神奈川県立海洋科学高等学校は、その名の通り「海」について専門的に学べる、神奈川県で唯一の水産・海洋系の高校です。 普通科の高校とは一味違い、船舶の運航や食品加工、海洋生物、無線技術など、海に関わる多種多様な分野を実践的に探求できるのが最大の魅力です。 専門知識や技術を身につけながら、海のスペシャリストを目指すことができます。

「海が好き」「船に興味がある」「将来は海に関わる仕事がしたい」そんな熱い想いを持つ中学生にとって、神奈川県立海洋科学高等学校での3年間は、夢への大きな一歩となるでしょう。座学だけでなく、実習船「わかしお」に乗って釣りをしたり、カッター訓練をしたりと、五感で海を学ぶ体験的な授業が豊富に用意されています。

この記事では、そんな神奈川県立海洋科学高等学校の具体的な学びの内容から、偏差値や難易度、気になる学校生活の様子まで、進学アドバイザーとして詳しく解説していきます。あなたの「知りたい!」に応え、高校選びの参考にしていただければ幸いです。

神奈川県立海洋科学高等学校の基本情報

神奈川県立海洋科学高等学校の基本的な情報を表にまとめました。

項目 内容
正式名称 神奈川県立海洋科学高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒240-0101 神奈川県横須賀市長坂1-2-1
代表電話番号 046-856-3128
公式サイト https://www.pen-kanagawa.ed.jp/kaiyokagaku-h/

神奈川県立海洋科学高等学校の偏差値・難易度・併願校

神奈川県立海洋科学高等学校は専門学科のみを設置しているため、普通科の高校とは少し物差しが異なりますが、自分の学力と照らし合わせて、どのくらいの難易度なのかをしっかり把握しておきましょう。

学科・コースごとの最新の偏差値の目安は以下の通りです。

  • 船舶運航科:41

  • 水産食品科:41

  • 無線技術科:41

  • 生物環境科:41

同じくらいの偏差値の他の公立高校としては、三浦初声高等学校(普通科)などが挙げられます。 合格に必要な内申点の目安は、各学科ともに70台前半(135点満点中)あたりが一つの目標となりそうです。ただし、これはあくまで目安なので、説明会などで最新の情報を確認するようにしてください。

神奈川県の公立高校入試では、他の公立高校を併願することはできません。そのため、神奈川県立海洋科学高等学校を第一志望とする場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、三浦学苑高等学校などが挙げられるようです。

神奈川県立海洋科学高等学校に設置されている学科・コース

神奈川県立海洋科学高等学校には、海に関する専門分野を深く学べる4つの特色ある学科が設置されています。 それぞれの学科で学べる内容や、どんな生徒におすすめかを紹介します。

  • 船舶運航科

    • どんなことを学ぶ?:船の運航やエンジンのメンテナンス、漁業生産の技術を学びます。 3年生ではハワイへの遠洋航海実習も経験できます。

    • どんな生徒におすすめ?:将来、船長や機関士など、船を動かす仕事に就きたい人。

  • 水産食品科

    • どんなことを学ぶ?:かまぼこや缶詰などの水産加工品の製造技術や、食品の衛生管理、流通について学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:食品開発や調理、食の安全に興味がある人。

  • 無線技術科

    • どんなことを学ぶ?:携帯電話やドローンにも使われる無線技術や情報通信、最先端の造船技術について学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:通信技術やドローン、メカニックな分野に興味があり、進学も視野に入れている人。

  • 生物環境科

    • どんなことを学ぶ?:魚や貝などの水産生物の飼育や養殖技術、海洋環境の保全について学びます。 大学進学に対応した科目もあります。

    • どんな生徒におすすめ?:生き物が好きで、水族館の飼育員や環境調査などの仕事に興味がある人。

神奈川県立海洋科学高等学校の特色・校風

神奈川県立海洋科学高等学校は、「海のスペシャリスト」を目指す生徒たちが集まる、活気と探究心にあふれた学校です。

  • 校風:専門的、実践重視、アットホーム

  • 宿題の量:専門的な実習やレポートが多く、一般的な普通科高校とは少し違う忙しさがあるようです。計画的に学習を進める必要があります。

  • 校則:他の高校と比較すると、特に厳しいという声は少ないようです。ただし、実習などでは安全確保のために厳しい指導が入ることもあります。スマホの使用については、授業中など基本的なルールは守る必要があります。

  • 生徒たちの雰囲気:海や魚、船が好きという共通の興味を持った生徒が多く、真面目で落ち着いた雰囲気があるようです。男女比は学科によって異なりますが、お互いに協力し合いながら学校生活を送っています。

  • アルバイト:届出をすれば可能という情報がありますが、実習などで忙しくなる時期もあるため、学業との両立を考える必要がありそうです。

  • 制服の評判:ブレザータイプの制服で、特に女子生徒の制服は可愛いと評判のようです。夏服や冬服、ベストなど、バリエーションもあります。

  • 土曜授業:基本的に土曜授業はないようですが、実習や学校行事が入る場合があります。

神奈川県立海洋科学高等学校の部活動・イベント

部活動

神奈川県立海洋科学高等学校には、約15の部活動・サークルがあり、専門高校ならではの特色ある活動が盛んです。

  • 運動部:特にウェイトリフティング部や舟艇部(カッター)が有名です。日々の練習の成果を発揮し、大会でも活躍しています。その他、ウィンドサーフィンサークルなど、マリンスポーツを楽しめる活動もあります。

  • 文化部:水産生物部や電子研究部など、学科での学びをさらに深められる部活動が人気です。 水産生物部は、地域の小学校と連携してヒラメの放流体験会を行うなど、ユニークな活動をしています。

