東京都立町田総合高等学校は、自分の興味や進路に合わせて時間割を組み立てられる「総合学科」が魅力の高校です。多岐にわたる選択科目の中から、自分だけの学びをデザインできるため、「将来やりたいことがまだ決まっていない」という人も、「好きなことをとことん追求したい」という人も、どちらのタイプの生徒にもぴったりの環境が整っています。

町田総合高等学校での三年間は、まさに自分探しの旅そのもの。1年次には「産業社会と人間」という授業で社会の仕組みや自己の適性について学び、2年次からは「系列」と呼ばれる専門分野の学習が本格化します。このユニークなカリキュラムを通じて、生徒一人ひとりが自分の未来を主体的に描き、実現していく力を養うことを目指しています。

この記事では、そんな町田総合高等学校の偏差値や難易度、学校生活の様子、部活動、進学実績などを、経験豊富な進学アドバイザーの視点から分かりやすく解説していきます。あなたの高校選びの参考に、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

町田総合高等学校の基本情報

以下に、町田総合高等学校の基本的な情報をまとめました。

項目 内容
正式名称 東京都立町田総合高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒194-0037 東京都町田市木曽西3-5-1
代表電話番号 042-791-7980
公式サイト https://www.metro.ed.jp/machidasogo-h/

町田総合高等学校の偏差値・難易度・併願校

町田総合高等学校への進学を考える上で、偏差値や難易度は重要な指標になります。自分の学力と照らし合わせ、適切な目標設定に役立てましょう。

総合学科の最新の偏差値は47〜48程度です。同じくらいの偏差値の高校としては、都立の葛飾総合高等学校、世田谷総合高等学校、若葉総合高等学校などが挙げられます。合格に必要な内申点の目安は、9教科でオール3程度がひとつの基準となるでしょう。

町田総合高等学校を第一志望とする場合、併願校としては私立高校を受験するのが一般的です。主な併願校としては、八王子実践高等学校、光明学園相模原高等学校、鶴川高等学校、柏木学園高等学校などが多く選ばれているようです。これらの高校は、町田総合高等学校の受験生の学力層と近く、万が一の場合の受け皿として検討されています。

町田総合高等学校に設置されている学科・コース

町田総合高等学校は、普通科や専門学科とは異なる「総合学科」の高校です。総合学科の最大の特徴は、生徒が自分の興味・関心や進路希望に応じて、多くの選択科目の中から自由に授業を選び、自分だけの時間割を作成できる点にあります。

生徒の科目選択の指針となるように、以下の4つの「系列」が設けられています。

  • ひと系列: 心理、福祉、保育、看護など、人間そのものや他者との関わりについて深く学びたい人におすすめ。

  • まち系列: 経済、ビジネス、国際関係、地域の歴史や文化など、社会の仕組みや成り立ちに興味がある人におすすめ。

  • くらし系列: ファッション、フードデザイン、インテリアなど、私たちの生活を豊かにする衣食住について学びたい人におすすめ。

  • 自然系列: 環境問題、バイオテクノロジー、地球科学など、自然科学や生命の不思議を探求したい人におすすめ。

1年次には全員が「産業社会と人間」という科目を履修し、自分の将来や生き方について考えます。その上で、いずれかの系列を軸にしながらも、他の系列の科目を横断的に履修することも可能です。この柔軟なカリキュラムが、町田総合高等学校の大きな魅力となっています。

町田総合高等学校の特色・校風

町田総合高等学校の校風は、生徒の自主性を重んじる「自由」な雰囲気が特徴と言えるでしょう。総合学科という特性上、生徒一人ひとりが自分の学びたいことを選択するため、多様な個性や考え方を持つ生徒が集まっています。

  • 宿題の量: 宿題の量は、選択する科目によって大きく異なるようですが、全体的には標準的か、やや少なめという声が多いようです。ただし、レポート提出や発表準備など、授業外での学習が必要な科目もあります。

  • 校則: 校則は、他の都立高校と比較すると比較的緩やかだという評判です。例えば、頭髪については染色は禁止されていますが、髪型は比較的自由なようです。制服の着こなしについては、ある程度の指導は入るものの、厳しすぎないという意見が見られます。

  • 生徒たちの雰囲気: 女子生徒の比率が高めの学校です。生徒の雰囲気は、活発で明るい生徒が多い一方で、様々な興味を持つ生徒がいるため、全体としては「多種多様」という言葉がしっくりきます。気の合う友人を見つけやすいという口コミも見られます。

  • アルバイト: 家庭の事情などがある場合は、届け出をすればアルバイトは可能です。

  • 制服の評判: 制服はブレザースタイルで、上品なデザインが評判です。リボンやネクタイ、セーター、ベスト、スラックスなどのオプションも用意されており、自分らしい着こなしを楽しむことができます。

  • 土曜授業: 土曜授業は基本的にありません。

町田総合高等学校の部活動・イベント

部活動

町田総合高等学校では多くの部活動が活発に活動しており、自分の興味に合わせて様々な選択肢があります。

特にバドミントン部は強化部に指定されており、関東大会出場などの実績を多数残しています。東京都から「Sport-Science Promotion Club」にも指定され、科学的なトレーニングを取り入れた効率的な練習を行っているのが特徴です。また、部員数が最も多いダンス部も全国大会に出場するなど、近年目覚ましい活躍を見せています。

他にも、元プロサッカー選手が顧問を務めるサッカー部や、女子ラクロス部、バトントワリング部といった、他の高校ではあまり見られない珍しい部活動があるのも魅力の一つです。運動部、文化部ともに充実しており、自分に合った部活動を見つけやすい環境です。

