静岡県焼津市にキャンパスを構える焼津高等学校は、1902年(明治35年)にその歴史の幕を開けた、県内でも有数の歴史と伝統を誇る私立高校です。 長らく女子校として地域に親しまれてきましたが、時代のニーズに応え、2023年度からは全学科で男女共学となり、新たな歴史を刻み始めています。 焼津高等学校の最大の特長は、静岡県の私立高校で唯一となる「総合学科」を設置している点です。
総合学科の魅力は、なんといっても生徒一人ひとりの興味や関心、そして将来の夢に合わせて、自分だけのオリジナルな時間割を作成できることです。 普通科目に加え、商業や家庭科、福祉といった専門的な科目まで、幅広い選択肢の中から学びたい授業を自由に組み合わせることができます。 この柔軟なカリキュラムを通して、焼津高等学校は生徒の主体性を育み、未来を切り拓く力を養う教育を実践しています。
この記事では、そんな焼津高等学校について、偏差値や難易度、気になる学校生活の様子から部活動、進学実績まで、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、分かりやすく具体的にお伝えしていきます。この記事を読んで、焼津高等学校の魅力を存分に感じてください。
焼津高等学校の基本情報
焼津高等学校の基本的な情報を表にまとめました。
焼津高等学校の偏差値・難易度・併願校
焼津高等学校の偏差値は、総合学科として40とされています。 これは、基礎学力をしっかりと身につけたい生徒や、専門的な知識・技術の習得に意欲のある生徒にとって、挑戦しやすい難易度と言えるでしょう。
合格に必要な内申点の目安については、具体的な数値は公表されていませんが、中学での基本的な学習内容を理解し、授業に真面目に取り組む姿勢が評価される傾向にあります。偏差値だけでなく、中学校での学習態度や活動実績も総合的に判断されると考えておくと良いでしょう。
静岡県の高校入試制度では、私立高校は複数の学校を併願することが可能です。焼津高等学校を受験する生徒の主な併願校としては、同じく焼津市内の静岡県立焼津中央高等学校や、近隣の藤枝市にある藤枝順心高等学校、静岡市にある静岡大成高等学校などが挙げられることが多いようです。これらの高校は、それぞれ異なる特色を持っているため、自分の興味や進路希望に合わせて併願校を検討することが大切です。
焼津高等学校に設置されている学科・コース
焼津高等学校は、生徒一人ひとりの「なりたい自分」を実現するための多様な学びを提供する総合学科の高校です。 1年生で共通の科目を学んだ後、2年生からは興味や進路希望に応じて、以下の4つの「系列」に分かれて専門性を深めていきます。
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みらい探究系列
大学や短期大学、看護系の専門学校への進学を目指す生徒向けの系列です。 受験に対応できる学力を養成するための科目が中心で、自分の興味関心を深く掘り下げる探究活動にも力を入れています。
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情報実務系列
コンピュータや情報処理のスキルを身につけたい生徒におすすめの系列です。 簿記や文書デザインなど、ビジネス社会で即戦力となる資格の取得を目指し、実践的な知識と技術を学びます。
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生活環境系列
調理、服飾、保育など、生活に密着した分野に興味がある生徒向けの系列です。 将来、栄養士や保育士などを目指す生徒に最適で、実習を通して豊かな生活を創造する力を養います。
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福祉介護系列
高齢化社会でますます重要となる福祉の専門知識と技術を学ぶ系列です。 介護実習や手話、点字なども学び、福祉サービスに必要な心とスキルを身につけ、ホームヘルパー2級などの資格取得も目指せます。
焼津高等学校の特色・校風
焼津高等学校は、「心は寛く、気は高く」を校訓に掲げ、生徒一人ひとりの個性を尊重し、主体性を育む教育を実践しています。 2023年度に完全共学化を果たし、新たな活気に満ちあふれています。
口コミなどを見ると、校風は「生徒の自主性を重んじる」という声がある一方で、「私立なので校則は比較的厳しい」と感じる生徒もいるようです。 例えば、スマートフォンは校内での使用が原則禁止されており、見つかると没収されるというルールがあります。 服装や頭髪に関しても、肩につく髪は結ぶ、靴下は黒色など、一定の決まりがあるようです。
生徒たちの雰囲気は、真面目に学習に取り組む生徒から、少し活発な生徒まで様々で、多様な個性を持つ生徒が集まっているという印象です。 総合学科という特性上、自分の興味や目標に合わせて授業を選択できるため、学習意欲の高い生徒にとっては満足度の高い環境と言えるでしょう。
宿題の量については、選択する科目によって差があるようですが、全体的には標準的という声が多いようです。アルバイトは原則として禁止されています。土曜授業はありません。 制服はブレザースタイルで、特に女子生徒からは「可愛い」と評判のようです。
焼津高等学校の部活動・イベント
部活動
焼津高等学校では、多くの生徒が部活動に励んでおり、勉強と両立させながら充実した高校生活を送っています。
運動部では、特にソフトテニス部が強豪として知られており、全国大会への出場経験も豊富です。 また、全国的にも珍しいトランポリン部があるのも大きな特色で、専用の練習場も完備されています。 その他、テニス部、卓球部、バレーボール部、バスケットボール部などが活動しています。
文化部も活発で、音楽部は各種コンクールで優秀な成績を収めています。 書道部や家庭部、パソコン部、ボランティア部など、様々な部があり、生徒たちはそれぞれの興味に合わせて活動を楽しんでいます。
イベント
焼津高等学校では、生徒たちの手で作り上げる多彩な学校行事が、一年を通してキャンパスを彩ります。
特に盛り上がるのが、秋に開催される「焼高祭(文化祭)」です。 クラスや文化部による展示、ステージ発表、模擬店など、多彩な企画で来場者を楽しませます。体育大会や球技大会では、クラス対抗で熱戦が繰り広げられ、生徒たちの団結力が高まります。
また、2年生の冬には修学旅行が実施されます。 行き先は年度によって異なりますが、仲間との絆を深める貴重な機会となっています。その他にも、コーラス大会やバス遠足など、思い出に残るイベントが数多く用意されています。
焼津高等学校の進学実績
焼津高等学校は、総合学科の特色を活かし、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応しています。大学進学から専門学校、就職まで、幅広い実績を誇ります。
公式サイトによると、令和6年度の進路状況では、4年制大学への進学が最も多く、次いで専門学校、短期大学、就職と続いています。
主な進学先としては、地元の静岡福祉大学や静岡産業大学、常葉大学などへの進学者が多い傾向にあります。 また、みらい探究系列を中心に、国公立大学や難関私立大学を目指す生徒もおり、個々の目標に応じた進路指導が行われています。
