熊本県立芦北高等学校は、100年以上の歴史と伝統を誇る専門高校です。 大正10年に地域の産業振興と人材育成を願って設立された葦北農林学校を前身とし、時代のニーズに合わせて進化を続けてきました。 現在は「農業科」「林業科」「福祉科」という、私たちの生活に不可欠な分野を深く学べる3つの専門学科が設置されています。

「敬愛・勤勉・創造」の校訓のもと、芦北・水俣地域の自然豊かな環境を生かした体験的な学びが、熊本県立芦北高等学校の大きな魅力です。 生徒一人ひとりの個性を伸ばし、地域社会に貢献できる人材を育てることを目指しています。専門知識や技術の習得はもちろん、学校行事や部活動を通して、充実した高校生活を送りたいと考えている中学生にとって、熊本県立芦北高等学校は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

この記事では、そんな芦北高等学校の偏差値や気になる口コミ、学校生活の様子などを、進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

熊本県立芦北高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 熊本県立芦北高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒869-5431 熊本県葦北郡芦北町乙千屋20-2
代表電話番号 0966-82-2034
公式サイト https://sh.higo.ed.jp/ashikita/

熊本県立芦北高等学校の偏差値・難易度・併願校

熊本県立芦北高等学校の偏差値は、専門高校という特性上、学科によって少し異なりますが、おおむね36から37とされています。

  • 農業科:37

  • 福祉科:37

  • 林業科:36

この偏差値は、熊本県内の高校の中では比較的入学しやすいレベルと言えます。しかし、専門的な知識や技術を身につけたいという明確な目的を持った生徒が集まるため、入学後の学習意欲が重要になります。同じくらいの偏差値の高校としては、県内の他の専門高校などが挙げられます。

合格に必要な内申点の目安については、具体的な点数は公表されていませんが、日頃の授業態度や提出物など、中学校での基本的な学習習慣が評価されると考えておくと良いでしょう。

熊本県の公立高校入試では、基本的に他の公立高校を併願することはできません。そのため、芦北高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、水俣市にある水俣病事件を乗り越え、環境教育に力を入れていることでも知られる私立の水俣病高等学園などが考えられます。

熊本県立芦北高等学校に設置されている学科・コース

熊本県立芦北高等学校には、地域社会を支える専門的な知識と技術を学べる、特色ある3つの学科が設置されています。 それぞれの学科で、あなたの「好き」や「得意」を未来の力に変えることができます。

  • 農業科

    • どんなことを学ぶ?:野菜や果物の栽培、花の管理、食品加工など、食と緑に関する幅広い知識と技術を学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:自然や食べ物が好きで、将来は農業や食品関連の仕事に就きたいと考えている人におすすめです。

  • 林業科

    • どんなことを学ぶ?:森林の育成や管理、木材の活用、きのこの栽培、さらには測量技術など、森林資源と環境保全について専門的に学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:アウトドア活動が好きで、環境問題に関心があり、日本の豊かな自然を守り育てる仕事に興味がある人におすすめです。

  • 福祉科

    • どんなことを学ぶ?:高齢者や障がいのある方への介護技術やコミュニケーションの方法など、福祉の心と専門知識を学び、介護福祉士の国家試験受験資格の取得を目指します。

    • どんな生徒におすすめ?:人の役に立ちたい、誰かを支える仕事がしたいという温かい気持ちを持っている人におすすめです。

熊本県立芦北高等学校の特色・校風

熊本県立芦北高等学校は、「地域に根ざした実践教育」と「アットホームな雰囲気」が大きな特色です。校風をキーワードで表すなら、「実践重視」「地域密着」「面倒見が良い」といった言葉がぴったりでしょう。

生徒たちの雰囲気は、専門分野を学ぶという共通の目的があるためか、真面目で落ち着いているという声が多いようです。同時に、実習や学校行事では活発に協力し合う、和気あいあいとした雰囲気も持ち合わせています。

  • 宿題の量:専門教科の実習やレポートなどがあるため、決して少なくはないようですが、計画的に取り組めば十分にこなせる量だと言われています。

  • 校則:他の高校と比較して、特に厳しいということはないようです。ただし、専門的な実習を行うため、安全に関わる服装や頭髪などの指導はきちんと行われます。スマートフォンの使用については、校内でのルールを守って使用することが求められます。

