風

桑名工業高等学校は、「地域と歩むものづくり」をキャッチフレーズに、実践的な技術指導と人間性豊かな人材育成を教育の柱としています。

校風を表すキーワードとしては、「実践重視」「資格取得に積極的」「地域連携」が挙げられます。生徒たちは、真面目で落ち着いた雰囲気の中で、それぞれの目標に向かって熱心に学習や実習に取り組んでいるようです。

  • 宿題の量: 工業高校という特性上、普通教科の宿題は標準的ですが、専門科目のレポートや課題が出されることが多いようです。

  • 校則: 校則は、他の高校と比較するとやや厳しいという声が見られます。 特に、服装や頭髪に関する規定は細かく定められており、日頃から高校生らしい身だしなみが求められます。 スマートフォンの使用については、校内でのルールを守ることが前提となります。

  • 生徒たちの雰囲気: ものづくりが好きな生徒が多く、共通の興味関心を持つ仲間と切磋琢磨できる環境です。男子生徒の比率が高いですが、女子生徒も各学科で専門知識を学んでいます。

  • アルバイト: アルバイトは届け出制で認められています。 ただし、学業に支障が出ない範囲で行うことが原則です。

  • 制服: 制服は、機能性を考慮したブレザースタイルです。

  • 土曜授業: 現在、土曜授業は実施されていないようです。

桑名工業高等学校の部活動・イベント

桑名工業高等学校では、学習だけでなく、部活動や学校行事も活発に行われており、充実した高校生活を送ることができます。

部活動

部活動への加入が義務付けられており、多くの生徒が文武両道を目指して活動に励んでいます。 運動部、文化部ともに多彩なクラブがあり、特に工業高校ならではの「生産部」も活発です。

  • 運動部: 野球、サッカー、陸上、ハンドボール、水泳など、多くの運動部が活動しています。 中でも水泳部は、大会で優秀な成績を収めるなど、強豪として知られています。 また、プロレスラーの柴田勝頼選手や後藤洋央紀選手を輩出するなど、格闘技系の部活動も伝統があります。

  • 文化部・生産部: 美術、写真、将棋といった文化部のほか、マイコン部やロボット部など、専門知識を活かせる部活動が人気です。 マイコン部は、プログラミングでゲームを制作したり、学校生活のICT化に取り組んだりしています。 ロボット部は、ロボット相撲の全国大会に出場するなど、高い技術力を誇ります。

イベント

桑名工業高等学校では、生徒たちの手で作り上げる多彩なイベントが年間を通して開催されます。

  • 桑工祭(文化祭): 毎年秋に開催される文化祭は、各クラスや部活動が日頃の学習や活動の成果を発表する最大のイベントです。 特に、工業高校ならではの展示や実演は、毎年多くの来場者で賑わいます。

  • 体育祭: 6月に行われる体育祭は、クラス対抗で様々な競技に熱戦を繰り広げ、学校全体が一体となって盛り上がります。

  • 修学旅行: 2年生の11月には、沖縄へ修学旅行に行きます。 平和学習や文化体験を通して、視野を広げ、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。

  • インターンシップ: 2年生の夏休みには、全生徒を対象としたインターンシップ(就業体験)が実施されます。 実際の企業で働くことを通して、職業観を養い、将来の進路を考えるきっかけとなります。

桑名工業高等学校の進学実績

桑名工業高等学校は、伝統的に就職に強いことで知られていますが、近年は大学や専門学校への進学実績も着実に伸ばしています。 生徒一人ひとりの希望進路を実現するための手厚いサポート体制が整っています。

  • 就職: 卒業生の多くが、地元三重県内の大手企業や優良企業に就職しています。 学校斡旋による就職率は非常に高く、安定した実績を誇ります。 これは、長年にわたる企業との信頼関係と、社会で即戦力となる人材育成の賜物と言えるでしょう。

  • 国公立大学: 国公立大学への進学者もおり、工業高校での学びをさらに深める道が開かれています。

  • 私立大学・専門学校: 愛知工業大学、中部大学、名城大学といった工業系の大学や、各種専門学校へ進学する生徒も多数います。専門知識を活かして、より高度な技術者や研究者を目指すことができます。

進路実現に向け、3年生を対象とした進路講話や、企業と連携した合同進路説明会などが頻繁に開催されており、生徒が早期からキャリアについて考える機会が豊富に用意されています。

桑名工業高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、桑名工業高等学校ならではの強みやユニークな取り組みを紹介します。