情報実務系列や生活環境系列、福祉介護系列の生徒は、在学中に取得した資格や専門知識を活かして、希望する分野の専門学校へ進学したり、地元企業へ就職したりするケースが多く見られます。学校では、進路指導ロードマップを作成し、計画的な進路実現をサポートしています。
焼津高等学校の特長・アピールポイント
焼津高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさんあります。ここでは、その特長とアピールポイントをいくつかご紹介します。
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県内私学で唯一の「総合学科」
最大の特長は、なんといっても静岡県の私立高校で唯一の総合学科であることです。 生徒は自分の興味や将来の夢に合わせて、普通科目から専門科目まで、幅広い選択肢の中から自分だけの時間割を作ることができます。
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JR焼津駅から徒歩3分の好立地
JR焼津駅南口から徒歩わずか3分という、非常に便利な場所にあります。 電車での通学がしやすく、遠方から通う生徒にとっても大きなメリットです。
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全国でも珍しい「トランポリン部」
校内に専用の練習場を備えた、全国的にも珍しいトランポリン部があります。 専門的な指導のもと、初心者から全国レベルを目指す選手までが練習に励んでいます。
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多彩な資格取得をサポート
情報処理や簿記、調理、福祉関連など、各系列の学びに直結した様々な資格取得を強力にバックアップしています。 取得した資格は、進学や就職の際に大きな強みとなります。
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地域と連携した実践的な学び
「焼津の食」をテーマにした授業や、地域のイベントへの参加など、学校の所在地である焼津市との連携を大切にした実践的な学びの機会が豊富に用意されています。
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充実した施設・設備
ガラス張りで開放的な調理室や、介護実習室、作法室(茶道)など、専門的な学びを深めるための施設が充実しています。
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2023年度からの完全共学化
長年の女子校の歴史を経て、2023年度から全系列で男女共学となりました。 新しい歴史を共に創っていく、活気あふれる環境で学校生活を送ることができます。
焼津高等学校の口コミ・評判のまとめ
焼津高等学校についての在校生や卒業生からの口コミをまとめました。学校選びの参考にしてください。
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良い点
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「総合学科なので、自分の好きなことや将来やりたいことを見つけやすい」という声が多く聞かれます。
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「資格がたくさん取れるので、進学や就職に有利だと感じた」という、キャリア形成に繋がる点を評価する意見も目立ちます。
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「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」「生徒によって対応を変えてくれるので、自分に合った指導を受けられた」といった、教員のサポート体制を評価する声もあります。
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「駅から近くて通学がとても楽」という立地の良さは、多くの生徒にとって魅力的なポイントのようです。
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「制服が可愛いと評判」という意見も多く見られます。
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気になる点
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「私立なので校則が厳しいと感じる」という声が一定数あります。特に、校内でのスマートフォン使用禁止については、不便に感じる生徒がいるようです。
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「生徒の学習意欲に差があるように感じる」という意見もあります。 総合学科で様々な生徒が集まるため、クラスの雰囲気は選択科目や系列によって異なる可能性があります。
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「いじめが全くないわけではない」という声も見られます。 どの学校にも言えることですが、人間関係のトラブルは起こりうるようです。
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一部の生徒からは、「先生の対応に不満を感じることがあった」という厳しい意見も寄せられています。
アクセス・通学
焼津高等学校へのアクセスは非常に便利です。
駅の南口を出るとすぐに学校が見えるほどの近さで、雨の日でも通学しやすいのが大きな魅力です。 そのため、焼津市内はもちろん、静岡市、藤枝市、島田市、吉田町など、幅広いエリアから多くの生徒が電車を利用して通学しています。
焼津高等学校受験生へのワンポイントアドバイス
焼津高等学校を目指す皆さん、こんにちは!進学アドバイザーとして、皆さんにエールを送ります。
焼津高等学校は、「将来やりたいことがまだ決まっていないけれど、高校生活を通して自分の可能性を見つけたい」と考えている人に特におすすめの学校です。総合学科という環境を最大限に活かせば、興味のあることをとことん追求し、夢中になれる何かに出会えるはずです。また、「専門的な知識や資格を身につけて、将来に役立てたい」という明確な目標を持っている人にとっても、その夢を実現するための最適な環境が整っています。
受験勉強においては、まずは中学校の授業内容をしっかりと復習し、基礎学力を固めることが何よりも大切です。特に、国語・数学・英語の3教科は、どの系列に進むにしても重要になりますので、苦手分野を作らないようにバランス良く学習を進めましょう。そして、面接では「焼津高等学校で何を学びたいのか」「将来どんな自分になりたいのか」を自分の言葉で伝えられるように、自己分析を深めておくことをお勧めします。皆さんの挑戦を心から応援しています!
※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。