  • アルバイト:原則として許可されていませんが、家庭の事情など特別な理由がある場合は、学校に申請し許可を得ることで可能になる場合があります。

  • 制服:2017年に新しいデザインに変更されました。 女子の制服は深みのあるグリーンを基調としたクラシカルなデザインで、清楚で可愛いと評判です。 夏服はラベンダーとピンクのチェック柄が可愛らしく、心が弾むようなデザインとなっています。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はありません。

熊本県立芦北高等学校の部活動・イベント

部活動

熊本県立芦北高等学校は、部活動が非常に盛んで、特に全国レベルで活躍する部も少なくありません。運動部、文化部ともに充実しており、多くの生徒が文武両道を目指して活動に励んでいます。

  • 特に有名な部活動

    • 男子新体操部:全国大会の常連であり、トップレベルの実績を誇ります。

    • 相撲部:九州大会や全国大会で常に上位入賞を果たしている強豪です。

    • ウエイトリフティング部:数々の大会で優秀な成績を収めています。

    • カヌー部:水俣・芦北地域の豊かな水辺環境を生かして活動しており、高い実績を持っています。

    • クリエイティ部:生徒自らの手で学校紹介動画を制作するなど、ユニークで活発な活動を行っています。

この他にも、野球部、サッカー部、弓道部、剣道部といった運動部や、測量部、食物部、茶道部など専門高校ならではの文化部も活発に活動しています。

イベント

芦北高等学校では、生徒たちの手で作り上げる学校行事が大きな盛り上がりを見せ、学校生活の忘れられない思い出となります。

  • 体育大会

    芦北高校の体育大会は、学科対抗で行われるのが大きな特徴です。 1年生の集団行動、2年生の組体操、そして3年生の創作ダンスなど、学年ごとのマスゲームは圧巻の一言。 特に3年生のダンスは、クラスごとにTシャツを作成し、担任の先生も一緒に踊るなど、一体感と感動に包まれます。 全校生徒で行うグランドフィナーレのウェーブも伝統となっています。

  • 文化祭

    各クラスや文化部が日頃の学習や活動の成果を発表する貴重な機会です。農業科が作った新鮮な野菜や加工品の販売は、毎年地域の方々にも大人気です。

  • 修学旅行

    近年は福島県などを訪れ、東日本大震災からの復興について学ぶ「ホープツーリズム」を実施しています。 また、最終日には学科別の研修が行われ、農業科は豊洲市場、林業科は林野庁、福祉科はGoogle本社など、それぞれの専門分野に関連する最先端の現場を訪れ、将来の進路について考える貴重な体験をします。

熊本県立芦北高等学校の進学実績

熊本県立芦北高等学校は、専門高校ならではの強みを生かし、多様な進路実現をサポートしています。卒業生は、大学進学、専門学校への進学、そして地元企業への就職など、それぞれの夢に向かって羽ばたいています。

  • 大学・短期大学への進学

    国公立大学への進学者も輩出しています。 専門知識をさらに深めるため、農業系、林業系、福祉系の学部に進学する生徒が多い傾向にあります。指定校推薦枠も活用し、多くの生徒が進学の夢を叶えています。

  • 専門学校への進学

    高校で学んだ専門性をさらに高めるため、多くの生徒が専門学校へ進学します。特に、くまもと林業大学校や、看護・医療系の専門学校、公務員専門学校などが人気の進学先となっています。

  • 就職

    地元芦北・水俣地域をはじめ、熊本県内の企業への就職に強みを持っています。高校で身につけた実践的なスキルと真面目な学習態度が高く評価され、毎年高い就職率を維持しています。公務員として地域に貢献する道を選ぶ卒業生もいます。

進路実現に向け、芦北高等学校では面接指導や小論文指導など、一人ひとりの希望に応じたきめ細やかなサポート体制が整っています。

熊本県立芦北高等学校の特長・アピールポイント

芦北高等学校には、他の高校にはないユニークな魅力がたくさん詰まっています。ここでは、その特長的なアピールポイントをいくつかご紹介します。

  • 地域と連携した実践的な学び

    農業科ではケーキ作り教室、林業科では森林教室、福祉科ではパラスポーツ体験教室など、地域の小学生を招いて高校生が先生役となるユニークな授業があります。 地域との深いつながりの中で、実践的な指導力やコミュニケーション能力を育むことができます。