  • 三重県初の「くくり募集」: 1年生では機械系・電気系という大きな枠で学び、2年生から自分の興味や適性に合わせて専門コースを選択できるため、入学後にじっくりと自分の進む道を見極めることができます。

  • 日本版デュアルシステム: 文部科学省の指定を受け、企業で長期間(週2日、1年間)にわたる実践的な就業訓練を行う「デュアルシステム」を導入しています。 学校の授業だけでは学べない最先端の技術や、社会人としての心構えを身につけることができます。

  • 高い就職実績と企業との強い連携: 130社以上の企業とパートナーシップ契約を結んでおり、学校斡旋による就職率は100%を誇ります。 地元産業界からの信頼が厚いのが最大の強みです。

  • 豊富な資格取得サポート: 在学中に、危険物取扱者、電気工事士、ITパスポートなど、将来に役立つ様々な国家資格や検定に挑戦できる環境が整っています。先生方の手厚いサポートのもと、多くの生徒が難関資格を取得しています。

  • 工業高校で唯一の情報特化コース: 電気系に設置されている「情報技術者コース」は、三重県内の工業高校で唯一、情報技術を専門的に学べるコースです。

  • 地域に根差した「ものづくり」活動: 「地域と歩むものづくり」を合言葉に、地域のイベントに参加したり、小中学生向けのものづくり教室を開催したりと、地域社会との連携を大切にしています。

  • 桑工ゆめ鉄道: 生徒たちが製作・運営するミニSL「桑工ゆめ鉄道」は、地域のイベントで子どもたちに大人気で、学校のシンボルの一つとなっています。

桑名工業高等学校の口コミ・評判のまとめ

桑名工業高等学校について、在校生や卒業生からは様々な声が寄せられています。ここでは、ポジティブな口コミと、注意点として挙げられる口コミを公平に紹介します。

  • 良い点:

    • 「就職に非常に強く、大手企業や地元の優良企業への求人が多い」という声が圧倒的に多く見られます。

    • 「専門的な知識や技術が身につき、資格もたくさん取れるので、将来の目標が明確な人には最高の環境」と評価されています。

    • 「先生方が親身で、進路相談や資格取得のサポートが手厚い」という意見も多くあります。

    • 「部活動が盛んで、特にものづくり系の部活は全国レベルで活躍できる」といった、部活動に関するポジティブな口コミも目立ちます。

  • 気になる点:

    • 「校則が他の高校に比べて厳しいと感じる」という声が一定数あります。 特に服装や頭髪に関する指導が厳しいと感じる生徒もいるようです。

    • 「工業高校なので、男子生徒の割合が高い」という点は、学校選びの際に考慮すべき点かもしれません。

    • 「進学を考えている場合、普通科の高校に比べて大学受験対策の面では自分で努力する必要がある」という意見もあります。

    • 施設の بعض部分が古いという指摘も見られます。

アクセス・通学

桑名工業高等学校へのアクセス方法と、通学エリアについて説明します。

  • 最寄り駅:

    • 三岐鉄道北勢線「七和駅」から徒歩約10〜13分

    • 三岐鉄道北勢線「穴太駅」から徒歩約16分

  • バスでのアクセス:

    • JR・近鉄「桑名駅」から三重交通バスに乗車し、「桑名工業高校前」バス停で下車、徒歩約4〜5分。

  • 主な通学エリア:

    桑名市内の生徒はもちろん、いなべ市、東員町、朝日町、川越町など、北勢地域の広い範囲から生徒が通学しています。公共交通機関を利用する生徒のほか、自転車で通学する生徒も多いようです。

桑名工業高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

桑名工業高等学校を目指す皆さんへ、進学アドバイザーとして最後に応援メッセージを送ります。

桑名工業高等学校は、「ものづくりが好き」「将来は技術者として社会に貢献したい」「早くから専門的なスキルを身につけて、就職に活かしたい」と考えている君に、まさにぴったりの学校です。充実した設備と、熱心な先生方の指導のもと、自分の興味や関心をどこまでも追求できる環境がここにはあります。特に、企業での長期実習が経験できる「デュアルシステム」は、他校では得られない貴重な学びの機会となるでしょう。

受験勉強においては、専門科目の土台となる数学と理科の基礎をしっかりと固めておくことが大切です。また、日々の授業態度や提出物など、中学校での学習姿勢が評価される内申点も重要になります。桑名工業高等学校で、夢中になれる「ものづくり」に出会い、仲間と共に成長し、未来を切り拓く力を手に入れてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。