福岡県立育徳館高等学校は、1758年に開設された小倉藩の藩校「思永斎」を源流とする、県下で最も長い歴史と伝統を誇る学校です。 260年以上の時を経て、今もなお「文武両道」「質実剛健」の校風を受け継ぎ、次世代のリーダー育成を目指しています。 中高一貫校でありながら高校からの入学者も受け入れており、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが互いに切磋琢磨できる環境が育徳館高等学校の大きな魅力です。

長い歴史の中で、政界や財界、文化人など数多くの著名な卒業生を輩出してきました。 校内に残る藩校時代の「黒門」や、県の重要文化財である講堂「思永館」は、その歴史の深さを今に伝えています。 このような環境で学ぶことは、生徒にとって大きな誇りとなるでしょう。

この記事では、そんな歴史と伝統ある育徳館高等学校について、偏差値や校風、部活動、進学実績など、受験生や保護者の皆さんが知りたい情報を詳しく解説していきます。育徳館高等学校がどのような学校なのか、その魅力を存分にお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

育徳館高等学校の基本情報

項目 内容
正式名称 福岡県立育徳館高等学校
公立/私立の別 公立
共学/男子校/女子校の別 共学
所在地 〒824-0121 福岡県京都郡みやこ町豊津973
代表電話番号 0930-33-2003
公式サイト https://ikutoku-h.fku.ed.jp/

育徳館高等学校の偏差値・難易度・併願校

育徳館高等学校の偏差値は51程度とされています。 これは福岡県内の公立高校の中では中堅レベルに位置します。しかし、藩校からの長い歴史を持つ伝統校であり、落ち着いた環境で学習に集中したい生徒からの人気が高いのが育徳館高等学校の特色です。

合格に必要な内申点の目安としては、30台前半から中盤あたりが一つの目標となりそうです。ただし、これはあくまで目安であり、当日の学力試験の結果も重要になります。日々の授業を大切にし、基礎学力をしっかりと固めておくことが合格への鍵となります。

福岡県の公立高校入試では、原則として他の公立高校を併願することはできません。そのため、育徳館高等学校を受験する場合、併願校は私立高校から選ぶことになります。主な併願校としては、近隣の敬愛高等学校、常磐高等学校、東筑紫学園高等学校などが挙げられることが多いようです。これらの私立高校の特進コースなどを併願し、万全の態勢で受験に臨む生徒が多い傾向があります。

育徳館高等学校に設置されている学科・コース

育徳館高等学校は、普通科のみを設置しており、特別なコース分けはありません。 1年次は全員が共通のカリキュラムで学び、基礎学力の定着を図ります。 そして、2年次から文系と理系のクラスに分かれ、それぞれの進路希望に応じた専門的な学習を深めていきます。

育徳館高等学校では、生徒一人ひとりの進路実現に向けて、習熟度別授業や類型別のクラス編成を取り入れるなど、きめ細やかな指導を行っているのが特徴です。 これにより、自分の学力や目標に合ったペースで学習を進めることができます。

  • 普通科:1年次で文系・理系の基礎を幅広く学び、2年次からそれぞれの進路希望に合わせて分かれます。国公立大学や難関私立大学への進学を目指し、思考力や表現力を育む探究型の学習にも力を入れています。 将来の目標がまだ明確でない人でも、ここで学びながら自分の道を見つけていくことができるでしょう。

育徳館高等学校の特色・校風

育徳館高等学校の校風は、「文武両道」と「質実剛健」という言葉に象徴されます。 藩校を起源とする260年以上の歴史と伝統が、落ち着きと品位のある校風を育んでいます。

  • 宿題の量:課題は多めという声が見られます。特に長期休暇中の課題は量が多く、計画的に進める必要があるようです。日々の予習・復習を習慣づけることが大切になります。