  • 全国レベルで活躍できる部活動

    男子新体操部、相撲部、ウエイトリフティング部などを筆頭に、全国の舞台で活躍する部活動が多数あります。高いレベルでスポーツに打ち込みたい生徒にとって、最高の環境が整っています。

  • 専門資格の取得を強力にサポート

    福祉科では介護福祉士国家試験の受験資格が得られるほか、各学科で危険物取扱者や測量士補、各種検定など、将来に役立つ多くの資格取得にチャレンジできます。

  • 感動と一体感の学校行事

    体育大会のマスゲームや学科対抗リレーは、学校全体が一つになる芦北高校の名物イベントです。 全校生徒で作り上げるパフォーマンスは、一生の思い出になること間違いありません。

  • 豊かな自然に囲まれた学習環境

    学校の近くには山や海が広がり、校内には約800本の桜が咲き誇る農場があるなど、四季の移ろいを感じられる美しい自然環境の中で学ぶことができます。

  • 手厚い進路サポート体制

    進学から就職まで、生徒一人ひとりの夢の実現に向けて、先生方がとことん向き合い、親身なサポートを行ってくれます。

  • 地域からの温かい支援

    芦北町からは教科書代や修学旅行代金の補助といった総合的な支援があり、地域全体で生徒の学びを応援する体制が整っています。

熊本県立芦北高等学校の口コミ・評判のまとめ

芦北高等学校に対する在校生や卒業生からの声を集めてみると、学校の様々な側面が見えてきます。

  • 良い点

    • 「専門的な知識が身につき、将来の夢が明確になった」という声が非常に多いです。実習が多く、体験的に学べる点が評価されています。

    • 「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」など、生徒と教員の距離が近く、サポートが手厚いという評判です。

    • 「体育大会などの行事がとても盛り上がり、クラスや学年の絆が深まる」という口コミも多く見られます。

    • 「部活動が盛んで、高い目標を持って打ち込める環境がある」点も、多くの生徒にとって魅力となっているようです。

    • 「自然に囲まれた環境で、のびのびと学校生活を送れる」という点も、ポジティブな意見として挙げられています。

  • 気になる点

    • 「専門高校なので、普通科目に比べて専門科目の授業が多い」という声があります。これは専門性を高めたい生徒にとってはメリットですが、大学進学で幅広い受験科目を必要とする場合には、自身での学習計画が重要になります。

    • 「最寄り駅から少し歩く」という意見もあります。肥薩おれんじ鉄道の佐敷駅から徒歩約15分ほどの距離です。

    • 「校舎や施設が少し古い部分もある」という口コミも見られますが、実習に必要な設備は整えられています。

アクセス・通学

熊本県立芦北高等学校へのアクセス方法は以下の通りです。

  • 最寄り駅

    • 肥薩おれんじ鉄道「佐敷駅」から徒歩約15分

  • バス

    • 産交バス「芦北高校前」バス停から徒歩約4分

    • 産交バス「芦北高校入口」バス停から徒歩約7分

芦北町内や水俣市、津奈木町などから通学している生徒が多いようです。公共交通機関を利用する生徒のほか、自転車で通学する生徒も見られます。自然に囲まれた環境の中、日々の通学路で四季の移ろいを感じることができるのも、芦北高等学校ならではの魅力の一つかもしれません。

熊本県立芦北高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

熊本県立芦北高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、「何かを専門的に学びたい」「将来の夢に直結するスキルを身につけたい」という強い意志を持った君にこそ、ぴったりの場所です。農業、林業、福祉という、私たちの生活を支える大切な分野に少しでも興味があるなら、芦北高等学校は君の可能性を大きく広げてくれるはずです。

受験勉強においては、まずは中学校の基礎・基本を大切にしてください。特に、国語、数学、英語といった主要教科の学力は、専門科目を学ぶ上での土台となります。それに加えて、面接試験では「なぜ芦北高校で学びたいのか」「将来どんなことに挑戦したいのか」を自分の言葉でしっかりと伝えられるように準備しておくことが重要です。

芦北高等学校は、温かい先生方や同じ目標を持つ仲間たちと一緒に、充実した3年間を送ることができる学校です。自分の「好き」を「得意」に変え、未来を切り拓く力をここで身につけてください。応援しています!


※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。