筑波大学附属坂戸高等学校、通称「筑坂(つくさか)」は、埼玉県坂戸市にある、県内唯一の国立高等学校です。普通科の高校とはひと味もふた味も違う、ユニークな学びが最大の魅力。広大な敷地には農場や様々な実験設備が整っており、まるで大学のキャンパスのような環境で、自分の興味や関心をどこまでも深く探究することができます。

「自由・自律・自覚」を校訓に掲げる筑波大学附属坂戸高等学校では、生徒一人ひとりの主体性が尊重されます。校則も比較的自由で、服装や髪型も生徒自身の判断に委ねられる場面が多いようです。先生や仲間との対話を大切にしながら、自分だけの学びのスタイルを確立していけるのが、この学校の素晴らしいところです。

この記事では、そんな筑波大学附属坂戸高等学校の魅力を、偏差値や難易度、特色あるカリキュラム、生徒たちのリアルな声などを通して、詳しくご紹介していきます。普通の高校では物足りない、自分の「好き」をとことん追求したい、そんなあなたにぴったりの学校かもしれません。

筑波大学附属坂戸高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 筑波大学附属坂戸高等学校(つくばだいがくふぞくさかどこうとうがっこう)
公立/私立の別 国立
共学/男子校/女子校の別 男女共学
所在地 〒350-0214 埼玉県坂戸市千代田一丁目24番1号
代表電話番号 049-281-1541
公式サイトURL https://www.sakado.tsukuba.ac.jp/

筑波大学附属坂戸高等学校の偏差値・難易度・併願校

筑波大学附属坂戸高等学校の偏差値は57前後とされています。埼玉県内の国公立高校の中では上位に位置し、しっかりとした学力が必要です。

同じくらいの偏差値の高校としては、公立では川越南高校(普通科)、和光国際高校(普通科)、市立浦和南高校(普通科)などが挙げられます。ただし、筑坂の入試は学力試験だけでなく、小論文や面接も重視されるため、単純な偏差値だけでは難易度を測れないのが特徴です。自分の考えをまとめ、表現する力が求められるでしょう。

主な併願校としては、国立という特性上、私立高校を選ぶ生徒が多いようです。具体的には、東京農業大学第三高等学校、西武学園文理高等学校星野高等学校、川越東高等学校、淑徳与野高等学校など、探究活動やグローバル教育に力を入れている進学校が選ばれる傾向にあります。

筑波大学附属坂戸高等学校に設置されている学科・コース

筑波大学附属坂戸高等学校は、全国で初めて設置された「総合学科」の高校です。 必修科目に加えて、非常に多くの選択科目の中から、自分の興味や進路希望に合わせてオリジナルの時間割を作ることができます。2年次からは、より専門的な学びを深めるために、以下の4つの「科目群」から1つを選択します。

  • 生物資源・環境科学科目群

    • どんなことを学ぶ?:農業や食品、バイオテクノロジー、環境問題など、生命や自然科学に関する分野を実践的に学びます。広大な農場での実習が豊富です。

    • どんな生徒におすすめ?:生き物や植物が好き、環境問題に関心がある、将来は食品開発や研究の道に進みたい人。

  • 工学システム・情報科学科目群

    • どんなことを学ぶ?:機械、電気、情報技術の基礎から応用までを学びます。プログラミングやロボット制御など、ものづくりの楽しさを体験できます。

    • どんな生徒におすすめ?:PCや機械いじりが好き、プログラミングに興味がある、エンジニアや研究者を目指したい人。

  • 生活・人間科学科目群

    • どんなことを学ぶ?:福祉、保育、栄養、調理、被服など、人の生活や健康、発達に関わる分野を幅広く学びます。

    • どんな生徒におすすめ?:人の役に立つ仕事がしたい、教育や福祉、栄養士や調理師などの専門職に興味がある人。

  • 人文社会・コミュニケーション科目群

    • どんなことを学ぶ?:語学や国際関係、経済、歴史、心理学など、人文・社会科学系の分野を探究します。ディベートやプレゼンテーションの機会も豊富です。

    • どんな生徒におすすめ?:外国語や異文化に興味がある、社会の仕組みを知りたい、グローバルな舞台で活躍したい人。

また、これらのクラスとは別に、海外の大学への進学も視野に入れた「国際バカロレアコース」も設置されています。

筑波大学附属坂戸高等学校の特色・校風

筑波大学附属坂戸高等学校の校風は、「自由・自律・自覚」という校訓に象徴されるように、生徒の主体性を最大限に尊重する文化が根付いています。キーワードで表すなら「自主探究」「多様性」「グローバル」といった言葉がぴったりでしょう。