  • 校則:校則は比較的厳しいという意見が多いようです。 特に頭髪については、男女ともに細かな規定があるようです。 スマートフォンの校内での使用は原則禁止されており、緊急時のみ許可される形です。 アルバイトも原則禁止ですが、やむを得ない事情がある場合は事前の相談が必要です。

  • 生徒たちの雰囲気:真面目で落ち着いた生徒が多いと言われています。中高一貫校であるため、内部進学生と高校からの入学生がいますが、行事などを通じてすぐに打ち解けるようです。

  • 制服:男子は伝統的な学生服、女子はグレーのブレザーにストライプのネクタイを合わせるスタイルです。 落ち着いたデザインで、品があると評判です。

  • 土曜授業:土曜授業は基本的にありませんが、模試などが実施されることはあります。

育徳館高等学校の部活動・イベント

部活動

育徳館高等学校は「文武両道」を掲げており、部活動も非常に盛んです。 多くの部が県大会や全国大会を目指して日々練習に励んでいます。

  • 運動部:野球、サッカー、剣道、柔道、弓道、陸上競技など、多くの運動部が活発に活動しています。 特に剣道部は、前身の豊津高校時代に玉竜旗でベスト4に入った実績を持つ伝統ある部です。

  • 文化部:文化部の中でも特に有名なのが、県内の高校では珍しいオーケストラ編成の管弦楽部です。 全国高等学校総合文化祭への出場経験もあり、その演奏は各方面から高い評価を受けています。 その他にも、華道、茶道、科学、文芸など、多彩な文化部があります。

イベント

育徳館高等学校の学校行事は、併設されている育徳館中学校と合同で実施されるものが多く、異年齢の生徒たちが交流を深める良い機会となっています。

  • 体育大会:5月に行われる体育大会は、中高合同で実施され、大変な盛り上がりを見せます。 学年を超えた応援合戦は見ごたえがあります。

  • 文化祭(翆巒祭):9月に行われる文化祭は「翆巒祭(すいらんさい)」と呼ばれ、生徒会が中心となって企画・運営されます。 クラスごとの展示やステージ発表、文化部の発表など、多彩なプログラムで彩られます。

  • 修学旅行:高校2年生の秋には、シンガポールへの海外修学旅行が実施されます。 現地企業の見学や大学生との交流などを通して、国際的な視野を広げる貴重な体験となります。

育徳館高等学校の進学実績

育徳館高等学校の生徒の多くは大学進学を目指しており、国公立大学を中心に高い進学実績を誇ります。 令和6年度(2025年3月)卒業生の国公立大学現役合格率は30.0%に達しています。

  • 国公立大学:九州大学、大阪大学、九州工業大学、北九州市立大学、福岡県立大学など、地元の難関大学や近県の大学に多くの合格者を出しています。 過去3年間では、京都大学や東京外国語大学といった最難関大学への合格者も輩出しています。

  • 難関私立大学:関東の青山学院大学や、関西の同志社大学、立命館大学、関西学院大学などにも合格者を出しています。 地元では西南学院大学や福岡大学への進学者も多数います。

  • 進学サポート:生徒の進路実現のため、放課後や長期休暇中に補習や講習が充実しています。また、総合的な探究の時間を利用した「課題研究」では、自らの進路に関連したテーマで探究活動を行い、思考力や表現力を養います。 この取り組みが進学実績にも繋がっていると言えるでしょう。

育徳館高等学校の特長・アピールポイント

育徳館高等学校には、他の高校にはない独自の魅力がたくさんあります。

  • 260年以上の歴史と伝統:小倉藩の藩校を源流とする福岡県最古の歴史を誇る伝統校です。 校内に残る「黒門」や講堂「思永館」がその歴史を物語っています。

  • 中高一貫の学習環境:併設型の中高一貫教育校であり、高校からの入学者も共に学ぶ環境です。 6年間を見通した系統的な指導プログラム「育徳ビジョン」に基づいた質の高い教育が受けられます。