イベント

町田総合高等学校の学校生活は、多彩なイベントによって彩られています。

  • 体育祭: 6月に行われる体育祭は、学校全体が非常に盛り上がる行事の一つです。特に、3つの団に分かれて繰り広げられる応援合戦は圧巻で、各団が練習を重ねて仕上げたダンスパフォーマンスが見どころとなっています。

  • 光輝祭(文化祭): 9月に行われる文化祭は「光輝祭」と呼ばれ、各クラスや部活動、選択科目の授業での日頃の学習成果を発表する場となっています。中でもダンス部の公演は体育館が満員になるほどの人気です。

  • 修学旅行: 2年次に実施され、行き先は沖縄などになることが多いようです。

  • 産社・探究発表会: 1年次の「産業社会と人間」や2、3年次の「探究」の学習成果を発表する機会も設けられており、地域の方々と連携しながら学んだことを発表します。

町田総合高等学校の進学実績

町田総合高等学校は、総合学科の特色を活かし、大学、短期大学、専門学校、就職など、生徒一人ひとりの多様な進路希望に対応しています。

最新の進学実績を見ると、4年制大学への進学者が最も多く、全体の約半数を占めています。次いで専門学校への進学者が多くなっています。

主な大学進学先としては、桜美林大学、国士舘大学、帝京大学、玉川大学、駒澤大学、日本大学など、中堅私立大学への進学が中心です。指定校推薦枠も多く確保されているようです。

また、町田総合高等学校では進路実現に向けたサポート体制も整っています。1年次からの体系的なキャリア教育に加え、夏期・冬期講習なども実施されており、生徒の学習を後押ししています。「探究」の授業で4000字以上の論文を作成する経験は、総合型選抜や学校推薦型選抜でのアピールにも繋がります。

町田総合高等学校の特長・アピールポイント

町田総合高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。

  • 自分だけの時間割が作れる「総合学科」: 最大の特長は、約100以上ある豊富な選択科目から、自分の興味や進路に合わせて自由に授業を選べることです。

  • 将来を見据えるキャリア教育: 1年次の「産業社会と人間」や、2・3年次の「探究」といった授業を通して、社会で生きる力や自分の将来について深く考える機会が豊富にあります。

  • 4つの専門的な「系列」: 「ひと」「まち」「くらし」「自然」という4つの系列が、科目選択の道しるべとなり、専門的な学びを深める手助けをしてくれます。

  • 充実した施設・設備: プロ仕様の調理室やビジネス実践室、大講義室、広いグラウンドなど、専門的な学びをサポートする施設が整っています。

  • 探究学習(IBL)の推進: 近隣の大学と連携した探究学習(IBL)を実施しており、大学の講義を体験したり、大学生と交流したりする機会があります。

  • 活発な部活動: 全国レベルで活躍するダンス部や、強化指定のバドミントン部をはじめ、多くの部活動が盛んに活動しています。

  • 生徒主体で盛り上がる学校行事: 体育祭の応援合戦や文化祭(光輝祭)など、生徒が中心となって創り上げる行事は、学校生活をより一層楽しいものにしています。

町田総合高等学校の口コミ・評判のまとめ

町田総合高等学校に関する在校生や卒業生からの口コミをまとめました。良い点と気になる点の両方を知ることで、よりリアルな学校生活をイメージできるでしょう。

  • 良い点:

    • 「総合学科なので、自分の好きな科目を選んで学べるのが楽しい」

    • 「色々な興味を持つ人がいるので、たくさんの友達ができる」

    • 「制服が可愛いと評判が良い」

    • 「先生方は親身に進路相談に乗ってくれる」

    • 「体育祭や文化祭などの行事がとても盛り上がる」

    • 「校則が緩やかで、自由な雰囲気がある」

  • 気になる点:

    • 「駅から遠く、バスを利用する必要があるのが少し不便」

    • 「自由な校風な分、周りに流されやすい人は注意が必要かもしれない」

    • 「大学進学を真剣に考えている人にとっては、少し物足りない環境かもしれない」

    • 「生徒の学習意欲に差があるように感じる」

    • 「施設が少し古いという意見がある」

アクセス・通学

町田総合高等学校への主なアクセス方法は以下の通りです。

  • JR横浜線・小田急線「町田駅」からバスで約15分、「町田総合高校前」下車。

  • JR横浜線「淵野辺駅」からバスで約10分、「町田総合高校前」下車。

  • JR横浜線「古淵駅」から徒歩で約25分。

多くの生徒が町田駅や淵野辺駅からバスを利用して通学しています。通学エリアとしては、町田市内から通う生徒が中心ですが、近隣の相模原市や八王子市などから通学している生徒もいます。

町田総合高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

町田総合高等学校は、「高校生活を通して、自分の本当にやりたいことを見つけたい」と考えているあなたに、特におすすめしたい学校です。幅広い分野の授業から自由に選択できる環境は、あなたの知的好奇心を刺激し、新たな可能性の扉を開いてくれるはずです。自分の興味を追求したいという強い意志があれば、町田総合高等学校での3年間は、間違いなく充実したものになるでしょう。

受験勉強においては、まずは基礎学力をしっかりと固めることが大切です。特に主要5教科の内申点をバランス良く取ることが、合格への近道となります。過去問を解いて出題傾向に慣れておくとともに、苦手分野を一つひとつ着実に克服していきましょう。

町田総合高等学校で、自分だけの学びをデザインし、未来の夢に向かって大きく羽ばたいてください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。