  • 宿題の量:一般的な高校のような宿題は少ないものの、探究活動や卒業研究など、自分でテーマを設定して進めるレポートや論文作成の課題が多いようです。 受け身ではなく、能動的に学ぶ姿勢が求められます。

  • 校則:校則は比較的緩やかで、生徒の自主性に任されている部分が大きいと言われています。 服装や髪型に関する厳しい規則はなく、私服での登校が可能な日もあります。 スマートフォンの持ち込みも可能で、授業で活用することもあるようです。 この自由な環境の中で、生徒一人ひとりが状況を判断し、責任ある行動をとることが期待されています。

  • 生徒たちの雰囲気:全国から様々なバックグラウンドを持つ生徒が集まるため、非常に個性的で多様性に富んだ雰囲気です。 帰国生や留学生も多く在籍し、日常的に異文化に触れることができます。 お互いの違いを認め合い、刺激し合える環境は、筑坂ならではの魅力です。

  • アルバイト:原則として禁止されているようですが、家庭の事情などによっては許可される場合もあるようです。

  • 制服の評判:制服はありますが、服装が自由な日も多いため、着こなしの自由度は高いようです。

  • 土曜授業:土曜日や長期休業中に開講される「時間割外科目」があり、校内での実習や国内外でのフィールドワーク、筑波大学での演習・授業などを選択して受講することができます。

筑波大学附属坂戸高等学校の部活動・イベント

部活動

筑波大学附属坂戸高等学校では、多くの生徒が部活動に加入し、活気にあふれています。運動部、文化部ともに種類が豊富で、自分の興味に合わせて選ぶことができます。

特にユニークなのが、学校の特色を活かした部活動です。例えば、広大な農場を活かした農業系の部活動では、野菜や果物を育てたり、家畜の世話をしたりと、他校ではできない貴重な体験ができます。また、文化部では演劇部が全国大会に出場経験があるなど、高いレベルで活動している部もあります。 ビジネス研究部やかるた部など、個性的な部活動も魅力です。

イベント

筑坂の学校行事は、生徒が主体となって企画・運営されるものが多く、非常に盛り上がります。

  • 黎明祭(文化祭):毎年9月に行われる文化祭は、各クラスや部活動が趣向を凝らした展示や発表、模擬店などを出店します。 特に、農業系の科目群で収穫された新鮮な野菜や加工品の販売は人気を集めているようです。

  • 体育祭:5月に行われる体育祭は、学年やクラス対抗で様々な競技に熱中します。

  • コミュニケーションキャンプ:新入生を対象に行われる宿泊研修で、仲間との絆を深める良い機会となっています。

  • 海外研修・フィールドワーク:SGH(スーパーグローバルハイスクール)ネットワーク校として、海外でのフィールドワークや国際交流の機会が豊富に用意されています。 これらの経験を通して、グローバルな視点を養うことができます。

筑波大学附属坂戸高等学校の進学実績

筑波大学附属坂戸高等学校の生徒たちは、探究活動で培った力を活かし、多様な進路を実現しています。推薦入試やAO入試(総合型選抜)での大学進学に強みを見せるのが大きな特徴です。

附属校ではありますが、筑波大学への内部進学には厳しい基準があり、希望者全員が進学できるわけではありません。 しかし、筑波大学をはじめとする国公立大学へは毎年多くの合格者を出しています。2024年度の大学進学実績を見ると、東京大学に1名、その他の国公立大学に9名が合格しています。

難関私立大学にも多数の合格実績があり、GMARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)には11名、早慶上理ICUには2名が合格しています。 その他、東京農業大学など、学校での学びを活かせる大学への進学者が多いのも特徴です。