  • 充実した探究活動「課題研究」:2年生が取り組む「育徳プラン」と呼ばれる課題研究は、生徒が自らの興味や進路に応じてテーマを設定し、1年間かけて探究するプログラムです。 思考力やプレゼンテーション能力を養います。

  • グローバルな視野を育む海外修学旅行:高校2年生で実施されるシンガポールへの修学旅行では、現地の企業訪問や大学での交流などを通じて、国際感覚を磨くことができます。

  • 県内有数のオーケストラ「管弦楽部」:高校では珍しい管弦楽部があり、全国レベルで活躍しています。 音楽に打ち込みたい生徒にとって、非常に魅力的な環境です。

  • 歴史的建造物が残る広大なキャンパス:みやこ町の「錦陵」と呼ばれる自然豊かな高台に広大な敷地を有しています。 歴史的な建造物と新しい校舎が調和した美しいキャンパスで、落ち着いて学校生活を送ることができます。

育徳館高等学校の口コミ・評判のまとめ

育徳館高等学校に関する口コミをまとめると、伝統ある落ち着いた環境で、真面目に学習や部活動に取り組みたい生徒にとって非常に評価が高い学校であることがわかります。

  • 良い点:

    • 「先生方が熱心で、質問にも丁寧に対応してくれる」という声が多く、学習サポートの手厚さがうかがえます。

    • 「文武両道を実践できる環境。部活動に打ち込みながら、大学進学も目指せる」といった、学校の校風を肯定的に捉える意見が多数見られます。

    • 「歴史と伝統があり、落ち着いた雰囲気で学校生活が送れる」という点も、多くの生徒や保護者から支持されています。

    • 「国公立大学への進学実績がしっかりしている」という、進路に関する安心感を挙げる声も多いです。

  • 気になる点:

    • 「校則が少し厳しいと感じる」という意見、特に頭髪やスマートフォンの使用に関するものが見られます。

    • 「課題の量が多い」と感じる生徒もいるようです。 日々の学習習慣が大切になります。

    • 「最寄り駅から少し距離がある」という立地に関する声もあります。 スクールバスなどはないため、バスや自転車を利用する生徒が多いようです。

アクセス・通学

育徳館高等学校は、みやこ町の閑静な高台に位置しています。

  • 最寄り駅からのアクセス:

    • 平成筑豊鉄道田川線「新豊津駅」から徒歩約22分

    • 平成筑豊鉄道田川線「豊津駅」から徒歩約31分

  • バスでのアクセス:

    • JR日豊本線「行橋駅」または「築城駅」から太陽交通バスに乗車し、「みやこ町役場豊津支所前」バス停で下車、徒歩約1分です。

  • 通学エリア:

    行橋市、みやこ町、築上町など、京築地域から通学する生徒が中心です。また、北九州市や田川市方面から通う生徒も見られます。

育徳館高等学校受験生へのワンポイントアドバイス

育徳館高等学校を目指す皆さんへ。この学校は、260年以上の歴史と伝統が息づく、落ち着いた環境でじっくりと学びたい人にぴったりの場所です。 「文武両道」の校風のもと、勉強にも部活動にも真剣に取り組みたい、そして国公立大学への進学という目標を叶えたい、そんな高い志を持つあなたを育徳館高等学校は待っています。

受験勉強においては、まず中学校の基礎を徹底的に固めることが何よりも大切です。特に英語・数学・国語の主要3教科は、毎日の積み重ねが力になります。内申点も重要な評価ポイントですので、定期テスト対策はもちろん、授業態度や提出物など、日々の学校生活を大切に過ごしてください。

育徳館高等学校は、真面目にコツコツと努力できる生徒を評価してくれる学校です。自分の夢に向かってひたむきに頑張れる、そんなあなたなら、きっと充実した3年間を送ることができるでしょう。応援しています!

※最新かつ正確な情報は、必ず高校の公式サイトや学校説明会で確認してください。