イベント

海を舞台にしたダイナミックなイベントが多く、生徒たちの思い出に深く刻まれています。

  • 海洋祭(文化祭):毎年10月に開催される文化祭は「海洋祭」と呼ばれ、地域の人々も楽しみにしている大きなイベントです。 マグロの解体ショーや、生徒たちが作った缶詰などの実習製品の販売は特に人気で、毎年長蛇の列ができるほどです。

  • 体育祭:12月に行われ、クラス対抗で熱い戦いが繰り広げられます。

  • 修学旅行:9月に実施されます。 行き先はその年によって異なりますが、沖縄など自然や文化に触れる体験ができる場所が選ばれることが多いようです。

  • 湘南丸一日体験乗船:1年生の時には、実習船「湘南丸」に乗船する体験があります。 これから始まる本格的な実習への期待が膨らむイベントです。

神奈川県立海洋科学高等学校の進学実績

神奈川県立海洋科学高等学校の卒業生は、専門知識や取得した資格を活かして、多様な進路に進んでいます。大学進学だけでなく、専門性を高めるための専攻科への進学や、即戦力として就職する生徒が多いのが特徴です。

  • 大学進学:東京海洋大学をはじめとする海洋・水産系の国公立大学や私立大学への進学実績があります。生物環境科など、進学に力を入れている学科もあります。

  • 専攻科進学:高校卒業後、さらに2年間専門知識を深め、航海士や機関士などの上級国家資格を目指す「専攻科」が設置されています。 多くの生徒が専攻科へ進学し、海のプロフェッショナルを目指します。

  • 就職:水産会社や食品会社、船舶関連企業などへの就職率が非常に高く、就職内定率は100%を誇ります。 警察庁や海上保安庁などの官公庁で技術者として活躍する卒業生もいます。

学校では、生徒一人ひとりの進路希望に合わせて、きめ細やかな進路指導が行われています。

神奈川県立海洋科学高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、神奈川県立海洋科学高等学校ならではの魅力を7つのポイントにまとめました。

  • 県内唯一の「水産・海洋系」専門高校:海に関する多岐にわたる分野を専門的に学べる神奈川県で唯一の高校です。

  • 2隻の実習船を保有:大型実習船「湘南丸」と小型実習船「わかしお」を保有しており、本格的な乗船実習や漁業実習が体験できます。

  • ハワイへの遠洋航海実習:船舶運航科の3年生は、約2ヶ月間にわたるハワイへの遠洋航海実習に参加します。

  • 多数の国家資格・専門資格の取得:在学中に、海技士、無線従事者、ダイビングライセンス、小型船舶操縦士、食品衛生責任者など、将来に役立つ多くの資格取得にチャレンジできます。

  • 全国初!ドローンの登録講習機関:公立高校としては全国で初めて、ドローン操縦士の登録講習機関に認定されました。 校内で講習を受け、試験の一部が免除されます。

  • 地域と連携した実践的な学び:地域の漁協や研究機関と協力し、ヒラメの種苗生産と放流を行うなど、社会に貢献する実践的な学びを経験できます。

  • 卒業後の多様な進路:大学進学から専攻科進学、専門性を活かした就職まで、幅広い進路選択が可能です。

神奈川県立海洋科学高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、専門的な学びに対する満足度の高い声が多く聞かれます。

  • 良い点:

    • 「普通の高校では絶対にできないような、船に乗ったり魚をさばいたりする実習が楽しい」

    • 「同じ目標を持つ仲間と出会え、充実した3年間を過ごせる」

    • 「先生方が専門知識豊富で、丁寧にサポートしてくれる」

    • 「たくさんの資格が取れるので、将来の選択肢が広がる」

    • 「就職率がとても良いので安心できる」

  • 気になる点:

    • 「駅からバスに乗る必要があり、アクセスが少し不便」

    • 「専門的な勉強が多いので、海に興味がないと辛いかもしれない」

    • 「実習が多く、体力的に大変なこともある」

    • 「施設や設備が少し古い部分がある」という意見も見られます。

アクセス・通学

神奈川県立海洋科学高等学校へのアクセスは、複数の駅からバスを利用するのが一般的です。

  • JR横須賀線「逗子駅」・京急線「逗子・葉山駅」より

    • 京急バス「横須賀市民病院」行きまたは「長井」行き乗車(約40分)、「横須賀市民病院」下車、徒歩約2〜4分

  • 京急線「三崎口駅」より

    • 京急バス「横須賀市民病院」行き乗車(約20分)、「横須賀市民病院」下車、徒歩約2〜4分

  • 京急線「横須賀中央駅」より

    • 京急バス「横須賀市民病院」行き乗車(約35分)、「横須賀市民病院」下車、徒歩約2〜4分

横須賀市や三浦市、逗子市など、三浦半島全域から多くの生徒が通学しています。

神奈川県立海洋科学高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

神奈川県立海洋科学高等学校は、「好き」という気持ちを原動力に、専門的な知識と技術をとことん追求できる素晴らしい環境です。もしあなたが、広大な海の世界に心を惹かれ、将来は海を舞台に活躍したいと本気で考えているなら、この神奈川県立海洋科学高等学校は最高の選択肢になるでしょう。

受験勉強においては、まずは中学校の基礎学力をしっかりと固めることが大切です。特に、理科や数学は、入学後の専門科目を理解する上で土台となりますので、苦手意識をなくしておくことをお勧めします。また、面接では「なぜこの高校で学びたいのか」「将来どんなことをしたいのか」という熱意が問われます。学校説明会や体験乗船などに積極的に参加し、自分の言葉で夢を語れるように準備しておきましょう。あなたの挑戦を心から応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。