こうした進学実績は、日々の探究活動や卒業研究を通して、自分の興味や課題を深く掘り下げ、それを大学での学びに繋げる力が養われるためと言えるでしょう。

筑波大学附属坂戸高等学校の特長・アピールポイント

他の高校にはない、筑波大学附属坂戸高等学校ならではの魅力をまとめました。

  • 大学レベルの広大な敷地と充実した設備:東京ドーム約5個分の敷地には、農場、果樹園、ガラス温室、畜舎、各種実験室などが揃っており、本格的な研究・探究活動が可能です。

  • 自分で作るオーダーメイドの時間割:総合学科のため、200以上ある選択科目から自分の興味や進路に合わせて自由に時間割を組み立てることができます。

  • 「探究」が学びの中心:1年次から卒業研究まで、3年間を通して探究活動が必修となっています。自分で課題を見つけ、仮説を立て、検証し、発表するというプロセスを通して、本質的な学ぶ力が身につきます。

  • 筑波大学との高大連携:筑波大学の授業を受けたり、留学生と交流したりする機会が豊富にあります。 最先端の研究に触れることができるのは、附属校ならではの大きなメリットです。

  • 多様な仲間と出会えるグローバルな環境:スーパーグローバルハイスクール(SGH)ネットワーク校であり、国際バカロレア(IB)認定校でもあります。 帰国生や留学生が多く、多様な価値観に触れながら学ぶことができます。

  • 生徒の自主性を重んじる「自由・自律・自覚」の校風:校則は比較的緩やかで、生徒の判断が尊重されます。 自由な環境の中で、自分で考えて行動する力が養われます。

  • 実践的な学びと体験活動:国内外でのフィールドワークや、農場での実習など、座学だけでは得られない実践的な学びの機会が数多く用意されています。

筑波大学附属坂戸高等学校の口コミ・評判のまとめ

在校生や卒業生からは、筑波大学附属坂戸高等学校のユニークな教育環境を評価する声が数多く寄せられています。

  • 良い点:

    • 「普通科ではできない専門的な勉強ができるのが楽しい」

    • 「自分の好きなことをとことん探究できる環境がある」

    • 「校風が自由で、のびのびと学校生活を送れる」

    • 「個性的な友達が多く、毎日が刺激的」

    • 「探究活動を通して、プレゼン能力や論理的思考力が身についた」

    • 「先生方が生徒一人ひとりの興味に寄り添ってサポートしてくれる」

  • 気になる点:

    • 「駅から学校まで少し歩くので、アクセスが少し不便」

    • 「自然豊かな環境なので、虫が多いのは覚悟したほうがいい」

    • 「レポートや研究が多くて大変な時もある」

    • 「自由な分、自分でしっかり計画を立てないと流されてしまう可能性がある」

アクセス・通学

筑波大学附属坂戸高等学校へのアクセスは以下の通りです。

  • 東武東上線「若葉駅」東口から徒歩約9分

  • 東武東上線「坂戸駅」南口から徒歩約20分

県内唯一の国立高校ということもあり、坂戸市や鶴ヶ島市など近隣の市だけでなく、さいたま市や川越市、所沢市など、県内の広い範囲から生徒が通学しているようです。

筑波大学附属坂戸高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

筑波大学附属坂戸高等学校は、単に偏差値が高いからという理由だけで選ぶ学校ではありません。この学校が本当に求めているのは、「学びたい」という強い意欲と、尽きることのない探究心を持った生徒です。もしあなたが、「好きなことならいくらでも時間をかけられる」「なぜだろう?と考えるのが好き」「人とは違う経験をしてみたい」と思っているなら、筑波大学附属坂戸高等学校は最高の環境になるはずです。

受験勉強においては、5教科の基礎学力を固めることはもちろんですが、それ以上に「なぜ筑坂で学びたいのか」「筑坂で何をしたいのか」を自分の言葉で語れるようにしておくことが重要です。学校説明会やオープンスクールには積極的に参加し、学校の雰囲気を肌で感じてみてください。面接や小論文では、あなたの熱意と個性が試されます。自分だけのストーリーを胸に、自信を持って挑戦してください。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。